2014年月遅れGWミネラルウオッチング - その2 -










     2014年月遅れGWミネラルウオッチング - その2 -

3. 【湯沼鉱泉の夜は更けて】

    この日の宿・湯沼鉱泉に着くと、初日別行動の奈良・Aさん、Uさん、大阪・Oさんが待っていた。
   ストーブ脇には、数日前に社長が某所で掘り出して担いできた「灰バン柘榴石・氷長石・鉄へステ
   ィング閃石」の結晶からなる群晶が無造作に置いてあった。Aさん一行は社長に聞いたこの産地
   を訪れ、同じような標本を採集し、その一部を「玉手箱」に提供してくれた。

    いつものように、宴会場の一隅が「オークション」、舞台が「玉手箱」の会場だ。続々と「オークシ
   ョン」と「玉手箱」の標本が集まり、担当者がテーブルの上に並べていく。
    まだ浴槽が1つしかないので宴会までの間に、男性→女性の順で交代で入浴する。

       
               「湯沼鉱泉浴場」外観
              【元の「女湯」だけ復旧】

 (1) 宴会
      女性陣が風呂から上ると宴会だ。宴会部長役も板についた東京・Kさんの司会で夜の部が
     スタートした。まずは兵庫・Nさんの音頭で「乾杯!!」。

       
                  乾杯!!
              【撮影:滋賀・Oさん】

      冷たいビールが今日の疲れを忘れさせてくれる。しばし歓談の後、参加者の近況報告だ。こ
     の会が久しぶりのミネラル・ウオッチングになる人も少なくない。
      大阪・Tさんは、この4月から家族を関東に残しての単身赴任生活が始まったが、関西地区に
     多くの石友がいるのは心強いようだ。( 参加者の1/3が関西地区だ )
      私の番になり、今回は『湯沼鉱泉雪害復興支援』ミネラル・ウオッチングとして、オークション
     の売上金を湯沼鉱泉社長に寄付することと、それに恥ずかしくない売り上げ目標金額を皆さんに
     お伝えし、協力をお願いした。

 (2) 「オークション」
      宴会を終え、「オークション」に移ったのは、8時半近かった。孫の誕生などで前回参加できな
     かった兵庫・Nさんの奥さんが1年ぶりのオークショナーだ。ユーモア溢れる売り声に釣られて
     売り上げは順調に伸びる。(PCでリアルタイムで売り上げが確認できる優れものだ)
      IT化の波はミネラル・ウオッチングにまで及び、神奈川・Ms.Tさんの手で標本名・産地・出品
     者・落札者・落札金額がPCに入力されていく。この会がスタートした15年前に、黒板に手書き
     した時代とは様変わりだ。
      120点あまりの標本がセリ落され、売上金は52,800円と過去最高並で、売り上げ目標もクリア
     した。今回参加しなかったが、数種類の『新鉱物』を含む、すばらしいオークション用標本多数
     を参加者に託してくれた三重・O兄に感謝だ。

      Ms.Tさんが入力してくれたEXCELデータを一覧表にしてみた。このミネラル・ウオッチングに
     参加される皆さんの鑑定眼は確かなようで、希少な標本は競る人も多く、市価に比べれば大
     幅に廉(やす)いものの、それなりの高値がついた。

