2008年晩秋ミネラルウオッチング 【ダイジェスト版】

     2008年晩秋ミネラルウオッチング 【ダイジェスト版】

1. 初めに

   私のHPを見て頂き、産地の情報を提供したり、案内して差し上げた人たちと年に数回
  ミネラル・ウオッチングを開催するようになって8年目を迎えた。
   例年なら年に数回、ミネラルウオッチングを開催するのだが、2008年1月末から、私が
  千葉県に単身赴任している関係で、2008年の6月以来の開催となった。
   今回は、「湯沼鉱泉社長激励MW」と題して、長野県川上村湯沼鉱泉に宿泊し、山梨県
  長野県のマル秘産地を1泊2日で、延べ58名の皆さんと訪れた。

   第1日目・・・・・・・長野県川上村川端下(かわはけ)、梓(甲武信)鉱山
              鉱物の宝庫、『古泉に水枯れず』
   第2日目・・・・・・・山梨県金峰山
              松茸紫水晶新産地、古典的水晶産地

   参加者は、関東各都県、兵庫、愛知、奈良、京都、滋賀、石川と広範囲で、定連さんの
  ほか新しい顔ぶれも加わり、和気藹々のミネラル・ウオッチングになった。

   2日目、移動中小雨がパラつくことがあったが、採集している間は晴れ間が見えるなど
  2日間とも天候に恵まれ『晴れ男』健在だった。

   川端下では、大勢が蹴飛ばしていた大きな母岩に両翼2cmを筆頭に数枚の双晶がつ
  いているのを山梨・Aさんが発見し、この日のオークションの目玉となった。
   灰重石産地近くの坑道では、滋賀県・Oさんが素晴らしい灰鉄輝石の群晶、奈良・Aさん
  が灰鉄柘榴石に囲まれた4〜5cmある灰重石を採集するなど新しい発見もあった。

   夜は、地元・川上村の素材を使った料理に舌鼓を打ち、ビールやお酒も入り宴会取締役
  奈良・Aさんの名司会で参加者全グループの近況報告があり、湯沼鉱泉の夜は更けて
  いった。
   20時から皆さんお待ちかねの「オークション」が始まった。今回、売り上げは全て湯沼鉱
  泉社長へのお見舞いとするので、”青天井(一番高い人が落札)”する方式に変更した。
   愛知・Y君ママがオークショナーをつとめ、「市ノ川の輝安鉱(里帰り品)」には、6,000円
  の最高値がついた。
   今回も、500円〜1,000円均一標本を多数設け、欲しい人がジャンケンする賑やかな声が
  湯沼鉱泉に響きわたり、気がつくと21時だった。

   「大人の時間」には、参加できなかった愛知・Tさんから贈られた「蓬莱泉」や参加者が
  持ち寄った河内ワイン、千葉の地酒、シャンパンなどがずらりと並んだ。鉱物談義に花が
  咲き、気がつけば消灯時間の22時30分だった。

   2日目、「湯沼鉱泉」前で記念写真を撮り、出発!! 大弛峠が通行止めのため、信州
  峠→増富→黒平→乙女湖→金峰山を目指す。途中、2日目のみ参加者・Iさん一行3名と
  合流

   新たに開拓された松茸紫水晶産地に着き、大規模に掘り返された跡を見て、良品は
  残っていないだろうと誰もが思ったに違いない。巡回しながら、皆さんの採集品を見せて
  もらうと、奈良・Aさんがニコニコしながらポケットから出してみせてくれたのには、度肝を
  抜かれた。神奈川・Hさん、千葉・Sさん、神奈川・Kさん、東京・H君そして初参加東京・K
  さんの奥さんもシッカリと紫水晶を採集していた。

   一部の人はここにとどまり、残りのメンバーを有名産地に案内する。ここでも、奈良・
  Aさんが約7cmのこの産地特有の水晶を採集して、「山梨が好きになりました」、と豹変
  した。

