第34回 名古屋ミネラルショー








            第34回 名古屋ミネラルショー

1. 初めに

    山梨県の自宅から単身赴任先に転送されてきた郵便物の中に、" Nagoya Mineral
   Show 2012 - 第34回 名古屋ミネラルショー - " の案内はがきがあった。
    仕事が一区切りし、先のメドもある程度ついたので、1週間前に名古屋に行くことを妻に
   伝えたが、”ドタキャン”になる可能性も残っており、名古屋周辺の石友にはほとんど
   連絡しなかった。

    7年前の2005年、訪れたのが初めてで、そのときは、何だかんだと理由をつけて30点
   近い数の標本を購入していた。

    ・第27回 名古屋ミネラルショー
     ( 27th Nagoya Mineral Show , Nagoya City , Aichi Pref. )

    名古屋ミネラルショーでは、アマチュアが自分の採集品を売るほか、鉱物や化石の販
   売業者も多い。同じようなミネラル・ショーである東京の「ミネラルマーケット」の2倍くらい
   の規模で、「北海道鉱物同好会」、「無名会」、「益富地学会館」、「福岡石の会」など、
   北海道から九州までの広い地域から出店があり、地方ならではの標本も数多く出品さ
   れていた。

    ひところの「レインボー柘榴石」、「○○の紫水晶」、「○○の△△石」、ブームのように
   ”猫も杓子(しゃくし)も○○”という現象は蔭をひそめていた。それでも、関東地方からは
   次々と新産鉱物が発見され、会場のいくつかのブースで見掛けて、買ってしまった。

    会場では、愛知・S夫妻、Kさん、滋賀・Oさん、三重・Oさん、京都・Nさんなど、多くの石
   友とお会いし、近況を確認しあった。

    お財布と相談し、さらに置き場所も考えて、今回、私が購入したのは、3点だけだった。

    @ ”猫も杓子(しゃくし)も”品
       ・ 群馬県沼田市の「バナジン鉛鉱」
       ・ モロッコ産「バナジン鉛鉱」
    A 地方ならではの標本
       ・ 北伊吹鉱山の「煙水晶」

    ( 2012年8月 現金採集 )

2. 場所と規模

    例年、名古屋市千種区吹上にある、名古屋中小企業振興会館(名古屋吹上ホール)
   の2Fで開催された。
    朝5時半に山梨を出発、双葉SAから中央高速にのり、諏訪SAで朝食バイキングを食べ
   小牧JCから名古屋高速に乗り、吹上出口から下りたのは9時を少し回ったころだった。

    会館近くの地下駐車場(30分 200円)に入れ、そこから徒歩2、3分で会場だ。

      吹上ホール
    

    10時開場だが、すでに200名近くが並んで待っており、私たち夫婦もその列に加わった。

      開場を待つ
    

    前に並んでいる若夫婦(?)と話が合って、聞いてみると私のHPの愛読者だった。

    10時の開場になり、階段をのぼり、2Fに進むと、会場入り口で先着200名に無料で配布
   している標本を受け取った。
    私のは、清越鉱山の金銀鉱石、妻のは、ローズクオーツの勾玉だった。

3. 購入標本

    今回購入したのは、次のような標本だった。

    産地    鉱物産   状     写      真       備    考
群馬県
沼田市
褐鉛鉱母岩付き
柱状結晶

             部分


             全体

 石友・Tさんから、「MH!
群馬ででたバナジン鉛鉱を
見せてもらったが、結晶して
いた」、と聞いたのは2012年の
春だった。
 日本でも、取れるのだと
改めて思った。

 ”色のおかしい緑鉛鉱”など
疑って見た方が良いかも
知れない。

モロッコ褐鉛鉱母岩付き
柱状結晶

 比較用に購入
やっぱり、外国産の標本は
結晶が大きくて・・・・・・・・・
岐阜県
北伊吹鉱山
煙水晶  頭付き

 「東海地方をたずねて」に
『・・・1958年に行ったときには
文字通り宝の山でした・・・・』
とあるが、今では幻の産地に
なってしまったようだ。

 頭付は少ないようだ

4. 特別展示

    会場の入り口近くに、名古屋鉱物を昭和51年(1976年)に創立した中尾潮忍(ちょうにん)
   氏のコレクションが展示してあった。今年で、3回目になるらしい。

    
                    中尾コレクション展示

    中尾氏は、戦前からのコレクターで、京都・島津製作所の標本部に勤務していたらしい。
   氏が収集した有名産地の一級標本がズラリ、と並んでいた。展示されていた標本に比べる
   と私の持っている標本など・・・・・・・・。

    展示品の中で私の眼を惹いたの、1点を紹介する。

     
              マチルダ鉱
           【栃木県西沢金山】

     会場で会った石友から、「西沢金山に行ってみたい」、と相談された。私自身、この2、
    3年訪れていないため、最近の状況が全く判らなくなっており、紅葉見物を兼ねて訪れ
    ようと考えている。

5. おわりに

 (1) 久しぶりの中津川
      会場で会ったS夫妻から、「中津川の沢でパシャパシャやりましょう」、と誘っていた
     だいた。この日は、日帰りの予定で、妻の車には採集道具どころか長靴すら積んで
     いなかった。熱心に誘って頂いたので、「名古屋IC」近くで長靴や日よけ帽子などを
     買い求め、中津川の産地に案内していただいた。
      木陰の涼しい産地で、沢水の中でパンニングすると、暑さを一時忘れることができ
     た。この産地では、「トパズ」だけでなく、「苗木石」をはじめとする私の好きな希元素
     鉱物も採集できた。
      案内していただいたS夫妻に、御礼申し上げる。

         
           「苗木石」               「フェルグソン石」
          (変種ジルコン)              『鼠の糞石』

         
         「サマルスキー石」               「トパズ」
                     中津川の採集品

6. 参考文献

 1) 加藤 昭 et al:鉱物採集の旅 東海地方をたずねて,築地書館,1983年
 2) 丹羽 健文編集:中尾コレクションT 〜田原の鉱物〜,名古屋鉱物同好会,2009年
 3) 丹羽 健文編集:中尾コレクションU ABCの鉱物,名古屋鉱物同好会,2010年
 4) 丹羽 健文編集:中尾コレクション   DEFGHの鉱物,名古屋鉱物同好会,2011年
 5) 丹羽 健文編集:中尾コレクションW JKLMの鉱物(Iの鉱物もある),
                            名古屋鉱物同好会,2012年
inserted by FC2 system