2001年夏玉山金山の水晶

2001年夏玉山金山の水晶

1.初めに

岩手県陸前高田市にある玉山金山は、かつて奈良の大仏を鍍金するための
黄金を献上したのとの伝説を持つ古い鉱山です。
今でも、「山金」状の自然金が採集できるとの情報もありますが、『金と共に、
良質の水晶も産したので「玉山」と呼ばれるようになった』と言われるように、
日本で一番美しい水晶の産地だと思っています。
平成12年8月に、1泊で家族と訪れ両錐の7cm大水晶をはじめ良品を採集した。
今回、福島県平地学研究会の巡倹の一環で11名で訪れ、1時間足らずの採集でしたが、
65mm大の山入りをはじめ、良品を採集した。
(2001年8月採集)

2.産地

国道45号線の竹駒神社を目指し、鳥居をくぐり、そこから「玉乃湯」の
標識に従って、氷上山を登る。「玉乃湯」の裏手一帯が玉山金山のズリで、
何処を掘っても水晶が出そうな雰囲気である。
「千人坑」や「和右衛門坑」など、短期間に、莫大な黄金を産出した伝説(?)
を持つ坑道の周辺ズリや露頭で採集できます。
平成12年8月には、裏山一帯が鬱蒼とした雑木で覆われ、千人の鉱夫が一瞬に
生き埋めになったという伝説のある「千人坑」のあたりは気味悪かったのですが、
それらも切り払われ、明るくなり、それに伴って、ズリが分かりやすくなっている。

「玉乃湯新館」左上の坂道を登ったところが産地

3.産状と採集方法

ここは、粘板岩質の母岩に貫入した石英脈に胚胎した水晶、金鉱脈で露頭と
ズリで採集できる。
玉山神社の裏のズリや、陥没した坑道跡などで、表面採集と露頭叩きが楽しめます。
表面採集では、ハーキマダイアと見まがうような屈折率の高い水晶が採集でき、
露頭では、金がはさまれているかも知れない武石もシッカリ採集できます。
「和ェ門坑」裏のズリでは、レベルを把握して掘り込めば、良品が採集可能です。

「和右衛門坑」裏のズリでの採集風景

4.産出鉱物

(1)水晶【Rock Crystal:SiO2】
ここの水晶は、次のような特徴を持っています。
・両錐が多い。
・細長いものが多い。
・屈折率(透明感)が高い。
ハーキマダイアと見まがうような水晶がズリに落ちています。


左:玉山金山の山入り水晶(結晶65mm)  右:”山”の拡大

5.おわりに

(1)今回、採集の行きに採集帰りの3人連れに出会い、表面採集で4cm大
を筆頭に沢山採集していました。我々と入れ違いに女性2人が採集に来る等、人気の
産地になっています。
(2)「玉乃湯」新館には、新しい宿泊施設(1泊2食付5,500円)と温泉施設が増設
され、1泊2日で、じっくり採集を楽しむのも良いでしょう。

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