3.1 1階常設展示【水晶産地と採掘】
山梨県の水晶産地、鉱山名、産出した水晶の特徴、採掘方法や産出した鉱物まで、
ジオラマや写真、図と実物を使って展示している。
(1)山梨県の水晶産地と産状
山梨県内にあった、「乙女」のような有名鉱山から、「バッタリ」のように
名前だけで、その存在がベールに包まれた鉱山まで、産地が地図の上にプロット
してあります。
(2)山梨県産水晶と特徴
実際に採集に行って見ると、尾根1つ越えただけで、水晶の産状・産出する水晶の
特徴がガラリと変るのには驚かされますが、地質学・鉱物学的には、キチンとした
理論に則っているようです。
(3)黒平・向山鉱山の坑道
黒平町の向山鉱山には30を超える坑道があったとされ、その内に6つの坑道の
断面図が掲示してあり、改めて規模の大きさを認識できます。
(4)採掘道具と採掘の様子
ハンマ、タガネなど鉱物採集の一般的な道具のほかに、”くじり”と呼ばれる
水晶を晶洞から掻き取るための道具は平成の水晶採掘人も持ち歩いているのを
見ると、人間は進歩しているようで、そうでもないことを知ります。
(5)竹森水晶坑の盛況
私のHPのい別なページにも掲載したように、”水晶を掘れば破産する”と
言われたほど、水晶採掘は”ハイリスク・ローリターン”だったようです。
その中でも、例外的に盛況を呈したのは、塩山市・竹森の「水晶山」だった
ようです。
3.2 1階常設展示【産出鉱物】
産出した鉱物では、水晶、長石のほかに、黒平産のアマゾナイト(天河石)や
トパーズも展示してあります。
山梨県産鉄礬ザクロ石の中に、「和田峠産の満バンザクロ石」が混じっているのは
ご愛嬌です。
3.3 1階常設展示【水晶加工】
山梨県の水晶稼行の歴史は、金桜神社の神官による水晶玉の加工に始まるとされ
初期の手作業、大正期の大量生産時代の始まりそして超音波を用いた穴あけ加工に
代表されるハイテクの導入と歩んできています。
4. 2階展示
2階には、特別展示やお土産ショップもあり、山梨県の詫間氏の
収集品のうち、日本各地の水晶はじめメノウ、人工水晶にいたるまで
「特別展示-水晶原石展-」として今でも展示している。
4.1 「特別展示-水晶原石展-」
日本各地から外国産まで、色々な産地の変った色・形の水晶を
所狭し、と展示している。
数ある標本の中で、目を引かれたのは、両錐水晶と対をなす、黒平産の
日本式双晶と奈良県川迫鉱山の小さな水晶である。
4.2 「天然の美と形展」
2階の廊下部分で、色とりどりの鉱物を集めた特別企画展「天然の美と形展」が
開催されている。
このほか、2階には図書室があり、今まで放映された、山梨の水晶関係のビデオを
自由に見たり、鉱物関係の書籍を閲覧できる。
6.参考文献
1)やまなし伝統工芸館編:パンフレット,同館,2004年