山梨県下部町下部川の砂金

山梨県下部町下部川の砂金

1.初めに

山梨県下部町を流れる下部川の源流は毛無山(1964m)で、その尾根近くから
中腹にかけて湯之奥金山と総称された中山、内山、茅小屋の3金山が点在している。
「金山あるところに砂金あり」で、以前、NHKの昼時の番組で下部川の上流で砂金採集を
している風景をみたことがある。また、2002年8月に関戸川で会った人から
下部町の某所で砂金が採集できるとの情報を得ていた。
湯之奥金山博物館主催の夏休み行事「こども金山探検隊」の2日目が予定より早く終り
参加者の中に下部川で砂金採集をするというグループがいたので同行させていただいた。
2時間ほどの間に、10粒ちかい砂金をパンニングで採集することができた。場所を選べば
ナゲット(隗金)も予感させる結果でした。
(2002年8月採集)

2.産地

山梨県下部町を流れる下部川が産地です。
下部川砂金産地

3.産状と採集方法

今回、川の中にあるコンクリート製の堰堤の凹み部分に7月の台風で溜まった土砂を
すくって、パンニングしました。
河原の雑草を引き抜いて、根っこに引っかかった砂金をパンニングしても良いそうです。
下部川での砂金パンニング
ロッカーやネコイタ呼ばれる砂金採集具やパンニング皿の代わりに日本古来の”汰り板
(ゆりいた)”を使うやり方もあるようです。

4.採集鉱物

(1)自然金【Native Gold:Au】
砂金は川床を流動してその姿を変えるため、鱗片状、苔状、板状で産出します。
パンニング皿の底に最後まで磁鉄鉱などと一緒に残り、皿に付着して水で揺すっても
磁鉄鉱のように激しく動き回らないのが特徴です。
下部川産砂金【最大2mm】

5.おわりに

(1)地元山梨県の下部川で砂金を採集する貴重な体験でした。
(2)この産地を案内してくれた人は、最初は鉱物採集をやっていたが、山の尾はじめ
採集禁止になった産地が多く、砂金採りに転向したとのこと。
このグループの方々は、カッチャと呼ばれる道具で土砂をすくい、自作のユリイタで
汰り分けるなど、道具にも凝っておられる様子で砂金採りの奥の深さを垣間見た気がします。
(3)砂金といえば、北海道枝幸のウソタンナイ川流域が有名で、一度は訪れて、樋流しで
採集してみたいと考えています。
樋流しによる砂金採集【応用鉱物精義より引用】

6.参考文献

1)比企忠、柴田勝熊:応用鉱物精義,積善館本店,大正6年
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