2017年 月遅れGWミネラル・ウオッチング










         2017年 月遅れGWミネラル・ウオッチング

          ( Mineral Watching Tour , Jun. 2017 , Nagano & Yamanashi Pref. )

1. はじめに

    私のHPを見て頂き、産地の情報を提供したり、案内して差し上げた人たちと春と秋にミネラル・ウオッチング
   を開催するようになって19年目を迎えた。
    いつもながら、皆さんをどこに案内するかで頭を悩ます。長野県川上村の湯沼鉱泉に宿泊するのが前提だ
   から、訪れる産地はその周辺で、さらに20〜30名の集団が楽しめる場所となるとそうそう見つからない。

    いつもだったら、訪問地を探しに下見をするのだが、関東地方に住む義母の突然の『老々介護』と首都圏
   にある老朽化した自宅のリフレッシュ(修繕)で、月の半分以上山梨県外に居て、疲れて骨休めに山梨に戻
   ってくるありさまで、とても下見にまでいく余裕がなかった。

    幸い2016年に知り合ったSTさんに甲武信新産地、N夫妻に「昔乙女コース」を案内していただけることになり、
   『新産地を訪ねて』と題して、長野県と山梨県を舞台に開催することにした。
    ( 2017年6月 開催 )

2. 【第1日目】

 (1) 「湯沼鉱泉」に集合!!
      朝4時に起き、メールをチェックする。直前になって「参加できなくなった」、という人がいないでもないから
     だ。6時に自宅近くのSAで東京・Kさんをピックアップし、須玉ICで降り、清里を通り集合場所の川上村・
     湯沼鉱泉を目指す。川上村に入ると、レタス畑は収穫の最盛期が始まったところで、あちこちで作業して
     いる。
      7時に湯沼鉱泉の駐車場に着くと、ほとんどが揃っている。茨城・K兄弟、Nさん、滋賀・O弟、Yさん、
     そして常連のNさん、兵庫・N夫妻、京都・Tさん、大阪(茨城)・TKさん、TMさん、神奈川・TH夫妻、
     そして新婚のHG夫妻、長野・Mさん、MZさん、山梨・Sさん、東京・Kさん、HR夫妻。
      今回初参加が多いのが特徴で、京都SMさん(奈良のYさん、誤解しないでくださいね)、静岡・STさん、
     東京・TRさん、TNさん(△△△の主)
      愛知のDさんから、「私も初参加なのですが」と声を掛けられた。どうやら、忙しさにかまけてメールチェック
     をミスっていたようだ。これで、28名全員集合だ。

 (2) まずは、自己紹介
      初めて会う人、久しぶりの人も多いので、まずは自己紹介だ。

       
                   自己紹介
                  【撮影:O弟】

 (3) コース別に「ミネラル・ウオッチング」
      この会がスタートした19年前、参加者は年長者でも40代、50代で、子供が小学生だった。川上村の
     かなり厳しい行程の産地でも全員揃って訪れることができていた。”きみまろ”のセリフではないが、
     「あ〜〜、あれから19年」参加者の半数(大半?)は高齢者かその予備軍で、良品が採集できる産地
     は車横付けであるはずもなく、全員一緒に同じ産地に行くのが難しくなっているのが現状だ。
      この現象は数年前から始まっていたのだが、2016年からその傾向が顕著になった。そんな理由(わけ)で、
     自分の体力・行きたい産地などを勘案し、次のコースを参加者が選んだ。風邪をひいたNさんは湯沼で
     安静、自由行動のHさんは別行動だ。

       Aコース・・・・・・「朝飯前」【別名:昔乙女コース】
       Bコース・・・・・・「甲武信鉱山」新産地
       Cコース・・・・・・「甲武信鉱山」有名ポイント
       Dコース・・・・・・「△△△」

      2010年ごろまで、「朝飯前」産地は、朝5時ごろ起きて7時の朝食までの2時間、「湯沼の角閃石入り
     水晶」を採集することからついた産地名で、文字通りだったが最近ではここで一日採集する人も出てきて
     いる。

 (4) 新産地で双晶をゲットだ!!
      初日のメインに企画した「甲武信」には参加者の3/4の21名が参加した。ほとんどのひとにとって初めての
     コースだ。登り口は急斜面で、皆さん(私を含め)苦しそうだったが、そこを過ぎるとやや緩やかで笑顔が戻
     ってきた。
      皆さんの顔つきを観たり、息遣いを聞いて、適宜休憩を取りながらすすむ。約1時間半で産地の入り口に
     到着した。この先にある新産地はSTさんに案内してもらい、約2/3がそちらに向かう。この産地を知り尽くした
     STさんの先導で坑内を進み、ガマ(晶洞)探査だ。

          
                STさんの先導で進む                    晶洞発見!!

