2013年月遅れGWミネラルウオッチング







         2013年月遅れGWミネラルウオッチング

1. はじめに

    私のHPを見て頂き、産地の情報を提供したり、案内して差し上げた人たちと春と秋に
   ミネラル・ウオッチングを開催するようになって14年目を迎えた。
    今回は、「長野県と山梨県の新産地を訪ねて」と題して参加を呼び掛けたところ、
   OB、OGを中心に懐かしい顔ぶれがそろった。

    第1日目・・・・・・・長野県の水晶産地を訪ねて

    第2日目・・・・・・・山梨県の新産地を訪ねて

    参加者は、関東各都県、、愛知、三重、奈良、滋賀、京都、大阪そして兵庫と広範囲で、
   久しぶりに参加してくれたOB、OGさんのほか、小学2年生のA君などの新しい顔ぶれも
   加わり、和気藹々(わきあいあい)のミネラル・ウオッチングになった。

    ミネラル・ウオッチングを開催し、一番気になるのは”安全”で、まずは天気だ。”自称”
   ”隠れ”『雨男』がいるこの会では、雨が降るのが当り前になってきた感じだ。

    初日の「長野県の水晶産地を訪ねて」では、まず『日本式双晶』で最近知られた産地を訪
   れた。産地に着いて15分もしないうちに、奈良・Aさんから、「ありました!」、と見せてもらっ
   たのは、立派な『ハート形双晶』だった。頼まれてH夫人の採集品を鑑定すると、1つはこの
   産地を代表する『鎌形双晶』だった。

    11時過ぎ、初めて訪れる鉱山跡を探査するため、私一人先行することにした。そこには、
   先行者がいて、晶洞(ガマ)を開けたようだったが、中味は持ち去られていた。
    こうなると自力でガマを開けるしかない。露頭を叩き、石英脈が出たところで本隊が到着し
   た。夕立のような強い雨が降り出し、露頭を叩き続けると、ガマが開き、この産地特有の
   『カクタス水晶』の単晶と群晶を次々と取り出す。ほとんどの参加者にとって、ガマ開けを
   見るのは初めて、歓声とため息が出る。大部分を褐鉄鉱で覆われているが、塩酸洗浄すれば
   ピカピカになるはずだ。なかには、白い球状のインクルージョンが入ったのもある。
    皆さんの最大の関心事は、この水晶の分配方法だ。ガマを開けた私が、単晶2本と群晶
   1つをいただき、残りの一級品は今夜の「オークション」、二級品は「玉手箱」に回すことを
   提案した。

      
           「カクタス水晶」
           【長さ 56mm】

    雨脚はさらに強まり、明日もこの続きをやることにして撤収だ。定宿・湯沼鉱泉に着いた
   のは、17時近くだった。

    皆が持寄った標本を担当者が鑑定し、「オークション」と「玉手箱」のテーブルに並べて
   いく。その間に、皆さんは風呂に入って、冷えた身体を温め、人心地がついたようだ。

    18時30分から、お待ちかねの宴会だ。地元・川上村の素材を使った料理に舌鼓を打ち、
   ビールやジュースも入り、「宴会部長」の茨城・Tさんの名司会で、参加者全グループの近況
   報告があり湯沼鉱泉の夜は更けていった。

    20時過ぎになって、皆さんお待ちかねの「オークション」が兵庫・N夫妻の担当で始まった。
   ”関西のオバチャン風・オークショナー”のユーモアあふれる競りで、ついつい財布の紐が
   緩んだ人も多く、過去最高額の6万円近い売上金は宿泊費に還元された。

    次は、「標本玉手箱」で、こども、女性、男性の順に欲しい標本を無料でいただく。この日
   ガマだしの『カクタス水晶』は、真先に皆さんに引き取られた。
    締めは、『大人の時間』で、持寄った地元の銘酒を酌み交わしながら鉱物談義をして
   いると、23時の消灯時間だった。雨脚は弱まる気配がない。

    2日目の朝、起きると雨は降り続いている。社長は、「もうすぐ、上がるんじゃねえか」、と
   希望を持たせてくれる。
    オークショナー・N夫妻から売上報告があり、全員揃って、「頂きます!!」。食事中に、
   愛知・Tさんの会計報告とグループ別の徴収額が告げられた。
    「湯沼鉱泉」前で社長を囲んで記念写真を撮り、それぞれの目的地に向けて出発!!

