帰国して2ケ月近くになって、急に妻の母親の介護に関わるようになった。外国に住む義妹が母親の介護を
することになっていたので、一時的なピンチヒッターだろうと思っていたら、年の暮れに義妹が亡くなり介護が妻の
肩に圧(の)し掛かってきたのは、私の人生最大の ” 想定外 ” だった。
ほぼ毎週のように、月の1/3から半分を”運転手”兼”執事”として、山梨と埼玉県を往復することになった。PCを
持参しても、母親の家はインターネットが使える環境にないため、メールのチェックやHPの更新などができない。
仕方なく、しばらくは飲みたくもないコーヒーを飲みに、近くのフリーWi-Fiが使えるファミレスまで行く始末だった。
これではならじと、母親の家でインターネットが使えるようにしたのは、2017年の後半だった。山梨と埼玉の間
片道130キロ近くあり、高速を利用しても2時間以上、行楽シーズンや事故でもあると渋滞するので、”下道”で
大きく迂回すると4、5時間かかってしまう。その間、メールなどインターネットに接続できないため、いろいろと不都
合なことが起こっていた。
痴呆の進んだ母親を観察していると、若い時からやっていた野菜を切るや雑巾を縫うなどは覚えているのだが
例えばデジタル時計などのように、ここ1、2年で教えたり準備したものは全く使いこなせていないことがわかった。
”年寄り笑うな行く道じゃ”の通りだと思い至った。2018年に72歳になるのを機に、”スマホ・デビュー”を検討して
見る気になり、2月に購入し、1ケ月が経過したので、その顛末をまとめてみた。
( 2018年3月 体験 )
・ 北極圏をめぐる地球一周の旅 【PCコンサルタント誕生】
( Tour around the World & Arctic Circle 2016 - PC Consultant - )
今週日曜日にあった趣味の切手の会合でも、”スマホ”が話題になり、Kさんは、「スマホを
『教えちゃ やらんよ』(教えてあげないよ)、と言われているんで・・・」、と デビューを躊躇している風だった。
私が持っていた” ガラケ− ” は、「万歩計」の代りみたいなもので、こちらから積極的に電話をかけたり、SMS
(ショート・メール・サービス)を使うのは、孫娘や親しい石友など限られた人だけだった。写真は何度か撮ったが
あまりにも画質が悪いので撮りたいという気が失せていた。
そんなわけだから、”スマホ”を買って
どの機器を使うか” を「電子機器の活用プラン」にまとめてみた。
私が日常使用している電子機器の中で”活用している”、と言えるのは ○ や ◎ が多い PC と デジカメ だ。
このページのテキストを作成している言語の”HTML(Hyper Text Markup Language)"が使いやすい(使える)のは
PCだけだから、スマホを買ってもPCを使い続けることになる。
「地球一周の旅」で旅友が撮った写真をモニターで見せて貰うと、きれいだったので印刷してもらったり、直接
JPGデータをいただいたりしたが、その画質の悪さにガッカリしたことがあった。HPに掲載する写真はデジカメ(または
スキャナー)でなければ画質が悪くて”(クローズ・)アップに耐えられない” のだ。
最近、”インスタ(グラム)映え”を気にする人たちが増え、一眼レフの人気が高まっていると聞くが当然の流れだ
ろう。良い写真を撮るのには、レンズの口径(直径)が大きなカメラが必須なのだ。スマホなどの直径3mmくらいの
レンズに対して10倍以上の口径を持つ一眼レフは、二乗倍、つまり100倍の光を集めることができ、そのくらい明る
いし、精細に写るのだ。
従って、スマホを買っても、デジカメ(一眼レフ)を使い続けることになる。
私にとってのスマホは、”外出先”という限定された環境下でPCやデジカメの機能を代行する機器だと割り
切って活用することにした。
年金暮らしの私にとって気になるのは月々の料金だ。2月初旬に近くのドコモショップに行って説明を受けた。
シニア割引や”ガラケー”を10年以上使い続けた割引などがあり、何とか予算に収まりそうだった。
■ i-phoneかアンドロイド系か
