2004年秋 群馬・栃木の観光・鉱物採集旅行【ダイジェスト版】











2004年秋 群馬・栃木の観光・鉱物採集旅行
          【ダイジェスト版】

1.初めに

 8月末に、兵庫県の石友・Nさん夫妻を「灰クロム柘榴石」の大日鉱山に案内したが
ズリの位置を取違えて、採集できなかった。これでは、申し訳ないと、群馬・栃木の
鉱物産地を案内させていただくことにした。

 【第1日】群馬県西ノ牧鉱山→中丸鉱山→三ツ岩岳→栃木・宇都宮泊
 【第2日】富井鉱山→唐沢鉱山→小来川鉱山→日光観光→栃木・足尾泊
 【第3日】庚申川の桜石→足尾銅山観光→久良沢鉱山→萩平鉱山→群馬・桐生泊
 【第3日】茂倉沢鉱山→上信越下仁田IC→(群馬県立自然史博物館)→甲府

  3泊4日で、群馬・栃木の有名産地を回り、それぞれの産地で代表的な標本を
 採集することができた。
  @西ノ牧鉱山の鶏冠石
  A中丸鉱山の輝安鉱・ベッコウ亜鉛
  B三ツ岩岳の日本式双晶
  C唐沢鉱山の輝蒼鉛鉱
  D小来川鉱山の藍銅鉱
  E久良沢鉱山の満バン柘榴石とマンガンパイロスラマイト

  しかし、西ノ牧鉱山の若林鉱、萩平鉱山のホセ鉱そして茂倉沢鉱山の鈴木石などが
 採集できず、心残りもあった。
  今回は群馬・栃木を初めとする関東地方の鉱物産地のさわりを駆け足で回った
 だけであり、次回は、ジックリと案内したいと考えています。
  ご一緒いただいたNさん夫妻に厚く御礼申し上げます。
(2004年9月採集)

2.【第1日目】

 (1)内山峠に集合
    5時に起き、141号線を清里に向けて走る。途中のファミレスで朝食を済ませ
   清里を抜けると気温は15℃と、すっかり秋の気配。佐久から254号線に入ると
   「コスモス街道」と言うだけに、道路の両側にはコスモス(秋桜)が満開
   つい、山口百恵のコスモス(秋桜)の一節を口ずさむ。

    『淡(うす)紅の秋桜が秋の日の 何気ない陽溜まりに揺れている〜〜♪♪』

    約束より1時間前に内山トンネル手前のドライブインに到着すると既にNさん夫妻も
   到着している。挨拶もソコソコに出発。

 (2)狙いは「若林鉱」
    内山トンネルを抜け下仁田に向い、「荒船の湯」の手前で右折し、西ノ牧鉱山を
   目指す。道路に覆い被さる草木を掻き分け、ボディをキーキー擦りながら駐車場所に
   到着。
    「若林鉱」は鶏冠石を伴う石英質の母岩の晶洞にでることから、石英質の母岩の
   多い坑道Dの周辺で採集。しかし、表面には、鶏冠石はおろか、石黄すら見当たらない。
   表面にあるものは、全て分解してしまったらしい。

    D坑前で

    以前、新鮮な鶏冠石を採集した坑道B脇の露頭に移動し、母岩付きを採集
    最後に、選鉱場跡(?)と思われる場所で、石英の小塊を拾い集めて持ち帰って
   いただき、自宅で若林鉱を探していただくことにした。

 (3)中丸鉱山の輝安鉱
    254号線に戻り、下仁田に向かってものの数百メートルも走ると中丸鉱山(正確には
   中丸鉱山東坑)がある。
    沢を遡りながら、点在するズリ石を割り、輝安鉱はじめ各種の鉱物を採集する。
   私が坑口を目指して沢を遡っている間に、最初に着いた場所から1歩も動かなかった
   妻が12面体の透明で薄緑色の1cm大の結晶が母岩に数個ついたものを採集した。
    これは、「ベッコウ亜鉛」あるいは「ヤニ鉱」とよばれるもので、閃亜鉛鉱の鉄分が
   少ないもので、この産地では普通に見掛けるが、このように結晶がハッキリした
   ものは極めて稀である。
    名古屋支部のSさんの奥さんなら、”エヘン”ものです。

