27日は一日中航海で、この日のメイン行事は「避難訓練」だった。ここに来るまですでに1、2回避難訓練を
経験しているので、救命胴衣の装着や人員点呼にも慣れて来た。
人員点呼は、外国人船員がローマ字の名簿を見ながら読み上げて、自分の名前が呼ばれたら、「ハイ」と
返事をするごく当たり前のやり方だ。船員が「ウラシマ タロウさん」、と読み上げたので、一瞬耳を疑った。そし
たら、すかさず 「ハイ!!」、と元気の良い返事があって、何事もなかったかのように次の人の名前が呼ばれ
た。
世の中にはまるで作ったような珍しい名前の人がいるものだ、と思ったが、”伝説の人”と知り合うように
なったのは、だいぶ先のことで、大西洋を渡り、中南米のパナマ運河を通過するあたりだった。
28日、朝6時にデッキに出てみると、船はスウェーデン・ヨーテボリのアーレンダール埠頭、通称アーレンダール・
ハーンに着いていた。港の防波堤の上には風力発電の巨大な風車がゆったりと回っていた。化石燃料資源に
乏しいスウェーデンの発電は豊富な水力が半分近くを占め、原子力が40%、これまた豊富な森林資源の廃棄
物を活かしたバイオマスが約10%、それらを補完するかたちで風力発電にも力をいれているようだ。
船尾の方を見ると、大きな岩の露頭が見られ、ミネラル・ウオッチングの期待も高まる。スウェーデンは良質な
花崗岩の産地だが、統計上スウェーデンからの輸入量は”ゼロ”になっている。どうやら、スウェーデン(生産)
→ 中国(加工) →日本の構図が裏にあるようだ。
この日、8時過ぎに上陸し、帰船リミットの17時30分までの約11時間を次のように過ごそうと計画していた。
なお、ドイツもそうだったが、上陸にはパスポートの携帯が義務づけられていた。
■ 郵趣 in Sweden
街中の郵便局を訪れ、友人・知人そして家族に絵葉書や記念カバーを送る。
■ 自然史博物館
ヨーテボリ自然史博物館(Naturhistriska Museum)でスウェーデンはじめ北欧の鉱物事情を学び、でき
れば標本を入手
■ ヨーテボリ市内巡り
街を散策し、写真を撮ったり、お土産や鉱物・郵趣品を探す。
(2016年5月28日 体験 )
港の外には、スウェーデンの、というより世界的な自動車メーカーのボルボの博物館がある。地図にも載って
いるくらいだから、帰りはこれを目当てにすることにした。
【後日談】
オプショナル・ツアで人気だったのは、運河クルーズで、大阪・Kさん夫妻や、”あねご”も行ったと後から聞い
た。旅友・Aさんは、埠頭近くでこの日一日を過ごし、「ボルボ博物館」を見学して記念にもらった品だといって、
レインコートをくれた。
港にはヨーテボリに行く人々がが集まっていた。まだバスが来ていない。タクシーが40ユーロだというので、割り
勘にすることにして、4人が乗りこんだ。(1人約1,500円)
自動車専用道路に入り、15分ほど走ると、ヨーテボリのダウンタウンに着く。9時少し過ぎたばかりなので、開
いているのは絵葉書などを売っている店ぐらいで、他は閉まっているから看板だけ写真に撮って市庁舎前の広
場に向かう。
広場の中央にスウェーデン王国最盛期の王、グスタフ2世アドルフ(1594年−1632年)像がある。「この地に
町を造れ」、とばかりに地面を指している。
「郵便局は” COOP(コープ)” の地下にある」、と聞きだした。コープは日本と同じ生活協同組合で、スーパー
マーケットみたいなものだろうと想像した。コープのビルに着くと、1階にはカフェがあり、地下がスーパーになって
いる。
郵便局らしきものを探すと、ラッパのマークと壁一面に扉が付いた小さなロッカー風のものがある。”POSTBOXAR"
とあるから「私書箱」のようで、人影はない。
郵便の窓口はどこにあるのか、探すと「スーパーのレジ」と思った一角が郵便局になっていた。独立した建物
なり、フロアーにあるのかと思いきや、予想外だったので驚いた。日本でスーパーの一角に写真屋さんがあったり
するイメージとまったく同じなのだ。