      一部の標本は、『採集禁止』になる前の採集品や『購入品』であることをご承知ください。

No 標本名 産地 出品者 落札値 落札者   備   考
1 藍銅鉱 日吉鉱山 奈良・Aさん 200 東京・Hさん  
2 蛍石 大塔鉱山 奈良・Aさん 1,300 MH  
3 クサビ石 神岡町 奈良・Aさん 100 東京・Mさん  
4 スズ石 行者山 奈良・Aさん 1,500 大阪・Tさん  
5 珪灰鉄鉱 神岡鉱山 奈良・Aさん 100 長野・Mさん  
6 水晶 往古川 奈良・Aさん 100 神奈川・Tさん  
7 珪灰鉄鉱 神岡鉱山 奈良・Aさん 600 MH  
8 水晶 小川山 東京・Hさん 400 MHの奥さん 売り上げ寄与のため
9 月長石 人喰谷 奈良・Aさん 500 東京・Kさん  
10 珪灰鉄鉱 竜王第二/中国赤峰 MH 2,100 兵庫・N夫妻 セット
11 水晶 竜王第ニ 東京・Hさん 500 兵庫・N夫妻  
12 鈴木石 茂倉沢鉱山 MH 200 東京・Kさん  
13 鈴木石 茂倉沢鉱山 MH 200 長野・Mさん  
14 鈴木石 茂倉沢鉱山 MH 300 東京・Kさん  
15 鈴木石 茂倉沢鉱山 MH 300 兵庫・N夫妻  
16 鈴木石 茂倉沢鉱山 MH 300 東京・Mさん  
17 水晶 竜王第ニ 千葉・Eさん 200 長野・Mさん  
18 水晶 竜王第ニ 東京・Hさん 100 奈良・Uさん  
19 水晶 竜王第ニ 千葉・Eさん 100 兵庫・N夫妻  
20 苗木石 黒平 MH 1,500 長野・Mさん  
21 マンバン柘榴石 和田峠 MH 200 奈良・Yさん 母岩付き
22 マンバン柘榴石 和田峠 MH 200 兵庫・N夫妻 母岩付き
23 マンバン柘榴石 和田峠 MH 200 東京・Hさん 母岩付き
24 マンバン柘榴石 和田峠 MH 1,300 東京・Hさん 母岩付き
25 黒曜石アクセサリー 和田峠 MH 1,000 兵庫・N夫妻  
26 ルビーシルバー 西沢金山 MH 300 兵庫・N夫妻  
27 ルビーシルバー 西沢金山 MH 400 大阪・Tさん  
28 黄粉銀鉱 西沢金山 MH 1,000 大阪・Tさん  
29 日本式双晶 金鶏金山 MH 100 長野・Mさん  
30 ガドリン石 竹日向 MH 300 大阪・Oさん  
31 ガドリン石 竹日向 MH 700 長野・Mさん この日の採集品
32 ガドリン石 竹日向 MH 300 兵庫・N夫妻 この日の採集品
33 水晶 長野県 MH 600 千葉・Eさん 翌日の保険
34 水晶 長野県 MH 200 東京・Hさん 翌日の保険
35 水晶 長野県 MH 200 大阪・Tさん 翌日の保険
36 水晶 長野県 MH 200 神奈川・Tさん 翌日の保険
37 水晶 長野県 MH 200 埼玉・Tさん 翌日の保険
38 水晶 小川山 MH 500 千葉・Eさん  
39 水晶 小川山 MH 500 奈良・Uさん  
40 日本式双晶 甲武信鉱山 MH 1,000 千葉・Aさん  
41 自然金 甲武信鉱山 MH 300 千葉・Aさん  
42 自然金 甲武信鉱山 MH 300 大阪・Tさん  
43 自然金 甲武信鉱山 MH 300 兵庫・N夫妻  
44 ストロンチア斜方ホアキン石 金山谷 MH 400 兵庫・N夫妻  
45 ストロンチア斜方ホアキン石 金山谷 MH 100 東京・Hさん  
46 水鉛鉛鉱 銀山平 MH 100 東京・Mさん  
47 水鉛鉛鉱 銀山平 MH 100 兵庫・N夫妻  
48 水鉛鉛鉱 銀山平 MH 100 神奈川・Tさん  
49 藍銅鉱 小来川鉱山 MH 300 東京・Mさん  
50 ホセ鉱A 唐沢鉱山 MH 400 大阪・Oさん  
51 水晶 御座山 MH 300 奈良・Uさん  
52 水晶原石と研磨品 西股沢 神奈川・Tさん 2,100 MH  
53 バラ輝石 茂l倉沢鉱山 東京・Mさん 100 東京・Kさん  
54 水晶/蛍石 蛍鉱山 埼玉・Tさん 300 千葉・Aさん  
55 水晶 鬼ヶ城 埼玉・Tさん 100 千葉・Aさん  
56 水晶/蛍石 蛍鉱山 茨城・Kさん 500 東京・Mさん  
57 リシア電気石 妙見山 埼玉・Tさん 100 奈良・Yさん  
58 水晶 玉山金山 茨城・Kさん 100 長野・Mさん  
59 紫水晶 卯根倉鉱山 茨城・Kさん 500 東京・Kさん  
60 褐簾石 竹日向 茨城・K兄 1,600 MH この日の採集品
61 ベスブ石 石灰沢 東京・Mさん 100 東京・Hさん  
62 ベスブ石 石灰沢 東京・Mさん 100 奈良・Yさん  
