横浜入港まで1週間を切り、船の中では旅の締めくくりとなるイベントが行われ、別れを惜しむ姿があちこちで
見られるようになる。
みなさんにとって、寄港地で買い込んだお土産を段ボールに詰め込むのが一番の大仕事だった。
( 7月21日〜25日 体験 )
毎朝参加していた「太極拳」をはじめ、いろいろな船内自主活動はこの日が最後だった。終わった後に、
記念写真を撮るというので、いくつかのグループから声をかけられ、いつものようにカメラマンだ。
■ 不用品の処分
まずは、不用品の処分だ。多量の印刷用紙を持参していたがコピー機のある8階の受付に寄付した。
旅の記録やフィールドノート用に10冊近い赤表紙のメモ帳を持参していたが、使ったのは1冊だけで、
残りを京都・圭子さんに渡し、エルシステマの若い人たちに配ってもらうことにした。
■ 段ボールと伝票の購入
PC、カメラなど自宅に持ち帰る品々を旅行バッグ(大1、中1)、デイバック1に入るだけ入れてみた。残り
の容積を調べると段ボールが2つあれば何とかなりそうだと見積もった。
旅行バック2つを”ゴロゴロ”引っ張って、港から郵便局を経由して地下鉄駅まで歩くのは、シンドイと思
い、旅行バック1つは段ボールと一緒に宅配便で自宅に届けてもらうことにした。従って、伝票は3通必要
となった。(住所・宛名印刷済、全国一律荷物一個に付 2,700円)
7月22日に旅行代理店の窓口で、段ボール(2個 450円)を購入し、パッキングに取り掛かった。鉱物のように
重たいものは分散し、ガラス瓶など壊れやすいものは衣類などで包(くる)んで、貴重なものは鍵のかかる旅行
バックにと、気を配ってパッキングを終えたのは23日だった。
荷物の重さは全部で100キロ近いだろう。改めて荷物の重さを気にしなくて良い船旅の良さを認識した。
これで荷物の梱包も終え一安心、と思っていたら、肝心な伝票が見当たらないのだ。伝票は未だ荷物に
貼りつけずに、横浜に着いて入国審査・税関を通った後、宅配業者の窓口に行って貼ってもらうことになって
いるのだ。
この辺りかな、と思った場所を探してみたが見つからない。最悪、もう一度伝票を購入すれば済む話だが、
8,100円の余計な出費は痛い。この夜は、ビールを飲んで寝ることにした。
【後日談】
翌24日、朝から見失った伝票を探すことにした。紙だから、衣類などと一緒に丸めることはあり得ないから、
書籍、ファイル、紙類などと一緒にあるはずだと思いそこを重点的に探すことにした。
まず旅行バックを開け、隅から隅まで探してみるが、なかなか出てこない。最後に段ボールだ。すると船内
や寄港地で貰ったパンフレット類と段ボールの間に、隠れていた伝票を発見した。
これで、横浜上陸の準備は万端整った。
この夜は音楽の夕べだった。エルシステマ楽団の演奏、エルシステマ楽団とのコラボによる船客の演奏・合唱
と続いた。
■ 残り物に”福”??
船の中では、3枚のカードが文字通り”切り札”だった。IDカードは、船室の鍵でもあり、船内での支払いは
全てこれで済ますことができ、街中のキャッシュカードと同じだった。
コピーカードはプリペイドカードで、これをコピー機にセットすると残金が残っている間コビーができ、コンビニの
プリぺィドカードと同じだった。ただ、コピーカードは返却が義務付けられていて、紛失したりすると、1,000円だっ
たか1,500円だったかの”違約金”を支払わねばならなかった。
もう1枚は、「Wi-Fi通信カード」で、1,000円のカードを買うと90分間通信衛星をつかったインターネットに接続
することができた。船内でコピーしたり、インターネットに接続する必要がない人にとってコピーカードとWi-Fi通信
カードは全く必要ない代物だから、その存在を知らない人も少なくなかった。
船内での自主企画活動が終了するとコピーしたいものもなくなるし、2、3日後には上陸が確実となるとメール
などで家族と連絡する用事も少なくなる。
そんな理由(わけ)で、何人かから、「MH、このコピーコカード使って」、とか「このWi=Fi通信カードあげる」と言
われ、残高の残ったカードが集まってきた。
いただいたコピーカードは、「電子機器のトラブル撲滅への提案」に協力していただいた全員に配布する報告
書のコピーに使わせていただいた。11ページの報告書を100部近くコピーしたので、1,100ページだから、A3サイズで
にしてもコピー代だけでも5,000円を超え、頂いたコピーカードだけでは足りなくて、”自腹”を切らざるを得なかっ
た。
Wi-Fi通信カードには、購入者がパスワードを設定するのだが、それを忘れてしまい頂いても使えないものが
あった。何よりも、横浜入港が近くなると衛星通信状態が悪くなり(意図的に?、と思いたくなるように)、イン
ターネットに接続できなくなっていた。
■ 最後の”御奉公”
少し前から、8階の指定席にある電源コンセントの接触が悪くなりつつあった。この頃、PCのプラグを差し込ん
でも”充電”の表示が出なくなっていた。
レセプション(受付)に修理を依頼したら、メンテナンス担当のAREXさんが来てくれ、現象を説明したところ、
コンセントをソックリ取り替えてくれた。彼が持っているサーキットテスタで確認すると220ボルト通電していること
が確認でき、次回乗船する人たちもこれで電源確保には苦労しなくて済みそうだ。これが、私のこの船での
”最後の御奉公”になった。