切手愛好家の間では、スウェーデンは人物・建物・動植物などを題材にした美しい凹版切手を製造して
いることで有名だ。
切手印刷は1920年ごろから郵政省直営の郵政印刷公社(PFA)で行われてきたが、1976年にストックホルム
近郊の町キスタ市に新鋭工場を移設し、本格的な凹版印刷方式の切手を製造している。1993年にはスウ
ェーデン切手製造の独占権が撤廃されたが、凹版切手を製造できるライバル企業がないため、実質的に独占
状態になっている。
凹版単色や凹版ザンメル切手、さらには切手多色化の要請に応えて平版オフセット+凹版切手も製造し
ている。
右上に貼った日本で買った動植物を描く凹版ザンメル切手4種に、窓口で買った不足分の切手2枚を貼り
足して妻あてに送った記念封筒だ。リールを描く切手は凹版ザンメル切手だが、2SEK(クローネ:約30円)の
切手はグラビア印刷切手だ。
【後日談】
日本で初めて凹版3色ザンメル切手が発行されたのは1959年(昭和34年)で、本栖湖と富士山を描く「自然
公園の日制定」を記念したものだった。
中学2年生で、切手に興味をもちはじめたころだったが、切手ブームで新発行の切手でもすぐに高くなり、乏
しい小遣いでは買えなかった。最近届いた郵便物にこの切手が貼ってあった。昔の高値(高嶺)の華が普段
使いに成り下がっている次第で、それだけ切手を集める人が減って人気がなくなったということだ。
ヨーテボリでやっておきたい事の一つが片付いたし、時間も11時近くになっていたので、1階に上がって入口の
カフェでコーヒーを飲むことにした。カフェと言っても、紙コップを見て、コンビニ(7/11)に併設された飲食コーナー
だと知った。アメリカンのSサイズが、20SEK(約300円)と日本の3倍だ。消費税が25%と高いこともあるが、物価
は全般に高めで、コーヒー豆などの輸入品は特に高いようだ。ただ、コップに注ぐ量は自分でバルブを操作する
という ” アバウト ” ぶりだ。
3.2 ミネラル・ウオッチング in Sweden
この日最大の目的地の「自然史博物館」は郵便局から見て南西だが、通りは東西なのでとりあえず西に
向かってひたすら歩く。通りの突き当りを左(南)に曲がると緩やかな登り坂になっていて、この先は高台になっ
ているようだ。すると、道路の右側に巨大な露頭が見えて来た。花崗岩か片麻岩のようで、赤っぽい長石の
脈が走っている。この時のために腰に携帯していたクリノメーターを取り出して、「走行」と「傾斜」を計測する。
走行 N46E 傾斜 S46W
【後日談】
露頭の下にいくつか岩片が落ちていたので拾ってきた。いずれも花崗岩で、石英、長石、雲母が主な構成
鉱物だ。赤みを帯びた長石が主体な者は赤く、黒雲母が優勢なものは黒っぽく、そして雲母が少ないものは
白く見える。
花崗岩の割れ目を充てんする形で産出する鉱物は、「方解石」だ。
3.3 ブランチ in Sweden
歩き出すとちょうど昼近かった。ここまで途中にレストランなどは見当たらなかった。西の通りに出ると人だかり
がしている店が見えた。” EGG & MILK " の看板が出ているカフェのようだ。この日は土曜日で、家族連れや
友人を誘いあってここでブランチ(朝食兼昼食)を摂るらしく、私も列に並んだ。壁のメニューを見て、89SEK(約
1,300円)のブランチ・セットを注文した。出てきたものを見ると物価は日本の2倍以上高いようだ。
ブランチを摂りながら、「自然史博物館」への道順を地図で再確認する。ここから300mくらいのはずだ。
エントランスの屋根の上には、鯨の尻尾のオブジェが乗っていて、鯨の展示に力を入れていることがうかがえる。
入口近くの外壁の周りには、スウェ―デンの岩石が並べてあるのは、自然史系博物館によくある手法だ。
休館日 :火曜日、祝祭日
開館時間:11時〜17時(木曜日は20時閉館)
入場料 :25歳未満 無料
大人 40KR(約600円)
入場券と館内の案内図を下に示す。入場券は、ヨーテボリ市内にある5つの博物館の共通になっていて、
