2015年月遅れGWミネラル・ウオッチング










         2015年月遅れGWミネラル・ウオッチング

1. はじめに

    私のHPを見て頂き、産地の情報を提供したり、案内して差し上げた人たちと春と秋にミネラル・
   ウオッチングを開催するようになって16年目を迎えた。
    2014年2月の大雪で私たちの定宿・長野県川上村の湯沼鉱泉は浴場の屋根が崩落するなどの
   被害を受けたが、社長、お姐さんなど関係者の努力で復興に向かいつつあるので、「湯沼鉱泉
   雪害復興記念』
と題するミネラル・ウオッチングに参加を呼び掛けたところ、善男・善女25名が東は
   埼玉県、西は兵庫県から馳(は)せ参じて下さった。

    第1日目・・・・・・・長野県の新産地を訪ねて
    第2日目・・・・・・・長野県の古典的産地を訪ねて

    参加者は、東北、関東各都県、地元長野県、奈良、滋賀、京都、大阪そして兵庫と広範囲で、
   久シブリに参加してくれたOB・OGさんを含め、女子大生から小学生そして一歳児もまじり、和気藹々
   (わきあいあい)のミネラル・ウオッチングになった。

    初日の「長野県の新産地を訪ねて」では、某大学の男女学生とのコラボになり、パワーあふれる
   学生たちがガマ(晶洞)を開けると、それに負けじと老練(?)の昔益荒男(ますらお)もガマをこじ
   開ける。下山の時間が迫った頃になってからもガマが開き、「予定を変更し、明日もここか」の声も
   でるほどだった。

       
                 ガマが開いた!!
             【Tさん、Yさん、Kさん、K君】  

    定宿・川上村の「湯沼鉱泉」に戻り、新装なった浴槽で採集の汚れを落としてサッパリしたころ、
   久しぶりに参加の神奈川・Hさんがたくさんの「オークション」提供品と差し入れをもって駆けつけてく
   れた。
    夜の部のスタートは宴会部長・Kさんの司会で「宴会」だ。三重・O兄の音頭で「乾杯〜!!」。
   冷えたビールがたまらない。しばし歓談のあと、全員の近況報告だ。
    〆のご飯を頂くと皆さんお待ちかねの「オークション」と「玉手箱」だ。オークショナーは、兵庫・Nさん
   の奥さんで、関西のオバちゃん(失礼!!)のユーモア溢れる売り声に釣られて(?)、売り上げは順
   調に伸びる。
    「オークション」用にと、参加できなかった奈良・Aさんと長野・Mさんが貴重な標本を送ってくれた。
   このようなことことからもこの会の性格や参加する人たちの人柄もお分かりいただけるだろ。
    いつもの1.5倍の212点の標本がすべて競り落とされたのは、0時を回っていた。
    引き続いて「標本玉手箱」だが、この日採集したガマ出し水晶なども並び、小学生→女性→男性
   の順で好きなだけ取ってもらい、例年になく”売れ残り”が少なかった。時計は0時半を回り、恒例の
   ”大人の時間”は開催できなかった。

    2日目、梅雨時期なので雨を覚悟はしていたが、朝5時に起き、前庭に出てみると快晴だ。7時か
   ら朝食だ。皆さんが食事している間に、PCに宿泊料金を入力すると、個人・グループ別の参加費が
   一発で出る。会計・Tさん夫妻が集金してくれ、1円の違いもなく、”御名算”だ。

    出発前に湯沼鉱泉の前で、社長・お姐さん・Kさんも入って記念写真を撮る。「オークション」の売
   上金全額、【末広がりの八萬円也】を兵庫・Nさんの奥さんから社長に贈呈していただきいた。

       
            Nさんの奥さんから社長に祝い金贈呈

    2日目、最初の産地の入口で東京・Mさん一家と合流だ。奥さんと1歳になったK君も一緒だ。ここ
   は、皆さんを初めて案内する古い鉄山だ。ここの目玉は、「天然磁石の磁鉄鉱」で、一人ひとりに
   『ホチキスの針』を渡し、これが吸い付くかどうかで判定する要領を説明し、採集開始だ。

       
               ホッチキスの針を手に採集
               【滋賀・O弟、長野・Mtさん】

    どのような石を探せばよいかがわからず皆さん苦戦していたようだが、目でみた外観と手で持った時
   の重さがわかると次々に「あった!!」の声が上がる。京都・Tさんが採集したのは、5mm離れたホチ
   キスの針を勢いよく吸い付く優れものだ。