      
             湯沼鉱泉社長を囲んで記念写真
                  【撮影:滋賀・Oさん】

    『日本式双晶』と『カクタス水晶』に未練がある10名を案内して、前日と同じ産地に向かう。
   それぞれ、3名、7名に別れ産地に向かう頃には、雨は止んだ。私は、ガマ出し組の先山
   (さきやま)だ。

    準備作業に1時間ほどかけ、本格的に露頭を叩き始めると、『カクタス水晶』の単晶や群晶
   が次々と出てくる。昼を済ましたころ、「双晶」組の3人が合流する。滋賀・Nさんがニコニコし
   ている。「双晶が採れました!」、と見せてくれたのは、両翼31mm、両錐の双晶だ。

      
                 「日本式双晶」
             【Nさん採集 両翼31mm】

    ガマ出しも一段落したころ、神奈川・Kさんがヒョッコリ姿を現わした。真っすぐ帰宅しようと
   思ったが、晴れてきたので様子を見に来たとの事。時間も14時を回ったので、採集品を
   ”公平に”山分けし、下山した。

    今回も、事故もなく、無事終了できたのは参加者の安全意識の高さとご協力の賜物と
   感謝している。
    次回のミネラルウ・オッチングで多くの皆さんと再会できるのを楽しみにしている。
   ( 2013年6月開催 )

2. 【第1日目】

 (1) 「○○に集合」!!
      朝5時30分過ぎに自宅を出て、IC近くのファミレスで朝食を済ませ、「須玉IC」で東京・
     Kさんと初参加の千葉・Aさんを乗せ、集合場所に向かう。

      予定より早い8時過ぎに到着すると、奈良・Aさん、Yさん、愛知・S夫妻、KDさん、T親子
     三重・Oさん、滋賀・Nさん、大坂・Oさんの愛知以西組がいた。

      関東勢では、茨城・Tさん、Nさん、神奈川・T夫妻、Kさん、東京・H夫妻、H君、初参加の
     千葉・Aさん、埼玉・T親子が待っていた。

      滋賀・Oさんが到着し、ここで集合するメンバーは全員揃った。初めての参加者もいる
     ので、いつものように簡単な自己紹介のあと、車を乗り合わせて出発だ。

          
                A君(小2)と父親                      千葉・Aさん
                               初参加組 挨拶
                              【撮影:滋賀・Oさん】

      途中、長野・Mさんをピックアップし、全員揃って、最初の目的地・『日本式双晶』産地に
     向かう。

 (2) 「日本式双晶産地」
      産地に着くと、「ハルセミ」の大合唱だ。小学生のA君にハルセミを見せると関心を示さ
     ない。父親が「虫取りに飽きて、今は水晶に夢中です」、とのこと。頼もしい。

        「ハルセミ」

      ここで、「日本式双晶」が採集できることが一般に知られるようになったのは、最近の
     ことだ。露頭の両側に広がるズリや転石から双晶を探す。

       
              「日本式双晶」採集風景

      産地に着いて15分もしないうちに、奈良・Aさんから、「ありました!」、と見せてもらっ
     たのは、立派な『ハート形双晶』だった。「双晶と松茸水晶には縁がない」、と言っていた
     Aさんだが、早々に目標を達成し、気が楽になったようだ。
      頼まれてH夫人の採集品を鑑定すると、「貫入(かんにゅう)双晶」に混じって、1つだけ
     日本式双晶があった。それは、左右の水晶の大きさが極端に違う、この産地を代表する
     『鎌形双晶』だった。
      大学2年になったT君も、シッカリ母岩付きの「ハート形」を手にしていた。