63 ベスブ石 石灰沢 東京・Mさん 100 神奈川・Tさん  
64 灰バン石榴石/ベスブ石 石灰沢 東京・Mさん 100 東京・Hさん  
65 灰バン石榴石/ベスブ石 石灰沢 東京・Mさん 100 東京・Hさん  
66 黄鉄鉱 中之条町 長野・Mさん 200 東京・Kさん  
67 鉄電気石 都路 埼玉・Tさん 600 長野・Mさん  
68 霰石 児玉郡 東京・Mさん 100 MH  
69 霰石 児玉郡 東京・Mさん 100 兵庫・N夫妻  
70 霰石 児玉郡 東京・Mさん 100 長野・Mさん  
71 水晶 麻績 埼玉・Tさん 100 MH 変わった晶癖
72 砂金 大子町 千葉・Aさん 4,000 MH  
73 砂金 大子町 千葉・Aさん 2,500 兵庫・N夫妻  
74 蛍石 平岩鉱山 埼玉・Tさん 100 大阪・Tさん  
75 柘榴石 秩父後山 東京・Mさん 600 東京・Hさん  
76 褐簾石 大菩薩峠 長野・Mさん 300 兵庫・N夫妻  
77 ズニ石 余地鉱山 長野・Mさん 100 東京・Mさん  
78 レインボーシデライト 児玉郡 東京・Mさん 100 長野・Mさん  
79 レインボーシデライト 児玉郡 東京・Mさん 100 MH  
80 霰石 橋掛沢 東京・Mさん 100 兵庫・N夫妻  
81 苦灰石 児玉郡 東京・Mさん 100 兵庫・N夫妻  
82 斧石 橋掛沢 東京・Mさん 100 MH  
83 スカルンセット 橋掛沢 東京・Mさん 300 東京・Kさん  
84 スピネル 石灰沢 東京・Mさん 500 奈良・Yさん  
85 磐城鉱 御斎所鉱山 三重・Oさん 500 兵庫・N夫妻  
86 錐輝石 御斎所鉱山 三重・Oさん 200 東京・Mさん  
87 正長石 川浦鉱山 三重・Oさん 100 MH  
88 正長石 川浦鉱山 三重・Oさん 100 長野・Mさん  
89 石黄 宇曽利山 三重・Oさん 100 東京・Mさん  
90 レインボー菱鉄鉱 亀山市北在家 三重・Oさん 100 兵庫・N夫妻  
91 レインボー菱鉄鉱 亀山市北在家 三重・Oさん 100 MH  
92 珪線石 白山鉱山 三重・Oさん 3,000 MH  
93 珪線石 白山鉱山 三重・Oさん 100 長野・Mさん  
94 珪孔雀石 川浦鉱山 三重・Oさん 400 千葉・Aさん  
95 珪孔雀石 川浦鉱山 三重・Oさん 400 兵庫・N夫妻  
96 桃簾石 入軽井沢 長野・Mさん 100 東京・Kさん  
97 キューバ鉱 三原鉱山 三重・Oさん 500 MH  
98 石膏 安積石膏鉱山 三重・Oさん 100 東京・Hさん  
99 石膏 安積石膏鉱山 三重・Oさん 200 茨城・Kさん  
100 鉄バン柘榴石 利賀村 長野・Mさん 100 奈良・Yさん  
101 正珪岩 人喰谷 長野・Mさん 100 MH  
102 鉄電気石 川辺 三重・Oさん 100 茨城・Kさん  
103 南部石 御斎所鉱山 三重・Oさん 600 東京・Mさん  
104 ギブス石 玉城町原 三重・Oさん 500 兵庫・N夫妻  
105 カミントン閃石 御斎所鉱山 三重・Oさん 600 長野・Mさん  
106 レインボーガーネット 天川村川迫 三重・Oさん 1,500 東京・Mさん  
107 レインボーガーネット 天川村川迫 三重・Oさん 700 兵庫・N夫妻  
108 レインボーガーネット 天川村川迫 三重・Oさん 600 東京・Hさん  
109 砂金 千曲川 MH 1,000 千葉・Aさん  
110 水晶鉱山絵葉書 黒平/竹森 MH 100 長野・Mさん  
111 水晶鉱山絵葉書 黒平/竹森 MH 100 兵庫・N夫妻  
112 水晶鉱山絵葉書 黒平/竹森 MH 100 千葉・Aさん  
113 写真 2013年7月MW 滋賀・Oさん 200 長野・Mさん  
114 写真 2013年7月MW 滋賀・Oさん 200 東京・Kさん  
115 クリアフォルダ 元素表 MH 100 東京・Mさん  
116 クリアフォルダ 元素表 MH 300 兵庫・N夫妻  
117 電動歯ブラシ 電池つき 滋賀・Oさん 200 奈良・Yさん 標本クリーニングにも使える?
118 写真大 2013年11月MW 滋賀・Oさん 300 千葉・Aさん  
119 写真大 2013年11月MW 滋賀・Oさん 300 東京・Mさん  
120 写真大 2013年11月MW 滋賀・Oさん 100 神奈川・Tさん  
121 写真大 2013年11月MW 滋賀・Oさん 300 MH  
合計    52,800   