    2番目に訪れた産地も初めて案内する古い金属鉱山跡だ。早い昼食を済ませ、産地に向かう。
   しばらく歩いて産地に着いて、坑道に入ると、ヒンヤリして外の暑さを忘れ心地よい。坑道の壁を白
   ・青・緑・赤茶に染める二次鉱物や「灰鉄輝石」などのスカル鉱物そして「閃亜鉛鉱」などの硫化
   鉱物もふんだんにある。採集・運搬に気を遣う二次鉱物を運搬するのに「タッパー」などの容器を
   準備してもらっておいたのは正解だった。

       
            坑道壁を色とりどりに染める二次鉱物

    最後に訪れたのは、古いクロム鉱山跡だ。1週間前の下見で『宝石級灰クロムザクロ石』を採集し
   たと伝えておいたのだが、多分ほとんどの人は「MHの法螺(ほら)だろう」くらいにしか思っていなかった
   のではなかろうか。
    しかし、滋賀・Yさんが採集した逸品を見て、がぜん皆さんの眼の色が変わってきた。やがて、愛知・
   Kさんが全周に緑色の結晶がついたこれまた素晴らしい逸品をそして京都・Tさんが渋い標本を採集
   した。

          
                      全体                                     部分
                                     『宝石級灰クロムザクロ石』
                                     【採集、撮影:滋賀・Yさん】

    陽も傾いてきたので、駐車場に戻って「解散式」だ。

    女子サッカーワールドカップの日本代表は日替わりヒロインが誕生して決勝まで進んだが、このミネ
   ラル・ウオッチングでも2日間目まぐるしく主役が入れ替わり、参加者が次々と良品を採集できた。お
   まけに100%雨の天気予報を覆し、2日とも快晴に恵まれたのは、参加者の日頃の精進の賜物だ
   としておこう。

    またお会いできるのを楽しみに、後ろ髪を引かれる思いで名残惜しいがお別れした。

     最後になるが、小学生や気は若く口だけ達者だがミネラル・ウオッチングで肝心な眼手足腰が
    伴わない高齢者が中心のわれわれグループを助けてくれた、某大学の学生さんたちに深く感謝し
    ている。
     ( 2015年6月 開催 )

2. 【第1日目】

 (1) 「湯沼鉱泉」に集合!!
      初日の産地は歩く距離が長いので、いつもより早い7時に集合することにした。また駐車場が
     狭いのと前泊の人もいるだろうから、乗り合わせていく都合上、湯沼鉱泉集合にした。
      自宅を5時前に出て、6時半過ぎに湯沼鉱泉につくと、ほとんどの参加者が集まっていた。今回
     初参加のG親子もすでに来ている。携帯が鳴って、若手のMTさんが1時間くらい遅れそうだという
     が場所はわかっているので先に行っても大丈夫だろう。

      この日訪れる産地の状況を社長に聞くと、「前の週に大きなガマが2つ開いて、立派な群晶が
     採れた」というので期待が膨らむ。その時に居合わせた某大学のリーダー・Dさんが案内してくれる
     ことになっている。
      Dさんとは、3年前1年生のとき、甲武信鉱山を案内したのが知り合ったきっかけだった。4年生
     になり、卒論のテーマは、「川上村の花崗岩と石英生成メカニズム」で、この日訪れる場所も研
     究フィールドの一つだ。後輩の女子2人を含む3人を連れてきてくれ、われわれとコラボすることに
     なったのだ。

      初めて会う人も多いので、まずは自己紹介だ。

          
                    【撮影:O弟】
                                         自己紹介

      20歳前後の女子大生が2人も参加してくれたので、奈良・Yさんは一段と”ニコニコ”している。
     1台の車にできるだけ詰めて乗ってもらい、台数を少なくして出発だ。

 (3) 「水晶巨晶」産地
      初日に訪れたのは、川上村の水晶産地だ。透明感が高くて大きな水晶が採れ、希に「日本
     式双晶」も出るから油断ができない。
      しかし、重たい採集道具や採集品を担ぐと、私の足でも片道1時間、普通だと2時間はかかる
     厳しいコースだ。皆さんの顔つきを観たり、息遣いを聞いて、適宜休憩を取りながらすすむ。
      途中にある「山神様」に手を合わせて行くと、なぜか”ガマ”が開くので、この日も参拝を忘れな
     い善男・善女たちだった。