       
        中丸鉱山             ベッコウ亜鉛

    中丸鉱山から下りてきて、食堂「大竹」で昼食を食べる。まずは、下仁田名産の
   「味噌コンニャク」を食べる。コンニャクには砂を体の外に出す効果があるといわれ
   日頃、ズリ石を叩きまくって石の粉をたくさん吸い込んでいるわれわれには願ってもない。
    注文の品が出てくる間、店内を見渡すと、水晶や黄鉄鉱の塊が置いてある。何でも
   よその県から中丸鉱山に鉱物採集に来たひとが、置いて行った、との店の奥さんが
   話してくれた。
    また、ごく最近、幼稚園児が団体で来たとも話してくれた。Nさんの奥さんが
  「神戸から来た」と話すと、奥さんは目を白黒させて、"口あんぐり"状態であった。
   (よほどの好き者と思われたらしい。)

 (4)三ツ岩岳の日本式双晶を求めて
     腹ごしらえもできたところで、各種の日本式双晶で有名になった三ツ岩岳の産地を
    目指す。下仁田市街に入り、スーパー林道を走り、産地に横付け。
     仙台の石友・Tさんからメールがあった通り、2年前の露頭は、深さ4、5mの
    完全な坑道と化しているのにビックリ。
     2年前には、坑道の前で、小さな日本式双晶が拾えたが、今回は影も形も見えない。
     最後の手段と、チョッと離れた沢からバケツに水を汲んできて、その中で坑道前の
    土砂をフルイ掛けする作戦にでた。これが大当たりで、1回のフルイ掛けで1つは双晶や
    面白い形をした水晶が出てくる。しかし、いかにも能率が悪い。先を急ぐわれわれは
    悠長にフルイ掛けしている時間はない。雨脚も強くなってきたので、同じ場所の土砂を
    土嚢(どのう)袋に入れて持ち帰ることにした。

    三ツ岩岳採集風景【Nさん撮影】

    【後日談】
     Nさん夫妻が持ち帰った土砂をフルイ掛けして、たくさん双晶や面白い形をした
    水晶が出てきたと、写真と共にメールをいただいた。

    フルイ掛けの成果【Nさん採集・撮影】

 (5)宇都宮の夜は更けて
     再び下仁田の市街に戻り、下仁田ICから上信越道にのり、藤岡JCT→関越道高崎JCT
    →東関東自動車道伊勢崎ICへと走り、国道50号線で、佐野藤岡ICから東北道にのる。
     すでにあたりは真っ暗で、SAで夕食。宇都宮ICでおり、今夜の宿のホテルに向かう。
     まずは、ビールで乾杯。持参のワインを飲む。Nさんは、800km近い長距離運転の
    疲れと、そこそこの採集成果の満足感で、酔いも回り、早めに Z z z ・・・・・。

3.【第2日目】

 (1)富井鉱山で栗拾い!
     朝7時にホテルを出発、コンビニで朝食と昼食を仕入れて、紫水晶を求めて、富井鉱山に
    向かう。現地に着いて、ここ3年ほど行かない間に産地の様子が一変しているのに驚く。
    以前なら、大雨が降るたびに、沢の川床がえぐれて、新しいズリ石が顔をだし
     富井鉱山特有の「紫水晶」や「日本の鉱物」に掲載されている「ヌケガラ石英」が
    採集できたのだが、最近では大雨でも濁流が流れることはないらしい。
     やがて、Nさんの奥さんが、栗の実が落ちているのに気付き、女性陣は鉱物そっちのけで
    栗拾いに熱中しだした。
     これ以上粘っても良品採集の可能性も薄く、早々に退散した。

    富井鉱山で”栗拾い”【Nさん撮影】

  (2)唐沢鉱山の輝蒼鉛鉱
    富井鉱山から「文挟(ふばさみ)」の集落を抜け、唐沢鉱山に向かう。文挟には
   「燐灰石」や「トルコ石」を産した、文挟クレー鉱業所があり、採掘露頭が遠望できる。
    現在どうなっているのか気になるところだが、先を急ぐ。
    坑口下のズリで、石英塊を只管割ると、金属光沢を示す蒼鉛鉱物が見つかる。Nさんが
    厚みのある板状の輝蒼鉛鉱を採集した。Nさんは、今回白色発光ダイオードを使った
    新兵器のキャップライトを持参しており、杉木立の中のような場所での採集に威力を
    発揮し、早速ご利益があった、と満足気であった。
   (この後も、活躍することになる。)

