ここでの採集は、ズリを掘るのが一般的です。危険な場所が少なく、手軽に採集でき
ますので、女性や子供向きです。
ズリの表面が白くなるほど、石英のかけらが落ちています。今回のように雨上がりには
表面採集でもそこそこの標本が期待でき、クマ手などでちょっと掘っても面白いでしょう。
(今回、良標本のほとんどは、表面採集で得られたものだった。)
(1)山入り(ファントム)水晶【Phantom Quartz:SiO2】
英語の”Ph(F)antom”には、幽霊、お化けと言ったチョット不気味な意味があり、
日本語の「山入り」のほうが親しみやすいと思う。
オーソドックスな「真っ白」から「緑色」まで文字通り色々です。
東京・Kさんが、透明感のある緑山入りの佳品を採集した。
山の部分が何なのか、角閃石、緑簾石それとも気泡か。どのようにして
山の部分が不透明でその外側が透明な山入り水晶ができたのか、不思議です。
冷蔵庫で作る氷に透明な部分と不透明な(白い)部分があるのがヒントのような
気がするのですが・・・・・・・・・・。
(2)緑水晶【Green Quartzl:SiO2】
微細な角閃石が水晶全体に分布し、全体が緑色になったものがあります。Uさんに
言わせると”目の醒めるような鮮やかな緑色”の逸品をA・Sさんが採集した。
(3)白〜緑針入り水晶【Rock Crystal including Hedenbergite :SiO2】
白〜緑色の細い針状結晶を含む水晶があり、針が濃集している部分は黄色〜緑色に
見えます。
針状角閃石入り
(4)鉄電気石入り水晶【Rock Crystal including Schorl :SiO2】
真っ黒い鉄電気石が毬栗状に集合したものが含まれている。
鉄電気石入り
(5)緑泥石入り水晶【Rock Crystal including Chlorite :SiO2】
透明感の強い水晶の中に、緑泥石と思われる緑黒色の球の集合体が入った水晶がある。
緑泥石入り
(6)武石【Limonite :酸化・水酸化鉄】
黄鉄鉱が結晶の形を残したまま酸化・水酸化鉄に変化した武石がアチコチで採集
できる。2cm位の全周完璧なサイコロ状や、いくつかの面を残した5cmを超える
ものがあり、破断面をみると黄金色に輝く黄鉄鉱が脈状に残っていて、コントラストが
美しい。名古屋・Sさんの息子・Y君がこの種の標本を採集して大喜びでした。
武石
【過去の採集品】
(1)日本式双晶【Rock Crystal Japanese Twin :SiO2】
初参加の東京・Hさんが日本式双晶を採集した。ここで産出する日本式双晶には
2つのタイプがあります。
@平板タイプ
子持ち水晶【水晶の上に水晶が族生しているもの】で、こどものいくつかが
平板双晶になっているもので、今回Hさんが採集したものもこのタイプです。
A傾軸タイプ日本式双晶
今まで、頭がついたものは採集できず、両方の頭が晶洞の壁にくっ付いた
俗に”猿股(さるまた)”双晶と呼ばれるものです。
Hさんの奥さんは、”猿股”の意味が理解できず、Hさんが翻訳していましたが
下の写真を見ていただければ、直に理解できると思います。
単一【5mm】 5ケの双晶集合【最大5mm】
平板タイプ日本式双晶
左のものは、黄鉄鉱入り水晶の上にあり、仙台の石友・Tさんの理論を裏付けています。
”猿股”双晶と呼ばれ
縫合部分周辺だけが見える
【20mm】
傾軸タイプ日本式双晶
今まで、自分自身で採集したり、同行した人が採集したのを見ると、80%以上が
タイプ@ですので、日本式双晶を探す人は、子持ち水晶がねらい目でしょう。
(2)黄鉄鉱入り水晶【Rock Crystal including Pyrite :SiO2】
武石入りは比較的多いのですが、錆びていないものは少なく、しかも六面体の結晶を
含むものは極めて少ない。
(3)鋭錐石付き水晶【Rock Crystal with Anatase :SiO2】
辛うじて肉眼で見える八面体の結晶を持つ鋭錐石が特有の銀白色光沢で探すことが
できた。
宛名面の下1/2に宛名と通信文の仕切り線があり、大正7年(1918年)4月1日以降で
”きがは便郵”となったのは、「濁点楠公」と呼ばれる昭和8年(1933年)2月15日
以降なので、この間(大正〜昭和初期)のものらしい。
群馬県四万(しま)温泉は、噴火で今話題の浅間山の北東約30kmにあり、ここで
水晶が産出するのか知りたいと思っています。