2018年1月7日、高速道路上で追突され、乗っていた軽乗用車は大破してしまい、新しい車を購入する必要
に迫られた。
数年前まで私と妻はそれぞれ専用車を持っていて、私のはミネラル・ウオッチングを主にした排気量3,000CC
4WDで車高190mmある3ナンバー車、妻のは雪があるので4WDの軽自動車で車高150mmだった。私が現役を
引退したのを機に、家計の負担も考え、1台の軽自動車をシェアするようになっていてこの事故だった。
事故後の車の状態を見て、加害者の車が大型車だったらとか、もう少しスピードが出ていたらとか考えると
”ゾッ”として軽自動車から普通乗用車に替えることにした。ミネラル・ウオッチングのことを考えると、前に私が
乗っていた大型乗用車が良いのだが、自他ともに認める妻の運転技量では、地方都市の狭い市街地を走る
のは厳しいというので、小型乗用車に決めた。
先週、1ケ月点検を終えたので、事故から車選び、そして1ケ月の乗車体験をまとめてみた。
( 2018年3月 報告 )
■ 相手(加害者)の身元確認
氏名・住所・携帯番号・加入している保険会社名などを聞き出す。
■ 保険会社に連絡
まず、自分の加入している自動車保険会社に電話した。今は、どの保険会社も24時間対応してくれている
はずだ。
・ レッカー車を手配をしてもらい、事故車は山梨のディーラーに運んでもらうことにした。
■ ディーラーに連絡
・ 事故車を保管してもらうことと、そして新車が入るまでのレンタカーと代車を手配してもらう。
・ 相手に電話して、相手の保険会社にレンタカー利用の了解をとってもらう。
・ レンタカーが準備できたと連絡あり。
■ 山梨に戻る
・ タクシー、電車を乗り継いで山梨に戻る。(領収書は全て取って置き、相手方保険会社に請求)
・ ディーラーに立ち寄り、レンタカーを借りる。
■ 近くの整形外科にいき診断書をだしてもらう
事故が土曜日だったので、月曜日になるのを待って朝一番で整形外科に行き診断書を書いてもらい、相手
方保険会社に郵送
診断結果は、『頸椎捻挫』、俗に”ムチウチ”で、全治3ケ月
3回目の受診の時、妻の症状が改善しないので、念のためMRIを撮るため設備のある別な整形外科に行く。
MRIをとることを相手方の保険会社に事前了解をとる。
なお、治療費、検査費用、郵送料などはすべて相手方保険会社が支払い。
■ 車両の補償額は?
最初、相手方保険会社から提示された車両の補償額は90万円だった。これが出せる限度だという。
こちらとしては、事故がなければ新車を買う余分な出費を強いられることもなかったのだから、新車を買ったときの
180万円を補償して欲しいのは山々だが、”モノ(固定資産)”には、使用していることによる”減損”があるのは、
理解できるから、簿価(現時点での価値)は補償して欲しいと相手方保険会社に申し入れした。
中古車の価格を全く知らいない私の強い味方は、インターネットの中古車情報だった。車名・型式・年式・
走行距離などを入力すると車の情報と価格が何件かヒットした。115万円のがあったので、その情報を印刷し、
相手方保険会社に郵送した。
相手方保険会社からは、105万円が出せる限度だというので、不満が残るものの、早く新車を発注する必要
に迫られ、渋々ながら承諾した。
私が加入している自動車保険会社の担当者から、思いもかけず「車両保険10万5千円払います」、との連絡
があり、こちらの要望通りの補償額をひき出せた。
■ レンタカーを返せの催促
相手方保険会社から、「レンタカーを返してください」、との催促があった。「公共交通機関が満足にない山梨
県では車がなければ生活できない。こんな被害に遭わなければ車で自由に移動できたのだから、新車が届くま
でレンタカーを貸して欲しい」と”懇願”したが、「通常、レンタカーを借りられるのは2週間です」、とニベなく断られ
てしまった。
【余談】
相手方保険会社は、「お客様満足度9X.X%」、とテレビコマーシャルしている、保険料の安さが売りの外資系
保険会社だった。この事例にしろ、ほとんど場合、本当の”お客様”は”被害者”のはずだが、その満足度を調べ
て公表してもらいたいものだ。