      産地直下の沢水に持ってきたスイカを沈めて冷やしておく。MH農園の無農薬スイカを持参した
     かったのだが、まだ産毛に包まれて赤ちゃんの頭くらいしかないので、スーパーで買ったものだ。

      産地に到着して、Dさんから前の週にガマが開いた場所を教えてもらう。Dさんと露頭の状態を
     観察し、”この帯の中にガマ(晶洞)が開く”と見立てた。
      しかし、その後に訪れた人らが崩した土石が露頭を覆っているので、これを取り除くのが先決だ。
      非力でも人数が多いので、交代しながら土石を取り除くと15分くらいで露頭がスッカリ姿を現
     した。

      このころになると、自然と自分の力や好みに合わせ露頭組とズリ組に分かれていた。N夫妻や
     女性陣はズリ組だ。
      Dさんと露頭を掘り進む。固い露頭を叩くといくらも掘り進めない。弱いところ弱いところを狙って
     叩き続けること1時間でようやくスペースが生まれた。露頭の左側をDさん、右側をMHが叩くことに
     した。

       
                  ガマを追うDさんとMH

      写真の左には、大阪・Tさん、愛知・Kさん、東京・Hさん、奈良・Yさんの4人組、右上には東
     京・Kさんが陣取っている。
      掘り出した土石を京都・Tさん、滋賀・Yさんそして長野・Gさんが黙々とズリ捨て場に運んでく
     れる。

      しかし、なかなかガマ(晶洞)に当たらない。ガマか、と思うと私が「空(から)ガマ」と名付けた
     自形水晶が成長していない空っぽの空隙だ。目ぼしい採集品がないまま、お昼ごはんをいただ
     くことにした。

 (4) 続々と「ガマが開いた!!」
      昼食を食べ、元気を取り戻したが、ガマらしいガマは開かない。Dさんと顔を見合わせ、「下山
     するころになってガマが開いたら最悪だね」と冗談をいう余裕は残っていた。

      やがて、Dさんが「ガマかも」という。空隙の中から、頭つきの水晶が出てくる。中には大きなもの
     もある。Dさんがこのサイズのものはいらないというので、新聞紙を広げてその上に並べて置く。その
     ガマはすぐに終わり、少し下を掘ると、また別なガマらしいガマが開いた。皆さん集まってきて覗き
     込む。

      【後日談】
      埼玉・Tさんから帰宅後に次のようなメールをいただいた。皆さんの感想を代表しているようだ。

      「 ・・・・・・・・・
       ガマ開けを目の当たりにし、うーんこうなのかな?と始めて実感がわきました。今度は私がと
       思うのですが、今1つ掴めませんし、今後共よろしくお願いします。・・・・・・・・・・・・・・・ 」

      この晶洞から「平板(ひらばん)水晶」が1枚出た。もしかして「日本式双晶」の片割れかと思
     い、Dさんが残りを探したが見つからなかった。
      京都・Tさんが、「ズリで平板水晶を見つけました」、と見せてくれた。厚さが均一で「ξ(クシー)
     面」が見られる。ご存知のように、ξ面は、日本式双晶の縫合線となる結晶面だ。ここで、4枚の
     日本式双晶を発見しているMHの鑑定結果では、「日本式双晶」の片割れだ。

    ・ 2013年春 長野県の水晶産地をたずねて
      − ξ(クシー)面をもつ水晶 −
     ( QUARTZ with ξ Plane , QUARTZ Hunting , Spring 2013 , Nagano Pref. )

      【後日談】
      このミネラル・ウオッチングでTさんが採集した標本の写真を何枚か送っていただいた。もちろん、
     ここの平板水晶のも含めてだ。
      画像を切り取り、左右反転させた画像と合成すると『ハート型日本式双晶』に間違いなさそ
     うだ。

          
             【採集、撮影:京都・Tさん】                    【画像合成:MH】
                           「日本式双晶」だと思われる平板水晶

      一方、ズリ組も健闘している。Ms.Tが持ち帰ろうかどうしようか悩んでいたのは高さ20cm近い
     巨晶だ。「持ち帰るべき」だとアドバイスした。なぜなら、富士山を二つとない山だというくらいに
     褒め称えられるのはわが国で一番高い山だからで、通俗的な価値の基準だが”大きいことは良
     いことだ”

      また、昔乙女はピカピカの武石がついた素晴らしい群晶を掘り出している。

          
                     巨晶                         「武石」つき群晶
                 【採集、撮影:Ms.T】

      やがて、左上でやっていた4人組から「ガマが開いた!!」と歓声が上がった。本格的なガマを
     開けたのが初めての4人組にとって感激は大きかったようだ。”ワイワイ”言いながら、水晶を掘り
     出している。この時の様子が冒頭の写真だ。

