北極圏をめぐる地球一周の旅 【旅のおわり】 ( Tour around the World & Arctic Circle 2016 - End of Tour - )









      北極圏をめぐる地球一周の旅  【旅のおわり】

       ( Tour around the World & Arctic Circle 2016 , - End of Tour -)

1. はじめに

    日付変更線を越えると7月19日だった。そこから、横浜に向かって船はまっしぐらに進んでいた。地球の球面
   上を最短距離の直線で進んでいるのだが、一般の地図に採用されている円筒図法では、円弧上を進んで
   いるように表現される。

      
                       7/20朝〜7/25朝の航路

    横浜入港まで1週間を切り、船の中では旅の締めくくりとなるイベントが行われ、別れを惜しむ姿があちこちで
   見られるようになる。
    みなさんにとって、寄港地で買い込んだお土産を段ボールに詰め込むのが一番の大仕事だった。
    ( 7月21日〜25日 体験 )

2. 船内自主活動最後の日(7/22)

   7月22日5時過ぎにデッキに行くと、海は”ベタ凪(なぎ)”で船の周りを海鳥が飛んでいた。波が荒い印象が強
  い北太平洋でも、このような穏やかな日和があるのは意外だった。船は横浜入港時間を調整するためか、人が
  歩くの同じくらいの、”微速”で進んでいた。
   海鳥がいるということは、近くに小島か岩礁でもあるのだろうか。

      
                    ベタ凪の北太平洋を微速で進む

    毎朝参加していた「太極拳」をはじめ、いろいろな船内自主活動はこの日が最後だった。終わった後に、
   記念写真を撮るというので、いくつかのグループから声をかけられ、いつものようにカメラマンだ。

      
                      「太極拳」最終日記念

      
                     「ラジオ体操」最終日記念

      
                   「チャコの笑タイム」最終日記念

3. 船長主催「フェアウエル(お別れ)パーティ」(7/23)

    7月23日の夕食は、船長主催のお別れ会だった。船の中でお世話になった清掃員、食堂従業員、そして
   普段裏方として働いてくれている船の維持管理担当などと短い時間だったが交流できた。
    旅友にはそれぞれ、”ご贔屓(ひいき)”の担当者がいるので、一緒に記念写真を撮って差し上げた。私が
   食堂で良く話をしたのは給仕担当で、片言の日本語を話すブルガリア出身のミレーナさんだった。

         
            Kさん、Tさんのお気に入り                     右端がミレーナさん

4. 「パッキングデー」(7/24)

    私のように横浜で下船する人たちの荷物は7月25日の午前中に荷物の個数を調査にきて、午後には集荷
   してくれることになった。したがって、7月24日中には荷物の整理・梱包を終えておかねばならならない。
    船室の隅に寄港地で買ったお土産や採集した鉱物を積んで置いたが、それらを全て梱包しなければならな
   い。

    ■ 不用品の処分
       まずは、不用品の処分だ。多量の印刷用紙を持参していたがコピー機のある8階の受付に寄付した。
      旅の記録やフィールドノート用に10冊近い赤表紙のメモ帳を持参していたが、使ったのは1冊だけで、
      残りを京都・圭子さんに渡し、エルシステマの若い人たちに配ってもらうことにした。

    ■ 段ボールと伝票の購入
       PC、カメラなど自宅に持ち帰る品々を旅行バッグ(大1、中1)、デイバック1に入るだけ入れてみた。残り
      の容積を調べると段ボールが2つあれば何とかなりそうだと見積もった。
       旅行バック2つを”ゴロゴロ”引っ張って、港から郵便局を経由して地下鉄駅まで歩くのは、シンドイと思
      い、旅行バック1つは段ボールと一緒に宅配便で自宅に届けてもらうことにした。従って、伝票は3通必要
      となった。(住所・宛名印刷済、全国一律荷物一個に付 2,700円)

    7月22日に旅行代理店の窓口で、段ボール(2個 450円)を購入し、パッキングに取り掛かった。鉱物のように
   重たいものは分散し、ガラス瓶など壊れやすいものは衣類などで包(くる)んで、貴重なものは鍵のかかる旅行
   バックにと、気を配ってパッキングを終えたのは23日だった。
    荷物の重さは全部で100キロ近いだろう。改めて荷物の重さを気にしなくて良い船旅の良さを認識した。