      残った人と私は、有名ポイントで採集だ。この日の方針を説明して採集開始だ。6月だというのに坑道
     から噴き出す風は冷たく、坑道に入ると吐く息が白い。
      ( 「5月GWに来た時には、坑道入り口に氷があって、坑内に滑り落ちた」、と聞いた。 )

      露頭に取り付いてガマ(晶洞)をめざし、交替で掘り進む。硬い露頭を叩くのは骨だが、歳に似ずHRさん
     の馬力はスゴイ。

       
                  露頭を叩く

      まもなく、双晶がついた群晶が姿を現した。群晶は、数がまとまったところで坑道の外の人に渡して、双晶
     が付いているか確認してもらう。

      昼食の時間になって、一旦坑の外に出る。STさんに率いられていたTRさんが戻ってきて、「むこうでも
     何人かが、すばらしい双晶を採集した」、と報告してくれる。
      食事を済ませ、体も温まったので再び坑内に入る。”本丸”だと思っていた箇所を掘り崩すとその奥にも
     晶洞が続いていた。どうやらここが”奥の院”のようで、こことしては大きめの双晶がついた群晶が次々とでて
     くる。外で採集できた双晶の数を数えてくれていたHRさんが、「いままで、○○個とれている」、と報告してくれ
     る。”奥の院”で採れたのも含めるとさらに10個は増え、皆さんに分配できるだけの数は確保できたようだ。

      下山の時間を考えると、そろそろ引き揚げる支度だ。その前に、ガマから出た標本の分配だ。最初に
     露頭を叩いたり、群晶を運んだり、双晶の有無を確認した人たちがジャンケンで順番を決めて好きな標本
     を採っていく。次は、一緒にいたメンバーだ。最後に、別行動から回ってきた人達が取る。
      「緑水晶」の単晶(含む両錐)や「方解石」の自形結晶などは”採り放題”だ。わたしは、「方解石の
     自形結晶」だけを戴くことにした。
      HRさんに、「MHが欲しがるような標本は、どれですか」、とお見せして、「俗に、”マッチ箱を押しつぶした
     形と形容される菱面体の方解石は”へき開”したものだが、この標本は結晶したときから菱面体をしていた
     貴重なものだ」、と解説させていただいた。

     【後日談】
      お昼に食べた冷やし中華のプラ容器をクッションにしてその中に入れて置いたこの標本を写真に撮ろうと
     探しが見当たらない。妻に聞くと、「ゴミだと思って2日目に寄ったコンビニのゴミ箱に捨てた」、と驚くべき答
     が返ってきた。嗚呼〜。仕方ないので、以前採集した数段劣る標本を紹介する。
      実は、採集品を分配する段になって、「あの標本が欲しい」と言ったら、ついさっきこれを写真に撮っていた
     Mさんが探してくれたがないのだ。何人かで探したが見つからず、諦めかけたころ、全く違うところから出てきた。
      もともと、私とは縁がなかったのだと諦めることにした。

       
              代りの「方解石の自形結晶」
                  【横 90ミリ】

      引き取り手がない双晶がついた群晶がたくさん残ったので、ここまでこれなかった人たちのために、「オーク
     ション」用に私がまとめて担いで下山することにした。
      登山口に戻ったのは、17時半を過ぎていた。初日だけ参加の茨城・K兄弟とは、ここでお別れだ。

3. 【湯沼鉱泉の夜は更けて】

    湯沼鉱泉の駐車場に戻ったら、長野・MZさんが、「MH、今日採集した双晶はこれです」、と見せてくれた。
   20センチ角以上ある大きな群晶で、中央を10センチ角の大きな方解石の結晶が占め、その周囲を水晶が
   取り囲み、その中に両翼4センチ以上あるハート型双晶がある。
    「裏も見て下さい」、と言い、見せてもらうと、一面水晶で、両翼3センチクラスの双晶が、私がザッと数えた
   だけでも8枚は付いていた。「ぜひ社長に見せてやってください」、とお願いした。社長がこれを見るなり、「良い
   もんだ。儲けたな」と喜んでくれた。

