21世紀最初の鉱物採集-山の尾のアクアマリーン-

21世紀最初の鉱物採集-山の尾のアクアマリーン-

1.初めに

茨城県真壁郡山の尾は、日本のペグマタイト鉱物の産地として、滋賀県田上山、
福島県の石川町と並んで、有名である。
日下先生の「鉱物採集フィールドガイド」にも、柘榴石の産地として紹介されている。
正月元旦に行って見ると、娘さん3人の家族連れや、たぶんつくば市のT氏のものと
思われる車があるなど、いつもながらの賑わいであった。
平成12年9月に行った時、ベリル坂とコウモリ坑の間にある、平坦部は大きく掘り込んで
あったが、今では、その周辺も掘り込まれている。
また、ここには、「仮称 アクアマリーン坑」なる、看板まで表示されている。
今回は、表面採集で、アクアマリーン、柘榴石、雲母などを採集した。
(平成13年1月採集)

2.産地

真壁から八郷に向かって約1km走ると、左側に石材店があり、「谷田部」の
表札の前の山道を登って行く。4WDであれば、上まで楽に登れるが、普通の車の場合、
右手に採石場が見える左手の広場に駐車する。ここから、約300m登ると、
突き当たりになりここを右に曲がり、約100mで左側に「ポンプ小屋」があります。
ここから、左の沢沿いに約100m行くと大きな砂防ダムがあり、この上流が
「2号丁場」、左上が「ベリル坂」です。
ベリル坂を登って、左に折れてコウモリ坑を目指すと、鞍部のような平坦部がある。
(あった。?)そこを1m以上に掘り込んだ所が「仮称 アクアマリーン坑」である。
産地 「仮称 アクアマリーン坑」

3.産状と採集方法

ベリル坂からコウモリ坑にかけては、ペグマタイト脈の露頭やそれを崩したズリ跡で、
文象花崗岩をはじめ石英塊などのペグマタイト鉱物が花崗岩がマサ化した砂の中に
混じっています。
ズリの土砂をフルイ掛けしたり、表面採集で、アクアマリーンや柘榴石を探すのだが、
表面採集でも、そこそこの良品を採集できます。

4.産出鉱物

(1)緑柱石
緑柱石の分離結晶で、水色〜緑色がかった、透明のアクアマリーンと呼べるものも採集できる。
アクアマリーン 14mm
(2)石榴石
母岩付きや分離結晶の鉄バン石榴石が採集できる。残念ながら、不透明で、表面が錆びている
ものが多いが、中には直径1cm近くで、表面に光沢のあるものもある。
細かい結晶の雲母の塊が落ちていて、それを割ると、四周完全な柘榴石の母岩付きを採集できる。
(3)希元素鉱物
希元素鉱物としては、コルンブ石は比較的採集できるチャンスが多い。

5.おわりに 

21世紀最初の鉱物採集は、地元山の尾訪問であったが、アクアマリーンを始め、
柘榴石なども採集でき、今更ながら、桜井先生の「山の尾」の採集案内にある
「古泉に水枯れず」の感を深くしました。
今年も、採集に訪れた産地の情報をできるだけ正確にお伝えしようと考えています。
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