北極圏をめぐる地球一周の旅 【神戸出港】 ( Tour around the World & Arctic Circle 2016 - Departure from Kobe - )









      北極圏をめぐる地球一周の旅  【神戸出港】

       ( Tour around the World & Arctic Circle 2016 - Departure from Kobe - )

1. はじめに

    朝5時に目が覚め、身づくろいをしてデッキに出てみると天気はあまりよくない。右舷側に灯台が見え
   る。なんとなく紀伊半島の南端潮岬のような雰囲気だ。念のため、GPS機能付きのNikonのデジカメで
   位置を計測して地図を出してみると間違いなかった。

    
                潮岬沖を航行中

    昨夜は東京湾を出て太平洋の荒波を受けるようになると船が揺れ、気分が悪くなった乗客もいた
   ようだ。後で知ったのだが、船客受付には、船酔い防止のため無料で「トラベルミン」がもらえるように
   なっていた。
    6時から船尾で太極拳が始まったが参加者は数えるほどで、その後これほどの人気になるとは思われ
   なかった。

       
         「トラベルミン」(無料配布)                  「太極拳」

    南極探検のとき横切ったドレーク海峡に比べればどうということはない揺れなのだが、その周期が長い
   せいか何となく胃の腑が変な気分だ。

    潮岬で時計周りに直角におれ、神戸港に向かって北上する。鳴門海峡は潮の流れが速く操船が
   難しいので、淡路島の手前で水先案内人が乗り込んでくるとプレアナウンスがあった。
    ( 2016年4月 作成 )

2. 神戸港入港

    午後1時過ぎに神戸港に入港する。タグボートに船尾を押され、岸壁に接岸すると、続々と神戸組
   400名が乗り込んできた。

       
             タグボートに押されて接岸                      神戸港

    神戸近くに住んでいる石友・N夫妻に電話するとNさんが出た。しばらくお会いできないことを伝え、帰
   国次第ミネラル・ウオッチングでお会いすることを伝えた。

3. 神戸港出港

    16時から「出港式」だが雨が降り出してきた。そのためシャンパンでの乾杯はあったものの、濡れてちぎ
   れてしまうテープはない、寂しい出港式になった。
    雨の中を船は静かに横浜から来た航路を戻るようにゆっくりと港内を進む。夕闇がせまるころ、太平
   洋を目指して一路南下する。

4. 航海の始まりだ

    神戸乗船組を含めて900名の乗客を乗せて、最初の寄港地マレーシアのコタキナバルを目指して船
   は進む。
    船室は神戸から乗船した愛知・Hさんを加え4人が揃った。自己紹介すると私が一番年下だが歳の
   差は1歳で、同学年の人もいる。

    
                 船室

    3人は過去にこの船に乗ったことがあるいわゆる「リピーター」で、勝手をよく知っているので、海外観光旅行が
   2回目で右も左もわからない私とは大違いだ。今回の参加者の40%がリピーターで、9回目という人にも
   あった。その人のIDカードには、「H」と参加回数が表示されていた。

    鳴門海峡を南下し、太平洋に出ると多少波が出てきて船は揺れた。5月2日、アラビア海を航行して
   いるが、この間一番船が揺れたのは、横浜から神戸を経て太平洋に出るまでだった。

5. おわりに

    このページをまとめているのは、5月3日(月)15時、日本時間では21時だ。12日に日本を離れ22日
   目だ。今朝6時の気温が27.9℃、湿度80%と熱帯の蒸し暑さが少しは和らいだ。現在、アラビア海を
   西に進み、紅海の入り口の手前だ。

    数日前からソマリア沿岸の海賊対策が実施されている。海賊に襲撃されたことを想定し、警報が鳴
   ると自分の船室に戻りカギをかけて閉じこもる避難訓練もあった。
    夜間、船や船室の明かりが外に漏れないように、デッキの窓には黒い幕が張り巡らされ、船室のカー
   テンを引くようにとの指導があった。そのお蔭で、昨夜は星空が今までで一番きれいに見え、「南十字
   星」が南の空に”ダイヤモンド形”の輪郭を見せていた。
    日本でおなじみの”北斗七星”が天頂ちかくに、山梨で見るのの2回りくらい大きな姿をみせていた。
    アラスカ出身のトーマスさんが、北斗七星の北の方にある”北極星”を指し示してくれた。

    5月2日の朝8時、『Cポイント』呼ばれる位置に集合した客船、タンカーなどが縦に列を作り、護衛艦
   に護られ、紅海を目指して進む。いわゆる『護送船団』だ。われわれの左舷側を海上自衛隊の「ゆう
   ぎり」が距離を保ちながら並走してくれている。この船団編成が予想よりスムースに行ったお蔭で、スエズ
   運河通過が1日前倒しになり、ギリシャでの滞在日数が3日と1日延びた。
    3日朝から、「ゆうぎり」から飛び立った哨戒ヘリコプターがわれわれの船や並走するタンカーの上を旋
   回して警戒してくれている。
    こちらは、物見遊山の旅なのに、日本を遠く離れた地で任務に当たる隊員には感謝だ。

    
                         「ゆうぎり」艦尾

    
                         哨戒ヘリの着艦

    今回の旅のために新たに買った一眼レフの威力は抜群で、上のような写真と動画を撮れた。写真を
   絵葉書サイズに印刷したので、次に寄港するキプロスで孫娘に送ろうと思っている。

6. 参考文献

 1) 地球の歩き方編集室編:ペルー 2013〜14,ダイヤモンドビッグ社,2013年


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