      11時過ぎ、私自身初めて訪れる鉱山跡を探査するため、本隊を残し、一人先行する
     ことにした。

      【後日談】
       私が離れた後、昼食が終わり、出発5分前になったとき、愛知・Tさんが掘り出した
      双晶を2日目の解散時に、駐車場で見せてくれた。
       ハート形双晶の片翼の真ん中に水晶が入り込む『かみつき水晶』で、珍しい標本だ。

       
                 「日本式双晶」
             【Tさん採集 両翼30mm】

       Tさんは、ドクターストップがかかり、1年間ほどミネラル・ウオッチングから遠ざかって
      おり、この日が再デビュー初日で、”神様”が祝福してくれたのだろう。
       『ラスト5分前』に良品を採るのは、千葉・Yさんの専売特許だ。Yさんは参加を予定
      していたが、直前に都合で参加できなくなった。しかし、『ラスト5分前』の伝統は脈々と
      引き継がれているようだ。

 (3) 鉱山跡で『カクタス水晶』探し
      6月初旬に東京・飯田橋で開催された「ミネラル・マーケット」を訪れると、長野県の鉱山
     跡で採集した『カクタス(さぼてん)水晶』が売られていた。鉛筆よりも細くて、小指ほどの
     ものが、3,000円、という高値だったし、珍しい形なので、この産地を急遽コースに加えた
     次第だ。

      したがって、案内役の私自身、この産地を訪れたことがなかったが、湯沼鉱泉社長の
     話や参考文献などから、おおよその場所は突き止めてあった。

      山の斜面に、不自然に平坦な場所があり、行ってみると、先行者がいた。彼らは、
     晶洞(ガマ)を開けたようだったが、中味は全て持ち去られ、”クズ”しか残っていなかった。
      こうなると自力でガマを開けるしかない。露頭を叩き始めると、夕立のような強い雨が
     降り始めた。
      石英脈が出たところで、私が要所要所に付けてきた目印を追って、本隊が到着した。
     露頭を叩き続けると、ガマが開き、この産地特有の『カクタス水晶』の単晶と群晶を次々
     と取り出す。
      ほとんどの参加者にとって、ガマ開けを見るのは初めて、ピカピカの結晶面が見える
     大きな単晶には、歓声とため息が出る。

       
              「カクタス水晶」採集風景
               【撮影:滋賀・Oさん】

      皆さんの最大の関心事は、この水晶の分配方法だ。ガマを開けた私が、単晶2本と
     群晶1つをいただき、残りの一級品は今夜の「オークション」、二級品は「玉手箱」に回す
     ことを提案した。

      雨脚はさらに強まってくる。翌日のスケジュールのアンケートを採ると、「せっかく開いた
     ガマの続きをやりたい!!」、という人が翌日も参加する人の半数以上だ。
      明日、天気の回復したところで、この続きをやることにして撤収した。定宿・湯沼鉱泉
     に着いたのは、17時近くだった。

3. 「湯沼鉱泉」の夜は更けて

    湯沼鉱泉に戻ると、「昔乙女コース」の兵庫・N夫妻は、われわれの到着を今や遅しと待っ
    てくれていた。早速、今日の成果を社長と居合わせたYさんに見せると、行きたそうな顔つ
    きだった。

    参加者が持ち寄った重品標本を担当役員と「オークション」用と「玉手箱」用に選り分け
   させていただき、それぞれのテーブルに並べていく。「オークション」品だけで、ゆうに100点
   を超えているようだ。
    泥だらけの、ガマ出し『カクタス水晶』も「オークション」品の一角に並べられた。こうして、
   準備ができたところで、お風呂を浴び、宴会の開会を待つばかりとなった。雨に打たれ、
   冷え切った身体には、”アツアツ”のお風呂が何よりだった。

   A) 宴会
       大広間にはストーブが焚かれ、外の気温は10℃前半台のようだ。そんな外の寒さを
      吹き飛ばすかのように、「宴会部長」の茨城・Tさんの名司会で、盛大な宴会のスタート
      だ。

          
                 司会・Tさん                      乾杯!!
                                          【撮影:滋賀・Oさん】
                              宴会スタート!!

