茨城県つくば市地質標本館-切手の鉱物-

茨城県つくば市地質標本館-切手の鉱物-

1.初めに

茨城県つくば市にある地質標本館は、独立行政法人産業技術総合研究所
の一部として、地質総合センター(旧地質調査所)の研究活動で得られた成果を
最新の地球科学情報とともに展示している。
2002年5月に実家のある土浦市の市立博物館に行くと、地質標本館で、
「切手の鉱物」という企画展を開催していることが分かり、鉱物と切手が
趣味の私として見過ごすわけにいかず、博物館そっちのけで駆けつけた。
(2002年5月訪問)

2.場所

常磐自動車道「桜土浦IC]で下り、つくば方面に左折、大角豆(ささぎ)の
信号で右折する。東大通りを筑波山に向かって約300m進むと「←地質標本館」
の表示があり、これに従って進むと赤茶色のレンガ造り建物がある。

地質標本館前で【「切手の鉱物」案内】

3.標本館のあらまし

3.1 常設展示
1Fには、第1展示室と第4展示室があり、2Fには、第2展示室と第3展示室がある。
第1展示室・・・地質図、生物の進化や郷土の地質などの展示により地球の歴史を
        知ることができる。
第2展示室・・・陸域や海域の鉱物資源および海洋・湖の地球環境との関わりを
        知ることができる。
第3展示室・・・火山、温泉、地熱、活構造、活断層と地熱、花崗岩などについて
        知ることができる。
第4展示室・・・岩石、鉱物、化石の分類学的展示や新着標本を見ることができる。
今回、常設展示は、一部分を駆け足で見ただけでした。
以前、見て記憶に残っているお奨め標本は、
(1)田口鉱山のパイロックスマンガンの結晶
(2)「若林鉱」など日本人の名前がついた鉱物のコーナです。

3.2 企画展「切手の鉱物」
秋田大学付属鉱業博物館 館長 丸山 孝彦氏が収集した鉱物切手をベースに
今回の展示を構成したとの、案内が正面に掲示してある。
6月16日(日曜日)まで開催。月曜休館。入場無料。
展示趣旨説明
その後ろには、鉱物切手とそれに描かれた鉱物の実物が対比して展示してあるのは、
心憎いばかりです。
切手と鉱物展示ケース
このケースの中で、特に私の目を引いた標本は、私のHPに掲載してあるが、
現物がない、台湾・瑞芳鉱山の自然金です。
他には、栃木県富井鉱山の紫水晶でしょう。

左:自然金【瑞芳鉱山】 右:紫水晶【富井鉱山】
(1)「切手の中の宝石」
切手を「紙の宝石」と呼ぶ人がいますが、ここでは、宝石を描いた切手を
展示しています。
宝石切手
人気のある宝石・装飾用鉱物のベスト5は、次の通りだそうです。
@ダイヤモンド
Aめのう
B水晶
Cエメラルド
D紫水晶
(2)「誕生石」
月別の誕生石を描いた切手が展示してあります。
誕生石
(3)「鉱物の硬さ」
鉱物の硬さを図る物差しとして、モースの硬度計がありますが、
「硬度10のダイヤモンド」の硬さは、「硬度1の滑石」の10倍でなく
桁違いに硬いことを理解できるように展示しています。
(4)「鉱物の色」
鉱物や宝石の美しさの要素の1つである”色”がなぜ着くのかを解説して
います。
(5)「いろいろな鉱石」
われわれの日常生活になくてはならない、鉄、銅などの原料である鉱石の
切手を展示しています。
(6)「日本の鉱物切手」
外国では、鉱物や宝石の切手をたくさん発行しているが、日本で発行した
鉱物(宝石)切手は、山梨県をテーマに発行した地方切手である「富士山と
宝飾の山梨」が唯一である。
宝飾の山梨

4.おわりに

思いもかけず、私の趣味の鉱物と切手の両方を楽しめるチャンスに
めぐり合えたのは幸運でした。
このような企画があることを事前に情報入手するよう、もっとアンテナを
高くしなければと反省させられた。

5.参考文献

1)地質調査総合センター編;地質標本館パンフレット,2001.7

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