    双晶を採った何人かから聞くと、露頭を叩いてSTさんに採ってもらったのは1人で、他の人は岩の間の土砂を
   掻きだしたら、”ポロッ”と出て来たらしい。MZさんのは、岩の上に「どうぞ、お持ち帰りください」、言わんばかりの
   状態で置いてあったそうだ。
    話を総合すると、鉱物採集に入った人がほとんどいない坑道を大勢の眼で探したので、苦労せずに見つか
   ったようだ。

          
                 MZさん採集「母岩付き」                O弟採集「分離単晶」
                               日本式双晶【撮影:O弟】

    どの標本も、この産地を案内してくれたSTさんが、「良いものを見せて貰いました」、と言うほどの良品だった。

    Aコースに参加したTHさんから写真が送られてきた。昔乙女が採集している様子が写っていたし、産地は大
   勢が繰り返し訪れ、痛々しいほどに大きく変貌しているようだ。産地の道端には、「アカバナイチヤクソウ」や
   「レンゲつつじ(別名:馬つつじ)」の花が盛りだったようだ。

       
                 採集する「昔乙女」

          
                 「レンゲツツジ」              「アカバナイチヤクソウ」
                           「朝飯前」産地
                           【撮影:Ms.TH】

    5月のGWに、孫娘を連れて「貯鉱場」を訪れた。この時お会いした男女何人かのグループが「アカバナイチ
   ヤクソウの群落を探している」、と言っていたのを思い出した。標高1,300mを超えるこの辺りでの花期はやは
   り”月遅れGW”になるようだ。もし、このページをお読みでしたら、詳細な場所をお教えします。

    Aコースの案内役のN夫人から、「MHの奥さんが一番素晴らし標本を採った」、と聞かされ、期待せずに現物
   を見ると、「インターラプテド・クオーツ」で”逆松茸”状になったものと、”X字型”に双晶したもので、まずまずの
   標本だ。

          
           「インターラプテド・クオーツ」                 「X字型」双晶

    われわれが採集している間、「Dコース「△△△」の2人が晶洞(ガマ)を開けたか」が話題になっていた。「それ
   よりも、遠いし、広い産地だから目的の場所に行けたか」、と心配する声もあった。予想通りというか、産地に
   着いたのがお昼頃で、少し採集したら下山の時間だったようだ。

    いつものように、宴会場の一隅が「オークション」、舞台が「玉手箱」の会場だ。続々と「オークション」と
   「玉手箱」の標本が集まり、担当者がテーブルの上に並べていく。
    今回参加できなかったO兄から、オークション用標本が宿に送られてきていた。

 (1) 宴会
      19時過ぎから宴会がスタートだ。宴会部長は、東京・Kさんだ。まずは兵庫・Nさんの音頭で「乾杯!!」。
     冷たいビールが今日の疲れを忘れさせてくれる。

       
                     乾杯!!
                    【撮影:O弟】

      しばし歓談の後、参加者の近況報告だ。何といっても新婚で参加してくれたHG夫妻だ。オークションの
     売り上げの一部をお祝い金として、元祖・”婦唱夫随”のN夫人から渡していただいた。

       
                新婚さんにお祝い金贈呈
              【新婚さんは左側です。爲念】

 (2) 「オークション」
      宴会を終え、「オークション」に移ったのは、8時半過ぎだった。今回もオークショナーは、定評のある、
     兵庫・N夫人だ。ユーモア溢れる売り声に釣られて売り上げは順調に伸びる。

       
                     オークション
                    【撮影:O弟】

      IT化の波はミネラル・ウオッチングにまで及び、神奈川・THさんの手で標本名・産地・出品者・落札者・
     落金額がPCに入力されていく。この会がスタートした19年前に、黒板に手書きしていたころとは様変わりだ。

      122点が落札され、売上高は41,200円で、一人平均約1,600円参加費が安くなった計算だ。

      THさんが入力してくれたEXCELデータを一覧表にしてみた。このミネラル・ウオッチングに参加される皆さん
     の鑑定眼は確かなようで、希少な標本は競る人も多く、市価に比べれば大幅に廉(やす)いものの、それ
     なりの高値がついた。