       地元・川上村の素材を使った、板前さんとお姐さんが腕によりをかけた料理に舌鼓を
      打ち、ビールやジュースも入ると座は一段と和やかになる。参加者全グループの近況
      報告があり湯沼鉱泉の夜は更けていった。

          
             熟年H夫妻             大学でも「勉強と両立」・T君
                           近況報告

       こうして、宴も幕を閉じ、皆さまお待ちかねの「オークション」と「標本玉手箱」に移った。

   B) オークション
       恒例となっている「オークション」は、私の所属する「鉱物同志会」で採用されている
      「逆ブービー方式」と呼ばれ、2番目に高い値段を付けた人が、落札する権利を得る
      方式を採用していた。
       2008年、売上金を社長へのお見舞金に回すため”青天井方式”を試行したところ、
      皆さん良識があり、悪戯(いたずら)に、価格は引き上がらないことが分かったので、
      今回も”青天井方式”にした。

       東のH財閥、そして西のN基金などが高額で買ってくれれば、宿泊費が安くなるメリッ
      トもある。何より、出品した人も納得できる。
       今回も、兵庫・N夫妻にオークショナーと記録係をお願いした。

       「標本玉手箱」に提供された標本の中から、良品を選んで「オークション」に回し、
      写真、書籍などは定額で、欲しい人がジャンケンするルールになっている。

       関西のオバちゃん風オークショナー・Nさんの奥さんの呼び声に釣られ、値が上がり、
      人気の標本には希望者が殺到し、賑やかなジャンケンの声が湯沼鉱泉に響きわたっ
      た。

          
                   下見                          セリ
                                            【撮影:滋賀・Oさん】
                              オークション風景