      そろそろ下山の時間も近いので、足弱の妻はN夫妻と先に下山するという。右を攻めていた
     私のところに、Ms.Tが来て、「どうですか?」と尋ねられるが、一寸どころか1cm先は見えないので、
     予測は難しいのだが、「叩くとボコボコという音がするからガマかも知れない」と答えておいた。Ms.T
     も先に別なポイントに寄って下山するという。
      ”ボコボコ”するあたりを叩くと、タガネが吸い込まれ、ようやくガマが開いた。取り出した水晶を
     新聞紙の上に並べる。
      下山しようかという矢先になって、Dさんがまたまたガマを開けた。大きな水晶が何本も掘り出さ
     れる。『冗談が真(まこと)』になったようだ。

      新聞紙の上に並べてあるDさんや大阪・Tさん、そして私が晶洞から出した水晶の中から、夜の
     部に参加できない学生さんたちに好きなものを取ってもらう。残りの中から良いものを「オークショ
     ン」用にO兄に選んでもらい、京都・Tさんに宿まで運んでもらう。残りは「玉手箱」用に長野・MT
     さんに運んでもらう。

 (5) 夏のミネラル・ウオッチングの定番「スイカ」
      道具や採集品をザックに入れ、ゴミなどは一つも落ちていないことを確認して下山だ。麓の沢
     水にスイカを冷やした場所で先行部隊が休んでいた。スイカを引き上げ、MTさんが探してくれた
     まな板代わりの平らな石の上で切分ける。
      持参した塩を振りかけ、口に入れると”走り”にしては甘味が強く、歯ごたえもあり、疲れが吹き
     飛ぶようだ。

          
                スイカを切り分けるMH
                  【撮影:O弟】
                               夏のミネラル・ウオッチングの定番「スイカ」

      駐車場までの途中で「山神様」に手を合わせ、今日もガマが開いたことを報告し、お礼をいう
     のを忘れない善男・善女たちだった。
      ( もちろん、シッカリと「次回もよろしく」とお願いするのも忘れない )

3. 【湯沼鉱泉の夜は更けて】

    この日の宿・湯沼鉱泉に着いて、ガマが開いたことを社長に報告すると喜んでくれた。お姐さんは
   「MHの一行は良くガマを開けますね」と不思議がっている。

    いつものように、宴会場の一隅が「オークション」、舞台が「玉手箱」の会場だ。続々と「オークシ
   ョン」と「玉手箱」の標本が集まり、担当者がテーブルの上に並べていく。
    夜の部だけ参加の神奈川・Hさんが到着した。Hさんとはメールなどでは連絡を取り合っていたのだ
   が、お会いするのは3年ぶりだろうか。一時体調を崩したと聞いて心配していたが、以前よりも元気
   そうなので一安心だ。
    仕事や家族旅行で世界中を歩いているHさんが、中国産の印材・「鶏血石」などをたくさん持って
   きてくれたので、オークションのテーブルに並べさせてもらう。

    この間に、皆さん新装なった浴槽に浸かり、採集の汚れと疲れを取っている。私も、「男湯」に入る
   のは1年半ぶりだろう。

    
                新装なった「男湯」

    O兄が、「お湯の出が悪かった」、と言っていたが、給湯器が1台しかないので、「女湯」でお湯を出
   しっぱなしにすると「男湯」のお湯の出が悪くなるようだ。
    『雪害復興記念』の祝い金が給湯器を買う助けになればと湯に浸(つ)かりながら考えた。

 (1) 宴会
      全員がそろった19時から宴会だ。宴会部長役も板についた東京・Kさんの司会で夜の部がスタ
     ートした。

       
                宴会部長・Kさん

      まずは三重・O兄の音頭で「乾杯!!」。冷たいビールが今日の疲れを忘れさせてくれる。地
     元川上村の新鮮な野菜や川魚を使ったお姐さんの料理を魚にコップを傾ける。最後に出たタケ
     ノコ(根曲り竹?)に「サバ缶」を入れた味噌汁は私にとって初め手の味だった。この季節長野
     県では「サバ缶」が売り切れるという話に花が咲いた。