その上有効期間が1年間というお買い得品だが、1年以内に行くことはなさそうだ。
私が一番興味がある「鉱物」関連の展示は、3階に小さなショーケースがあるだけだった。
鉱物一点一点にラベルが付いているのは褒められるのだが、原産地のほとんどがイギリスやドイツなど外国産
なのは残念だ。
その点、この博物館らいしと思えたのは「鯨(くじら)」類の展示ホールだ。全長35mもある骨格標本は圧巻だ。
一通り見終わって1階のミュージアム・ショップでお土産を探した。イギリスでもそうだったように自然史系博物
館では鉱物標本や絵葉書を売っていることがあるので、もしあれば買うつもりだった。「斑銅鉱」などもあったが
やはりバルト海の「琥珀」、しかも「虫入り」とあっては見逃す手はない。持ち歩いているルーペでじっくり見て、
これぞ虫入りを2つ選んだ。気になる値段は、1つ20SEK(約300円)だ。
絵葉書の中に恐竜骨格とを復元したものがあった。3枚一組10SEK(約150円)とあるので、博物館を描く絵葉
書を加えて購入した。この絵葉書から博物館が高台の林の中にあることが判るだろう。
ここでも、絵葉書は1枚50円だからドイツと同様に安い。消費税がほかの品目より低いこともあるが、本体価
格そのものが安く、教育などへの配慮が見られる。
【後日談】
このページをまとめる段になって、値段などを確認しようと、博物館でもらったレシートを見直してみた。上で
スウェーデンの消費税率は一律25%であるかのように書いたが、どうも物品ごとに税率が違う、品目別税率
を適用しているようだ。
” Mineral ” 、とある「鉱物」の分類の虫入り琥珀標本の税率は25%だが、” Bocker " 、とある「本」の
分類の絵葉書は6%になっている。セブン・イレブンのコーヒーやブランチの税率は12%だ。趣味で買うものなど
の税率は高いが、教育にかかわる品の税率は低い、というスウェーデンの国としての意思は明確だ。
日本もこれから消費税率が10%、15%・・・・・と上がっていくのは明らかだから、今から対応策をはっきり決め
て準備しておくべきだろう。
地元で鉱物標本を売っている場所を聞き出すのも博物館を訪れる目的の内だ。博物館を出る前に、受付
の女性に尋ねると、「ハーガ(HAGA)地区にある、”Regnbagen”」、とメモを書いて渡してくれた。
HAGA地区は、旧市街に戻る途中にある。その前に、買いたいものがあった。それは電線とコンセントだった。
船の8階、私の指定席の脇にあるコンセントの接触が悪く、修理を頼んでも一向に改善されず、自腹を切って
部品を買って配線を替えることにしたのだ。
北に向かって歩いていくと、教会らしい建物があった。そこから東に行くと、リンネ街に ” Elektroteknisha "
という看板が見えてきた。”エレクトロ”だから電気店だろうと推察した。
店に入ると各種の電線や電気部品を売っている。電線は長さ8m欲しいのだが、1本では電流容量が足り
そうもなくて2本にすることにして、16m購入。何だかんだで195SEK(約3,000円)払った。ちなみに消費税率は
25%だ。
HAGA地区に行くと、船の人たちがたくさんいた。話を聞くと、オプショナル・ツアーに参加した人たちで、お土産
を買うためにいくつかのコースの人たちが図らずも集まっているようだ。
地元の老夫婦が家で不要になった物を並べて売るフリマがあり、ここで壁掛けを値切って8SEK(約120円)で
買う。その先に、博物館で教えてもらった鉱物を売る店(レシートには ”Regnbagens” とある)があった。中に
入ると、鉱物や磨いた石が並んでいる。
「スウェーデン産の鉱物はあるか」、と尋ねると「今は1種類だけある」、といって、箱に入った標本を見せてくれ
た。
VARUTRASK(バストゥトレスク)産の ”LEPIDOLITE”、と表示がある。レピドライトは系列名で、鉱物名としては、
