湯之奥金山博物館<BR> - 2009年砂金掘り大会 -

            湯之奥金山博物館
          - 2009年砂金掘り大会 -

1. 初めに

    山梨県身延町(旧下部町)にある湯之奥金山博物館では、年間を通して、
   いろいろな催しを企画していて好評だ。
    夏休みに開催される行事の1つに、2001年に始まり、今年で9回目を迎えた
   大人も参加できる「砂金掘り大会」がある。

    「砂金掘り大会」は、世界大会も開催されるほどで、外国では人気の高い
   趣味(スポーツ?)だ。湯之奥金山博物館の小松学芸員は、国際大会で世
   界チャンピオンになっている事からも解るように、この大会のレベルは高い。

    私は、ボランティア+競技者として第3回から欠かさず参加している。今年も、
   PCを使った競技結果の記録、順位の集計のボランティアとベテランの部の競
   技者として参加した。( 参加費用 500円 )

    この大会には、愛知県のS一家、神奈川のK夫妻など多くの石友も参加して
   いて、暑中お伺いの顔合わせの機会にもなっている。

    私の成績は、参加30名中19位で、『 実戦のMineralhunters 』 としては、
   これが実力だろう。
    楽しい1日を過ごさせて頂き、谷口館長、小松学芸員はじめ湯之奥金山博
   物館の関係者に深く感謝している。
   ( 2009年8月体験 )

2. 「砂金掘り大会」のルール

    砂金掘り大会は、主催者が砂の中に隠した砂金を、”早く”しかも”見逃しな
   く、正確に”
パンニングする技を競う。
    湯之奥金山博物館の砂金掘り大会のルールは、基本的に「国際ルール」
   に従い、今回次の通りである。

   (1)砂の量:10kg(ジュニアは6kg)
   (2)砂金の数:競技終了まで秘密(部門別に違うことがあり、今回は下表の通り)
   (3)制限時間:10分
   (4)順位の決め方:
     @ 競技者が砂金回収ビンにフタをして終了を宣言するまでの時間
        + (見落とし砂金数×3分)の合計時間が短いほうが上位

     【例】
      Aさん:9分で全部見つけた(見落とし0ケ)=9分 +(0×3)= 9分
      Bさん:7分で1ケ見落とした=7分 +(1×3)= 10分
      この場合、Aさんが、上位になる。

     A制限時間内(10分)で終了しなかった人は、最下位。
   (5)競技部門:ジュニア(小中学生)、男女初心者、男女ベテランの3部門
   (6)パンニング皿:口径40cm以下、マイ・パンの持込可能(ジュニア、初心者)
               ベテラン部門は、全員館で準備したスチール・パン(2009年)

     競技開始に先立ち、博物館友の会会員による模範演技を通して、小松学
    芸員から競技ルールの補足説明があった。

      模範演技

3. 競技風景

    例年、競技風景を撮影してくれる妻が、「疾風」君を預かっているため、家で
   留守番せざるを得ず、私の写真はない。違うクラスの石友の競技風景は私が
   ボランティアの合間をぬって撮影した。

     競技中のKさん

4. 競技結果

    競技結果の詳細は、下記のURLにアクセスしてみてください。

  ・ 湯之奥金山博物館杯・第9回砂金掘り大会順位表

    各部門の上位入賞者の記録を、引用させていただく。

順位   ジュニアの部(砂金数:6ケ)   初心者の部(砂金数:8ケ)   ベテランの部(砂金数:8ケ)
時間(分) 砂金数 総合
(分)
時間(分) 砂金数 総合
(分)
時間(分) 砂金数 総合
(分)
1 3.1978 6 3.1978 6.3369 8 6.3369 8.0286 8 8.0286
2 4.5104 6 4.5104 8.0221 8 8.0221 8.3927 8 8.3927
3 5.0494 6 5.0494 8.1714 8 8.1714 9.1103 8 9.1103
19
MH
  9.1009 518.1009

5. おわりに

 (1) 上位入賞の条件
      上の表を眺めてみると、上位入賞の条件が浮き彫りになる。

      @ パーフェクト
          各クラスの1位〜3位は、全員が”見落とした砂金ゼロ”『パーフェ
         クト』
達成者で占められている。
          1ケ見落とすごとに、3分のペナルティが加算され、私のように、3ケ
         見落とすと9分のペナルティが加算され、入賞は絶望的だ。

      A 慌てず急いで
          ベテラン部門の上位入賞者は、砂の量が多いということもあって、
         制限時間ギリギリ近くまで使っているようだ。

 (2) 砂金採取
      最近、砂金パンニングを描く絵葉書を入手した。第2次世界大戦後も北海
     道で細々ながら続いていた職業としての砂金採取は、昭和40年代に終わ
     ったようだ。

       
            佐渡・相川の浜砂金               北(?)朝鮮
                          砂金採取絵葉書

      一方、趣味(スポーツ?)としての砂金採取はますます熱をおびてきてい
     るようだ。それにつれ、参加者の腕も向上し、今回ベテランの部は、全員が
     博物館で準備した、”ツツツル”のスチール・パンを使っての競技となり、思
     わぬ苦杯を喫した人もいたようだ。

      ( アトラクションで、”ザル”でのパンニングに挑戦したが、採取数”ゼロ” )

      2010年は、どのような難問が待っているのか、今から楽しみだ。

6.参考文献

 1) 国立科学博物館、毎日新聞社編:金GOLD 黄金の国 展示図録
                         科学博物館、毎日新聞社,2009年
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