       
           地元川上村の野菜を使った海鮮サラダ
                   【撮影:O弟】

      しばし歓談の後、参加者の近況報告だ。長野・Gさん親子は小学6年生のK君が鉱物が好き
     で初参加となった。16年前にこの集まりがスタートしたときのメンバーは、当時小学5年生だった
     鉱物好きの少年・少女とその親が中心だった。Mineralhunters第2世代に入っているのだろう
     か。

          
                    Gさん親子                      久しぶりに参加のHさん

          
       『婦唱夫随』が家庭円満のもと・N夫妻       目標は「日本産鉱物完全採集」・O兄

          
            こちらも『婦唱夫随』(?)のT夫妻               植物博士・奈良のYさん

      若手のホープが今回も参加してくれた。
          
           母校の副手になったHさん           鉱物鑑定士を目指す・長野のMTさん

          
          毎日が家庭菜園と鉱物のTさん             久しぶりに参加のYさん

          
          大阪の生活にも慣れたTさん          ガマ開け開眼(?) 埼玉・Tさん
                                          【撮影:MTさん】

      私の番になり、今回は『湯沼鉱泉雪害復興記念』ミネラル・ウオッチングとして、オークション
     の売上金を湯沼鉱泉社長に寄付することと、それに恥ずかしくない売り上げ目標金額を皆さんに
     お伝えし、協力をお願いした。

 (2) 「オークション」
      宴会を終え、「オークション」に移ったのは、8時半近かった。今回のオークショナーは、定評のあ
     る兵庫・Nさんの奥さんだ。ユーモア溢れる売り声に釣られて売り上げは順調に伸びる。

       
                  「オークション」風景
          (「膝が痛く、こんな格好で失礼」・・・昔乙女
                    【撮影:O弟】

      IT化の波はミネラル・ウオッチングにまで及び、神奈川・Tさん夫妻の手で標本名・産地・出品
     者・落札者・落札金額がPCに入力されていく。この会がスタートした16年前に、黒板に手書き
     していたころとは様変わりだ。残り2点の時点で売上高は79,100円だった(PCでリアルタイムで売
     り上げが確認できるようになっている)ので、キリ良くなるよう落札額を調整した。
      このころ、時計の針は0時を回っていた。

      212点の標本がセリ落され、売上金は80,000円と所要時間4時間は過去最高で、もちろん
     売り上げ目標もクリアした。
      今回参加できなかったが、すらしいオークション用標本を多数送ってくれた奈良・Aさんと長野・
     Mさんに感謝している。

      Tさん夫妻が入力してくれたEXCELデータを一覧表にしてみた。このミネラル・ウオッチングに
     参加される皆さんの鑑定眼は確かなようで、希少な標本は競る人も多く、市価に比べれば大
     幅に廉(やす)いものの、それなりの高値がついた。

