北極圏をめぐる地球一周の旅 【横浜前泊】 ( Tour around the World & Arctic Circle 2016 - 1 night in Yokohama - )









      北極圏をめぐる地球一周の旅  【横浜前泊】

       ( Tour around the World & Arctic Circle 2016 - 1 night in Yokohama - )

1. はじめに

    電車は順調に進み、終点高尾駅に着いた。中央線特快に乗り換え、八王子駅に着く。ちょうど
   昼時だったので、駅の立ち食い蕎麦店に入って、ミニカツ丼と蕎麦を食べ、横浜線のホームに行くと
   桜木町行きの快速電車が待っていた。途中の駅をいくつか素通りするので、1時間かからずに横浜に
   到着するはずだ。

    昔、八王子から横浜までは、便数も少なく、もっと時間がかかり、東京を回った方が早いのではない
   思っていたが最近ではそんなことを言えば笑われそうだ。
    明治維新前夜、横浜港の西洋人が、”クズ水晶”を高値で買ってくれることを知った甲州商人が夜
   通し走って甲府まで帰れるくらいのルートだから距離はそれほどではないのだ。

    横浜駅で「みなとみらい線」に乗り換え、ホテルがある「馬車道駅」を目指す。
    ( 2016年4月 報告 )

2. 新たなトラブル発生

    横浜駅でプリンターが入った段ボール函を包んだ「風呂敷」の隅が切れてしまい、間に合わせでその
   切れ端をつないでしばりつけてきたが、馬車道駅の改札を出たときには、風呂敷には縦に亀裂ができ
   て、今にも段ボール箱が転げ落ちそうになった。
    エスカレータを上がるときには、ゴロゴロを右手で引き、その上に載せたプリンターを抑えるのが精いっ
   ぱいだった。エスカレータの下の段の若い女性が心配して「大丈夫ですか」と声を掛けてくれた。

    「 衣(川)の館は ほころびにけり 」
    と問いかけられて、
    「 年を経し、糸の乱れの苦しさに 」
    と返す、源義経と同じ心境のMHだった。

    何とかだましだまし、ホテルまで汗だくになってたどりついた。しかし、2時を少し回ったばかりで、チェッ
   クインの時間までは1時間ほどある。荷物だけは預かってくれるというので、ゴロゴロとプリンターとスーツ
   の上着を預けて外出することにした。

    【後刻談】
    ホテルにチェックインした後、件の風呂敷をほどいて、切れ端を寄せ集めて写真を撮ってみた。よくも
   まあ、これで持ったものだ。

      
                「風呂敷」のなれの果て

3. 横浜で最後の買い物

    風呂敷を諦めて段ボール箱を手に提げて運ぶには、紐を買って縛るしかない。家電量販店に行き
   プリンターの印刷用紙を買い足した。販売員に大きな品物を買ったときに持ちやすくするハンガーのよ
   うなものがあるか聞くと1つ出してくれた。後は紐だけ手に入れれば準備完了だ。
    同じショッピングモールに「百均」があるというので行って、ビニール紐を買う。まだ3時で、このまま、チ
   ェックインするのも芸がない話なので、翌日の予行演習と中華街での夕食を摂ろうと日本大通り駅に
   向かった。

4. 予行演習と中華街

 4.1 「港郵便局」
      日本大通り駅を降りで地上に出ると「港郵便局」がある。『横浜港(みなと)』の消印を使ってい
     るので、横浜出港に際しては記念押印をしようと思っているので、場所の確認をしておこうと思って
     いた。

         
               局舎全景                      入り口の天使(?)像
                              「横浜港郵便局」

      郵便の窓口に行くと、神奈川県だけで発行しているフォルムカード(185円)などを販売している。
     黒船で来航したアメリカのペリー提督を描くフォルムカードを横浜と千葉の孫娘に送るため2枚買っ
     た。
      ふつうの葉書を2枚買い、風景印をためしに押してもらた。汽船をイメージした外形の”変形印”
     で、その中にレィンボーブリッジの下の豪華客船、マリンタワーなどが描かれている。

      
             「横浜港」風景印

 4.2 「横浜港大桟橋」
      地図を見ると横浜港郵便局から集合場所の大桟橋まで500メートルくらいしかないので、予行
     演習で行ってみることにした。大桟橋そのものは大海原に浮かぶ”巨大なクジラの背中”をイメージ
     させるデザインだ。
      芝生の緑地があり、ブラジル産イペ材を使って景観と環境にやさしいウッドデッキ仕上げの構造
     になっている。

