第1日目・・・・・・・長野県川上村の水晶産地を訪ねて
第2日目・・・・・・・長野県川上村の古い鉱山跡を訪ねて
参加者は、関東各都県、、愛知、三重、奈良、滋賀、京都、大阪そして兵庫と広範囲で、
久しぶりに参加してくれたOBさんのほか、新しい顔ぶれも加わり、和気藹々(わきあいあい)
のミネラル・ウオッチングになった。
ミネラル・ウオッチングを開催し、一番気になるのは”安全”で、まずは天気だ。第一日目
は雲一つない快晴で、爽やかな高山の風を受けながらのミネラル・ウオッチングだったが
普段の運動不足などで苦しんだ人もいたようだ。
初日の「川上村の水晶産地を訪ねて」では、『ハーキマ・ダイヤ』を思わせる透明感のあ
る水晶の良品を皆さん手にされたようだ。
特に、地元・長野県のMさんが手にした水晶は、この産地には珍しく柱面が発達し、太さ
長さともにこの産地の逸品と呼べる標本だった。
「昔乙女コース」に参加された『アフ還』メンバーもそれぞれ得難い体験をされたようだ。
夜は、地元・川上村の素材を使った料理に舌鼓を打ち、ビールやジュースも入り、今回
宴会30分前に急遽「宴会部長」に就任した神奈川・Hさんの名司会で参加者全グループ
の近況報告があり湯沼鉱泉の夜は更けていった。
21時近くになって、皆さんお待ちかねの「オークション」が兵庫・N夫妻の担当で始まった。
”関西のオバチャン風・オークショナー”のユーモアあふれる競りで、ついつい財布の紐が
緩んだ人も多く、4万円近い売上金は宿泊費に還元された。
次は、若手の長野・MTさん担当の「標本玉手箱」で、「茂倉沢鉱山の鈴木石」などをゲッ
トした目利きもいたようだ。終わってみると22時30分を過ぎ、「大人の時間」はパスだった。
2日目朝、会計報告、緊急オークションそして朝食を美味しくいただき「湯沼鉱泉」前で
社長を囲んで記念写真を撮り、それぞれの目的地に向けて出発!!
川上村にある古い鉱山跡は、「日本式双晶」と「磁硫鉄鉱」で有名だった。ネットではもう
過去の産地になっているようで、ほとんど訪れる人もないようだ。
坑道組、ズリ組に分れて採集すると、ズリ組の愛知・S夫人が早々と3cm級の「日本式双
晶」を掘り出した。坑道組は、硫化鉱物の脈を追いかけ、ピカピカの「磁硫鉄鉱」を多数叩
きだし、いつもながら、『古泉に水涸れず』 を実感した。
予想通り、雨脚も強まってくる気配だったので、お昼過ぎに産地を後にし、再会を約束し
て解散した。
今回も、事故もなく、無事終了できたのは参加者の安全意識の高さとご協力の賜物と
感謝している。
次回のミネラルウ・オッチングで多くの皆さんと再会できるのを楽しみにしている。
( 2012年6月開催 )
この春大学生になったT君は、こどもから立派な青年に変貌しつつあり、頼もしい限り
だ。「韮崎IC」で東京・Kさんをピックアップし、「韮崎IC」から高速にのり、「須玉IC」で
下り、湯沼鉱泉を目指す。
いつもより早い7時過ぎに湯沼鉱泉に到着すると、兵庫・N夫妻、奈良・Aさん、Uさん
愛知・S夫妻、KDさん、三重・Oさん、滋賀・Oさん(兄弟か?)、Nさん、京都・T夫妻、
大坂・Oさんの愛知以西組がいた。
関東勢では、千葉・Tさん、神奈川・T夫妻、Hさん、Kさん、東京・H夫妻、H君、地元
長野・MTさん、Mさん、初参加のAさん、これで1日目の全員が揃った。
初参加の人もいるので、簡単な自己紹介の後、この日の予定を説明し、出発した。
この頃になると、空には雲ひとつなく、梅雨時には珍しい好天気となった。
「それもそのはず、雨男の愛知・Hさんがいない」・・・・・・・・蔭の声
(2) 「川上村の水晶産地」
ここは、「ハーキマ・ダイヤ」に似た透明感のある水晶が採集できることで有名だが
産地へのアプローチが厳しいのも事実だ。
