2015年9月 ミネラル・ウオッチング 【ガマ開けに挑戦!!】










            2015年9月 ミネラル・ウオッチング
                【ガマ開けに挑戦!!】

1. はじめに

    私のHPを見て頂き、産地の情報を提供したり、案内して差し上げた人たちと春と秋にミネラル・
   ウオッチングを開催するようになって17年目を迎えた。
    2015年6月の月遅れGWミネラル・ウオッチングのフォローアップを少人数で開催した時、茨城・
   K弟から、「K兄がガマ開けをやってみたいと言うので、計画よろしく」と頼まれた。
    ガマが確実に開きそうな産地は限られ、長野県川上村の湯沼鉱泉に宿泊して、『ガマ開け
   に挑戦!!』と題するミネラル・ウオッチングへの参加を呼び掛けたところ、北は茨城県、西は
   滋賀県まで2日間で延べ24人が参加してくれた。常連さんに混じって初めての方もいた。

    合言葉は、『 開けガマ(ゴマ) ”Open Druse(Sesame)" 』 だ。

    今回は、同じ産地で2日間ガマ開けに挑戦するという上級者向けのテーマにもかかわらず、
   小学生1名、女性2名、還暦を済ませた方が4人とバラエティに富んだ参加者たちだった。

    初日、湯沼鉱泉に集合し、自己紹介の後、車に分乗して出発だ。林道を歩くと、そこはかと
   なく秋の気配が漂っている。途中でMH農園のスイカを冷たい流れに漬け、急斜面を登ると産
   地に到着だ。

    産地はここ2ケ月の間に大きく変貌していて、ガマが開きそうな場所が見つからない。MHが
   見立てたズリにある土砂を取り去ると露頭が姿を現わした。石の目、脈を読んで、叩く場所を
   決めた。叩きはじめると初参加のMs.PMは、男顔負けの馬力で土砂を運び、露頭を叩き、
   ”ぼつぼつ”だが良品を手にしたようだ。しかし、これぞガマ(晶洞)と呼べるものは出てこない。
    お昼を食べた後、ガマ開けを諦めてズリ派に転向する人もいる。2時近くだったろうか、露頭の
   一角に水晶の面が見えたので、タガネとハンマーで掻き取るとそれは晶洞の天井板だった。
    「ガマが開いたゾー!!」と叫んで皆さんを呼び寄せる。中からガマ粘土や褐鉄鉱に包まれた
   水晶が次々と出てくる。あらかた取り出し終えると3時だった。この日は、採集した水晶を分配
   し、産地を後にした。途中MH農園の冷たく冷えたスイカを切分けていただき、今夜の宿「湯沼
   鉱泉」に着いたのは17時過ぎだった。

    入浴している間に「オークション」と「玉手箱」用の標本が次々と集まってくる。どれもクオリティ
   が高く、全て「オークション」に回すことになった。

    19時過ぎから「宴会」だ。愛知・Kさんの音頭で「乾杯!!」。人数が11名といつもの半分
   以下なので、鍋でなくてお姐さんが作った料理が銘々の皿に盛られて次々と出てくる。
    今回は、「大人の時間」が取れそうなので、近況報告などはその時にすることにして、近くの人
   たちと談笑しながら気がつけば完食だ。

    20時過ぎからお待ちかねの「オークション」だ。N夫妻が急に参加できなくなり、オークショナー
   役が初めての茨城・Nさんにお願いすると快く引き受けていただいた。
    100円で落札できるものもあるが、人気の標本は、”1,000円!!”、”1,100円!!”と
   値が上がり、最高は1,600円だった。
    標本の名称・産地・出品者・落札者そして落札金額はMs.TがPCに次々と入力してくれる。
    45個の標本全てが落札され、売り上げは10,500円で、一人平均1,000円宿泊費が安く
   なる勘定だ。

    21時過ぎから、久しぶりの「大人の時間」だ。山梨県産金賞ワインを飲んでいただきながら、
   鉱物、砂金と話題は尽きない。22時を回るとお疲れの人もいるのでお開きとした。

