第1日目・・・・・・・山梨県の古典的鉱物産地を訪ねて
第2日目・・・・・・・長野県の新産地と古典的産地を訪ねて
参加者は、関東各都県、地元長野県、奈良、滋賀、大阪そして兵庫と広範囲で、久しぶりに参
加してくれたOB、OGさんに小学生もまじり、和気藹々(わきあいあい)のミネラル・ウオッチングに
なった。
初日の「山梨県の古典的産地を訪ねて」では、眼がよくて欲のない小学生が「ガドリン石」を続け
て2個採集し、周りの大人(特に父親)を悔しがらせた。東京・Hさんが採集した結晶も近来まれに
みる大きさだ。茨城・K兄が採集した「褐簾石」はピカピカの結晶で、この夜の「オークション」で高
値がついた。
産地の土砂を土嚢袋に入れて担いで山を降り、沢でパンニングするとベリリウム(Be)鉱物特有
の鮮緑色の結晶が皿の底に残り、歓声が上った。林道脇にある桑の木には黒紫色に熟した実が
鈴なりで、実を摘まんで口に入れるとその甘さとタップリのポリフェノールに疲れが吹き飛んだ。
「饅頭石」の産地「ホッチ峠」に着くと兵庫・N夫妻が首を長くして待っていた。挨拶もそこそこに、
産状や「饅頭石」伝説などを説明し、記念写真を撮るだけで後にした。
「饅頭石」の産地「饅頭峠」では、「黒アン」、「栗(黄色)アン」などいろいろな産状を観察し、記念
写真を撮って産地を後にした。駐車場に戻ると夏のミネラル・ウオッチング恒例のスイカが待って
いた。この日は、60%の降水確率だったが、『晴れ男』健在で、雨には降られなかった。
この日の宿・湯沼鉱泉に着くと、初日別行動の奈良・Aさん、Uさん、大阪・Oさんが待っていた。
続々と「オークション」と「玉手箱」の標本が集まり、担当者がテーブルの上に並べていく。まだ浴槽
が1つしかないので宴会までの間、男性→女性の順で入浴する。
女性陣が風呂から上ると宴会だ。宴会部長役も板についた東京・Kさんの司会で夜の部がスタ
ートし、まずはNさんの音頭で「乾杯!!」。冷たいビールが今日の疲れを忘れさせてくれる。しば
し歓談の後、参加者の近況報告だ。この会が久しぶりのミネラル・ウオッチングになる人も少なく
ない。
今回、『湯沼鉱泉雪害復興支援』としてオークションの売上金を湯沼鉱泉社長に寄付することと
それに恥ずかしくない目標金額をお伝えした。
宴会を終え、「オークション」に移ったのは、8時半近かった。オークショナーは兵庫・Nさんの奥さ
んで、ユーモア溢れる売り声に釣られて(?)、売り上げは順調に伸びる。神奈川・Ms.Tさんの手で
標本名・産地・出品者・落札者・落札金額がPCに次々と入力され、15年前とは様変わりだ。
120点あまりの標本がセリ落され、売上金は52,800円と過去最高並だ。今回参加しなかったが、
すばらしいオークション用標本を多数託してくれた三重・O兄には感謝だ。
「標本玉手箱」には、「ルビーシルバー」なども並び、小学生→女性→男性の順で好きなだけ取
ってもらい、例年になく”売れ残り”が少なかった。時計は10時半を回り、公式な”大人の時間”は
開催しなかったが、石(酒、それとも話?)好きなメンバーが集まり、不参加だった愛知・Hさんが
送ってくれた地酒を飲みながら石談義に熱が入り、気がつくと1時近くで、あわてて布団にもぐり
込んだ。
2日目、5時前に眼が覚めると、”シト、シト”と雨音がする。梅雨時期なので覚悟はしていたが
少々気が重い。7時から朝食だ。皆さんが食事している間に、PCに宿泊料金を入力すると、個人・
グループ別の参加費が一発で出る。会計・Ms.Tさんが集金してくれ、1円の違いもなく、”御名算”
だ。