      一部の標本は、『採集禁止』になる前の採集品や『購入品』であることをご承知ください。
      というわけで、産地名には、旧い郡市町村名のものがあります。

No 標本名   産     地  出  品  者 落札者 落札額
1 蛍石 笹洞 O兄 静岡・ST 200
2 蛍石 笹洞 O兄 長野・M 200
3 蛍石 笹洞 O兄 長野・MZ 200
4 蛍石 笹洞 O兄 滋賀・Y 200
5 蛍石 笹洞 O兄 Mineralhunters 200
6 蛍石 笹洞 O兄 東京・K 200
7 蛍石 笹洞 O兄 神奈川・HG夫妻 200
8 蛍石 笹洞 O兄 山梨・S 200
9 パイクロスマンガン石
テフロ石
アレガニー石
奥村鉱山 O兄 兵庫・N夫妻 100
10 オフレ沸石 山口県川尻 O兄 長野・MZ 200
11 オースチン石 山口県喜多平鉱山 O兄 滋賀・N 600
12 阿仁鉱 和歌山県紀ノ川 O兄 長野・M 1,000
13 水苦土石 静岡県天竜区六郎沢 O兄 神奈川・HG夫妻 300
14 パリゴリスキー石 三重県度会郡 O兄 Mineralhunters 100
15 パリゴリスキー石 三重県度会郡 O兄 長野・MZ 100
16 水晶・磁硫鉄鉱 甲武信鉱山 N夫妻 京都・SM 100
17 閃亜鉛鉄鋼・水晶 鳥取県鳥取市国府町 N夫妻 神奈川・HG夫妻 500
18 閃亜鉛鉄鋼・水晶 鳥取県鳥取市国府町 N夫妻 滋賀・Y 500
19 マンガン団塊 ハワイ近く 茨城・N 大阪・TK 1,000
20 マンガン団塊 ハワイ近く 茨城・N 長野・M 1,000
21 ペタル石 福岡県長垂 長野・MZ 長野・M 100
22 ペタル石 福岡県長垂 長野・MZ 兵庫・N夫妻 100
23 ペタル石 福岡県長垂 長野・MZ 静岡・ST 100
24 ペタル石 福岡県長垂 長野・MZ Mineralhunters 100
25 緑柱石 佐賀県佐賀郡富士町杉山 長野・MZ 神奈川・HG夫妻 200
26 緑柱石 佐賀県佐賀郡富士町杉山 長野・MZ Mineralhunters 200
27 緑柱石 佐賀県佐賀郡富士町杉山 長野・MZ 静岡・ST 200
28 緑柱石 佐賀県佐賀郡富士町杉山 長野・MZ 東京・TR 200
29 緑柱石 佐賀県佐賀郡富士町杉山 長野・MZ 神奈川・TH夫妻 200
30 緑柱石 佐賀県佐賀郡富士町杉山 長野・MZ 神奈川・HG夫妻 200
31 レビ沸石 佐賀県鎮西町横竹 長野・MZ 長野・M 200
32 レビ沸石 佐賀県鎮西町横竹 長野・MZ 神奈川・HG夫妻 200
33 レビ沸石 佐賀県鎮西町横竹 長野・MZ Mineralhunters 200
34 レビ沸石 佐賀県鎮西町横竹 長野・MZ Mineralhunters 200
35 レビ沸石 佐賀県鎮西町横竹 長野・MZ Mineralhunters 200
36 紅れん石 長崎県長崎市戸根町戸根鉱山 長野・MZ 大阪・TM 200
37 ブラウン鉱 長崎県長崎市戸根町戸根鉱山 長野・MZ 大阪・TM 200
38 ブラウン鉱 長崎県長崎市戸根町戸根鉱山 長野・MZ 大阪・TM 200
39 ブラウン鉱 長崎県長崎市戸根町戸根鉱山 長野・MZ Mineralhunters 200
40 菱沸石 佐賀県鎮西町 長野・MZ 静岡・ST 300
41 金雲母 佐賀県鎮西町 長野・MZ 山梨・S 300
42 中沸石 長野県上田市塩田、沢山湖 長野・MZ 静岡・ST 300
43 中沸石 長野県上田市塩田、沢山湖 長野・MZ 兵庫・N夫妻 300
44 中沸石 長野県上田市塩田、沢山湖 長野・MZ Mineralhunters 300
45 満ばん柘榴石 長野県和田峠 Mineralhunters 京都・T 1,000
46 黒曜石 長野県和田峠 Mineralhunters 茨城・N 500
47 黒曜石 長野県和田峠 Mineralhunters 静岡・ST 1,000
48 軽石の上のオパール 長野県和田峠 Mineralhunters 長野・MZ 300
49 苗木石 甲府市黒平金石沢 Mineralhunters 長野・M 250
50 苗木石 甲府市黒平大株沢 Mineralhunters 長野・M 250
51 水晶 甲府市甲府市向山鉱山 Mineralhunters 京都・T 2,700
52 水晶 甲府市甲府市向山鉱山 Mineralhunters 滋賀・Y 1,200
53 オリビン ハワイ島グリーンサンドビーチ Mineralhunters 長野・M 100
54 オリビン ハワイ島グリーンサンドビーチ Mineralhunters 東京・TR 100
55 オリビン ハワイ島グリーンサンドビーチ Mineralhunters 大阪・TM 100
56 幸運を呼ぶ石 Mineralhunters 兵庫・N夫妻 500
57 コバルト華 和歌山県大勝鉱山 滋賀・N 大阪・TM 300
58 ドロマイト 新潟県飯豊鉱山 滋賀・N 静岡・ST 300