船の中でRayさんやTeresaさんなどアメリカ人はi-phone、日本人はアンドロイド系が多かった。相談に持って
こられたいろいろな機種のスマホのなかで、全く使ったことがない私でも、”たぶんこう操作すれば良いのだろう”、と
思った通りに動いてくれたのがi-phoneだったから、迷わずi-phoneに決めた。
ショップの女性が、「この店にi-phoneを良く分かる人は少ないですよ」、と言ってくれたが、小学2年生の孫娘が
母親のスマホをいじれるくらいだから、”何とかなるだろう”、と購入を決めたのは2月11日だった。
■ ケースはどうする
テレビコマーシャルで、落としても割れない丈夫さをアピールしている機種もあるようだがアンドロイド系だという。
10年以上”ガラケー”を持っていたが、一度もぶつけたり落としたりしたことがないので、大丈夫だとは思うがケース
を買うことにした。百均に行くと”あるはあるは”、迷うくらいにある。その中から選んで、今まで”ガラケー”を吊るして
いたストラップを取り付けて、首から下げ、本体は胸ポケットに入れておくことにした。
気になる使用料金はそろそろ通知が来るはずだ。スマホを購入すると、いろいろなアプリが1ケ月から2ケ月の
”無料体験”と言う形で付いている。(抱き合わせ販売で、違法ではないかとの疑問も湧く)
全く使う気がないものばかりだが、そのままにしておくと、使いもしないのに安くはない(一つ一つは月額数百円
だが、いくつもあるので、まとまると月額数千円になってしまう )料金を取られ続けることになるから、特に私のよう
な 高齢者は要注意 だ。
”消そう”としたがマニュアルにある画面に到達できなくて自分では消せない。消してもらおうとマニュアルに書いて
ある番号に電話したが、15分以上待っても繋がらない。結局、ドコモショップに持ち込んで消してもらった。
( ネットにも「売るのには熱心だが、解約を嫌がって、わかり難くしてしている」、との声があるのには、同感だ )
はがきの束を1枚1枚確認して行くと、気になる1枚があった。昭和12年の年賀状に押された「しめ飾り」を描く
「年賀機械印」だ。印の上下が逆になっている”逆植(ぎゃくしょく)”と呼ぶエラー印のような気がした。戦前の
年賀切手と平成30年の年賀はがきについて次のページで報告した。
・
平成30年の年賀状 − 戦前の「年賀切手」 −
( New Year Post Card 2018 −New Year Greeting Stamps before WWU−)
この中で、『「しめ飾り」が逆植されたものが知られている』と書いておいた。しかし、しめ飾りの向きがどうだったか
自信がなかった。
しめ飾り(注連飾り)は、しめ縄に縁起物などの飾りをつけたものだ。代表的なのが、神様の降臨を表す「紙垂」
(かみしで/しで:御幣(ごへい))、清廉潔白を表す「裏白(うらじろ)」、家系を譲って絶やさず子孫繁栄を願
う「譲り葉」、代々栄えるように願う「橙(だいだい)」、子どもが生まれ子孫が絶えない「昆布(子産(こぶ)」、
末広がりに運が開く「開いた扇」、腰が曲がるまで長生きする「海老(えび)」などでデコレーションしたものだ。
もともとは、神社がしめ縄を張りめぐらせるのと同じ理由で、自分の家が年神様をお迎えするのにふさわしい
神聖な場所であることを示すために始まったとされる。
「年賀機械印」はこれを簡略化し、「橙(だいだい)」、「裏白(うらじろ)」、「しめ縄」そして「御幣(ごへい)」が
描かれていた記憶があるが、不確かなので、上記のページにスマホでアクセスした。
自分のHPをお気に入りに登録してあるので簡単にアクセスでき、確認すると”逆植”のエラーだと確認でき、購入
した。
逆植の例は、東京・三田(N夫妻がお住いの”さんだ”ではなく家政婦の”みた”です)局が知られているが、これ
は今まで知られていない ” 新発見 ” だ。
こんな形で”スマホ”を活用したい、と思っていたことが購入して2週間で実現でき、幸先良い”スマホ・デビュー”
だった。これからも、このような形で生活を便利で豊かにできるように、活用するつもりだ。