       オークションの結果をNさんがEXCELデータにまとめてくれたので紹介する。

提供者 産地 鉱物名・資料名 提供数 1つあたりの落札額 備考
MH 長野県 水晶双晶 8 100  
MH 長野県 母岩付日本式双晶 1 300  
MH 長野県 水晶袋入り 8 700〜200  
MH 千葉県 「単身赴任の思ひ出」
トベルモリー石、千葉石、ヘソ石
1 1000 千葉・Aさん落札
MH 長野県甲武信鉱山 砒鉄鉱自形結晶 1 400  
MH 千葉県平久里 トベルモリー石 3 玉手箱に変更  
MH 千葉県和田町 へそ石 1 玉手箱に変更  
MH 長野県和田峠 母岩付満礬柘榴石 8 1300〜100 東京・H夫妻落札1300
MH 群馬県桐生市梅田鉱山 水晶群晶 1 200  
MH 東京都 「ミネラ」記事自家製小冊子
マンガノパンペリー石解説書のおまけ付き
3 100  
長野・Mさん 長崎県平戸市御崎浦 灰十字石 6 玉手箱に変更  
長野・Mさん 佐賀県イロハ島 木村石 4 900〜 400  
長野・Mさん 佐賀県満越 ネオジムランタン石 4 300  
長野・Mさん 佐賀県満越 ランタン弘三石 1 1500  
長野・Mさん 鹿児島県枕崎市茅野 菱沸石 1 100  
長野・Mさん 佐賀県鎮西町甲田 菱沸石 1 200  
長野・Mさん 長崎県戸根鉱山 紅簾石 3 玉手箱に変更  
長野・Mさん 長崎県平戸市月町香岳西 レビ沸石 1 100  
長野・Mさん 岩手県和賀仙人鉱山 黄鉄鉱 2 200,100  
長野・Mさん 岩手県和賀仙人鉱山 赤鉄鉱 2 玉手箱に変更  
長野・Mさん 長崎県戸根鉱山 ブラウン鉱 4 300  
長野・Mさん 大分県尾平鉱山銀ジキ 方鉛鉱 3 玉手箱に変更  
愛知・T君 鹿児島県咲花平 大隅石 2 玉手箱に変更  
愛知・T君 鹿児島県日ノ本鉱山 紅安鉱 1 100  
奈良・Aさん   おちょこ 10 玉手箱に変更  
奈良・Aさん 東京都 書籍「長野県の鉱山と鉱石」 1 800  
愛知・KDさん 大分県尾平鉱山 まりも入り水晶 5 300  
愛知・KDさん 大分県三井大高鉱山 ミアジル鉱・濃紅銀鉱 2 200  
愛知・KDさん 群馬県沼田市数坂峠 珪亜鉛鉱・フェデフィン 3 800〜700  
東京・H夫妻 奈良県天川村 灰鉄柘榴石 1 300  
東京・H夫妻 埼玉県中津川 緑ガーネット 1 800  
東京・H夫妻 佐賀県杉山 緑柱石 1 300  
愛知・S夫妻 秋田県荒川鉱山 緑水晶 3 玉手箱に変更  
愛知・S夫妻 岐阜県福岡鉱山 緑柱石 1 玉手箱に変更  
愛知・S夫妻 岐阜県柿野 緑水晶 1 300  
神奈川・Kさん 愛知県豊川市照山砕石 白雲石・方解石 1 100  
神奈川・Kさん 愛知県豊川市照山砕石 苦灰石 1 300  
神奈川・Kさん 山梨県大菩薩峠 セリウム褐廉石 1 200  
滋賀・Nさん 兵庫県佐嚢 紫水晶 1 200  
滋賀・Nさん 岐阜県金生山 方解石 1 400  
滋賀・Nさん 長野県上田市 やきもち石 2 玉手箱に変更  
滋賀・Nさん 滋賀県田上山 トパーズ 1 100  
滋賀・Nさん 島根県美保関町多賀桂島 針状黄鉄鉱 1 100  
滋賀・Nさん 福島県本宮町 球果内の水晶 1 100  
滋賀・Nさん 岐阜県川辺町 エリオン沸石 1 100  
滋賀・Nさん 秋田県院内銀山 雑銀鉱 1 400  
滋賀・Nさん 福岡県長垂 燐灰ウラン鉱 1 100  
滋賀・Nさん 滋賀県灰山 水亜鉛銅鉱 1 100  
奈良・Yさん 三重県竹原鉱山 鉄礬柘榴石 2 400  
奈良・Yさん 東京都八丈島 灰長石 2 100  
奈良・Yさん 岡山県三原鉱山 キューバ鉱 1 200  
奈良・Yさん 佐賀県高島 カンラン岩 2 玉手箱に変更  
奈良・Yさん 鹿児島県咲花平 大隅石 1 玉手箱に変更  
神奈川・Tさん 兵庫県男鹿島 煙水晶 1 1000  
滋賀・Oさん 滋賀県木津川河床 高師小僧 1 200  
滋賀・Oさん 長野県栗生 磁鉄鉱 1 100  
滋賀・Oさん 和歌山県大王町 断層礫 1 玉手箱に変更  
滋賀・Oさん 長野県上田市 やきもち石 1 100  
滋賀・Oさん 新潟県飯豊鉱山 黄鉄鉱 1 100  
滋賀・Oさん 滋賀県木之本町金居原 ドーソン石 1 玉手箱に変更  
滋賀・Oさん 三重県白木町 含クロム石榴石 1 100  
滋賀・Oさん 静岡県安倍川 鉄丸石 1 100  
茨城・Tさん 愛知県 石の切手一式 1 1700  
滋賀・Oさん 長野県湯沼鉱泉 写真 6 300  
三重・Oさん 兵庫県神戸堅田 サンタバーバラ石 1 300  
三重・Oさん 青森県大石沢 弗素魚眼石 1 300  
三重・Oさん 徳島県落合 アルモヒドカルサイト 1 玉手箱に変更  
三重・Oさん 奈良県天川村 緑水晶 1 100  
三重・Oさん 和歌山県龍神鉱山 砒灰鉄石 1 300  
三重・Oさん 鹿児島県大和鉱山 パレンツオナ石 1 300  
三重・Oさん 奈良県川迫 緑水晶 1 100  
MH 長野県ガマ空け品 『カクタス水晶』単晶 20 4000 〜 100 愛知・Tさん4000、東京・H夫妻2300
MH 長野県ガマ空け品 『カクタス水晶』群晶 8 1100〜 200 千葉・Aさん1100
合計(平均)     172 (321)  