59 モリブテン石 福井県大野市仙翁谷鉱山 滋賀・N 京都・T 200
60 テルル石 静岡県下田市河津鉱山 滋賀・N 神奈川・HG夫妻 200
61 白鉛鉱・青鉛鉱 石川県小松市尾小屋鉱山 滋賀・N 長野・MZ 300
62 柘榴石 奈良県天川村白倉谷 滋賀・N 東京・TR 300
63 焼餅石 長野県小県県村 滋賀・N 山梨・S 100
64 緑柱石 岐阜県恵那郡福岡町福岡鉱山 滋賀・N 神奈川・HG夫妻 300
65 硫砒鉄鋼 岐阜県山県郡美山町相戸鉱山 滋賀・N 大阪・TM 200
66 黄鉄鉱 奈良県桜井市針道 滋賀・N 神奈川・HG夫妻 100
67 黄鉄鉱 奈良県桜井市針道 滋賀・N 滋賀・O弟 100
68 菱亜鉛鉱 滋賀県甲賀郡石部町灰山 滋賀・N 長野・MZ 200
69 電気石 三重県阿山郡大山田村 滋賀・N 滋賀・Y 200
70 コランダム 岐阜県吉城郡河合村羽谷 滋賀・N 滋賀・O弟 500
71 水晶 滋賀県伊香郡西浅井町山門 滋賀・N 兵庫・N夫妻 100
72 水晶 滋賀県伊香郡西浅井町山門 滋賀・N 静岡・ST 100
73 水晶 滋賀県伊香郡西浅井町山門 滋賀・N 神奈川・HG夫妻 100
74 水晶 滋賀県伊香郡西浅井町山門 滋賀・N 滋賀・Y 100
75 水晶 滋賀県伊香郡西浅井町山門 滋賀・N 大阪・TM 100
76 水晶 長崎県南松浦郡奈留町 滋賀・N 静岡・ST 500
77 水晶 長崎県南松浦郡奈留町 滋賀・N 山梨・S 500
78 水晶 秋田県大仙市荒川鉱山 愛知・D 山梨・S 300
79 水晶 秋田県大仙市荒川鉱山 愛知・D 滋賀・Y 200
80 方鉛鉱 白板鉱山 愛知・D 静岡・ST 500
81 灰鉄輝石 柿野鉱山 愛知・D 大阪・TM 300
82 水晶 荒川鉱山 Ms.TH 神奈川・HG夫妻 1,000
83 紫水晶 栃木県野州鉱山 Ms.TH 長野・MZ 500
84 雪花石膏 福島県朝日鉱山 Ms.TH 長野・M 100
85 雪花石膏 福島県朝日鉱山 Ms.TH Mineralhunters 100
86 鉄電気石 山梨県甲府市黒平町 長野・M 山梨・S 500
87 フェルグソン石 茨城県高萩市大能一本杉 長野・M 神奈川・HG夫妻 600
88 磁鉄鉱 長野県南佐久郡南相木村栗生 長野・M 大阪・TM 200
89 ジルコン 茨城県高萩市大能一本杉 長野・M Mineralhunters 1,500
90 セラドン石 神奈川県厚木市七沢 O弟 兵庫・N夫妻 100
91 セラドン石 神奈川県厚木市七沢 O弟 長野・MZ 100
92 黒曜石 長野県下諏訪和田峠 O弟 東京・TR 100
93 普通輝石 長野県大岡丙 樋ノ口沢 O弟 静岡・ST 100
94 普通輝石 長野県大岡丙 樋ノ口沢 O弟 山梨・S 100
95 黄鉄鉱 御堂沢鉱山 O弟 神奈川・HG夫妻 300
96 デソーテルス石 三重県鳥羽市白木町向イ山 蛇紋岩採掘場 O弟 神奈川・TH夫妻 100
97 風蝕礫 静岡県御前崎市白羽 O弟 Mineralhunters 100
98 モットラム石 赤城根鉱山 O弟 長野・M 100
99 含クローム灰鉄柘榴石 三重県鳥羽市白木町向イ山 蛇紋岩採掘場 O弟 Mineralhunters 200
100 断層礫 三重県志摩市大王町名田 O弟 静岡・ST 100
101 写真(A4) O弟 兵庫・N夫妻 300
102 写真(A4) O弟 兵庫・N夫妻 300
103 写真(L判) O弟 滋賀・Y 100
104 写真(L判) O弟 大阪・TM 100
105 写真(L判) O弟 長野・M 100
106 写真(L判) O弟 Mineralhunters 100
107 写真(L判) O弟 神奈川・TH夫妻 100
108 写真(L判) O弟 Mineralhunters 100
109 写真(L判) O弟 Mineralhunters 100
110 写真(L判) O弟 Mineralhunters 100
111 写真(L判) O弟 神奈川・TH夫妻 100
112 写真(L判) O弟 東京・K 100
113 写真(L判) O弟 Mineralhunters 100
114 写真(L判) O弟 神奈川・TH夫妻 100
115 写真(L判) O弟 Mineralhunters 100
116 写真(L判) O弟 Mineralhunters 100
117 写真集「関東と周辺の鉱物」 鉱物同志会 Mineralhunters 東京・HR夫妻 2,500
118 黒曜石アクセサリー 和田峠 Mineralhunters 長野・MZ 1,000
119 ミニツイン 甲武信鉱山ミニツイン Cグループ 茨城・N 2,000
120 ミニツイン 甲武信鉱山ミニツイン Cグループ 滋賀・Y 500
121 ミニツイン 甲武信鉱山ミニツイン Cグループ 兵庫・N夫妻 1,000
122 ミニツイン 甲武信鉱山ミニツイン Cグループ 大阪・TM 200
       合         計 41,200