      一部の標本は、『採集禁止』になる前の採集品や『購入品』であることをご承知ください。   敬称略

No    標 本 名    産  地  出 品 者  落札値  落札者
1 大鹿村 O弟 100 京都・T
2 大鹿村 O弟 100 MH
3 レインボーガーネット 天川村 O弟 400 G親子
4 レインボーガーネット 天川村 O弟 500 神奈川・H
5 灰鉄輝石 甲武信 奈良・A 1,000 東京・H
6 水晶 川端下 奈良・A 500 神奈川・H
7 燐灰石 秩父鉱山 奈良・A 400 東京・H
8 水晶 稲村 奈良・A 300 N夫妻
9 水晶 ちんの峠 奈良・A 500 京都・T
10 煙水晶 国見岳 奈良・A 700 N夫妻
11 水晶 天川村 奈良・A 1,000 滋賀・Y
12 灰鉄柘榴石 天川村 奈良・A 500 神奈川・H
13 蛍石 平岩鉱山 奈良・A 200 N夫妻
14 水晶 天川村 奈良・A 300 MH
15 蛍石 平岩鉱山 奈良・A 100 N夫妻
16 斧石 尾平 奈良・A 800 神奈川・H
17 毬藻入り水晶 尾平 奈良・A 1,800 神奈川・H
18 ぶどう石 子の浦 奈良・A 300 滋賀・Y
19 灰重石 喜和田 奈良・A 300 埼玉・T
20 磁鉄鉱 南相木 奈良・A 300 京都・T
21 蛍石 請川鉱山 奈良・A 100 N夫妻
22 蛍石 大塔鉱山 奈良・A 300 東京・K
23 方解石 尾張富士 奈良・A 300 MH
24 蓚酸 奈良・A 1,400 N夫妻
25 緑柱石 杉山 長野・M 2,000 埼玉・T
26 緑柱石 杉山 長野・M 1,100 東京・H
27 擬孔雀石 金隈 長野・M 300 MH
28 サーピエリ石 金隈 長野・M 100 N夫妻
29 サーピエリ石 金隈 長野・M 100 MH
30 サーピエリ石 金隈 長野・M 100 愛知・K
31 電気石 小峠 長野・M 500 N夫妻
32 斧石 黒葛原林道 長野・M 200 長野・MT
33 珪灰鉄鉱 尾平 長野・M 400 長野・MT
34 珪灰鉄鉱+蛍石 尾平 長野・M 500 N夫妻
35 紅雲母+電気石 長垂 長野・M 600 愛知・K
36 錫石 錫山鉱山 長野・M 1,500 愛知・K
37 錫石 錫山鉱山 長野・M 100 N夫妻
38 錫石 錫山鉱山 長野・M 200 長野・MT
39 錫石 錫山鉱山 長野・M 300 MH
40 黒電気石 長垂 長野・M 100 N夫妻
41 蛍石 豊栄鉱山 長野・M 1,500 MH
42 錫石 豊栄鉱山 長野・M 100 O兄
43 錫石 豊栄鉱山 長野・M 100 N夫妻
44 錫石 豊栄鉱山 長野・M 100 MH
45 磁鉄鉱 尾平鉱山 長野・M 100 長野・MT
46 磁鉄鉱 尾平鉱山 長野・M 100 N夫妻
47 磁鉄鉱 尾平鉱山 長野・M 100 MH
48 ピニ雲母 小峠 長野・M 600 MH
49 ピニ雲母 小峠 長野・M 300 N夫妻
50 ピニ雲母 小峠 長野・M 300 O兄
51 斧石 尾平鉱山 長野・M 1,500 神奈川・H
52 斧石 尾平鉱山 長野・M 500 神奈川・H
53 輝安鉱 市の川 埼玉・T 100 MH
54 煙水晶 田原 埼玉・T 200 滋賀・Y
55 煙水晶 田原 埼玉・T 200 京都・T
56 煙水晶 田原 埼玉・T 100 N夫妻
57 翡翠 宮崎海岸 埼玉・T 300 東京・K
58 鉄礬ザクロ石 柳井市石井 奈良・Y 200 O兄
59 モナズ石 川辺鉱山 N夫妻 500 長野・MT
60 日本式双晶 大深山 MH 100 長野・MT
61 日本式双晶 大深山 MH 200 N夫妻
62 日本式双晶母岩付 大深山 MH 2,000 神奈川・H
63 日本式双晶母岩付 大深山 MH 2,000 N夫妻
64 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 1,900 京都・T
65 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 300 O兄
66 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 500 東京・K
67 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 200 京都・T
68 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 300 愛知・K
69 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 400 O弟
70 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 1,000 京都・T
71 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 600 愛知・K
72 母岩付柘榴石 和田峠 MH 500 神奈川・H
73 母岩付柘榴石 和田峠 MH 300 東京・K
74 母岩付柘榴石 和田峠 MH 300 神奈川・H
75 母岩付柘榴石 和田峠 MH 200 埼玉・T
76 母岩付柘榴石 和田峠 MH 100 N夫妻
77 日本式双晶 甲武信 MH 200 O弟
78 日本式双晶 甲武信 MH 200 O兄
79 日本式双晶 甲武信 MH 200 愛知・K
80 日本式双晶 甲武信 MH 200 長野・MT
81 日本式双晶 甲武信 MH 200 滋賀・Y
82 日本式双晶 甲武信 MH 200 O弟
83 日本式双晶 甲武信 MH 100 O弟
84 日本式双晶 甲武信 MH 100 O弟
85 カテドラル水晶 竜王第二 MH 700 O兄
86 カテドラル水晶 竜王第二 MH 300 O弟
87 カテドラル水晶 竜王第二 MH 1,000 愛知・K
88 カテドラル水晶 竜王第二 MH 400 滋賀・Y
89 カテドラル水晶 竜王第二 MH 2,000 神奈川・H
90 普通角閃石 富士見境 MH 200 O兄
91 方解石 照山 MH 200 長野・MT
92 日本式双晶 四坑 MH 200 O兄
93 ガドリン石 竹日向 MH 100 長野・MT
94 蛍石 宝達山 MH 100 長野・MT
95 蛍石 宝達山 MH 100 O弟
96 黒曜石 和田峠 MH 100 神奈川・H
97 黒曜石 和田峠 MH 100 O弟
98 黒曜石 和田峠 MH 100 滋賀・Y
99 黒曜石 和田峠 MH 100 滋賀・Y
100 黒曜石 和田峠 MH 100 神奈川・H
101 アパッチの涙(黒曜石) 和田峠 MH 100 長野・MT
102 アパッチの涙(黒曜石) 和田峠 MH 100 京都・T
103 アパッチの涙(黒曜石) 和田峠 MH 100 神奈川・H
104 スノーフレークオブシディアン 和田峠 MH 100 京都・T
105 スノーフレークオブシディアン 和田峠 MH 100 神奈川・H
106 スノーフレークオブシディアン 和田峠 MH 100 神奈川・H
107 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 N夫妻
108 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 長野・MT
109 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 東京・K