    唐沢鉱山

(3)小来川鉱山の「藍銅鉱」
    唐沢から小来川温泉を抜け、日光に向かって走ると、小来川鉱山の入口が見える。
   2年ほど前に来たときには、林業作業中で、かつて鉱山事務所や沈殿地があった場所まで
   車を乗り入れられたので、大丈夫と思ったのが甘かった。路面には2mもあるススキが
   生い茂り、道路に覆い被さる草木を掻き分け、ボディを”キーキー”、車の底を
   ”ガツンガツン”擦りながら、戻るもならず、突き進む。コンクリートを打った駐車
   スペースまで何とか進み、ここに車を停め歩くことにした。
    鉱山事務所跡から、草ボウボウの山道、急斜面のズリを喘ぎながら登り、そこから先は
   野イバラや蔓が生い茂り、女性陣は無理と判断し、待機してもらう。
    蔓と思ったのは、「猿梨」で、キウイを小さくしたような実をつけている。鉱物採集
   変じて果実採集になる。
   (この猿梨は、帰宅後すぐに「猿梨酒」に化けて、熟成中である。)
    採り尽くしたので、再び斜面の野イバラを掻き分けて「アズラの森」を目指す。
    尾根近くまで登ったが、それらしい場所が見当たらない。どうやら、西寄りに来過ぎた
   と判断し、一本尾根を越えると「坑口」があり、そのはるか下に「アズラの森」らしき
   場所が見える。斜面を駆け下りて、近寄って見ると、孔雀石の付いたズリ石が点在し
   間違いない。「あったゾ〜〜」と声を掛け、Nさんと女性陣を呼ぶ。到着までに見本を
   と思うが「藍銅鉱」が見当たらない。
    場所は間違いないし、おかしいと思いながら探すと、やっと「藍銅鉱」が付いた
   小さな見本を採集できた。
    「熊除けの鈴」を鳴らしながら、女性陣が到着。Nさんは、尾根の反対側にもズリが
   あると「鉱物採集フィールドガイド」に書いてあるので、反対側を見てきたが、ズリは
   見当たらなかったらしい。
    場所がハッキリすると、急に空腹を覚え、まずは腹ごしらえ。藍銅鉱は狭い範囲にしか
   分布していない。
    目を皿のようにしてズリを探す。眼が慣れてくるに従い、初めてのNさん夫妻や
   私の妻も「藍銅鉱」を初め「孔雀石」「胆礬」「ポスンジャク石」「スコロド石」などを
   発見する。ここでも、NさんのLED式キャップランプが大活躍。

       
        「アズラの森」            藍銅鉱
                  小来川鉱山

 (3)「日光を見ずして、結構と言うなかれ」
    下りは早い。喘ぎながら登ったのが嘘のよう。Nさんの奥さんは、日光が初めてとの
   ことなので、今回の採集旅行に日光観光を組み込んだ。
    小来川鉱山から日光ICの脇を通り、日光市内に入る。玄関口にあたる朱塗りの「神橋」が
   化粧直し中とのことで、すっかり目隠しで覆われている。まずは、「東照宮」に向かう。
    ここも、目隠しに覆われた部分があり、入るのを躊躇し、外から雰囲気だけを楽しむ。

       
        東照宮               二荒山
                  日光観光

    お土産店を覗くと「金泊入りカステラ」なるものが売られている。「金粉入り」
   「金泊入り」など鉱物にかかわる品物には目がないので、試食するとマズマズの味なので
    留守番の娘さん・Nさんへのお土産に1本購入。

 (4)足尾温泉「かじか荘」の夜は更けて
    日光から「日足トンネル」を抜けて、足尾町に入る。所々、山の岩肌が剥き出しになり
   鉱害の爪あとを残している。夕闇が迫る中、庚申川沿いに、かつての足尾銅山「小滝坑」の
   遺跡を見ながら今夜の宿「かじか荘」を目指す。
    温泉は、正真正銘 PH9.8のアルカリ温泉で、肌がスベスベする。露天風呂も
   満喫し、上がると夕食。
    まずは、ビールで喉を潤し、地元の食材を活かした料理に舌鼓を打つ。