「オークション」の売上金を兵庫・Nさんの奥さんから社長に贈呈していただき、社長・お姐さん・
Kさんも入って記念写真を撮り、出発だ。
「長野県の新産地と古典的産地を訪ねて」で、最初に訪れたのは、2013年秋に発見された水晶
の新産地だ。数日前に下見に訪れると、派手に掘り返されて”絶産”かと思ったが、まだ手付かず
のポイントが残されており、そこに皆さんを案内した。
このころになると、雨は上がったが、ドロドロのズリには苦戦させられたようだ。それでも皆さん
すばらしく透明な良晶を手にされ満足そうだ。Ms.Tさんも最後の最後にすばらしい逸品を手にして
喜んでいた。
”人生一寸先は闇”、といわれるように、Ms.Tさんは下山の途中、滑って転びそうになり手を突い
た拍子に左手をしたたか打ったらしい。見せてもらうと腫れ上っている。
古いHPを読んでいただくとお解かりのように、滋賀・Oさんや私は『腫れ男』の経験があるのだが、
Ms.Tさんも『晴れ女』ならぬ『腫れ女』になってしまった。
( 後で、骨折ではなく単なる打ち身だと知ったのでひとまず安心した )
次に訪れたのは、古い鉱山跡で、鮮緑色の「灰クロム柘榴石」がお目当てだ。ここでも、小学生
がすばらしい標本を手にし、全員が何個か採集できた。
この日も、スイカを食べ、再会を誓い、皆さんとお別れした。
今回、”ヒヤリ”とすることがあった後で、Ms.Tさんが打ち身というアクシデントに見舞われた。い
つも救護をお願いしているHさんの奥さんが不参加だと知った時点で、救護役を誰かにお願いしな
ければならなかったのだが決めてなかった。『15年間、事故がなかったのだから大丈夫だろう』、
という過信・油断が私にあったことを反省している。これを機に、原点に立ち返り、『安全第一』の
ミネラル・ウオッチングを続けたい。
( 2014年6月 開催 )
集合時間の15分前に○○駐車場に行くと、大阪・Tさんがいた。関東勢では、茨城・K兄弟、
東京・Kさん、Hさん、M親子、神奈川・Ms.Tさん、千葉・Aさん、Eさん、埼玉・Tさんが待っていた。
やがて、○○駐車場を取り違えていた長野・Mさんも駆けつけ、ここで集まるべき人は全員そろ
った。車を乗り合わせて出発だ。
(2) 「希元素鉱物」産地
林道入り口に到着、妻は駐車場の管理人だ。林道を入った人目に付かないところで(怪しい)
自己紹介だ。林道の終点から細い山道をたどると峠があり、いつもの石仏が出迎えてくれる。
ここで、安全を祈って手を合わせる。急な岩肌を登ると、木が一本もない”はげ”が広がってい
る。表面に結晶質の長石などが見えるので、表面をかじってみるが薄いペグマタイトの層があ
るだけで晶洞まで届きそうもない。
尾根に出て進むと「希元素鉱物」の産地だ。次のような手順で採集だ。
1) 持参した土嚢袋にズリの土砂を詰めてもらう。
2) ズリに展開して、ペグマタイト質のズリ石を丹念に観察し、希元素鉱物や柘榴石が
ついている標本を採集する。
3) 露頭を掘ってみる。
「希元素鉱物」は馴染みがないのか、皆さん苦戦している。緑色のシミやコケ、そして黒色の
黒雲母を「ガドリン石」と誤認する人が多い。まさに、『コケにされる』だ。
・ミネラル・ウオッチング用語集
( Terminology of Mineral Watching , Ibaraki Pref. )
大人の皆さんが苦戦する中、小学生のM君から鑑定依頼があったものは、間違いなく「ガド
リン石」だった。ほどなくしてM君が持ってきたのも「ガドリン石」で、周りの大人たち、特に父親
のMさんは悔しがっていた。
昼食の呼びかけをしたが、若手のMさんやHさんは、なかなか来ないので捜し続けているよう