      1点あたりの平均単価は436円で、従来の1.5倍だ。これは、参加者が『湯沼鉱泉雪害復興
     支援』の趣旨に賛同していただいたのと出品の質がアップしているのが相俟(あいま)っている
     と分析した。

 (3) 「標本玉手箱」
      故益富寿之助博士が始められたと同じように、参加者が入手した重品を持ち寄って、欲しい
     人に無料で配布する「標本玉手箱」を今回も開催した。担当は、若手の東京・Hさんだ。

      「標本玉手箱」には、この日奈良・Aさん一行が採集した「ほやほや標本」や「西沢金山のル
     ビーシルバー」なども並び、小学生→女性→男性の順で好きなだけ取ってもらい、例年になく
     ”売れ残り”が少なかった。

          
               「オークション」風景                   「玉手箱」風景
                              【撮影:滋賀・Oさん】

 (4) 「大人の時間」
      時計は10時半を回り、前夜あるいは早朝から長距離運転してきた人の中には、夢路をたどる
     人も出始めたので、公式な”大人の時間”は開催しなかった。それでも、石(酒、それとも話?)
     好きなメンバーが集まり、不参加だった愛知・Hさんが送ってくれた大吟醸や、大阪・Tさんが
     持参してくれた灘の大吟醸を飲みながら石談義に熱が入り、気がつくと1時近くで、あわてて
     布団にもぐり込んだ。