    これで荷物の梱包も終え一安心、と思っていたら、肝心な伝票が見当たらないのだ。伝票は未だ荷物に
   貼りつけずに、横浜に着いて入国審査・税関を通った後、宅配業者の窓口に行って貼ってもらうことになって
   いるのだ。
    この辺りかな、と思った場所を探してみたが見つからない。最悪、もう一度伝票を購入すれば済む話だが、
   8,100円の余計な出費は痛い。この夜は、ビールを飲んで寝ることにした。

    【後日談】
     翌24日、朝から見失った伝票を探すことにした。紙だから、衣類などと一緒に丸めることはあり得ないから、
    書籍、ファイル、紙類などと一緒にあるはずだと思いそこを重点的に探すことにした。
     まず旅行バックを開け、隅から隅まで探してみるが、なかなか出てこない。最後に段ボールだ。すると船内
    や寄港地で貰ったパンフレット類と段ボールの間に、隠れていた伝票を発見した。
     これで、横浜上陸の準備は万端整った。

    この夜は音楽の夕べだった。エルシステマ楽団の演奏、エルシステマ楽団とのコラボによる船客の演奏・合唱
   と続いた。

      
                     エルシステマ楽団の演奏

      
                   楽団員のサポートで船客の演奏

      
                    楽団の演奏で船客のコーラス

5. おわりに

 ■ 思い出づくり
    思い出と言えば、”寄せ書き”だ。私も、”枯れ木も山の賑(にぎ)わい”で、書き込ませてもらった。

      
                             ”寄せ書き”

 ■ 残り物に”福”??
    船の中では、3枚のカードが文字通り”切り札”だった。IDカードは、船室の鍵でもあり、船内での支払いは
   全てこれで済ますことができ、街中のキャッシュカードと同じだった。
    コピーカードはプリペイドカードで、これをコピー機にセットすると残金が残っている間コビーができ、コンビニの
   プリぺィドカードと同じだった。ただ、コピーカードは返却が義務付けられていて、紛失したりすると、1,000円だっ
   たか1,500円だったかの”違約金”を支払わねばならなかった。
    もう1枚は、「Wi-Fi通信カード」で、1,000円のカードを買うと90分間通信衛星をつかったインターネットに接続
   することができた。船内でコピーしたり、インターネットに接続する必要がない人にとってコピーカードとWi-Fi通信
   カードは全く必要ない代物だから、その存在を知らない人も少なくなかった。

    船内での自主企画活動が終了するとコピーしたいものもなくなるし、2、3日後には上陸が確実となるとメール
   などで家族と連絡する用事も少なくなる。
    そんな理由(わけ)で、何人かから、「MH、このコピーコカード使って」、とか「このWi=Fi通信カードあげる」と言
   われ、残高の残ったカードが集まってきた。

         
               コピーカード                          Wi-Fi通信カード

    いただいたコピーカードは、「電子機器のトラブル撲滅への提案」に協力していただいた全員に配布する報告
   書のコピーに使わせていただいた。11ページの報告書を100部近くコピーしたので、1,100ページだから、A3サイズで
   にしてもコピー代だけでも5,000円を超え、頂いたコピーカードだけでは足りなくて、”自腹”を切らざるを得なかっ
   た。

    Wi-Fi通信カードには、購入者がパスワードを設定するのだが、それを忘れてしまい頂いても使えないものが
   あった。何よりも、横浜入港が近くなると衛星通信状態が悪くなり(意図的に?、と思いたくなるように)、イン
   ターネットに接続できなくなっていた。

 ■ 最後の”御奉公”
    少し前から、8階の指定席にある電源コンセントの接触が悪くなりつつあった。この頃、PCのプラグを差し込ん
   でも”充電”の表示が出なくなっていた。
    レセプション(受付)に修理を依頼したら、メンテナンス担当のAREXさんが来てくれ、現象を説明したところ、
   コンセントをソックリ取り替えてくれた。彼が持っているサーキットテスタで確認すると220ボルト通電していること
   が確認でき、次回乗船する人たちもこれで電源確保には苦労しなくて済みそうだ。これが、私のこの船での
   ”最後の御奉公”になった。

      
               コンセント修理の確認

6. 参考文献

 1) 地球の歩き方編集室編:ペルー 2013〜14,ダイヤモンドビッグ社,2013年


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