   今回も、誰一人怪我もなく無事下山し、次回の再会を約して登山口でお別れした。
  次回のミネラルウオッチングで皆さんと再会できるのを楽しみにしている。
   ( 2008年11月開催 )

2. 【第1日目】

 (1) 「湯沼鉱泉」に集まれ!!
     私たち夫婦は、初参加の神奈川・T夫妻を韮崎IC出口で迎え、茅ケ岳広域農道を
    走る。八ヶ岳には雲がかかり、天候が心配だったが信州峠から長野県に入るころには
    青空が広がり、川上村の気温は3℃と例年に比べ少し暖かい。

     湯沼鉱泉の社長とお姐さんに挨拶し、駐車場に行くとほとんどのメンバーがそろって
    いる。常連の兵庫・N夫妻は前日から宿泊してウオーム・アップしていたらしい。
     奈良・A氏、東京・H夫妻、Hさん、神奈川・H一家、Kさん、愛知・S一家、千葉・ダブ
    ルSさん、滋賀・Oさん、山梨・Aさん、がそろっていた。
     簡単な自己紹介の後、遅れてくる石川・Yさんを残し出発する。

 (2) ”標高2020m”を目指せ
     登山口に到着。今回は、、熟年コース(Nさんの奥さんは、Hさんの奥さんが命名した
    ”乙女コース”と強調)と”健脚コース”に分かれて行動することにした。”健脚コース”
    のメンバーは、今回の目玉の1つ「日本式双晶」を求めて、川端下(かわはけ)の
    坑道とズリを直接目指す新ルートを登る。
     標高差約400mあり、滋賀・Oさんが持参したGPS高度計で確認、50〜100m昇るごと
    に荷物を下ろして休憩。
     途中で神奈川・Hさんが、前に痛めた足の具合が良くないので、このまま行って皆さ
    んに迷惑がかかっては、と家族3人引き返すことになった。

     記念写真【撮影:滋賀・Oさん】

     登り始めて1時間あまり過ぎるころから、足元に石英塊や水晶群晶が見られ産地が
    近いことが判る。
     最後尾を歩いていた山梨・Aさんが「MH 鑑定してください」、と大人の頭大の群晶を
    持ってきた。一目見ただけでも数枚の日本式双晶がついている。今まで、大勢の人に
    踏まれ、蹴られていた石の中にこんな”お宝”が眠っていたのだ。改めて、甲武信鉱山
    (含む川端下)の奥の深さに一同驚くばかり。

    
           日本式双晶群晶
    【採集:山梨・Aさん 撮影:落札者・Nさんの奥さん】

      私が、冗談(かなり本気)で、「Aさん、これは今夜のオークションですね」、というと
     いともアッサリ 「いいですよ」 との返事が返ってきた。この標本は、私が背負って
     行くことになった。( 今回のMWで、私が運んだ標本の中で一番重かった )

    【後日談】
      オークションでこの水晶を落札した兵庫・Nさんの奥さんから、感想のメールが
     あったので紹介する。

      『 川端下の双晶は、自力では到底手に入れられないもので、我が家の
       お宝です。                                       』

      1時間30分かけて、鞍部のピンポイントに到着した。早速、坑道組、ズリ組に別れ、
    ここぞと思う場所を探す。皆さんの狙いは無論「日本式双晶」だ。

     坑道内を掘るが双晶は簡単にはでてこない。昼食時間を含めて1時間半の採集時
    間は瞬く間に過ぎてしまう。
     坑道からでてきたHさんが抱えていたのは、直径10cm、長さ30cmの巨晶だった。ま
    さに、川端下ならではのサイズだ。

     巨晶【採集:東京・Hさん】

     さて、昼食、となって弁当を車に置き忘れたことに気付いた。この日妻と別行動なの
    で、持たせてくれる人がいなかった。食べないわけにもいかず、恥を忍んで、Y君から
    メロンパン、AさんからアンパンそしてHさんの奥さんからおにぎりをいただき、飢え死に
    だけは免れる。