     一番の高額落札品は、2016年秋に訪れた産地の水晶で、2,700円の高値がついた。やはり、「欲しい
    ものは欲しいのだ」
     「阿仁鉱」が出ていたので、私も欲しかったが、金にあかせて入手するのも年甲斐ないし、私が持っていて
    将来死蔵、あるいは遺棄されるよりは、と若い人に譲ることにした。
     鉱物同志会が創立30周年を記念して発行した写真集「関東と周辺の鉱物」を欲しい人が多いと聞いて
    いたので、予備を1冊提供した。
     Ms.THいわく、「プレミアムは付くかもしれないがミネラル・マーケットあたりで手に入るだろうと高(たか)を
    くくっていたら、どこにも売っていない!!」。発行数1,000部弱で再版の計画はないので、『稀覯本』の
    仲間入りで、入手された方は幸運です。

 (3) 「標本玉手箱」
      故益富寿之助博士が始められたと同じように、参加者が入手した重品を持ち寄って、欲しい人に無料
     で配布する「標本玉手箱」を今回も開催した。
      好きなものを好きなだけ採ってももらうことにして、”売れ残り”は少なかった。

 (4) 「大人の時間」
      時計は22時近かったが恒例の”大人の時間”を開催した。参加者が持ち寄った地元の銘酒を酌み交わし
     ながら鉱物談義に花を咲かせた。
      熱気を帯びてきたのか、O弟が右手に持った双晶を団扇(うちわ)のように扇(あお)いでいる。この日訪れ
     た新産地で採った「日本式双晶」で、両翼5センチはありそうだ。

       
                   「大人の時間」
                    【撮影:O弟】

      気が付けば0時近くになっていたので、お開きにした。

4. 【第2日目】

 (1) 2日目のスタートだ!!
      2日目、朝6時過ぎに起きると、外は曇っているが雨は降らないだろう。出発時にバタバタしないよう、
     荷物を車に積み込んでおく。

      身繕いをして昨夜宴会が開かれた大広間に行くと皆さん集まってくる。7時過ぎに全員そろって朝食だ。
     味噌汁の具は、O弟こだわりの「アサリ」がここのところ続いている。