4. 【第2日目】

 (1) 2日目のスタートだ!!
      2日目、5時前に眼が覚めると、”シト、シト”と雨音がする。梅雨時期なので覚悟はしていたが
    少々気が重い。7時から朝食だ。皆さんが食事している間に、PCに宿泊料金を入力すると、個人・
    グループ別の参加費が一発で出る。会計・Ms.Tさんが集金してくれ、1円の違いもなく、”御名算”
    だ。
     「オークション」の売上金を兵庫・Nさんの奥さんから社長に贈呈していただき、社長・お姐さん・
    そしてKさんにも入ってもらい記念写真を撮り、出発だ。

          
               「復興支援金」寄贈                 「湯沼鉱泉」記念写真
                             【撮影:滋賀・Oさん】

 (2) 「水晶」新産地
      「長野県の新産地と古典的産地を訪ねて」で、最初に訪れたのは、2013年秋に発見された
     水晶の新産地だ。湯沼鉱泉で2、3度会ったことがある名古屋・Tさんと5月に東京飯田橋で開
     催された『ミネラル・マーケット』で会ったとき、「あの産地(これだけで通じる)はだいぶ荒れて
     しまったようですよ」、と聞いていたので、数日前に下見に訪れた。
      確かにすさまじい荒れようだ。小さな子供連れの先客がいて、何度か来ている風だった。何
     箇所かで試し掘りし、何とか採集できるだろうと読んだが、あと数日の間に大挙して押し寄せ
     られれば”絶産”間違いなしだった。
      そんな最悪の事態を案じて、「オークション」と「玉手箱」にこの産地の水晶を提供しておいた
     のだった。

      数日前に下見に訪れて確認しておいた、まだ手付かずのポイントが無事に残されており、そ
     の周辺に皆さんを案内した。
      このころになると、雨は上がったが、ドロドロのズリには苦戦させられたようだ。それでも透明
     な良晶を手にされ、皆さん満足そうだ。

       
              新産地での「水晶」採集

      Ms.Tさんも最後の最後にすばらしい逸品を手にして喜んだのもつかの間、滑って手を突いた
     拍子に手のひらを打ちつけたらしい。見せてもらうと腫れ上っている。滋賀・Oさんが湿布など
     の応急手当をしてくれ、本人も痛みは和らいだ、というのでミネラル・ウオッチングは続行する
     ことにした。

 (3) 「古典的」産地
      次に訪れたのは、古い鉱山跡で、鮮緑色の「灰クロム柘榴石」がお目当てだ。ここでも、小学
     生のM君がすばらしい標本を手にした。兵庫・Nさんの奥さんは早々と何個か見つけ、周りの人
     に配る余裕だ。このオバハン(爺さんのMHには言われたくない!!)は、ヒスイなど緑系には
     メチャ強いのを改めて思い知った。

       
            「灰クロム柘榴石」採集風景

      この産地の近くには、「乙女の滝」という観光スポットがあるらしいのだが、一度も訪れたこと
     がない。戦線を離脱したMs.Tさんと妻が訪れ写真を撮ってきた。これを見ると、なかなかの景
     色で、訪れてみる価値がありそうだ。

       
                 「乙女の滝」
                【撮影:Ms.Tさん】

 (4) また会う日まで
      苦戦しながらも、全員が何個か採集できたようなので、引き上げることにした。この日も、ス
     イカを食べ、再会を誓い皆さんとお別れした。

          
                   スイカ                          「解散式」
                              【撮影:滋賀・Oさん】

5. おわりに

 5.1 『 安全第一 』
      今回、”ヒヤリ”とすることがあった後で、Ms.Tさんが打ち身というアクシデントに見舞われた。
     いつも救護をお願いしているHさんの奥さんが不参加だと知った時点で、救護役を誰かにお願
     いしなければならなかったのだが決めてなかった。『15年間、事故がなかったのだから大丈夫
     だろう』という過信・油断が私にあったことを反省している。これを機に、原点に立ち返り、『安全
     第一』のミネラル・ウオッチングを続けたい。

      ただ、15年目を迎え、参加者の半数は還暦を過ぎ、関西組にとって土日で片道500kmも
     の運転とミネラル・ウオッチングが”シンドく”なり、アクシデントの危険性が高まってくるのも事
     実だ。