新緑の木陰を登山道を進むと、渓流を流れる清らかな水が空の色や周りの木々の
色を映してか、青や緑に染まって美しい。
皆さん、気の置けない仲間との語らいを楽しみながら進んでいく。
登山道を外れてすぐ、古い坑道とズリがある。「昔乙女コース」はここが終点だ。ここ
で私には一仕事がまっている。大学のワンゲル部に入ったT君と私が1つずつ背負ってきた
大きなスイカを沢水に冷やして置くのだ。
( 今回のスイカは、私の農園のスイカが間に合わず、購入品 )
ここから先は、道も細くなり、沢沿いの踏み分け道を進むと急勾配の涸沢が待っている。
このあたりまで来ると、転石に晶洞が見られ、中には透明感のある水晶がビッシリ成長して
いるのを目の当たりにして、初めての人たちは歓声をあげる。
しかし、このあたりの標高は2,000mを超え、普段運動不足の人や喫煙者にとって呼吸が
苦しくなるのも事実のようで、列が長く延びる。
時間は、11時を回ったところで、皆さんには適当なポイントで、採集してもらうことにし
奈良・Aさんと大型結晶が採れたポイントを探すことにする。
200m近く上に行くと、露頭があり、その周りに散らばっている水晶が大きそうなので、皆
さんを呼び寄せる。
狭い範囲に大勢が集まっているので、石を下に落とさないよう、気を配りながらの採集だ。
やがて、私の目の前に、5cmクラスの水晶が姿を現した。この産地として、大きな結晶の部
類に入るものだ。
お昼を食べ、戦闘(?)再開。私の右で採集していた、長野・Mさんが「こんなのがあり
ました」、と差し出したのを見て仰天した。太さ4cm、長さ15cm前後のこの産地としては最
大級だ。これを見て、皆さん俄然やる気が出たようだ。
時計が14時を回るころ、帰路の険しさを考えて下山の準備をする。道のない急な斜面を
下るのは、呼吸こそ苦しくないが”膝が笑い”、ある意味上るのよりも厳しい。遅い人の後
ろに渋滞の列ができている。「小休止」を繰り返し、登山道に戻ったのは15:30だった。
この先でわれわれを待っていたのは、手を切るように冷たい沢水に冷やしておいた2つの
スイカだった。
大きな石をまな板代わりにして、持参したナイフで切り分けて皆さんに食べていただくと
「甘い!!」、「美味しい!!」、と歓声が上がる。
ここでは、5、6年前に愛知・S夫人が、素晴らしい「松茸水晶」を採集したことがあり
「普通輝石」が採集できることも知られている。そこで、短時間だが採集することにした。
小さな黒い結晶なので、慣れないと見つけられないようで、T女史などは苦戦していた
ようだ。
私が採集した「普通輝石」と「角閃石」を紹介する。(黒光りしているのは、魔法の”オ
リーブ油”のせい)
【後日談】
「昔乙女コース」報告
スイカを冷やした場所に残って古い水晶坑の周りで水晶を採集し、スイカを食べて
一足先に引き揚げ、「湯沼鉱泉」近くの『角閃石入り水晶』産地を訪れたと妻から聞
いた。兵庫・N夫妻が写真を送ってくれたので紹介したい。
「オークション」や「玉手箱」担当役員と参加者が持ち寄った品を選り分けさせていただ
き、それぞれのテーブルに並べていく。「オークション」品だけで、ゆうに100点を超えてい
るようだ。
こうして、準備ができたところで、お風呂を浴び、宴会の開会を待つばかりとなった。
( このころ、愛知・Kさんと自他共に”雨男”と認める愛知・Hさんも到着した。何を
連れてきたかは、すでに皆さんご承知で、それは翌日ハッキリ証明されることにな
る。)
A) 宴会
19時ジャスト、宴会がスタートした。今回、宴会部長を東京・Kさんにお願いしていた
のだが、開会の30分前に、「体調が良くないので部屋で寝ています」、との申告があった。
急遽、神奈川・Hさんに宴会部長をお願いしたところ、「司会は苦手だが・・・」と言
