・ 中学生とミネラルウオッチング 2015年7月
( Mineral Watching with J.High School Students
Jul. 2015 , Nagano Pref. )
そうこうしている内に、「〇日に湯沼鉱泉の宿泊を予約しました」、とメールがあった。前日は茅野
近くに宿泊するというので、〇日に和田峠、翌日「貯鉱場」を案内することにした。
〇日のお昼近く和田峠でお会いした。両親と小学6年のR君と2年生のUさんだ。和田峠と言えば、
”きれいなざくろ石”だ。まず母岩付が採集できる場所に案内した。ここでは流紋岩の晶洞の中に生
まれたざくろ石を露頭からハンマとタガネを使って掘り出してもらう。
まるで研磨した宝石のようなざくろ石を取り出す、とR君だけでなくUさんも大喜びだ。その内、「コツ
がわかった!!」とUさん。MHなんぞ、30年もやっていて、まだコツが呑み込めずにいるのに・・・・・。
次は分離結晶が採れるポイントに案内した。この日のために開拓した新産地だ。パンニング皿も
使うのが初めてなので見本を示す。
土砂を入れると重たいパンニングには苦戦していたが、”ピカピカ”の宝石を拾い上げて子どもだけ
でなく大人も大喜びだ。
やがて、パンニング皿の土砂の中からUさんがつまみ上げたのは1センチを超える美晶だった。その美
しさに皆さん大騒ぎだ。R君も一回り小さいがきれいな結晶を採集した。
あっという間に4時間余りが過ぎ、夏のミネラル・ウオッチング定番のMH農園のスイカを食べて、ひと
まずお別れした。
翌朝目が覚めると、甲府はひとしきり強い雨が降っていた。湯沼鉱泉に電話すると、「雨が降って
いたが、今は晴れ間が出てきた」というので行ってみることにした。途中でTさんに電話すると、「昨夜
は雨が降っていたが、子どもたちは昨日あんなに楽しかったので・・・・」、という。
8時少し前に湯沼鉱泉に着いた。天気が下り坂という予報なので、先に貯鉱場を案内することに
した。雨が少ないせいで梓川の水は少なかったが、小学2年生のUさんはダッコして渡してあげる箇所
もあった。
ズリに着き、いつものチェックリストを渡し、パンニングを実演し、採集した「灰重石」がミネラライトで
青白く光ることも観察してもらったら、採集スタートだ。
「ざくろ石」や「方解石」、そして各種の「水晶」はすぐに見つかる。「方解石」の塊を割って、”へき
開”と”複屈折”の実験だ。
怪しかった空模様も晴れ上がって、”晴男”健在だ。2時間ほどで「自然金」や「ホセ鉱」も採れ、
満足してもらって、湯沼鉱泉に戻った。
一休みして、「水晶洞」の見学だ。紫外線を浴びて光る「蛍光鉱物」は人気だ。出口には、山梨
の古典的水晶産地で月初めに採集した水晶を探すサプライズが待っていた。
高速道路が渋滞する前にと、お昼でTさん一家とお別れした。そのまま帰宅するには陽も高いので、
川上村で気になっている砂金産地に寄ってみた。ここは寄場になっているようで、久々に大きな砂金
を採集して帰宅した。
今月末には、T大学生たちや美大のOBなどをこのコースで案内する予定だ。
( 2015年8月 案内・観察 )
次の機会には、熊手などを使った「ズリ掘り」を教える予定だ。この3つの採集方法をマスターすれば
『 百戦して危うからず 』 だろう。
もっとも、産地が判ればの話だが。
母岩付きは流紋岩の晶洞の中に見られるが、全ての晶洞にあるわけではなく、圧倒的に
私が『空(から)ガマ』と呼ぶ何も入っていない”スカ”が多い。
硬い満バン柘榴石と言えども、分離結晶は多かれ少なから磨り傷があるが、晶洞(ガマ)
から採集したものは、ガマ粘土に覆われ、傷1つなくピカピカだ。大きな結晶より小さいほうが
美しいのが鉱物の常だが、下の写真のものは最大6mmだが、これで不満を言えば罰(バチ)が
当るだろう。
分離結晶では、ごくごく希には偏稜24面体の完全結晶が採れることもある。
それに対抗するには、「新産地」を探すしかないのだが、なかなか簡単ではない。以前メインに
使っていたPCに、”sinnsannti”と入力して漢字変換すると、『辛酸地』と出てくるたびに、「この
PCは新産地探査の苦労を知っているのか」と愛おしさを覚えたほどだ。
・ 長野県 元祖・『甲武信鉱山』 の鉱物
( Minerals from Original Kobushi Mine , Kawakami Village , Nagano Pref. )
新産地を追い求めている人に次のような話を聞いた。
『 新産地を発見したことのない人は、当たり前だが新産地を発見する苦労が判らない。した
がって、新産地が貴重なこともわからずに、教えてもらった産地を赤の他人に”ペラペラ”喋って
しまう。
その結果、遅かれ早かれ新産地は荒れ果てて消滅するか、「入山禁止」になる運命にある。
新産地を新産地のままで保存するには、”誰にも教えない”しかない。 』
(2) MH農園
お盆前後になるとMH農園は収穫期を迎える作物が多い。その筆頭は夏のミネラル・ウオッチン
グ定番のスイカだ。
私が住む地区は、江戸時代にはスイカの産地として有名だったことを知ったのは2014年のこと
だった。
・ 甲斐国の地誌 『裏見寒話』に見る山宮の名産
( Famous Products of Yamamiya , described on "URAMIKANWA" , Yamanashi Pref. )
今年も大きなものは10kgを越える。少人数の家族だけでは食べきれないので、割ってみて食べ
られそうなものだけを隣近所にお配りしたところ、「甘くて美味しかった」と好評だった。
(2) ジャガイモ
昨日、今日とジャガイモの収穫で大童だった。とても一日では掘り終えることが出来ず、2日間
通った。その結果、土嚢袋に8袋あり、100キロを超える収穫だった。植えた種芋の量が2014年
より少なかったとは言え、収量は半分くらいだ。
一番大きなジャガイモの重さはジャスト500グラムだった。
(3) トマト
トマトはとうに10段を越え、手が届かない高さまで枝が伸びている。真っ赤になった完熟トマト
は甘味が強い。
前の年の実から自然に生えた苗が50センチほどに育っているので、冬の初めまで食べられそうだ。