「鱗雲母、リシア雲母、紅雲母」などが当てはまる。バストゥトレスクは首都・ストックホルムから600キロ北に
あり、近年電池材料として脚光を浴びているリチウム(Li)資源産地としてスエ―デンでも有名で、1933年に
発見された。
1936年〜46年に露天掘りや坑道掘りでリチウム鉱物やペグマタイト鉱物を小規模に採掘していた。1983年
〜84年にボーリング調査を行い、レンズ状のペグマタイト鉱床があることが明らかになった。2016年になって、希少
鉱物産地として開発が認可された。
他に北欧産鉱物がないか尋ねると、6月5日に訪れる予定のノルウェー産「ルチル入り水晶」を売っていたので
いくつか買うことにした。
ハーダンゲルヴィッダ(Hardangervidda)は、ノルウェー中南部にある平均標高1,100mの高地で、地質的には
先カンブリア紀〜シルル紀という古い時代のものだ。「鋭錐石」や「板チタン石」などのチタン鉱物が産出する
ことで有名で、同質異像鉱物のルチル/金紅石【RUTILE:TiO2】が産出するのもうなずける。
水晶は一つ一つ値段が違っていた。結晶面がハッキリしていて透明感があってルチルが良く見えるもので、
相対的に価格が安いものを3つ選んだら、これらをまとめて230SEK(約3,500円)だったが、手持ちの現金が心細
くなってきたので、カードが使えるか試してみたら、問題なく使えた。ちなみに消費税率は25%だった。
( ここで、現金を残しておいたことで、この先大助かりになるとは、神ならぬ身、知る由もなかった。 )
スウェーデン産の鉱物も入手でき、”ホッ”として時計を見ると15時を回っていた。小腹も空いてきたので、カフェ
か何かあるかと見回すと、スイーツのお店があった。店の中はお菓子の甘い香りが立ち込め、圧倒的に女性客
が多い。北欧名産の木イチゴやブルーベリーをトッピングしたケーキとブルーベリー・アップルジュースを注文した。
表のテーブルで食べていると、はす向かいにアンティーク・ショップがあるのが目に入った。
そそくさと食べ終えて、アンティーク・ショップに行く。表のワゴンの中には、古い絵葉書が山のようにある。目
分量で500通(枚)くらいはありそうだ。値段は1通 1ドル/1ユーロとあるから、リーズナブルだ。
端から絵葉書の図柄と貼ってある切手をチェックし、欲しいものを別にしておく。夢中でやっていると、オプショ
ナル・ツアに参加している旅友が来て、「やってますね」、と声を掛けて行く。
いつしか、ツアーの人たちはバスに乗って船に戻って行ったようで、周りが静かになっていた。欲しいものは全
部で12通だったが、10ユーロにしてくれた。
(ドルがあればドルの方が有利なのだが。これまでも、これ以降も、1ドル=1ユーロという国が少なくなかった )
私が購入した絵葉書の一部を紹介する。海外旅行したスウェーデンの人が家族や友人に宛てた絵葉書や
クリスマスカードで、私の趣味の「鉱物」、「宝石」そして「採石」などを描く図案の切手が貼ってある。
気が付けば、16時を回っていた。船の出港が19時の予定で、帰船リミットが17時30分だから、1時間半しか
ない。今朝タクシーを降りたあたりまで急ぎ足でも30分くらいかかる。そこで、タクシーを捕まえて何人で乗り合
わせて帰ろうと算段した。
運河に出てその縁を歩き、橋があったらとりあえず旧市街側に渡ることにした。運河には綺麗な水が流れ込
んでいないせいか、濁っていて綺麗とは言い難かった。
この日、ボートで運河クルーズをした人たちが、「ボートがすれ違う時に浴びせられた水が臭かった」と漏らして
いた。
タクシーの同乗者を探そうとグスタフ2世像のところに行ってみたが、観光客も少なく、船の乗客どころか日本
人が一人も見当たらない。仕方なく、今朝タクシーを降りた辺りで船客を探すが誰もいない。それよりも、タクシー
が見当たらないのだ。いささか、焦り気味になってくる。そのとき、たまたまタクシーが目に入ったので、駆け寄って
価格交渉だ。