 (3) 新産地「緑水晶ズリ」
     ここは、2004年に奈良・Aさんが発見した産地で、以前から知られていた緑水晶産地
    のものより結晶が大きく、頭付き群晶も多産した。
     ここで愛知・Hさんが採集した日本式双晶は、その形から仲間内では『鬼嫁』、と呼ば
    れている。

     小さな産地なので、ここを訪れるのが初めての人を優先に採集していただいた。
    Aさんの発見以来4年が経っているにもかかわらず、「両錐」の良品を採集した人もいた。

 (4) 新産地発見!!
     一部の参加者から、灰重石を採集したい、との要望があり、急遽コースを変更した。
    灰重石産地へ行く途中の坑道前に柘榴石と共生する灰重石が採集できるので、そこに
    皆さんを案内する。
     灰重石は簡単に見つかった。奈良・Aさん、滋賀・Oさんは坑道の中でなにやらゴソ
    ゴソやっている。
     近づいてみると、Oさんは、灰鉄輝石の群晶を採集している。目ざといSさんの奥さんの
    話では、「Aさんが4,5cmはある灰重石結晶が柘榴石に付いた素晴らしい標本をしま
    った」、とのこと。
     新産地発見である。2人の採集標本の写真が送られてきたのでお披露目する。

       
              灰重石              灰鉄輝石
        【採集,撮影:奈良・Aさん】 【採集:滋賀・Oさん】
                    新産地の標本たち

     この後、H夫妻とKさんは、ミニ・ツイン(緑水晶双晶)産地を目指すため別行動となっ
    た。ただ、わずかな距離なのだが無事に行き着けるか心配で大声でKさんを呼ぶと、
    あらぬ方角から応答があった。道に迷ったに違いないので、慌てて後を追った。坑道の
    入り口で3人を呼ぶとH夫妻は50m上、Kさんは50m下から応答があり、何とか入り口に
    誘導した。
     ( このように、甲武信鉱山は分かりにくいので、案内なしでは目的地に到達できない
      危険性もあるのだが、どこかで何かしらが採れ、”新発見!!”、となることもある )
      

 (5) 松茸水晶産地
     第2松茸水晶産地を素通りし、松茸水晶のズリに取り付き、皆さんここぞと思う場所で
    採集を始める。やがて、鉱物採集を始めて2、3回目、初参加・Tさんの奥さんが、
    「こんなのがあったんですが」と差し出したのは、紛れもない松茸水晶の頭だった。
    まさしく、”ビギナーズ・ラック”である。H君は、「自宅に帰って洗ったら、綺麗な灰鉄
    ザクロ石」がありました」、と写真を送ってくれたので紹介する。

       
         松茸水晶              灰鉄ザクロ石
   【採集:神奈川Tさんの奥さん】      【採集,撮影:東京・H君】
              松茸水晶ズリの標本たち

 (6) ベスブ石産地
     松茸水晶ズリにいると、ミニ・ツイン坑道組が合流してきた。3人は、ミニ・ツインを
    狙ったのだが、それらしい石がなくて早々に引き上げた。
     最近地元の小Yさんが、ベスブの露頭を叩いたと聞いたので、初めての人を露頭に
    案内した。ここでも、Tさん夫妻は、大きな単晶、大きくはないがピカピカで綺麗な群
    晶を採るなど、大活躍だった。

 (7) 新「ざくろ石」産地
      この後、湯沼鉱泉社長が2007年夏に開拓した「ざくろ石」産地に向かう。直径10
     cmを越す結晶の集合は、今も保存されており、初めて見た人たちは、偉大な自
     然の創造力に感嘆しながらシャッターを押していた。