    2日目、朝起きると雲行きがおかしい。7時から食事をいただく。その間に、Ms.Tから会計報
   告と個人別の徴収金額が伝えられる。この日だけ参加の長野・G親子も到着だ。
    出発前に社長とお姐さんを囲んで記念写真だ。この日、O弟、Ms.PM,Ms.Tは別行動とな
   り、9名で前日と同じ産地に向かう。

       
              社長・お姐さんを囲んで記念写真
                   【撮影:O弟】

    歩きはじめると、”ポツ、ポツ”と雨が降り出したが、雨具が必要なほどではない。産地に着くと、
   先行者が3人いた。前日の続きを掘り進むが小さな穴しか出てこない。お昼を食べて気を取り
   直して戦闘再開だ。”ガマ”かな、と思われたのも期待したほどではなかった。
    13時過ぎ、一段下を掘ってみると”バカッ!!”とガマの端が開いた。K兄が期待したのに近
   いガマなので取り出しを任せる。次々と大きな水晶、小さいがきれいな水晶が出てくる。あらか
   た取り出し終わったら14時を回っていた。そろそろ撤収だ。道具を片付け、採集品を分配し、
   下山だ。この日も、MH農園最後のスイカを食べ、駐車場で解散式を行い、湯沼鉱泉に戻った。

    今までのミネラル・ウオッチングは1日に何箇所か回るので、腰を落ち着けて採集できないため、
   目的とする標本を採れないまま次の産地に移り、心残りの人が出るきらいがあった。
    今回は、1箇所でジックリ腰を落ち着けて採集してもらうスタイルにした。このスタイルで、その
   産地の代表的な標本を確実に採集して貰う方式もありかな、と思っている。
    それと小人数なので、料理もいつもと違うものが味わえ、「大人の時間」なども取れるという
   メリットもある。
    次の「秋のミネラル・ウオッチング」でも採用してみようと思っている。
    ( 2015年9月 開催 )

2. 第一日目

 (1) 「湯沼鉱泉」に集合
      常連の兵庫・N夫妻が急に参加できなったことを妻に伝えると、「同じペースで行動する
     する人がいないと・・・・」というわけで妻も”同盟不参加”になってしまった。
      家の近くの双葉SAに行くと、初参加のMs.PMとMs.Tがすでに待っていた。挨拶もそこそ
     こに、3台の車を連ねて湯沼鉱泉に向かう。清里のコンビニで昼食などを購入し、「湯沼鉱
     泉」に着いたのは集合時間の30分以上前だった。前泊の茨城・Nさん、Yさんはじめこの日
     参加する11名がほとんどがそろっていた。
      初対面の人が多いので、自己紹介の後、3台の車に分乗して出発だ。

       
                  初日自己紹介
                   【撮影:O弟】

 (2) 水晶産地を目指して
      抜けるように青い秋空の下、林道を歩いていくと気持ちよい。風が涼しくて汗をかかない。
     林道脇のお社で止まって参拝だ。親戚に宮司がいるMs.PMが言うには、「お礼のお参りを
     しっかりした方がご利益が多い」らしい。私の場合は、「事故無く安全にとチョッピリだけガマ
     が開くように」お願いした。
      夏のミネラル・ウオッチングの定番、途中でMH農園のスイカを冷たい流れに漬けておく。1時
     間ほど歩いたら、急斜面を休み休み登ると産地に到着だ。

      初めて訪れたMs.PMや茨城のNさん、Yさんは気づかなかったろうが、産地は前回「月遅
     れGWミネラル・ウオッチング」で訪れた2ケ月前にくらべ、大きく変貌していて、ガマが開きそう
     な場所が見つからない。
      MHが見立てたズリにある土砂を取り去ると露頭が姿を現わした。石の目、脈を読んで、
     叩く場所を決めた。

       
              「この下に”ガマ”がありそう・・・・」

 (3) ガマ(晶洞)が開いた!!
      叩きはじめると初参加のMs.PMは、男顔負けの馬力で土砂を運び、露頭を叩き”ぼつ
     ぼつ”だが良品を手にしたようだ。しかし、これぞガマ(晶洞)と呼べるものは出てこない。
      お昼を食べた後、ガマ開けを諦めてズリ派に転向する人もいる。2時近くだったろうか、露
     頭の一角に水晶の面が見えたので、タガネとハンマーで掻き取るとそれは晶洞の天井板だっ
     た。どうやら、先人がガマが近いと思わずに土砂で埋めてしまった場所のようだ。