「港までいくらだ」、と聞くと「50ユーロ(約6,300円)だ」という。「今朝は40ユーロで来たから40ユーロに負けろ」
というが、こちらの足元を見透かしたかのように、頑として応じない。仕方なく、50ユーロで帰ることにした。
自動車専用道路脇には、巨大な露頭が見られ、この地域一帯が巨大な岩盤の上に乗っかっているイメー
ジだ。
船に戻ったのは17時を過ぎていたが、セーフだった。タクシー代を払ったら、手持ちの現金は底をつきかけて
いた。あの時、カードを使わずに現金で払っていたら、『馬を連れて帰る』ようだった。
イギリス20%、ドイツ19%、そして北欧最初の国スウェーデンが25%だ。もっとも、スウェーデンは上にも書いた
ように、品目別税率を適用していて、本など6%のものもあるから、平均すれば20%前後になるのだろう。
これら3カ国を見てきて、消費税率が高いために経済が落ち込んでいるという印象は全くなく、むしろ経済は
活発で、街は綺麗、なにより人々の顔は幸せそうに見えた。
日本では、10%になるのが2015年10月の予定が、2017年4月に延期になり、更に2019年10月に延期になっ
ている。
2014年4月に、5 → 8%になった影響が3年近く経った今でも尾を引いていて、”アホノミクス”と揶揄される経済
対策は一向に効果を出さない。物価を2%上げると大見えを切った日銀総裁は目標未達でも居座ったままだ。
目標を達成できない民間会社のトップなら考えられないことだ。
国民の多くが、税金が自分たちの生活が良くなる目的で使われていないと実感しているから、国を頼らず自
分の生活を守ろうと出費を切り詰めているのだろう。
住んではいないが税金は納めている東京都では、豊洲市場やオリンピック招致に私が納めた税金が無駄
遣いされているかと思うと腹立たしい。
安倍首相が「教育方針に共感を覚える」と国会で明言した某学園のように、首相夫妻のお友達には、
90%引きで国有地を譲ったのが正当だった、という首相や省庁トップの神経が私には理解できない。私には
税金が国民の為でなく、私利私欲のために使われている端的な例だと映るのだが。
( 調査を開始した会計検査院までもが「妥当だった」と判断するのなら、ムシロ旗ものだ。 )
私の石友に2016年の砂金掘り大会で上位入賞した” アッキー ”さんがいる。「地下に何が埋まっていても
構わないから、評価額1億円の国有地を1千万円で譲ってくれないかな。建物は木造にするから補助金500万円
も付けてね。」
5.2 『 フリー・セックス 』 の国 スウェーデン 【!! 15歳未満入場禁止 !!】
私と同じ年代の方(特に男性)は、1960年から70年代に、雑誌などで、スウェーデンがフリー・セックスの国と
して紹介されたことを記憶しておられると思う。
当時、外国は今ほど誰でもが行けるほど近くなかったし、入ってくる情報量も少なかった。特に北欧の国々は
遠くに感じられた。そんなこともあって、”偏った見解の情報”が全てであるかのような印象を与え、タイトルのよう
なことになったようだ。ネットを見ていると、スウェーデン在住日本人の次のような意見があり、これが真相のようだ。
スウェーデンでは、子供の頃から、科学的な性教育を行って、「性は自己責任の問題」という考え方を植え
つけます。だから、お互いの事を本当に愛し合っていれば、肉体関係を持つのも自由。それを宗教や古い価
値観で縛ったりしない、というのが建前になっています。
・・・・・・・・
相手に関係なく、好き放題にセックスをする、という意味では、フリーセックスとは程遠い国だと思います。
ヨーテボリ自然史博物館を訪れ、館内に入ったがどこに何を展示しているのか判らないまま、左の方に行くと
雰囲気が違う展示があった。
” FOSTER UTVECKLINGEN (胎児の発達)" のタイトルがついた展示だ。人間が受精してから生まれ落ちる
までをリアルに模型を使って説明している。ここは、こどもたちもくるエリアだが、隠すこともなく展示しているのは、
上に書かれているように、科学的な教育の一環なのだ。