栃木県大洋鉱業の鉱物

栃木県大洋鉱業の鉱物

1.初めに

加藤、松原両先生の「鉱物採集の旅-東京周辺をたずねて-」の「唐沢鉱山」と
「板荷鉱山」の章を読むと、『板荷駅の北西で山の斜面を大きく崩しているところが
見える。ここでは、砂岩や粘板岩を掘って採石している。』
20年前の記述ですが、今でも採石場が残っています。板荷鉱山の帰りに立ち寄り、
水晶を採集できましたので報告します。
(2002年2月採集)

2.産地

東北道鹿沼ICでおり、小来川に向かって走り、東武日光線の踏切を渡ると
左前方に大きな採石場が見えます。
大洋鉱業採石場

3.産状と採集方法

粘板岩を中心とした堆積岩で、大きく褶曲しているのが分かります。そこに、
石英脈が入り込んでいる。
採集が禁止されているため、場外に放置してある転石から掻き取りました。

4.産出鉱物

(1)水晶【Andalsite:Si2O】
石英脈の晶洞部分に小さな水晶が出ています。
大洋鉱業の水晶

5.おわりに

(1)小さな水晶以外の鉱物がありそうもなく、立ち入りも禁止されていますので、
見学にとどめておいた方が良いでしょう。
(2)ここは、他の採石場の跡地と同じように、産業廃棄物の埋め立て場になる計画が
あるようで、あちこちに反対の立て札が立っています。
10年以上前には、埼玉県越生にあった採石場で、クロム柘榴石が採集できたのですが、
その後ゴミ捨て場になるとの情報がありました。
今ごろどうなっているのか、暖かくなったら、行って見る予定です。
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