茨城県つくば市地質標本館の鉱物

茨城県つくば市地質標本館の鉱物

1.初めに

茨城県つくば市にある地質標本館は、独立行政法人産業技術総合研究所
の一部として、地質総合センター(旧地質調査所)の研究活動で得られた成果を
最新の地球科学情報とともに展示している。
2001年8月最後の日曜日にここを通りかかると、通常日曜日は閉館の地質
標本館が「一般公開」で開催中との看板を見かけ立ち寄ってみた。
通常の展示のほか、「鳴き砂を鳴らす」や「鉱物鑑定」のコーナなどがあり、
8月最後の日曜日を過ごす親子ずれで賑わっていた。
マンガン団塊の無料配布や「鉱物鑑定」のプレゼントをいただいて帰ってきた。
(2001年8月訪問)

2.場所

常磐自動車道「桜土浦IC]で下り、つくば方面に左折、大角豆(ささげ)の
信号で右折する。東大通りを筑波山に向かって約300m進むと「←地質標本館」
の表示があり、これに従って進むと赤茶色のレンガ造り建物がある。

地質標本館前で【島根県馬谷城山(うまたにしろやま)鉱山産水晶】
3.標本館のあらまし

3.1 常設展示
1Fには、第1展示室と第4展示室があり、2Fには、第2展示室と第3展示室がある。
第1展示室・・・地質図、生物の進化や郷土の地質などの展示により地球の歴史を
        知ることができる。
第2展示室・・・陸域や海域の鉱物資源および海洋・湖の地球環境との関わりを
        知ることができる。
第3展示室・・・火山、温泉、地熱、活構造、活断層と地熱、花崗岩などについて
        知ることができる。
第4展示室・・・岩石、鉱物、化石の分類学的展示や新着標本を見ることができる。
今回、常設展示は、一部分を駆け足で見ただけでした。
以前、見て記憶に残っているお奨め標本は、
(1)田口鉱山のパイロックスマンガンの結晶
(2)「若林鉱」など日本人の名前がついた鉱物のコーナです。

3.2 企画展「おいでよ!夏の地質標本館」
(1)「海洋:その資源と環境」をメイン・テーマに海洋深層水、海底の金山、鳴き砂体験
そして鉱物鑑定などのコーナがあった。
ここでは、北西太平洋の海底2200mで採集したマンガン団塊を(好きなだけ!?)
無料で配布していた。これは、自分では絶対に採集に行けない産地の標本なので、
石友への配布分も含めて、多めに戴いてきた。
その脇には、黒鉱鉱床の成因と考えられる深海海底でできた、「チムニー(煙突)」の
実物が展示してあった。

左:マンガン団塊【北西太平洋 水深2200m】右:チムニー(煙突)
(2)鉱物鑑定「鉱物に名前をつけよう」
鉱物とは何かといった簡単な説明があったあと、「簡単な鉱物の見わけ方」を
参考にしながら、外観の色、光沢、手にもった手ごたえ(比重)、磁石(磁性の有無)
クギ(硬度)なども使って、6種類の鉱物の鑑定に挑戦した。
小学生から私の年代まで、1回に20名くらいが挑戦した。

鉱物鑑定風景
石英、長石、黒雲母、黄鉄鉱、方解石、蛍石と比較的分かりやすい鉱物だったので、
全問正解者が多かった。
参加者には、地質標本館の絵葉書と粟代鉱山の黄鉄鉱(全問正解者はスプーン3倍、
ほかは1杯)をプレゼントにいただいた。

4.おわりに

このような企画は、恒例になっているようで、昨年は「夏休み地球相談日」
を設け、岩石・鉱物・化石の相談」や「植物化石のクリーニング体験(8回目)」などの
イベントを行ったようです。
理数ばなれが進む昨今、このような機会を通して小中学生が少しでも、興味を持って
くれればと願って、来年も期待しています。

5.参考文献

1)地質調査総合センター編;地質標本館パンフレット,2001.7
2)地質調査所編;地質ニュース,第559号,2001.3

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