2001年夏玉川の瑪瑙

2001年夏玉川の瑪瑙

1.初めに

私のHPを見た千葉県のKさんが、玉川のメノウを採集したいと問い合わせのメールが
あった。ちょうどそのころ、台風11号が接近しており、その後が、採集にもってこいですよ
と返信した。
その後、台風11号は、私の住むひたちなか市を横切りはしたが、勢力は衰え、風はたいした
ことがなかった。それでも、一時雨が強く降り、川が増水し、川床が洗われ、良品が顔を出して
いるかも知れないと思っていた矢先、玉川の先で葬儀があり、その帰りに立ち寄ってみた。
「常陸風土記 久慈郡」の条に、「郡の西□里に、静織(しどり)の里有り。
上古の時、綾(しず)を織る機を、いまだ知る人あらざりき。
時に、この村に初めて織りき。よりて名づく。北に小水(おがわ)
あり、丹(あか)き石交雑(まじ)れり。色は、ひん碧に似て、火を鑽(き)るに
いと好し。もちて玉川と号(なず)く。」
風土記の書かれた時代から、1300年近く経った今も、その記述のとおり、玉川ではメノウと
珪化石が採集できます。
(平成13年8月採集)

2.産地

国道118号線を常陸大宮に向かって走ると、「静」の信号があり、このあたりが、
風土記の「綾織の里」だったのでしょう。この近くに静神社があり、織物の神様をお祭り
しています。
更に進むと、「玉川」を横切る。ここから約300mで、右側にラーメン店があり、その
手前を左に入る。水郡線の踏切を渡ると、その先に橋(Bの橋)が有る。
玉川を水郡線が横切る鉄橋(A)
上流に向かって最初の橋(B)
さらに上流に向かって3番目の橋(C)とする。
ポイント@:(A)と(B)の間
(B)の橋の近くでは、水際、(A)の橋の近くでは、川の中
従って、長靴が必須です。
ポイントA:(C)の10m上から川下50m
中洲状になっている砂利交じりの場所、珪化木がたくさんとれ、一部がメノウ化した
ものもある。

玉川のメノウ産地【左:水郡線鉄橋   右:橋の下の中州】

3.産状と採集方法

産地は川岸の砂礫層に含まれる、メノウです。従って、川岸や浅瀬を歩きまわっての
表面採集になります。

4.産出鉱物

(1)メノウ【Agate:SiO2】
仏頭状のものや、赤く色ずいたものなどが採集できます。

仏頭状メノウ【7cm】
(2)珪化木【Petrified wood:SiO2】
樹幹の細胞中に、水に溶けたSiがはいり、置換したもので、材全体が蛋白石または
メノウ化したものも採集できます。

)珪化木【8cm】

5.おわりに

(1)平成12年の春、橋の架け替え、護岸工事が行われ、その後流れが深く、かつ緩やか
になり、川床に泥が堆積して、一時より探しにくくなっています。
もっと大型の台風の来襲が待たれます。
(2)その後、Kさんからお礼のメールをいただき、『1時間で、赤(オレンジ)を2個・
白を2個・桂化木の大きいものを1個、採集することができました。』との事です。
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