      皆さんが食事している間に、PCに宿泊料金を入力すると、個人・グループ別の参加費が一発で出る。
     会計・THさん夫妻が集金してくれ、1円の違いもなく、”御名算”だ。次回への繰越金900円は私が預かる。

       
                 会計・THさん夫妻

 (2) 出発前のセレモニー
      今回参加できなかった愛知・Hさんが送ってくれた「アサリ入りせんべい」を皆さんに配る。お姐さんが作って
     くれた昼食を持って出発準備だ。
      午前8時に前庭に集合する。出発前に湯沼鉱泉の前で、社長と記念写真を撮る。

       
                  社長を囲んで記念写真
                      【撮影:O弟】

      兵庫・N夫妻、神奈川・TH夫妻、そして湯沼の近くで採集して帰る茨城・Nさん、東京・TNさん、山梨・
     Sさん、とは湯沼鉱泉でお別れだ。

 (3) 新産地で「希産鉱物」に挑戦だ!!”
      車を連ねて出発だ。産地までは2時間近いドライブだ。10時に産地手前に一度集合し、車を乗り合わ
     せて産地に向かう。珍しくこの日は林道のゲートが開いていたが、いつ何時閉められるかも判らないので
     ゲート前に駐車し歩いて行く。

      ここは、希産鉱物の産地で、ズリの転石を叩いて破面をルーペで観察、を繰り返す。どのような色・形を
     しているのか知らない人にとっては手ごわい相手だった。それでも、何人かは採集できた。
      2次鉱物に関心の薄い人たちは、水晶ズリで採集し、比較的大きな頭付を採集していた。珍しいもの
     として、金の製錬の時にできた「鉱滓(こうさい:スラグ)があった。

          
                     採集風景                  金製錬時の「鉱滓(スラグ)」

      お昼を食べて、次のポイントに移動した。ここも、「希産鉱物」の産地だ。採集を開始して間もなく、
     大阪・TMさんが、「MH,これ何でしょう」、と見せてくれた標本が、この産地を代表する『車骨鉱』だった。
     みなさんに見ていただき、その歯車状の形・鈍い鉛色の特徴を目に焼き付けていただく。

       
                     採集風景

      しかし、なかなか後が続かない。14時半で引き揚げることにした。

 (5) また会う日まで
      いつも、お天気には悩まされることが多いミネラル・ウオッチングにしては、珍しく2日間ともマズマズの天気
     だった。
      「希産鉱物」のハードルは高かったが、何人かは素晴らしい標本を採集したので、”ジックリ”攻めれば
     採れそうだ。
      再会を約束して、皆さんとお別れした。

       
                     「解散式」
                    【撮影:O弟】

5. おわりに

 5.1 『 産地を求めて 』
     このミネラル・ウオッチングがスタートした19年前、産地を訪れるとほぼ全員がお気に入りの標本を手にする
    ことができた。
     しかし、最近では採集できる場所も限られ、そのような産地が少なくなっていて、参加者全員が良い思い
    をしていただくことが難しくなりつつある。
     開けた晶洞(ガマ)や中から採集した標本を隠して置くなど、できるだけ、”下ごしらえ”をしておいて案内
    するようにしたいのだが・・・・

5.2 東奔西走
      宴会の時に挨拶したように、私達夫婦は現在、埼玉県民30%、東京都民30%、山梨県民40%、で
     東奔西走状態だ。
      今回の参加者の中には、私達夫婦だけでなく、『老々介護』真っ最中のご夫妻が何組かいたし、その
     ために参加できなかった人もいる。

      介護の経験が全くない私達夫婦にとってN夫妻やH夫妻のような経験者のアドバイスは貴重で、参考に
     させていただいている。
      その中で、「自分達が参ってしまわないように」、と聞き、介護生活を楽しもうと思っている。

      今週後半、介護に行くので、ついでに都内の某所を訪れようと思っている。

6. 参考文献

 1) 八木 貞助:信濃鉱物誌,古今書院,大正12年
 2) 藤本 治義:南佐久郡地質誌,社団法人 南佐久教育会,昭和33年
 3) 長島 乙吉、弘三:日本希元素鉱物,長島乙吉先生祝賀記念事業会,昭和35年
 4) 山田 滋夫:日本の鉱物産地総覧,つゆねこ企画,2017年
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