      
                            大桟橋

      大桟橋が今の形になったのは、100年以上の歴史を経てのことだ。

      
                      1910年(明治34年)ごろの大桟橋絵葉書

       1859年(安政6年)   横浜開港
       1894年(明治27年)   鉄製橋(大桟橋)竣工。「メリケン波止場」と呼ばれる。
       1923年(大正12年)   関東大震災で桟橋部陥没、上屋焼失
       1945年(昭和20年)   進駐軍(米軍)が大桟橋を接収。「サウスピア」と呼称
       1989年(平成元年)   老朽化により、改修工事着工
       1993年(平成5年)    代替ターミナル完成
       2000年(平成12年)   新ターミナル新築工事着工
       2000年(平成14年)   新ターミナル完成

      スロープ(坂道)を登っていくと、自然に吸い込まれるようにホールに導かれる。

      受付に行って、2人の女性に次の諸点を確認・アドバイスを乞うた。

      ・ 「集合場所」
       → 団体のツアー客は、あのあたりに集合している、と指さして教えてくれた。

      ・ 「馬車道」のホテルから、港郵便局によって、ここにくるベストな交通手段
       → 一番近い郵便局は、シルクセンターの中にある、分室のような郵便局
         タクシーも拾いにくいから、馬車道からここまでだったら歩いて来たほうがよい。

 4.3 「シルクセンター内郵便局」
      郵便局がシルクセンター内にあると聞いて、行ってみる気になった。行くと、確かに「港郵便局」
     よりも100メートルくらい大桟橋に近い。出発前にここでも記念押印しておかねば、という気になった。
      ふつう葉書を1枚購入し、風景印をおしてもらう。船の操舵輪をかたどった外形の変形印で、中
     にはレインボーブリッジ、出入りする船、群れ飛ぶカモメ、そして何かの建物が描かれている。

         
               局舎入り口                              風景印
                              「シルクセンター内郵便局」

 4.4 中華街散策と中華料理
      馬車道から来た大通りに戻ると、「中華街1.3km」の表示がある。15分も歩けば着く距離なの
     ここで夕食を摂ろうと思い歩いていった。
      右手に中華街にいくつかある門のひとつが見えたのでここをくぐって街中に入ってみた。中は、”租
     界”を思わせる雰囲気で、中国語が飛び交う。

         
               門                                     通り
                                  「横浜中華街」

     通りを”ブラブラ”歩くと、日本語の発音から明らかに中国(台湾)人と思われる客引きから声がかかる
    が適当にあしらいやり過ごす。
     とある店先に、『石詰め放題』の張り紙を見ると自然に足が止まるのは、MHの性だ。店内には、
    インド産の「オーケン石」など外国産の鉱物標本が並んでいるが、値段が表示されていないので聞
    く気にもならず店をでた。

      
               「石詰め放題」

     5時を過ぎたころ、まだお腹はそれほど空いていないが、適当な店を探して入って早めの夕食を
    摂ることにした。
      『 ○○○○円食べ放題 』の看板を出しているお店も多いが、若いころと違ってそんなに食べ
     られる訳でもないので、結局『 ○○○円定食 』の店に入り、生ビールを飲みながら食事した。

5. おわりに

 (1) ホテルで待っていたもの
      元町・中華街駅から地下鉄に乗り、馬車道駅に戻った。さっきは、重たい荷物や落ちそうなプリ
     ンターを抱えて、周りを見る余裕がなかったが、あらためて周囲を見渡すと、ホテルの斜め向かいに
     古い石造りの建物がある。これが明治から昭和にかけて、時には政界も巻き込んで激動する経済
     の舞台になった旧「横浜正金銀行」だ。

      ホテルでチェックインすると「郵便物を2通あずかっています」、と渡された。1通は、ミネラル・ウオッチン
     グを予定しているスリランカに住むSさんからだった。首都・コロンボに早朝到着し、両替店が開いて
     いないケースを想定し、ローカルバスに乗るのに必要な現地通貨 10,000 ルピーを拝借をお願い
     しておいたのだ。

         
        スリランカSさんからの手紙                        スリランカ紙幣

      もう一通は、船の中でプレゼンに使用する「レーザーポインタ」だった。購入したものの、送られて
     きた品は、LEDビームが全くでない欠陥品で、交換をお願いした代替品だった。
      スイッチを入れると、一瞬ビームが出たようだったが、すぐに消えてしまった。電池を交換しても現
     象は同じだった。
      電池が悪いかも知れないと思い、近くのコンビニに走り買ってきた電池に交換しても現象は同じ
     だった。

      
     レーザーポインターは届いたが・・・・・

      結局、”指し棒”としての機能しか期待できそうもない。

6. 参考文献

 1) 地球の歩き方編集室編:ペルー 2013〜14,ダイヤモンドビッグ社,2013年


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