整形外科でも、「外資系の保険会社は、査定が渋い(ケチる)」、という声を聞いた。皆さんは、どこの保険会
社に加入していますか。
■ 新車を選ぶ
ディーラーで取り扱っている小型普通乗用車で妻が運転できそうなのが2種あった。スポーツタイプの1台に試乗
すると、座席が低い為、妻は空を見て運転するような形になりダメだった。
もう一台は、運転する感覚は今までの軽自動車と同じで、車体もほんの少し大きいだけなので、これに決めた。
ナビやETCなどのオプションを付け、価格は230万円だから、115万円ほど臨時出費が発生だ。
【余談】
4月に妻と海外旅行で南米に出かける予定だった。それに予定していたお金が車に化けてしまい、週に数回
通院している身では海外旅行は難しいと思い、先延ばしになってしまった。
■ 新車が届く
車を正式に注文したのは事故後20日余り経った1月26日だった。翌週、一括で代金を支払った。納期は3週間
くらいと言われた。新車を買う意思を示していたので、ディーラーで代車を用意してくれていたのでレンタカーは
返した。予定通り、2月17日に納車になった。
久しぶりに普通乗用車を運転したが、「音が静か」、「馬力がある」印象が蘇ってきた。
【余談】
昨年暮れ、兵庫県の石友・N夫妻が、普通乗用車から軽自動車に変えた。わたしが、軽自動車のメリット
をいろいろと説いたので、軽自動車にする気を固めたようだった。
その私が、軽から普通に乗り換えたのだから、”嘘をついた”ような形になってしまい、申し訳なく思っている。
Nさんが、久しぶりに普通車に乗ったら、「音が静か」と同じような印象を持たれたようだ。
前に乗っていた軽自動車は、”マイルド・ハイブリッド”で、「リッター32キロ」を謳っていたが、実力は「18、9キロ」
止まりで、カタログの60%の性能だった。
今度の普通車はカタログでは、「リッター23キロくらいだから、良くて15キロだろう」と思っていた。実際に1,000
キロ余り走った時点での平均実燃費は19.3キロと、前の軽よりも良いのには驚いた。平坦な高速だけを走ると
23キロくらいのカタログ値に近い。
どこかの国の会計検査院と違い、民間会社で厳しく鍛えられたMineralhuntersとしては、”ホンマかいな?”と
疑問を持つ習性が身についている。走行距離と燃料消費量、あるいは燃費のデーターを細工して表示するのは
簡単だからだ。
昔、実燃費を出すのには”満タン法”を使ったことを思い出した。その名の由来は、満タンにして、トリップ・メーター
を”ゼロ”にして走る。ガソリンが空になる前に、再び満タンにしてレシートから「ガソリン消費量:F」を、トリップ・
メーターから「走行距離:D」を読む。実燃費 =D/F で計算できる。
実燃費 = 428.5 / 23.03 = 18.6 キロ/リッター だから、表示の 19.3 よりも 4%弱 悪い。これを誤差の
範囲と言えるか、微妙なところだ。
軽と同等なのだから、満足せねばなるまい。
■ 安全装備
軽にも衝突しそうになるとブレーキが動作する衝突防止機能はついていたが、今度の車で新たに付け加わった
のは、「車線はみ出し警報」だ、よそ見をしたり居眠りしたりで車線を外れると警報音と赤で表示がでる仕組みだ。
一般道でも機能が動作する場所もあるが、全く動作しない場所もあるから、この機能に全て頼るのは危険だ。
無意識にこの警報が出るようになったら、サービスエリアやコンビニなどに立ち寄って、仮眠をとったり、コーヒを
飲むなどして、リフレッシュするようにしている。
■ 定速走行機能
今度の車には、定速走行機能がついている。設定した速度で走るので、アクセルの空ぶかしなどが減り、燃費
向上につながる。高速道路を長距離走るときなどに、アクセルから足を離していられるので、疲労軽減やその分
ほかのことに注意を向けられ事故防止にも役立つ気がする。
この機能は使う場所を間違えると事故につながりそうだ。渋滞している道路、急なカーブがある道路などでは
絶対使わないようにしないといけない。
■ スマホ通話対応
「BluetoothR(ブルートゥース)」機能とやらを使い、走行中にスマホに掛かってきた電話に出て話すことができる。