いつつ、引き受けていただいた。
長老組・Nさんの乾杯の音頭で冷えたビール、ジュースを喉に流し込むと、今日一日の
疲れが吹き飛ぶ。
地元・川上村の新鮮な素材を使った料理に舌鼓を打ち、ビールやジュースがぞくぞく
と運ばれてくる。
適度にアルコールが入ったところで、参加者全員の近況報告があった。いつも仲の
良い京都・T夫妻、「○○の電気石で病魔が沈静化」し、久しぶりに参加の千葉・Tさ
ん、2011年のミネラル・ウオッチングで「学業とミネラル・ウオッチングを両立」を宣言し、
この春見事N大の難関を突破した愛知・T君など、挨拶のたびに大きな拍手が沸き
起こった。
こうして、宴も幕を閉じ、皆さまお待ちかねの「オークション」と「標本玉手箱」に移っ
た。
B) オークション
恒例となっている「オークション」は、私の所属する「鉱物同志会」で採用されている
「逆ブービー方式」と呼ばれ、2番目に高い値段を付けた人が、落札する権利を得る方式を
採用していた。2008年、売上金を社長へのお見舞金に回すため”青天井方式”を試行した
ところ、皆さん良識があり、悪戯(いたずら)に、価格は引き上がらないことが分かった
ので、今回も”青天井方式”にした。
東のH財閥とHファンド、そして西のN基金などが高額で買ってくれれば、宿泊費が安くな
るメリットもある。何より、出品した人も納得できる。
今回は、兵庫・N夫妻にオークショナーと記録係をお願いした。
「標本玉手箱」に提供された標本の中から、良品を選んで「オークション」にまわし
写真、書籍などは定額で、欲しい人がジャンケンするルールになっている。
関西のオバちゃん風オークショナー・Nさんの奥さんの呼び声に釣られ、値が上がり、
人気の標本には希望者が殺到し、賑やかなジャンケンの声が湯沼鉱泉に響きわたった。
オークションの結果をNさんがEXCELデータにまとめてくれたので紹介する。
敬称略
提 供 者 | 品 物 | 産 地 | 落札額 | 落札者 | 奈良・Uさん | 鉄ばん石榴石 | 三重県津市美杉町八手俣 | 400・200 | 兵庫・Nさん他 | 奈良・Uさん | 磁鉄鉱 | 奈良県天川村 | 100 | 兵庫・Nさん | 奈良・Uさん | 辰砂 | 奈良県桜井市針道多武峰鉱山 | 300 | 神奈川・Hさん | 奈良・Uさん | 満ばん石榴石 | 三重県山田鉱山 | 100 | 神奈川・Kさん | 奈良・Uさん | 蛍石 | 石川県宝達山 | 300 | 長野・Mさん | 滋賀・Nさん | 閃亜鉛鉱 | 岐阜県飛騨市神岡鉱山 | 100 | 長野・Mさん | 滋賀・Nさん | 菱マンガン鉱 | 岐阜県土岐市石町 | 200 | 兵庫・Nさん | 滋賀・Nさん | タラナキ石 | 三重県伊勢市横輪町鷲嶺(シュウレイ)の水穴 | 100*7 | 兵庫・Nさん他 | 滋賀・Nさん | カニュク石 | 京都府福知山市宮垣富国鉱山 | 100 | MH | 滋賀・Nさん | 高師小僧 | 京都府八幡市御幸橋木津川 | 100 | 長野・Aさん | 滋賀・Nさん | 藍鉄鉱 | 京都府相楽郡精華町東畑 | 300 | MH | 滋賀・Nさん | セピオ石 | 三重県員弁郡大安町石榑北大安鉱業 | 100 | 長野・Mさん | 滋賀・Nさん | 磁鉄鉱 | 岡山県三宝鉱山 | 300 | 東京・HRさん | 滋賀・Nさん | 紫水晶 | 兵庫県朝来市 | 300 | 東京・HRさん | 滋賀・Nさん | 水鉛鉛鉱 | 福井県大野町仙翁谷 | 300*2 | 長野・Mさん他 | 三重・Oさん | オフレ沸石 | 山口県長門市川尻海岸 | 100 | 長野・MTさん | 三重・Oさん | 自然金と自然蒼鉛 | 三重県員弁市大安町石榑南宇賀渓 | 1,100 | MH | 三重・Oさん | 灰十字沸石 | 山口県長門市川尻海岸 | 400 | 東京・HRさん | 三重・Oさん | コンドロ石 | 三重県員弁市大安町石榑南宇賀渓 | 1,000・300 | 兵庫・Nさん他 | 三重・Oさん | 黄鉄鉱 | 奈良県宇陀郡榛原町本郷 | 200*2 | 平野他 | 三重・Oさん | 断層礫岩 | 三重県志摩市大王町名田 | 100*2 | 京都・Tさん他 | 三重・Oさん | 島崎石 | 岡山県高梁市布賀 | 2,000 | MH | 長野・Aさん | 方鉛鉱・黄鉄鉱 | 新潟県広瀬村白板鉱山 | 400・100 | 神奈川・Kさん他 | 愛知・Sさん | 水晶 | 愛知県津具村白鳥山 | 300*2 | 神奈川・Hさん他 | 長野・MTさん | 褐簾石 | 京都府大文字山 | 100*2 | 長野・Aさん他 | 長野・MTさん | 苦土スピネル | 埼玉県秩父鉱山石灰沢 | 300 | 兵庫・Nさん | 大阪・Oさん | 磁鉄鉱(砂時計) | 鹿児島県長崎鼻産砂鉄 | 100 | 三重・Oさん | 愛知・Kさん | オフレ沸石 | 山口県長門市川尻海岸 | 100*3 | 長野・MTさん他 | 長野・Mさん | 藍電気石 | 福岡市西区長垂 | 300*2 | 三重・Oさん他 | 長野・Mさん | 菱沸石 | 鹿児島市枕崎茅野 | 300 | 東京・HRさん | 長野・Mさん | 磁鉄鉱 | 長崎県西彼町島加 | 100 | 兵庫・Nさん | 長野・Mさん | ぺタル石 | 福岡市西区長垂 | 400*5 | 滋賀・Oさん他 | 長野・Mさん | 紅電気石母岩付き | 福岡市西区長垂 | 300*2 | 長野・Aさん他 | 長野・Mさん | 紅電気石 | 福岡市西区長垂 | 1,000・200・100 | 神奈川・Hさん他 | 長野・Mさん | 異極鉱 | 大分県木浦鉱山 | 300 | 兵庫・Nさん他 | 長野・Mさん | 斜開銅鉱 | 広島県瀬戸田町 | 200 | 愛知・Kさん | 長野・Mさん | 蛍石 | 岐阜県蛭川村鳥沢 | 100 | 三重・Oさん | 長野・Mさん | 磁鉄鉱 | 大分県尾平道路ばた | 100*2 | MH他 | 長野・Mさん | ブルース石 | 福岡県粕屋郡篠栗町大谷鉱業 | 100*6 | 千葉・Tさん他 | 長野・Mさん | 普通輝石 | 佐賀県伊万里市西ヶ岳 | 100 | 京都・Tさん | 神奈川・T夫人 | DVD | 鉱山、宝石の番組収録 | 500 | MH | 神奈川・T夫人 | めのう | 茨城県常陸大宮市玉川 | 500 | 神奈川・Hさん | 神奈川・T夫人 | トパーズ研磨品 | 岐阜県中津川市 | 3000 | 滋賀・Oさん | 神奈川・Kさん | オパール | 愛知県棚山高原 | 3000・500 | 愛知・Tさん他 | 神奈川・Kさん | 苦土電気石 | 静岡県伊豆市湯ケ島鉱山 | 100 | 三重・Oさん | 神奈川・Kさん | 紫水晶 | 静岡県河津町菖蒲沢 | 200 | 京都・Tさん | 千葉・Tさん | 弗素燐灰石 | 栃木県今市市猪倉文挟クレー鉱山 | 2000 | 長野・MTさん | 千葉・Tさん | スパー石 | 岡山県備中町布賀 | 600・500 | 神奈川・Kさん他 | 千葉・Tさん | ルドウィヒ石 | 福島県川俣町羽山鉱山 | 300 | 京都・Tさん | 千葉・Tさん | モットラム石 | 栃木県万珠鉱山 | 100 | 三重・Oさん | 千葉・Tさん | スローソン石 | 高知県円行寺 | 200*4 | 長野・MTさん他 | 千葉・Tさん | アカタマ石 | 山口県萩市青長谷 | 200 | 京都・Tさん | 東京・HRさん | リシア電気石 | 茨城県美里村妙見山 | 600 | MH | 東京・HRさん | 灰鉄石榴石 | 埼玉県中津鉱床 | 600 | 東京・HRさん | 滋賀・Oさん | ミヤマオダマキ種 | 滋賀県日野町 | 100*5 | 大阪・Oさん他 | 滋賀・Oさん | 灰鉄石榴石 | 奈良県天川村 | 300 | 兵庫・Nさん他 | 滋賀・Oさん | 玉髄(研磨) | 石川県菩提寺 | 100*2 | 長野・Mさん他 | 滋賀・Oさん | 玉髄(研磨) | 岐阜県大坂峠 | 100*2 | 京都・Tさん他 | 滋賀・Oさん | 緑マンガン鉱 | 滋賀県高島郡熊畑鉱山 | 600・100*2 | MH他 | 滋賀・Oさん | 藍鉄鉱 | 京都府東畑 | 100 | 長野・Mさん | 滋賀・Oさん | コバルト華 | 和歌山県大勝鉱山 | 400 | 兵庫・Nさん | 滋賀・Oさん | 断層礫 | 三重県大王町 | 100 | 京都・Tさん | 滋賀・Oさん | 含クロム石榴石 | 三重県白木 | 100 | 兵庫・Nさん | 滋賀・Oさん | 磁鉄鉱 | 長野県南相木郡栗生 | 100 | 長野・Aさん | 滋賀・Oさん | 文献 | 灰山のラムスベック石 | 100 | 長野・MTさん他 | 滋賀・Oさん | 写真 | 湯沼鉱泉 | 200*4 | 愛知・Tさん他 | 滋賀・Oさん | 写真 | 東沢 | 200*5 | 東京・HRさん他 |
私は、「茂倉沢の鈴木石」を数点「玉手箱」に提供し、下記のような標本を落札した。
No. | 鉱 物 ・ 品 名 | 産 地 ・ 場 所 | 出 品 者 | 標 本 | 説 明 | 1 | 島崎石 | 岡山県布賀 | 三重・Oさん |
|
2011年に認可された 新鉱物 |
2 | リシア電気石 | 茨城県妙見山 | 東京・Hさん |
| 有名産地だ(だった?)が 現在採集禁止 |
3 | 自然磁石 | 大分県尾平鉱山 | 長野・Mさん |
|
ホチキスの針が落ちないほど 強く磁化されている。 |
4 | 緑マンガン鉱 | 滋賀県熊畑鉱山 | 滋賀・Oさん |
保存の難しい「緑マンガン鉱」を 研磨して、樹脂に埋め込んだ標本 手間暇と材料代を考えると 申し訳ない位安い落札値だ。 |
B) 「標本玉手箱」
故益富寿之助博士が始められたと同じように、参加者が入手した重品を持ち寄って、欲
しい人に無料で配布する「標本玉手箱」を今回も開催した。担当は、長野・MTさんだ。
女性、学生を優先し、男性が後になる順番が”自然と”決まった。いつの間にか、
取り放題になり、それでも、かなりの数の標本が残り、次回へ繰り越しになった。
玉手箱下見
私がいただいた標本は、下記の1点だ。
No. | 鉱 物 ・ 品 名 | 産 地 ・ 場 所 | 出 品 者 | 標 本 | 1 | 玉滴石 | 岐阜県蛭川村 | 長野・Mさん |
|
【後日談】
「苗木の玉滴石(オパール)」
長野・Mさんが今から30年ほど前、岐阜県苗木地方の採石場が盛大に稼行して
いたころに採集した「煙水晶」、「長石」などを「玉手箱」にドッサリと提供してくれ、
その中に、写真の「玉滴石」があるのに気づいていただいた。
「玉滴石」に気付いたのは私だけだろうと思っていたら、三重・Oさんから参加お
礼のメールと共に、次の一文があった。
「 本日採集品の整理が何とか付いたところですが、無料標本の蛭川産黒水晶
に綺麗な玉滴石が有りました。
ミネラライトで緑色の蛍光を発しますので判ると思います。 」
このように、『目利き度』も試される、「標本玉手箱」だ。
D) 「大人の時間」
「大人の時間」が恒例だが、今回、「玉手箱」が終了したのが22時30分過ぎで、