       
                   ガマ出しの群晶
                   【撮影:O弟】

      「ガマが開いたゾー!!」と叫んで皆さんを呼び寄せる。中からガマ粘土や褐鉄鉱に包ま
     れた水晶が次々と出てくる。これらは新聞紙の上に並べておいて最後に分配だ。
      あらかた取り出し終えると3時だった。さて、水晶の分配だ。その分配方法は湯沼鉱泉の
     社長と行った時に採用する”働きに応じて、全員で分ける”という、”原始共産制”とでも
     言うべき方法だ。

       
                 ジャンケンで順番決め
                   【撮影:O弟】

      ガマを発見したMHは1本だけいただき、ガマ開けに奮闘したK兄弟、Ms.PM、愛知・Kさん
     が1番〜4番、残りの人がジャンケンで勝った順として、1番から順に1つずつ取っていく。
      何巡かしてだれも引き取り手のない品をMHがいただき、頭の付いているものだけを選んで
     持ち帰った。塩酸でクリーニングして、9月、10月にミネラル・ウオッチングに案内する小中学
     生のサプライズ用として「水晶洞」の出口に撒いておくのだ。

      この産地を訪れた記念に、集合写真を撮って下山した。

       
                 ガマ開け記念写真
                   【撮影:O弟】

      途中MH農園の冷たく冷えたスイカを切分けていただく。石の”まな板”は前回使ったもの
     だ。

       
            Ms.Tに手伝ってもらいスイカを切り分け
                   【撮影:O弟】

3. 「湯沼鉱泉」の夜はふけて

      今夜の宿「湯沼鉱泉」に着いたのは17時過ぎだった。初日だけ参加の東京・Kさんとは
     駐車場でお別れした。
      宴会までの間に風呂で汗と汚れを落としてサッパリする。その合間に、皆さんが持参して
     くれた標本を「オークション」用と「標本玉手箱」用に仕分けするのだが、今回はすべて「オー
     クション」に回るほどで、良品が多かった。

 (1) 「宴会」
      今回は、宴会部長が不在ということで、MHがお願いした愛知・Kさんの音頭で「乾杯!!」。

       
                 「かんぱ〜い!!」
                   【撮影:O弟】

     冷たいビールが今日の疲れを忘れさせてくれる。
      人数が11名といつもの半分以下なので、鍋でなくてお姐さんが作った料理が銘々の皿に
     盛られて次々と出てくる。

          
                                    銘々皿ででてくる夕食
                   【撮影:O弟】                                【撮影:Ms.T】

      今回は、「大人の時間」が取れそうなので、近況報告などはその時にすることにして、近く
     の人たちと談笑しながら気がつけば完食だ。

 (2) 「オークション」
      20時過ぎからお待ちかねの「オークション」だ。N夫妻が急に参加できなくなり、オークショ
     ナー役が初めての茨城・Nさんにお願いすると快く引き受けていただいた。

       
               オークショナーは茨城・Nさん
                   【撮影:O弟】

      100円で落札できるものもあるが、人気の標本は、”1,000円!!”、”1,100円!!”と
     値が上がり、最高は1,600円だった。
      標本の名称・産地・出品者・落札者そして落札金額はMs.TがPCに次々と入力してくれ
     る。
      入力データを加工して表にした。いつものことだが、採集禁止場所の標本は、禁止される
     以前の採集品や購入品であることを御了解ください。