     新「ざくろ石」産地を後にして、登山口まで下山したのは17時前だったが、あたりは薄
    暗くなりかかっていた。
    今回も、誰一人怪我もなく無事下山でき、湯沼鉱泉に夕闇せまるころ投宿した。
    ( ○○さんの、背面スライディングには”ヒヤリ”としたが )

     【後日談】
      兵庫・Nさんの奥さんから、乙女コースに向かった男性1名、女性2名の足取りを
     写真とともにメールで知らせてくれたので紹介する。

      『 甲武信の乙女コース(Hさんの奥さん命名)では、昔乙女達がざくろ石の
       露頭発見に燃えていました。

         (昔?)乙女コースの面々【撮影:兵庫・Nさん】

        教えていただくのではなく、自分達で見つけたものはまた、格別です   』

 (7) 「湯沼鉱泉」の夜は更けて

   A) 宴会
     お待ちかねの宴会が18時30分にスタートした。予定通りスタートできたのは、お姐さ
    ん1人ではてんてこ舞いなので、レディーズと普段家ではやっていないだろう男性陣が
    お手伝いをしてくれたお蔭と、改めて感謝します。

       
            乙女パワー                お運びさん

       ベテランの奈良・Aさんに司会をお願いし宴会がスタートした。今回の「湯沼鉱泉
      社長激励ミネラル・ウオッチングの趣旨を私が説明した後、東京・Hさんの乾杯の
      音頭で冷えたビールを飲み干すと今日一日の疲れが吹き飛ぶ。

       
         名司会・Aさん                 乾杯の音頭・Hさん
                    湯沼鉱泉宴会スタート

     地元・川上村の素材を使った料理に舌鼓を打ち、ビールやお酒がぞくぞくと運ばれ
    お腹も一杯になったころ、宴会部長の司会で参加者全員の近況報告があった。
     参加者中最年少は、生後5ケ月のMちゃんで、この記録は当分破られそうにない
    だろう。
     ちなみに、宴会前の記念写真を見ていただければ、生後5ケ月から還暦過ぎまで
    老若男女の参加者がわかっていただけると思う。
     ちなみに、私の膝に座っているのは孫、ではなくて、この日の宴会から初参加した
    東京・Kさんの長男T君(3歳)である。

    
              宴会前の記念写真【撮影:Oさん】

   B) オークション
     恒例となっている「オークション」は、私の所属する「鉱物同志会」で採用されている
    「逆ブービー方式」と呼ばれ、2番目に高い値段を付けた人が、落札する権利を得る
    方式を長い間採用している。これは、悪戯(いたずら)に、価格を引き上げないため
    の配慮なのだが、次のような弊害もある。

     @ 苦労して採集し提供した素晴らしい標本が○百円では、次回以降出す気が
       失せてしまう ・・・・・・ベテラン・某氏
     A 例年の売上高(2万円前後)では、社長へのお見舞金として失礼なのでは?
       ・・・・・・・・・・・会計さん

     今回、ある方から、オークションの売り上げ全額を社長へのお見舞金にしては、と
    提案があり、皆さんの同意も得られ、”青天井(一番高い入札値の人が落札する)”
    方式を採用した。
     愛知・Sさんの奥さんがオークショナーをつとめ、次々と高値で落札される。( 一部
    ご祝儀相場もあったが  )

     オークショナーの盛り上げで、落札総額は例年の3倍近く、お見舞いとして恥ずか
    しくない額となった。
     出品者、落札者そしてオークション参加者に厚く御礼申し上げる。