すでに消灯時間だった。
オークションの売り上げが、4万円近くになり、単純平均1人当たり宿泊費が約1,000円
安くなり、男性、女性・学生で”格差”をつけた徴収額が伝えられる。
全員揃って朝食を”いただきま〜す”。
「湯沼鉱泉」を出発する前に、恒例となっている湯沼鉱泉社長を交えての全員で記念
写真を撮影する。
大阪・Oさん、奈良・Aさん、Uさん、愛知の雨男・Hさん、Kさん、KDさん、千葉のTさん
などとは、ここでお別れだ。
(2) 川上村の「古い鉱山跡」を目指せ
川上村の古い鉱山跡を目指して進む。この鉱山は、「日本式双晶」や「磁硫鉄鉱」な
どで”玄人(くろうと:しろうとの反対)”好みの標本が採集できたことで有名だが、ネット
では、過去の産地になっていると参加者の一人が教えてくれた。
過去だろうが現在完了だろうが、大勢で訪れると面白い発見があるはずだ。ただ、
気になるのは空模様だ。朝からどんよりと曇っていたが、産地に着くころから、”ポツ、
ポツ”、と降り出してきた。愛知の雨男・Hさんが連れてきた”雨雲”が活動しはじめた
ようだ。
「坑道組」と「ズリ組」に分れて採集を始める。坑道内で「磁硫鉄鉱」や「日本式双
晶」が採集できた場所を示し、手分けして壁を叩き始める。
坑道派の「日本式双晶」は堅い露頭に手こずっていたが、初参加の長野・Aさんはじ
め多くの人が「日本式双晶」を手にしていた。
硫化の脈を追いかけていたグループが比較的新鮮な「磁硫鉄鉱」を含む脈を探り当
て、そのお零(こぼれ)がほぼ全員に行き渡った。
「磁硫鉄鉱」の鑑定は、「糸つき磁石」を吸引するので簡単で、今回もこれが決め手
になった。
ただ、「磁硫鉄鉱」は、「緑マンガン鉱」、「濁沸石」などと並んで、保存の難しい鉱物
の代表の1つなのが気がかりだ。
ズリ派の面々は、愛知・S夫人が、「両翼3cm近い日本式双晶」を掘りあててから、
俄然、やる気が出たようだった。
お昼近くになり、雨脚も強まり出したので、撤収する事にした。引き揚げる直前、東
京・T君が、「MH、これ日本式双晶じゃありません?」、と差し出した標本を見てビックリ
した。片方の翼は硫化の中に隠れているが、両翼5cm近い双晶だ。硫化から時間をか
けて掘り出すようアドバイスし、駐車場へと戻った。
【後日談】
「日本式双晶巨晶」
ミネラル・ウオッチングが終わって数日後、T君からお礼のメールに件(くだん)の日
本式双晶の写真が添えられて送られてきた。
両翼が4cm近い、この産地としては「巨晶」に近い、立派な標本だ。
12時過ぎ、駐車場に戻り、再会を約束し皆さんとお別れした。今回も、事故もなく、
無事終了できたのは参加者の安全意識の高さとご協力の賜物と感謝している。
次回のミネラルウ・オッチングで多くの皆さんと再会できるのを楽しみにしている。
『 自分が○○○で拾ってきたのは2cmほどの水晶ですが、美しさは息を呑むほどで、
自分としてはとても嬉しいものです。水晶は、やはりいいですね。 』
T女史も水晶の美しさに魅せられた1人のようだ。
今回のミネラル・ウオッチングは、水晶に始まり、水晶に終わる旅だった。T女史が、
初日の産地で採集した水晶と湯沼鉱泉で見た社長の最近の採集品の写真を紹介する。
5.2 ミネラル・ウオッチング
5月連休のミネラル・ウオッチングも13年目を迎えた。春の訪れが遅い長野県川上村
の「湯沼鉱泉」を定宿にして開催しているので、1ケ月遅れになるところから、『月遅れGW
MW(ミネラル・ウオッチング)』、と呼んでいるのだが、今回の2日目は7月に入っていて
『2ケ月遅れ』になっていた。
今回、初回から参加して下さっている、OB、OGの方々が大勢参加してくれ、懐かしい
顔ぶれが揃った。
この集まりが、永く続くよう、計画したいと考えている。