110 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 O弟
111 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 Ms.T
112 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 埼玉・T
113 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 MH
114 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 O兄
115 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 愛知・K
116 ダイヤモンド 四国 奈良・Y 100 G親子
117 ロードクロサイト+絵葉書 アルゼンチン MH 1,000 神奈川・H
118 マグネット 南極 MH 1,000 京都・T
119 ノート 南極 MH 500 京都・T
120 写真大 O弟 300 Ms.T
121 写真大 O弟 300 MH
122 写真大 O弟 300 MH
123 写真大 O弟 300 Ms.T
124 母岩付き柘榴石 和田峠 MH 100 奈良・Y
125 母岩付き柘榴石 和田峠 MH 100 奈良・Y
126 母岩付き柘榴石 和田峠 MH 100 奈良・Y
127 母岩付き柘榴石 和田峠 MH 100 奈良・Y
128 母岩付き柘榴石 和田峠 MH 100 奈良・Y
129 水晶 西股沢 某大・D+大阪・T+MH 500 神奈川・H
130 写真小 O弟 100 京都・T
131 写真小 O弟 100 奈良・Y
132 写真小 O弟 100 奈良・Y
133 写真小 O弟 100 長野・MT
134 写真小 O弟 100 神奈川・H
135 アンケル石 松阪市 O兄 2,100 MH
136 燐亜鉛銅鉱 石部 O兄 1,800 長野・MT
137 霰石 白木 O兄 1,000 N夫妻
138 十度十字沸石 鳥羽鉱山 O兄 500 N夫妻
139 蛍石 大塔鉱山 O兄 500 G親子
140 バレンチン石 東栄町 O兄 100 O弟
141 バレンチン石 東栄町 O兄 100 MH
142 ヘルビン 菰野町宗利谷 O兄 100 長野・MT
143 鋭錐石 竹森 O兄 100 愛知・K
144 エオスフォル石 三重県桑名市 O兄 100 MH
145 紫水晶 佐嚢町 O兄 100 N夫妻
146 紫水晶 佐嚢町 O兄 100 愛知・K
147 鉄蛋白石 種生 O兄 100 神奈川・H
148 ストロンチアン石 佐川町 O兄 500 N夫妻
149 ソーダ沸石 大石沢 O兄 100 MH
150 コニカルコ石 木浦鉱山 O兄 100 MH
151 コニカルコ石 木浦鉱山 O兄 100 長野・MT
152 トパーズ 田上山 O兄 500 東京・K
153 トパーズ 水沢町 O兄 500 長野・MT
154 鼈甲亜鉛 白板鉱山 O兄 500 N夫妻
155 ペグマタイト晶洞 男鹿島 Ms.T 300 MH
156 琥珀 久慈 Ms.T 1,000 神奈川・H
157 琥珀 久慈 Ms.T 500 東京・K
158 トパーズ 中津川 Ms.T 1,500 神奈川・H
159 菫青石 群馬県みなかみ町 長野・MT 1,000 MH
160 赤鉄鉱 石筵 長野・MT 500 愛知・K
161 蛇骨石 澤山湖 長野・MT 150 MH
162 魚眼石 澤山湖 長野・MT 150 MH
163 鶏血石 中国 神奈川・H 100 Ms.T
164 鶏血石 中国 神奈川・H 100 長野・MT
165 鶏血石 中国 神奈川・H 100 N夫妻
166 鶏血石 中国 神奈川・H 100 MH
167 鶏血石 中国 神奈川・H 100 MH
168 鶏血石 中国 神奈川・H 100 愛知・K
169 寿山石赤 中国 神奈川・H 100 O兄
170 寿山石赤 中国 神奈川・H 100 N夫妻
171 寿山石赤 中国 神奈川・H 100 MH
172 寿山石 中国 神奈川・H 100 長野・MT
173 寿山石 中国 神奈川・H 100 MH
174 寿山石 中国 神奈川・H 100 N夫妻
175 寿山石 中国 神奈川・H 100 MH
176 寿山石 中国 神奈川・H 100 MH
177 碧玉 花仙山 神奈川・H 100 Ms.T
178 碧玉 花仙山 神奈川・H 100 MH
179 碧玉 花仙山 神奈川・H 100 O弟
180 碧玉 花仙山 神奈川・H 100 京都・T
181 碧玉 花仙山 神奈川・H 100 N夫妻
182 碧玉 花仙山 神奈川・H 100 長野・MT
183 金+テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 2,000 MH
184 金+テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 1,500 N夫妻
185 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 長野・MT
186 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 東京・K
187 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 埼玉・T
188 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 N夫妻
189 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 MH
190 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 O弟
191 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 長野・MT
192 テルル蒼鉛 金鶏鉱山 愛知・K 100 O兄
193 金銀鉱石 持越鉱山 愛知・K 1,000 長野・MT
194 モリブデン鉛鉱 中龍鉱山 愛知・K 100 長野・MT
195 マックギネス石 中宇利鉱山 愛知・K 600 MH
196 中宇利石 中宇利鉱山 愛知・K 300 N夫妻
197 ヒーズルウッド鉱 中宇利鉱山 愛知・K 100 MH
198 孔雀石 中宇利鉱山 愛知・K 100 MH
199 孔雀石 中宇利鉱山 愛知・K 100 長野・MT
200 カンラン石 中宇利鉱山 愛知・K 100 MH
201 紫水晶 神岡鉱山 愛知・K 800 N夫妻
202 ジャンボー石 中宇利鉱山 愛知・K 1,000 MH
203 霰石 恋路海岸 愛知・K 300 神奈川・H
204 霰石 恋路海岸 愛知・K 200 長野・MT
205 霰石 恋路海岸 愛知・K 100 神奈川・H
206 子ぶり石 珠洲市 愛知・K 100 MH
207 子ぶり石 珠洲市 愛知・K 100 神奈川・H
208 バレンチン石 東栄町 愛知・K 500 MH
209 スコロド石 遠ケ根鉱山 愛知・K 100 長野・MT
210 イットリウムエシキン石 湯の山 愛知・K 1,000 長野・MT
211 ハンマー 神奈川・H 500 O兄
212 ハンマー 神奈川・H 400 Ms.T
合計 80,000  