     オークショナー・Sさんの奥さん

    オークション品の高額落札品は、次の通りである。【会計N夫妻取りまとめ】
    【これらの一部標本は、採集禁止になる前の採集品であることをお断りしておきます】

No.       鉱物・品名 産地・場所 出品者 落札単価(1点)
1 輝安鉱 市ノ川(里帰り品) Mineralhunters 6,000
2 鉱物関連書籍(8冊)    -神奈川・Hさん500〜1,000
3 ミネラル・ウオッチング集合写真(5枚)    -滋賀・Oさん500
4 満礬ざくろ石(24面体完全結晶含む5ケセット) 長野県・和田峠  Mineralhunters 3,000
5 日本式双晶 長野県・川端下 山梨・Aさん 2,300
6 自然金(紐金) 埼玉県・秩父鉱山 Mineralhunters 2,000
7 きれいなざくろ石(5点) 奈良県 滋賀・Oさん 1,500
8 マンガン鉱物4種(長島石・鈴木石ほか)群馬県茂倉沢Mineralhunters 1,200
9 きれいなざくろ石(7点) 奈良県 奈良・Aさん 1,000
10 変種ジルコン 岩手県 千葉・Sさん 1,000
・・・     ・・・・     ・・・・・・     ・・・・・・     ・・・・・
11 紅砒ニッケル鉱 夏梅鉱山 兵庫・Nさん 500
12 トパズ(川擦れ品巨晶)5点中津川市 愛知・Sさん 500
・・・     ・・・・     ・・・・・・     ・・・・・・     ・・・・・

    いつもながら、ミネラル・ショーやオークションなどで売られている値段の数分の1の
   安い値段で、購入でき、落札者は大喜びだった。
     提供してくれる人、買ってくれる人がいて、社長へのお見舞金が集まる訳で、ともに
   ありがたい。

   C) 「標本玉手箱」
      故益富寿之助博士が始められたと同じように、参加者が採集した重品を持ち寄り
     欲しい人に無料で配布する「標本玉手箱」を今回も開催した。
      ここには、「オークション」に入れてもおかしくない、隠れた名品もヒッソリと並び、
     参加者の”目利き度”が試された。

     玉手箱下見【撮影:Oさん】

   D) 「大人の時間」
      参加できなかった愛知・Tさんから贈られた「蓬莱泉」や参加者が持ち寄った河
     内ワイン、千葉の地酒、シャンパンなどがずらりと並んだ。
      この日の夕方京都を発ったT夫妻も到着し、鉱物談義に花が咲き、気がつけば
     消灯時間の22時30分だった。

3. 【第2日目】

 (1) 2日目のスタートだ!!
      女性陣、ではなくて乙女陣は、朝早くからオニギリつくりに頑張ってくれていた。
     全員揃って、朝食を戴く。会計担当の兵庫・Nさんから簡潔な会計報告があり、
     男性、女性、子どもで”格差”をつけた参加費が伝えられる。
      「湯沼鉱泉」を出発する前に、会計・Nさんの奥さんから社長に見舞金が手渡さ
     れ、大きな拍手が沸き起こった。

      社長には、春までに新産地を開拓し、案内していただくことをお願いして、湯沼鉱
     泉を後にした。

 (2) 目指せ金峰山
     湯沼鉱泉から金峰山までは、山1つなのだが、例年より早く大弛峠が通行止めの
    ため、車列をつくり遠回りして行く。
     金峰山の手前で、2日目参加のIさん一行3名と合流し、林道を進む。駐車場に着き
    初対面の方もあり簡単な自己紹介
     奈良・Aさんは、「良品を採集した想い出がない相性の悪い県が兵庫、滋賀、そして
    山梨 今日はガンバルぞ!!」 
、と前夜の宴会での決意を再度披露する。

     2日目参加者自己紹介【撮影:Oさん】

 (3) 新産地は健在だった
      皆さんを『紫水晶新産地』に案内する。まずは、新産地訪問の記念写真

     初訪山記念【撮影:Oさん】

      安全上の注意事項を伝えた後、皆さん思いおもいの場所に散らばって採集
     開始だ。ズリの表面を丹念に見る人、熊手やピッケルで掘り込む人と様々だ。し
     ばらくして、皆さんの成果を見て回ると、奈良・Aさんが、「山梨は良いですね」、と
     ニコニコしている。「こんなのがありました」、とポケットから出して見せてくれたの
     は、長さ7、8cmはあろうかというピカピカの『松茸水晶』だった。
      ( 山梨がもっと好きになる結末がAさんをこの後待っていた )

