長野県川上村から大弛峠を越える長野県側の道路は整備されたとは言え、悪路で
30km足らずを1時間かかってしまった。6月だと言うのに、峠周辺の路肩には吹き溜
まった雪が残り、春まだ浅いことを知らされた。
山梨県側は全面舗装された「クリスタル・ライン」で、見違えるような観光道路に変身
している。
いつも皆さんを案内するルートを通り、「ばったり鉱山跡(?)」で「武石」の良品を採
集した後、「水晶峠」で記念撮影。
Yさんの希望で、先ずは大きな「山入り水晶」の採れる(採れた?)ポイントで採集を
始めた。ズリの表面を見回っていたYさんが「緑水晶があった」と差し出したのは、3cm
近い、”品のある緑水晶”だった。ズリを少し掘ってみると鮮緑色〜枯れススキ色まで
各種の「山入り緑水晶」が採集できた。
ポイントを移すと「緑簾石」と思われるインクルージョンが入った透明度の高い水晶が
出た。
社長は、産地全体を観察しながら、10kg近い群晶を発見し、一足先に下山した。
Yさんにとって初めての訪山なので、自分が採集した標本がどのレベルなのか分から
ない、とのことだが、『 良いもの 』 である。
私はほぼ1年ぶりの訪山で、この日も他に2人組がいるなど、おおぜいの人々が入っ
ている様子だが、まだまだ楽しめそうなで、ここも次回のミネラルウオッチングの候補地
の1つである。
( 2007年6月採集 )
ここでの採集は、雨上がりなどには、表面採集でもそこそこの標本が期待でき、ズ
リを掘っても面白い。危険な場所が少なく、手軽に採集できるので、女性や子供向き
の産地である。
(1)緑水晶/石英【Green Quartz/QUARTZ:SiO2】
(2) この季節、水晶峠周辺では「石楠花(しゃくなげ)」がピンクの花を満開にして、われ
われを歓迎してくれていた。