      面白いところでは、奈良・Yさんが出品した「四国産のダイヤモンド」だ。サイズが1ミクロン
     (1/1000ミリ)しかないから肉眼やルーペでは見えない。ほとんどの人に行きわたる数を用意して
     くれたので、落札者は「わが家にはダイヤモンド、しかも国産のがある」と思うだけで、心豊かにな
     ったような気になれるだろう。

      MHが出品した最大4cmの日本式双晶が10枚くらいついた「大深山鉱山の水晶群晶」は、下
     見にきた社長は「10,000円はするな」と言い、宿で働くKさんも欲しそうだったが、結局2,000円
     でN夫妻が落札した。N家の玄関に『家宝』として飾っていただけそうだ。

 (3) 「標本玉手箱」
      故益富寿之助博士が始められたと同じように、参加者が入手した重品を持ち寄って、欲しい
     人に無料で配布する「標本玉手箱」を今回も開催した。担当は、若手の東京・Hさんだったが
     体調を崩し、途中で退場となった。若いとは言え、連日深夜まで学生の指導している疲れが出
     たようだ。

      「標本玉手箱」には、この日ガマから出た水晶なども並び、小学生→女性→男性の順で好きな
     だけ取ってもらい、例年になく”売れ残り”が少なかった。

       
                   「玉手箱」風景
                    【撮影:O弟】

 (4) 「大人の時間」
      時計は0時半を回り、前夜あるいは早朝から長距離運転してきた人の中には、夢路をたどる
     人も出始めていたので恒例の”大人の時間”は開催しなかった。
      ( 神奈川・Hさんからは、たくさんの差し入れをいただいていたのだが、申し訳ない )

                                             − つづく −

 2015年月遅れGWミネラル・ウオッチング 【その2】
 ( Mineral Watching Tour - Part 2 -, Jun. 2015 , Nagano Pref. )

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