      今回、産地横付けの場所を選んでコースに入れたのも、ミネラル・ウオッチングで歩く負担を
     出来るだけ減らそうという配慮からだ。
      訪れる産地を関西から近い場所にする、という解決策もあるのだが、長野県川上村の湯沼
     鉱泉に宿泊するという前提があるので問題解決は単純ではない。

      いずれにしても、何らかの解決策を、と思うのだが・・・・・・。次回の「大人の時間」のテーマの
     一つにしたいので、いろいろなアイディアをご教示願います。

 5.2 『 梅干づくり 』
     「月遅れGWミネラル・ウオッチング」の時期がちょうどわが家の『 梅干づくり 』の時期だ。昨年
    (2013年)は、暖かい冬だったせいか、ミネラル・ウオッチング2日目の6月16日にはすでに黄色
    く色づき、柔らかくなっていて、硬いのが好きな人から不評だった。粒は小さいが量は、50キロも
    あり、5キロ、10キロと近所に配ったほどだった。
     2014年は冬が寒かったせいでミネラル・ウオッチングの翌日の23日になっても日当たりの良い
    箇所だけホンノリ赤く色づいただけで、全体に実は硬かったがもぎ取ることにした。昨年よりも
    一週間以上梅の生育が遅れていることになる。
     正月に枝を切り詰めたため、数こそ少なかったが実は大きく、16キロほど(大ダル一杯分)あっ
    た。

       
                 収穫した梅

      わが家の『 梅干づくり 』には何回かの失敗を踏まえ、次のようなこだわりがあり、それを
     守っている。

      1) ひとつひとつ手でもぐ。
          棒で枝をたたいて落して拾い集めると時間は短縮できるのだが、棒や地面に当たって
         キズがついてしまうのが嫌だ。
      2) ひとつひとつ”ヘタ”や”樹液”をとる。
          青い梅をもぐので、”ヘタ”がついているので、これを「焼き鳥の串」を使って丁寧に取
         り除く。
          梅の実の虫食い穴や枝とこすれた部分に透明な液が固まっているので、これもきれ
         いに取り除く。
      3) ”あく”抜き。
           水に半日〜1日つけて”あく”をだす。
      4) 塩梅(あんばい)
           塩の量は、塩梅(あんばい)というくらい重要だ。教科書には重量比で梅:塩=5:1
          つまり、梅の重量の20%と書いてある。これだと、わが家の味としては塩味が強すぎ
          る。減塩ということで、以前10%にしてみたことがあるが、梅雨時のこと、”カビ”が生え、
          焼酎で殺菌するなどしたがロクなものにはならなかった。
           15±1%が塩梅良いという結論だ。
       5) 紫蘇(シソ)で色づけ
           塩漬けにして10日もすると梅酢が上ってくる。このころ紫蘇の葉を買ってきて、塩で
          揉(も)んで絞って、樽の中の梅酢に漬けると一瞬にして”鮮紅色”に変化する。この
          化学変化は見事だ。
       6) 土用に梅干し
           梅酢につけたままでは、「梅漬け」だ。梅雨が上った土用のころ、梅を竹ざるに並べ
          昼間は太陽光にあて、夜は軒先に取り込んで、「3日3晩」干すのだ。こうして出来たの
          が本当の「梅干し」だ。

           千葉の孫娘は梅干が好きで、夏休みに来ると朝早く起きて、私と一緒にお茶を飲み
          ながら梅干を食べるのを楽しみにしている。

6. 参考文献

 1) 藤本 治義:南佐久郡地質誌,社団法人 南佐久教育会,昭和33年
 2) 長島 乙吉、弘三:日本希元素鉱物,長島乙吉先生祝賀記念事業会,昭和35年
 3) 山田 滋夫:日本産鉱物 五十音配列 産地一覧表,クリスタル・ワールド,2004年
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