Bluetoothとは、近距離無線通信の規格のひとつで、パソコンやスマートフォンといった情報機器やオーディオ機器
などを無線で接続し、機器間で音声やデータをやり取りすることができるのだ。
ハンドルの中央部に小さなマイクが付いていて、これが声を拾ってくれ、相手の声はスピーカーから聞こえる仕組
みだ。
”ハンズフリー(手が自由)”になるメリットはあるが、話に夢中になって運転が疎(おろそ)かになることが懸念さ
れ、走行中は使わない方が無難だ。( 幸か不幸か、車の運転中はこの1ケ月全くかかってこない )
■ 先行車発進お知らせ
信号待ちで停車し、エンジンが自動的に停止し、先行車が発進すると、”ピッ”という警報音と”表示”がでる。
後ろの車に”プッ、プッ”、とクラクションを鳴らされ、”ムカッ”とすることは少なくなるのだが、機能を信じて発進する
とトンデモナイ落とし穴がある経験をした。
渋滞している市街地の交差点で、、信号は青で先行車が交差点内に停止していた。自車は当然停止線の
前で止まった。”ピッ”と鳴ったので先行車を見ると、交差点を抜けていた。発進する前に当然信号を確認すると
赤に変わっていた。
もし信号を確認せずに発進していたら、右か左から来た車に衝突していたかも知れない、と思うと”ゾッ”とした。
・ 悪路でもスタック(立ち往生)しないためには、4WDが望ましい。
・ 車高はできるだけ高い方が良い。
4WD車は2WD車に対して価格が高いし、燃費も悪い。悪路の産地にミネラル・ウオッチングに頻繁に行く
のなら別だが、普通の林道の奥にある産地に行く程度なら4WDの必要はないだろう。
私が乗った車高が高い車でも190mm、今度の一番低いので140mm、その差はわずか50mm(5センチ)
だ。このくらいの差なら、凹凸のある道路をどのように走るか(運転技術)のほうがより重要なファクターに
なりそうだ。
同行する石友の車に乗せてもらうという手もあるはずだ。
(2) 高齢者運転講習
私のような高齢者になると、”車の選択”よりも”運転免許証の更新ができるか否か”の方がより重要になっ
てくる。
72歳の誕生日を前に、運転免許証の更新に備えて近くの自動車学校で「高齢者運転講習」を受講した。
受講者が多いのか、あるいはある人数集まるまで待っているせいか、予約して2週間くらいしてからの受講に
なった。男女10名くらいいたので、2チームに別れ、私は以下の内容を順に2時間かけて受講した。
・運転実技 教習指導員を助手席に乗せて、教習車を学校内のコースで運転して、運転技術を確認
→ 何の指摘もなし。(これって、何なの?)
・座学 ビデオを見て「一時停止」などの交通ルールの確認
グループで1枚の写真を見て、危険個所を指摘する「危険予知訓練(KYT)」
受講者の中に、”何をやろうとしているのか理解できない”人がいた。それでも、「受講証」
はもらえていたから、免許も貰ったのだろうが、運転して大丈夫??
・適性検査 機械を使用して夜間視力と動体視力を測定
高齢者の動体視力は0.1くらいらしいが、MH は0.7で、教習指導員が驚く。
「何かスポーツやってますか」、と聞かれ、「昔、サッカーのGK(ゴールキーパー)でした」と
答えたが、40年以上も前にやっていたスポーツの効果なのか、はなはだ疑問だ。
( 単に、”勘”が良いだけなのかも・・・・)
実技と座学の間に休憩があった。女子事務員がお茶とお茶菓子を運んできたのには、”ビックリ”した。
私は運転免許を取得したのが遅く、自動車学校に通っていたのは結婚する少し前の25歳の頃だった。
モータリゼーションの時代幕開けとばかりに、免許を取得する人が多く、実技の予約を取るのが大変な時代
だった。
学科は毎回ほぼ満点だったが、実技では”クランク”などは苦手だった。(不思議なことに、バックだと問題
なく、「自分で勝手にやっていていいよ」と指導員が車から降りて行ってしまうくらいだった。)
中には、”馬鹿”だの”チョン”だのと罵(ののし)られる教習生ともいて、自動車学校にはあまり良い印象は
なかったが、半世紀ぶりに行くと対応が全く違っていた。それだけ、若い人の自動車離れが進んでいるのと、
これからは”高齢者が最大の顧客”だからだろう。
こうして、免許更新が無事終了したのは既報の通りだ。