(4)世界各地のゴールドラッシュ
中南米ついで北米が新大陸として発見されると、各地で砂金が発見され、砂金を
求めて大勢の人々が押し寄せる”ゴールド・ラッシュ”と呼ばれる黄金(狂?)
時代を迎える。その主なものは
1848年 カルフォルニアのシェラ・ネバダ
1851年 オースリラリアのビクトリア洲バララット
1896年 カナダのクロンダイク
1899年 北海道枝幸町
(5)砂金の形状から見る自然の不思議
砂金の形に「枝状」、「葉形」などがあるが、これには、次の2つの自然力が
働いている。
@金の生成環境
金の鉱床は、日本と外国(大陸)では次のような違いがある。
日本・・・・火山活動と密接に関係し、地表に近いところで生成し、微細な粒子が
多い。
大陸・・・・数億〜数十億年まえに生成し、大きな金粒も稀ではない。
A地形・河の流れなど生成後の自然環境
岩石から分離したばかりの金は角張っているが、下流に流されるに従って丸みを
帯び、海岸まで流されると「浜砂金」と呼ばれる微細なものになる。
(6)北海道の産金
1205年(元久2年)知内川で砂金を採集(?)した記録が最初で、1619年には
5万人が砂金採集に押し寄せたと言われている。
北海道の砂金採取は、1999年前後に黄金を求めて大勢の人々が押し寄せて
”東洋のクロンダイク”と呼ばれた時期がピークであった。
1971年(昭和46年)、日本最後の砂金掘り師・辻 秀雄氏が廃業。
それでも、北海道には、「砂金掘り」の文化が色濃く残り、地方自治体による
「砂金採り大会」なども開催されている。
(7)平成の「砂金掘り師」達が求めるのは?
問「金を掘ったらいくらになるの?」
答「お金にはなりません」
現在、砂金採取のみで生計を立てている人は、皆無であろう。
砂金掘りは、趣味やアウトドアスポーツとして楽しむ人が増えている。
昔、北海道の砂金採集で生計が成り立った頃、腕の良い人で1日の採集量は
6〜7分(約2.5g)であった、とされる。
現在の金価格は、1g当たり1,400円程度であり、1日あたりの収入が3,500円
となる。
実際に砂金を採集して見れば分かるが、1日に8時間やって1g採集するのでさえ
難しく、時給200円にも満たない。これではとても生活できず、”お金儲け”の
ためにやっているのではないことが分かる。
(8)砂金掘りのマナー
砂金掘りは、川底を掘り返す作業であるため、地元の人々の反感や不信感を
買いやすいという面があるのも事実である。
その理由の1つに、単なる物欲から、とにかく量だけとることを考えている人が
いることが挙げられる。
産地の保護とマナーを考えて採集していかなければならない。
3.3 展示内容
展示室は、入口から見て左半分が、日本はじめ世界各地の砂金の実物を展示し
右半分に、採集具が展示してあります。
土曜日の午後だったのですが、見学者は私たち家族3人だけと、静かな(寂しい)
状態でした。
東京都の青梅市内を流れる多摩川など、以外に身近な場所で砂金が採集できるのには
流石・黄金の国ジパングと言うべきか、驚きます。
「彼らは、この日のことを何時まで、憶えていてくれるのだろうか?」