    「乾杯!!」

    売店を覗くと「桜石」なるものが1つ1,000円で売っている。説明書きを読むと「菫青石」で
   この近くで採集できるらしい。翌日の採集コースに急遽追加することにした。
    また、足尾町の写真師・小野崎一徳(1861-1929)が撮影した写真をもとに復刻した
   「明治期の足尾銅山」絵葉書を購入する。

    部屋に戻り、Nさん持参の「大吟醸」を保科五無斎流に”天口酉卒”、明日の作戦会議。
   この日も疲れと酔いで早めに Z z z z z・・・・・・。
    (若い人の研修があり、2時頃まで騒がしかった、と妻が言うが記憶になし。)

4.【第3日目】

 (1)庚申川の「桜石」
     昨夜、温泉の浴槽で知り合った地元の人に聞くと、「桜石」はすぐ目の前の
    庚申川でも採集できるとのこと。
    10年ほど前にブームになり、皆さん採集に行ったが、今はブームも下火になり
    採集する人もめっきり少なくなったらしい。
     私のHPにも「沢入(そおり)の菫青石」と題するページがあるように、足尾町の
    南にある沢入は、花崗閃緑岩の産地で、この深成岩の貫入に伴って、沢入周辺の
    粘板岩が熱変成を受け、菫青石フォルンフェルスに変わったらしい。
     菫青石の断面が桜の花びら状なので、ここでは「渡良瀬桜石」という優雅な名前で
    呼ばれている。
     庚申川の上流に向い、河原に下りてみると、あるは、あるは

       
    庚申川の上流【Nさん撮影】         「桜石」

 (2)久良沢鉱山の「マンガンパイロスラマイト」
     足尾の市街を抜け、鹿沼に向かうと、道路脇に久良沢鉱山がある。「日本の鉱物」に
    世界的に稀な鉱物「マンガンパイロスラマイト」の産地として紹介されている。
     神奈川の石友・Mさんに教えてもらったあたりで、真っ黒いマンガン鉱石を叩き割ると
    バラ輝石に伴って産出する。ここの、鉱石の堅いのなんの。
     やはり、満バン柘榴石を採集したいとの要望が強く、急な斜面を登り、坑口に行くと
    数年前に採集した満バン柘榴石の片割れが残っており、Nさんと分け合う。

       
     坑口前【Nさん撮影】      「マンガンパイロスラマイト」
               久良沢鉱山

 (3)「銅山観光」の「紫水晶」に魅せられて!!
     再び足尾市街に戻り、足尾銅山の通洞坑に作られた観光坑道を中心とした観光施設の
    「銅山観光」を訪れる。ここには、足尾銅山で産出した鉱物や鉱山で使われた道具
     器機そして書類などが展示してある。
      なかでも圧巻は、40cmはある「紫水晶」の群晶で、これを見たNさんの奥さんは
     動けなくなってしまったかのようであった。

    紫水晶に魅入る(魅入られた?)Nさんの奥さん

    私は、土産物売り場にある「古銭」売り場をのぞく。足尾銅山で鋳造された裏に”足”の
   字が浮き出ている”足字銭”を探す。鉄銭を思わせる鉄銹の浮いたものがあるのに気付き
   銅貨なので普通は磁石に付かない筈だが、これは磁石を近づけると”ぴしゃり”と吸い付く。
   これは珍品と思い、早速購入。

       
           表                  裏
                   足字銭

 (4)萩平鉱山の「ホセ鉱」を探せ
     足尾の町から桐生に向かって299号線を下ると、萩平鉱山がある。ここは、「ホセ鉱」や
    「パイロファン石」の産地として有名である。真っ黒いマンガン鉱石は比較的多量にあり
     久良沢鉱山のものに比べれば、割りやすい。(とは言ってもマンガン鉱石で堅い)
     雨模様で、空もどんよりと暗く、この手の鉱物を採集するには最悪のコンディション
     Nさん持参の高輝度LEDのキャップランプも神通力を失ったかのようである。
     「ホセ鉱」らしきものを採集し、引揚げとなる。

    萩平鉱山

 (5)桐生の街の夜は更けて
     萩平から、今夜の宿のある「織物の町・桐生」を目指す。JR桐生駅脇のホテルに
    投宿する。早速街中に出て、ビールで乾杯し、夕食。
     ホテルに戻り、今回の採集・観光旅行最後の夜を、Nさんの部屋で、Nさん持参の
    大吟醸を飲みながら、名残を惜しむ。

