カモメの群れが空を舞い、われわれを見送ってくれている。船は北に進路をとり、「ソグネ・フィヨルド」を目指して
ゆっくりと進んでいく。23時30分ごろになってようやく山の端に陽が沈む。きれいな夕焼けで、明日も好天気が期待
できそうだ。
調べてみると、ベルゲンの1ケ月の降水日数は23.5日で、3日に2日は雨が降る計算になる。東京は9.4日だから
倍以上雨の日が多いのに、こんなに晴に恵まれるのは”ラッキー”なのだ。
翌日は、大型船に乗ってのフィヨルド・クルーズが楽しめそうだ。
(2016年6月6日 体験 )
同じ手法で今回航行したところを地図にプロットしてみると、世界第2位、ノルウェー最大のソグネ・フィヨルドの
入口から、「アウルランド・フィヨルド」の行き止まりフロムまで、存分に楽しんだことになる。
黄色い線が前の日の航路、赤が今回の行き、群青が戻りの航路だ。2日間で、ネーロイ・フィヨルドの入り口から
フロムまでは1往復半したことになる。
ソグネ・フィヨルド遊覧予定表の地図を見ると、夜中の2時ごろにはソグネ・フィヨルドの入口を通過したようだ。それ
から4時間経っているので、80キロは奧まで入ってきているはずだ。最初の目的地フロムまで入口からおよそ120キロ
だから、2/3くらいまで来ているだろう。
やがて、両岸が迫って来て、幅は1キロあるかなしかになる。朝の気温は20℃くらいなので、船が日陰に入ると肌寒
く感じられる。女性たちはマフラーを巻いたり、防寒対策をしているのだが、カナダ人のトーマスさんは、半袖シャツ姿
で、寒さを感じないようだ。
( ゆるキャラの左の2人は新婚さんで、独身のトーマスさんはその熱に当てられたかも )
8時半ごろ、見覚えのある景色が見えて来た。右手に見えるネーロイ・フィヨルドとの合流点だ。ここから先は前の
日にフェリーで通ったところだ。
全長205m、3万5千トン余もある大型船がこんな狭いフィヨルドを航行して底を擦(こす)ったりしないのか気になる
ところだが、水深は1,000m前後あると聞くと一安心だ。
もともと波が少ない鏡のような水面だが、大型船だと揺れがほとんど感じられずなくて滑るように進む。フェリーより
視点が高いので、前の日に見たと同じ景色でも違って見えるから不思議だ。
9時半ごろ、これも見覚えのあるフロムの町が見えて来た。ここで船は180度方向を換え、ネーロイ・フィヨルドに向
かう。船は左に曲がりネーロイ・フィヨルドに入り、グドヴァンゲンを目指す。
フロムとグドヴァンゲンの間は定期フェリーが就航しているので、その1隻とすれ違う。前の日の自分が乗った船を
見る、これまた不思議な感覚だ。
岸辺をみるとやや平坦な部分があるようで、”ガレた”岩石が積もっている。先ほど深さ1,000mと言ったが、まっ
すぐ垂直に1,000mあるのではなく、”河岸段丘”状になっているのかもしれない。
お昼近くに、グドヴァンゲンの港が見えて来た。港の左側に真っ白い石の採掘場をよもや忘れることはない MH だ。
ここでも船は180ど方向転換し、北海に向かってフィヨルドの出口に向かう。進行左側の切り立った岸壁に一筋の
滝を見つけシャッターを押す。この岩山と少なくとも1,000m下まで一つの巨大な岩体でできているのかと思うと、ノル
ウェーの自然の雄大さに心打たれる。
船はフィヨルドの出口に向かってややスピード・アップして進む。幅が広くなり、出口が近いことを予感させる。
船が北海にでたのは予定の20時ごろだった。これで、スウェーデン→フィンランド→デンマーク→ノルウェーの順に巡った
北欧4か国の旅を終え、次なる目的地は「氷と火山の島・アイスランド」だ。
私の場合は、南極点に最初に到達した探検家・アムンセンだ。最近、「最後のヴァイキング」と題するアムンセンの
伝記を読んだ。
イギリス人・スコットとの「南極点到達競争」は当然知っていたが、それまでの38年間、そしてその後の16年間の
彼の人生を初めて知った。
不可能を可能にする強靭な身体と精神力、そして行動力で最後の秘境・極地に挑戦し続けたので、「最後の
ヴァイキング」と呼ぶにふさわしい。
一方、今まで語られることが少なかった私生活面では、探検家につきものの「借金地獄」、生涯独身を通しながら
も「人妻との恋愛」、などなど色どり豊だった。
イタリア人探検家・ノビレが行方不明と知って1928年6月18日にフランス提供の飛行船で捜索・救援活動に出発し、
行方不明になる。56歳だった。
常々周りに「活動中に死ねれば本望」、と漏らしていたアムンセンらしい最後だった。
2017年夏近くになって、トマトの種を自宅プランターに播いたところ発芽し、暑中見舞いはがきの写真に使れる
ほどに苗は順調に育ち、8月に畑に定植した。甲府盆地の暑い夏に適応できないのか、なかなか大きくならなか
ったが、秋風が感じられる9月になって小さな黄色い花をつけ、やがて小さなあおい(緑色のこと)実がビッシリと
ついた。朝夕涼しさが募ると、実は真っ赤に熟しはじめた。
さて、肝心なお味の方だが、”トマト臭さ”が全くないのだ。そういう意味では食べやすく、9月末の週末に千葉の
孫娘が帰省した。お土産に持って来てくれたのは5月連休に帰省した時に家族で近くの川に釣りに行ったときの
絵だった。
フィンランドのトマトを孫娘に食べさせたら好評だったので、山梨名産のブドウやMH農園の野菜と一緒に明日
送って上げるべく、荷造りを終えたところだ。
しかし、日本のトマトを食べなれている私には、うまみやコクが薄くて物足りない。木のような仕立てで、背丈が
低く、棚を作る必要がないので作りやすく、来年も作ってみようと種を採ったところだ。
(2) ノルウェー硬貨
妻の母親の介護にかかわるようになって1年になる。痴呆が進んでいるとはいえ、ケアマネージャー、ヘルパーさん、
そして施設や業者の皆さんのおかげでQOLの高い日々を送っている。介護の先輩たちから「自分たちだけで抱え
込まないように」とアドバイスいただいた通りに実践している。
北関東に妻の妹の墓参に行った帰りに、ミネラル・ウオッチングと骨董市を巡ってきた。骨董市のとある店先に
硬貨(コイン)が山のようにあった。外国のコインも多く、2016年に訪れた国のコインを選び出した。中にノルウェー
のも何枚かあったので、まとめて購入した。
1KR(クローネ)が15円、1ORE(オーレ)が0.15円だ。それにしては、立派な銅貨で、国の豊かさを表わしている
ようだ。