      神奈川・Hさん、千葉・Sさん、神奈川・Kさん、東京・H君はシッカリと紫水晶を採
     集していた。
      初参加・Kさんの奥さんは小さいながら形の良い紫水晶、ベテラン・Sさんの奥さん
     は立派な群晶を採集している。
      この産地は、知る人ぞ知る場所で、大勢のつわものが訪れているので、良品が
     採集できるか不安だったが、皆さんマズマズの成果なので胸をなでおろす。

       
            松茸水晶                  紫水晶
          【奈良・Aさん】                【東京・H君】

       
           紫水晶                  群晶
        【東京・Kさんの奥さん】       【愛知・Sさんの奥さん】
                   新産地の標本

 (4) 古典的産地を目指せ
      一部の人を新産地に残し、皆さんを『古典的産地』に案内する。川には新しい
     橋がつくられ、安全に渡れた。

       
                       渡河風景

      ズリに取り付いて間もなく、奈良・Aさんが「こんなのがありました」、とポケットか
     ら出して見せてくれたのは、この産地特有のホッソリした7cmはある良品だった。
      またしても、Aさんは、「山梨が好きになりました」、とニコニコである。

      この産地には坑道も残されている。坑道前で、H君の記念写真をとる。

     坑道前のH君

      15時過ぎ、産地を後にし、16時に駐車場に全員無事帰ってきた。解散の挨拶をし
     次回の再会を約束し、それぞれ家路を急ぎ、皆さん無事帰宅された。

4. おわりに

 (1) 年に何回かのミネラル・ウオッチングを開催するようになって8年目を迎えた。今回も
    無事終了でき、参加者の皆様の協力に感謝している。

     初回に参加した当時小学5年生だった子たちは高校2年生になり、鉱物から離れて
    行ったりしている一方、続けて参加している子もいる。
     また、常連だった皆さんの中には、個人、家庭の事情があり、参加できなくなったり
    一方では”事”情が好転して参加を再会される方々もいる。

     情報化の波が参加者にも浸透し、ブログを開始したという参加者も多い。ミネラル
    ウオッチングの前日(11月14日:いいいしの日)に愛知・Sさんが開設したブログを
    見るとビックリするような”トパズ”があるはずだ。

ブログを開設しました! 中津川のブルートパーズその1

 (2) 以前のHPにも書いたが、鉱物標本を手に入れるだけなら、高速代、高騰したガソリン
    代、宿泊費を考えれば、ネットオークションで購入したほうがはるかに安上がりなこと
    は間違いない。

     懇親会での参加者の挨拶を聞いていると、鉱物標本を手に入れることだけが目的で
    ないことが良くわかった。
     永くこの会が続くよう、がんばる決意を固めた。

 (3) 今回、「オークション」の売り上げを増やすため、古典的な標本をいくつか提供させ
    ていただいた。
     「市ノ川の輝安鉱」、「秩父鉱山の自然金・紐金」、「和田峠の完全結晶を含む満
    礬ざくろ石セット」などだった。

     また、いつものように「単身赴任の思い出(Part2) 群馬県桐生市茂倉沢鉱山の
    マンガン鉱物」には、長島石・鈴木石など4種をセットにして提供した。
    ( Hさんが落札してくれた )

     単身赴任は残すところ、4ケ月余りになった。『晴(耕)雨読』の生活に、戻れるのを
    楽しみにしているのだが・・・・・・・・・・・・

5. 参考文献

 1) 小出 五郎:長野県川上村川端下(かわはけ)付近の鉱物,我等の鉱物,昭和16年
 2) 松原 聰編著:鉱物観察ガイド,東海大学出版会,2008年
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