だ。私が露頭を掘ってみると、「ガドリン石」が2つ採集でき、今夜の「オークション」用だ。
出発間際に集まってきたHさんが見せてくれたのは、結晶の大きさが7mm前後あり、近来ま
れに見る大きさだ。茨城・K兄が採集した「褐簾石」はピカピカの結晶で、この夜の「オークショ
ン」で高値が付くことになる。
産地の土砂入れた土嚢袋を担いで山を降り、沢でパンニングするとベリリウム(Be)鉱物特有
の鮮緑色の結晶が皿の底に残り、歓声が上った。
帰りしな、林道脇をふと見ると桑の木があり、黒紫色に熟した実が鈴なりだ。山梨県も、世界
遺産になった「富岡製糸場」に象徴される生糸の原料・繭をとるための養蚕が盛んだった。しか
し、和装の女性が少なくなり需要が減った上に安い中国産の繭が輸入されるようになって、国
内での養蚕は成り立たなくなった。蚕の飼料の桑の葉も不要になり、多くの「桑園」が果樹園
に転用されたり放棄されたままになっている。最近では、それらを活用し、有料で「桑の実摘み」
をさせるところが増え、都会からの観光客に人気だ。
さっそく皆さんに無料・「桑の実摘み」を体験していただく。黒紫色に熟した実の甘さとタップリ
のポリフェノールに疲れが吹き飛んだ。
♪♪ 夕焼け小焼けの赤トンボ ・・・・・・・桑の実を 小籠(こかご)に摘んだは幻か ♪♪
( 高度の高いこの辺ですら秋アカネが飛び始めるのは8月中旬で、その時期には桑の実は
ないはずだから、この歌は実際の景色ではなく創作なのだろう。それで「幻」なのだと、
一人合点するMHだった。 )
長島親子の「日本希元素鉱物」には、この産地の案内は○○○○氏に頼むとよい、とある。
10年以上昔に氏を訪ねるとすでに亡く、奥さんや娘さんにお会いし、「日本希元素鉱物」のコピー
を差し上げ、当時のお話を伺ったことを皆さんに披露した。この話は、次のページに載せた。
・ 山梨県甲府市竹日向の希元素鉱物
(Rare Element Minerals of Takehinata , Kofu City , Yamanashi Pref.)
(3) 「饅頭石」産地その1
再び○○駐車場に戻り、トイレを済ませ、「饅頭石」産地その1を目指す。「饅頭石」の産地
「ホッチ峠」に着くと兵庫・N夫妻が首を長くして待っていた。挨拶もそこそこに、天然記念物の
看板の前で「饅頭石」の成因・産状・伝説そして「饅頭石」を模した食べられる「饅頭」などを紹
介した。詳しくは次のページに載せておいた。
ここでは、記念写真を撮って産地を後にした。
(4) 「饅頭石」産地その2
山梨県にはもう一箇所「饅頭石」の産地がある。その名も「饅頭峠」だ。都合で出発が遅くな
った滋賀・Oさんが駐車場で待っていた。「饅頭峠」では、「黒アン」、「栗(黄色)アン」などいろ
いろな産状の「饅頭石」を観察し、記念写真を撮って産地を後にした。
駐車場に戻ると夏のミネラル・ウオッチング恒例のスイカが待っていた。残念ながらMH農園
のスイカは未だピンポン玉大でスーパーで買ったものだ。ここにも野生化した桑の木があり、
枝先には、たわわに実をつけていた。
この日のミネラル・ウオッチングはこれでオシマイだ。この日は、60%の降水確率だったが、
『晴れ男(女も?)』健在で、雨には降られなかった。
(このまま続けると容量が50KBを越え、テーブル(表)を誤表示するので分割する)
・ 2014年月遅れGWミネラルウオッチング- その2 -
( Mineral Watching Tour , Jun. 2014 , - Part2 - , Nagano Pref. )