5.【第4日目】

 (1)鈴木さんも長島さんも留守だった
    翌朝、6時にホテルをでて、ファミレスで朝食の後、「鈴木石」を求めて茂倉沢を
   訪れる。雨脚は一段と激しくなり、指先も凍えそう。
    真っ黒いマンガン鉱石はあるが、バラ輝石を伴うものは少なく、”緑色の鈴木石”
   一向に現れない。2時間ほど粘ったが、これ以上は、無理と判断し、今回の採集を切上げる。

 (2)いざ、帰りなん
     伊勢崎IC→高崎JCT→藤岡JCTと往きの逆コースを辿り、甘楽SAで休憩。未だ10時で
    あった。ここでも、「秘伝甘味噌タレのこんにゃく」を食す。
     名残惜しいが、われわれは下仁田ICでNさん夫妻とお別れする。

 (3)付録・「群馬県立自然史博物館」
     下仁田ICで下りると、「群馬県立自然史博物館 7km」の標識が見える。前々から
    訪れてみたいと思っていたし、時間も早いので、立ち寄ることにした
     博物館は、小高い丘の上にあり、化石や動植物の展示がメインで、鉱物には僅かな
    スペースしか与えられていない。それでも、群馬県産の新鉱物は全て網羅し、実物が
    展示してある。

    @西ノ牧鉱山の若林鉱
    A茂倉沢鉱山の鈴木石
    B茂倉沢鉱山の長島石
    C藤岡市たたら沢のアンモニオ白榴石
    D嬬恋村奥万座温泉の南石

       
          鉱物展示            群馬県産新鉱物
            群馬県立自然史博物館【博物館図録から引用】

    若林鉱と共生している鶏冠石は、全て黄色の”石黄”に変化してしまっている。Nさんの
   奥さんは、空き缶の中に保管しているのは正解かもしれません。

6.おわりに

(1)今回は群馬・栃木だけの関東地方の鉱物産地のさわりを駆け足で回り、そこそこの
   標本を採集していただけたと思うが、西ノ牧鉱山の若林鉱、萩平鉱山のホセ鉱そして
   茂倉沢鉱山の鈴木石などが採集できず、心残りもあった。
   (大先達には、「初めてで、採集できるとは甘い!!」と一喝されそうですが)
    また、”観光・鉱物採集旅行”と銘打ちながら、”観光”はほとんどなく、専ら石拾いで
   終始してしまった。次回は、ジックリと案内したいと考えています。
    ご一緒いただいたNさん夫妻に厚く御礼申し上げます。
(2)足尾産の紫水晶が人気のようで、産地の名前を「かじか荘」の従業員やここを訪れた
   地元の高齢者に尋ねてみたが、手がかりは全く得られなかった。
   「かじか荘」の従業員は、『前にも、そんなことを聞かれました』と話してくれ、皆さん
   考えることは同じようです。

7.参考文献

1)地質調査所編纂:日本鉱物誌 B-U,工業技術庁地質調査所,昭和26年
2)柴田秀賢、須藤俊男:原色鉱物岩石検索図鑑,北隆館,昭和48年
3)益富地学会館監修:日本の鉱物,成美堂出版,1994年
4)木下亀城:原色鉱石図鑑,保育社,1989年
5)益富壽之助:正倉院薬物を中心とする古代石薬の研究 正倉院の鉱物T
        日本地学研究会館,昭和48年
6)和田維四郎著:日本鉱物誌第1版,和田維四郎,1904年
7)福地信世:日本鉱物誌第2版,丸善,1916年
8)日本鉱物誌編集委員会編:日本鉱物誌 I-a,東京地学協会,昭和30年
9)梅沢俊一:鉱物産地をたずねて<増補改訂版>,梅沢俊一,1995年
10)星野 由紀夫:群馬県南牧村三ツ岩岳付近から産出した水晶の
         日本式四連晶と貫入三連晶,ペグマタイト 第53号,2002年
11)高田 雅介:群馬県南牧村三ツ岩岳の日本式三連双晶
        ペグマタイト 第60号,2003年
12)日下英昭:鉱物採集フィールドガイド,草思社,1988
13)加藤昭:マンガン鉱物読本,関東鉱物同好会編,1998
14)松原聡:日本産鉱物種,鉱物情報編,1987
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