       合計で172点出品され、落札価格は単純平均321円だった。ベテランの人に言わせ
      ると、これでも市価の1/5〜1/10らしい。

   C) 「標本玉手箱」
       故益富寿之助博士が始められたと同じように、参加者が入手した重品を持ち寄って、
      欲しい人に無料で配布する「標本玉手箱」を今回も開催した。担当は、若手の大坂・O
      さんと東京・Hさんだ。

       子供、女性を優先し、男性が後になる順番が”自然と”決まった。いつの間にか、取り
      放題になり、それでも、かなりの数の標本が残り、次回へ繰り越しになった。

   D) 「大人の時間」
       締めは、『大人の時間』で、持寄った地元の銘酒を酌み交わしながら鉱物談義を
      していると、23時の消灯時間だった。雨脚は弱まる気配がない。

4. 【第2日目】

 (1) 2日目のスタートだ!!
      6時前に起き、風呂場のお湯で髭を剃る。雨は幾分小降りになったが、止む気配はない。
      東京・H夫妻は、この日地元で「田植え」があるということで、5時ごろ宿を出たようだ。
     7時から残ったメンバー揃って、朝食をいただく。その前に、オークショナーのN夫妻から、
     売上(?)の報告がある。55,200円、と過去最高額だ。前日、ガマ出しした『カクタス水晶』
     が大きく寄与したようだ。
      単純平均で、一人当たり、2,000円弱、宿泊料+飲み物代が安くなる勘定だ。

      全員揃って朝食を”いただきま〜す”。
      夏のミネラル・ウオッチングのデザートは、スイカだ。私の農園で採れたものなら良いのだが、
     まだソフトボール大で間に合わず、スーパーで買ったものの差し入れだ。

       
                  デザートのスイカ
                 【撮影:滋賀・Oさん】

      お腹が一杯になった頃、会計担当の愛知・Tさんから、オークションの購入代金を含め
     たグループ、個人別の徴収額が伝えられた。こども、女性、男性で”格差”をつけている
     のはいつもの通りだ。

        会計報告・Tさん

      ちなみに、一泊2食、ビールを25本、ジュース4本飲み、お昼のお弁当も付いて、男性
     6,500円、女性5,000円、こども3,000円。次回への繰越金もある。

      「湯沼鉱泉」を出発する前に、恒例となっている湯沼鉱泉社長を交えての全員で記念
     写真を撮影する。
      大阪・Oさん、奈良・Aさん、Yさん、愛知・S夫妻、兵庫・N夫妻、埼玉・T親子、滋賀・Oさ
     ん、三重・Oさん、神奈川・T夫妻、Kさん、長野・Mさん、とは、ここでお別れだ。
      この頃、朝早くから走り回っていた子犬は、疲れたのかお腹が一杯になったのか、”ス
     ヤスヤ”と寝息を立てていた。

        スヤスヤ眠る子犬

 (2) 前日のリベンジと続きだ!!