No 標本名 産地 出品者 落札者 落札金額
1 翡翠 糸魚川 O弟 Yさん 100
2 翡翠 親不知 Tさん Ms.PM 300
3 斑銅鉱 竜神鉱山 Kさん O弟 100
4 斑銅鉱 竜神鉱山 Kさん MH 100
5 斑銅鉱 竜神鉱山 Kさん Ms.PM 100
6 子ぶり石 珠洲市 O弟 Nさん 100
7 子ぶり石 珠洲市 O弟 MS.T 100
8 蛍石 蛍鉱山 K兄弟 Yさん 100
9 蛍石 平岩鉱山 Kさん MH 100
10 蛍石 平岩鉱山 Kさん MH 100
11 蛍石 平岩鉱山 Tさん K兄弟 100
12 長野県 O弟 MH 100
13 長野県 O弟 Kさん 100
14 鍾乳石 赤坂 Kさん MH 100
15 ベルチェ鉱 東栄町 Kさん MH 100
16 ベルチェ鉱 東栄町 Kさん MH 1,000
17 ベルチェ鉱 東栄町 Kさん MS.T 100
18 ベルチェ鉱 東栄町 Kさん MH 100
19 ベルチェ鉱 東栄町 Kさん MH 100
20 紫水晶 神岡鉱山 Kさん Ms.PM 100
21 紫水晶 神岡鉱山 Kさん Nさん 100
22 紫水晶 神岡鉱山 Kさん Ms.PM 100
23 紫水晶 神岡鉱山 Kさん Yさん 100
24 紫水晶 神岡鉱山 Kさん MH 100
25 紫水晶 神岡鉱山 Kさん MH 100
26 黒水晶 蛭川村 Tさん Ms.PM 300
27 鉄ばん柘榴石 蒲郡市新箱根 Kさん MH 100
28 黒曜石 和田峠 MH Kさん 100
29 黒曜石 和田峠 MH Nさん 100
30 黒曜石 和田峠 MS.T Ms.PM 100
31 ストロンチア斜方ホアキン石 金山谷 MH Kさん 1,000
32 ルビーシルバー 西沢金山 MH Yさん 100
33 斜ヒューム石 泰阜村 Kさん Ms.PM 100
34 斜ヒューム石 泰阜村 Kさん Ms.PM 100
35 斜ヒューム石 泰阜村 Kさん Ms.PM 100
36 スピネル 泰阜村 Kさん MH 1,600
37 工芸品 甲府 MH Yさん 100
38 工芸品 甲府 MH MS.T 100
39 工芸品 甲府 MH Kさん 100
40 水晶 卯根倉鉱山 K兄弟 Ms.PM 100
41 角閃石 富士見町 MS.T Tさん 400
42 黄鉄鉱 御堂沢 MS.T Kさん 200
43 水晶・黄鉄鉱 大日向 K兄弟 Ms.PM 800
44 砂金 山北町 Ms.PM MS.T 700
45 砂金 山北町 Ms.PM MH 700
合         計10,500

      45個の標本全てが落札され、売り上げは10,500円で、一人平均1,000円宿泊費が
     安くなる勘定だ。

 (3) 「大人の時間」
      21時過ぎから、久しぶりの「大人の時間」だ。6月のミネラル・ウオッチングのときなど、オー
     クションが終わったのが翌日になってからで、とても「大人の時間」を楽しむ余裕など全くなか
     った。

      今回は少人数なのでオークションが終わったのが21時で、山梨県産金賞ワインを飲んで
     いただきながら、鉱物、砂金から健康まで、話題は尽きない。
      砂金採りが専門の初参加のMs・PMさんが採集した重さ1グラム近いナゲットを見せられる
     と、”次回はナゲットに挑戦!!”、だと思った。

      22時を回ったところで、お疲れの人もいるのでお開きとした。

4. 第二日目

 (1) 2日目のスタートだ
      2日目、朝起きると晴れ間もあるのだが雲行きがおかしい。人知の及ばぬことに気を揉ん
     でも始まらない。
      7時から朝食だ。O弟期待のアサリではなく、黄緑色野菜がタップリの具だくさん味噌汁だ。

       
                    朝食の膳
                   【撮影:O弟】

      朝食をいただいているに、Ms.Tから会計報告と個人別の徴収金額が伝えられる。そうこ
     うするうちにこの日だけ参加の長野・G親子も到着だ。お姐さん手づくりのお弁当をもって出
     発準備完了だ。
      出発前に社長とお姐さんを囲んで記念写真だ。

       
              社長・お姐さんを囲んで記念写真
                   【撮影:O弟】

 (2) ガマが開いた!!
      この日、O弟、Ms.PM,Ms.Tは別行動となり、9名で前日と同じ産地に向かう。

     歩きはじめると、”ポツ、ポツ”と雨が降り出したが、雨具が必要なほどではない。産地に着
    くと、先行者が3人いて、別々に採集していた。一人は先ほど湯沼で会った古い石友のW氏
    だったが他の2人は見知らぬグループだった。
     チラチラ聞こえてくる話からして、この辺りを叩いている”元凶”のようだ。

     さて、前日の続きを掘り進むが小さな穴しか出てこない。お昼を食べて気を取り直して戦闘
    再開だ。”ガマ”かな、と思われたのも期待したほどではなかった。

       
                  ガマかな??