      『日本式双晶』と『カクタス水晶』に未練がある10名を案内して、前日と同じ産地に向か
     う。それぞれ、3名、7名に別れ産地に向かう頃には、雨は止んだ。私は、ガマ出し組の
     先山(さきやま)だ。

      準備作業に1時間ほどかけ、若いH君やT君と交替しながら本格的に露頭を叩き始める
     と、『カクタス水晶』の単晶や群晶が次々と出てくる。昼食を済ましたころ、「双晶」組の
     3人が合流する。
      滋賀・Nさんがニコニコしている。「双晶が採れました!!」、と見せてくれたのは、両翼
     31mm、両錐の双晶だ。
      「先山」の独断で、一足先に帰宅するNさんに「頭付きカクタス水晶」をお土産に渡した。

      ガマ出しも一段落したころ、神奈川・Kさんがヒョッコリ姿を現わした。真っすぐ帰宅しよう
     と思ったが、晴れてきたので様子を見に来たとの事。時間も14時を回ったので、採集品
     を「A(美品)」、「B(一級品)」、「C(二級品)」にランク分けして、山分けだ。
      単晶や群晶の良品のほとんどは、午前中に出ていたので、午後から来た「双晶組」は
     受け取る権利がないのだが、やさしいMHのこと、次のような『山分けルール』を提案した。

      @ 最初からいた7人で、1〜7の順番をジャンケンで決める。
      A 午後から来た4人で、8〜11の順番をジャンケンで決める。
      B 1 → 11 の順で、A→Bの順に気に入った標本を1つずつ取る。これを繰り返す。
      C 「Cランク」品は”取り放題”

      ( 最初からいた7人がAランク品、遅れてきた3人がBランク品、最後に来たKさんは
        Cランク品、のほうが、より”公平”だったと言えなくもない。 難しいですね。 )

      こうして、”公平に”山分けし、下山した。

        採集品の「山分け」

5. おわりに

 5.1 『 水晶に始まり・・・・・・・』
     今回のミネラル・ウオッチングは、水晶に始まり、水晶に終わる旅だった。二日目に訪れ
    る予定だった山梨県の新産地は、希産だが見栄えが今一つのため、魅力的な『双晶』や
    『カクタス水晶』産地に行くことになった。

     しかし、『希産鉱物』を自分で採集したいというベテラン勢の意向も根強く、少人数での
    「ミニMW(ミネラル・ウオッチング)」を計画している。
     今回参加できなかった皆様にはここでお会いしたいと思う。

 5.2 ミネラル・ウオッチング
     5月連休のミネラル・ウオッチングも14年目を迎えた。春の訪れが遅い長野県川上村
    の「湯沼鉱泉」を定宿にして開催しているので、5月のGWよりも1ケ月遅れになるところ
    から、『月遅れGWMW(ミネラル・ウオッチング)』 、と呼んでいる。

     今回、初回から参加して下さっている、OB、OGの方々が大勢参加してくれ、懐かしい
    顔ぶれが揃った。
     その一方で、私のHPを読んで湯沼鉱泉に泊り水晶にハマった小学2年生のA君親子や
    偶々(たまたま)湯沼鉱泉に宿泊し、社長の一言で水晶巨晶産地に案内してもらい、”ガマ
    開け”の分け前にあずかり、ガマ開けの囚人(とりこ)になった千葉・Aさんなどの新人も
    加わり、組織の活性化も図りつつある。
   

     皆さん、「秋のミネラル・ウオッチング」を楽しみにしてくれているようなので、この集まりが、
    永く続くよう、企画したいと考えている。

5. 参考文献

 1) 藤本 治義:南佐久郡地質誌,社団法人 南佐久教育会,昭和33年
 2) 山田 滋夫:日本産鉱物 五十音配列 産地一覧表,クリスタル・ワールド,2004年
 3) 松原 聰:鉱物 ウオーキングガイド 全国版 ,丸善株式会社,2010年
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