      13時過ぎ、一段下を掘ってみると”バカッ!!”とガマの端が開いた。K兄が期待したのに
     近いガマなので取り出しを任せる。
      次々と大きな水晶、小さいがきれいな水晶が出てくる。あらかた取り出し終わったら14時
     を回っていた。そろそろ撤収だ。道具を片付け、採集品を分配し下山だ。
      この日も、途中でMH農園最後のスイカを食べ、駐車場で解散式を行い、湯沼鉱泉に
     戻ったのは16時だった。

5. おわりに

 (1) 露頭派とズリ派
      ミネラル・ウオッチングの後、この産地を初めて訪れ、ガマ開けも初挑戦の茨城・Nさんから、
     次のようなメールをいただいた。

      「 ミネラルウォッチングでは大変お世話になりました.
       帰路は渋滞に遭うこともなく・・・・・
       今回は,ガマ開けをじっくり観察することができ,タガネの使い方など大変勉強に
      なりました.
       ガマは自分が予想していたものと全く違い,今回のウォッチングがなければ,
      これからも自分では気づかないと思います.
       次回は腕力を鍛えてチャレンジしたいと思います.                   」

      ミネラル・ウオッチングのスタイルは大きく、露頭派とズリ派に分かれる。ハンマとタガネで露
     頭から標本を掻き取るのが露頭派で、熊手でズリを掘り返したり、パンニング皿やフルイで
     採集するのがズリ派だ。

      今回は、ガマ開けに挑戦という上級者向けで、しかも、同じ産地に2日間通うという新しい
     企画にしてみた。
      MHは、ズリ採集が専門だったが、ズリに落ちているのは、誰かが掘って(気づいたか気づか
     なかったかは別として)捨てたものだという想いがあった。
      一方、ガマを開けて採集した標本は、その鉱物が生まれて出会う最初の生物(人類が)
     自分だと思うとロマンがある。また、傷ひとつない標本を手にできるのもガマ採集ならではの
     魅力だ。

      私がガマ開けの面白味を知ったのは10年ほど前60歳になる頃だった。もう少し若いとき
     にガマ開けを始めていれば、私のコレクションももう少し違ったものになっていたかと思うと、
     悔いがないわけでもない。

      そんなわけで、若い人にはガマ開けの技を習得し、面白味を知ってほしいのだ。

 (2) 今回の採集品
      ミネラル・ウオッチングの後、この日採れた標本を湯沼鉱泉社長に見せることにしている。
     初日に社長に報告に行くと、「ズリで採ったものらしいが、Ms.Tの水晶は良いもんだ」、と
     褒めていた。ガマ粘土にくるまれていて気付かずにズリに捨てられる素晴らしい水晶も数の
     中にはあるようだ。
       ・・・・ここまで書いているときに、メールボックスにMs.Tから「写真をアップした」と連絡が
     あったので、紹介する。

          
             自力でズリ採集水晶                     ガマ開け分配水晶
                               【撮影:Ms.T】

      2日間のミネラル・ウオッチングで私がいただいた標本は、次の3点だ。『一品満足』の精神
     からすると、欲張って一本多い。
      いずれも透明感があり、ガマ出しならではのポイント(頭)に傷がない逸品揃いだ。

          
             煙がかった松茸水晶                     平板水晶
              【長さ 100mm】                    【長さ 76mm】

       
         特異結晶面(クシー(ξ)面?)を持つ並行連晶
                 【長さ 30mm】

                                  マイ・コレクション
  

6. 参考文献

 1) 八木 貞助:信濃鉱物誌,古今書院,大正12年
 2) 藤本 治義:南佐久郡地質誌,社団法人 南佐久教育会,昭和33年
 3) 長島 乙吉、弘三:日本希元素鉱物,長島乙吉先生祝賀記念事業会,昭和35年
 4) 山田 滋夫:日本産鉱物 五十音配列 産地一覧表,クリスタル・ワールド,2004年
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