(2)早速「標本玉手箱」!?
この日だけ参加の三重・Mさんが持参した「宮妻峡のトパーズ」「芸濃町の
灰鉄ザクロ石」「苗木鉱山の褐簾石」や滋賀・Nさん持参の「神岡鉱山の緑鉛鉱」
などが並べられ、早速「標本玉手箱」となり、宮妻峡のトパーズなどは目聡い人の
懐に瞬く間に収まってしまった。
(3)小川山の未確認飛行物体残骸を探せ!!
集合前に、私が湯沼鉱泉に前泊の奈良・Yさんを迎えに行くと、社長の第一声が
『鉄板を持って来て呉れるのか?』であった。
何でも、戦時中(1945年ころ)小川山上空で飛行機が爆発、空中分解しその残骸が
あちこちに散らばっているらしい。それを「湯沼水晶洞」に飾りたいので、持って
来て欲しいとのことであった。
従って、今回の私の目的は”小川山の未確認飛行物体残骸を探せ!!”であり
参加者全員に、鉄板があったら教えて頂くようにした。
(これが、後にとんでもないことになるとは、神ならぬ身、知る由もなかった。)
(4)小川山へ
今回の参加者で唯一未成年の名古屋・Sさんの息子・Y君を先頭に、紅葉に染まる
登山道を1時間近く歩き、そこから、産地に向かう荒れた作業道を進むと何時しか
踏み分け道となる。
やがて、緑の絨毯に覆われた産地に到着。片道2時間半の歩きの上、標高が2,000m
前後あり、初めての方には厳しかったようで、救護係のSさんの奥さんの初出動となった。
(2年前の愛知県・白鳥山での採集会で苦労した三重・Iさんは、数週間前からこの日に
備え特訓しただけあり、見違えるほどの元気さであった。)
途中の転石の水晶に眼を奪われる人も多かったが、そこはパスして、以前の採集場所と
違ったポイントに案内し、大き目の水晶を採集し始める。
小川山では、滋賀・NさんとOさんが「エステレル式双晶」(?)を採集したとのメールを
頂いた。また、今回の目玉であった「紫水晶」も兵庫・Nさんの奥さんが採集した。
滋賀のTさんのメールには『最後の時間に露頭のガマの中からかわいい水晶を取り出す
のに夢中になりまして、最後の撤退の時間がうらめしくなるくらい大いに楽しませて
いただきました。』とあり、ラスト5分に力を発揮できなかったようです。
皆さんにお願いした。未確認飛行物体の残骸は広い範囲で見つかり、またたくまに7個
になり、持参した”背負子”に括り付けたが、重さは20kg程度で大したことはないが
バランスが悪く、背負うと”フラフラ”する有様で、何回か転倒してしまった。
これが足を引っ張り、いつもなら早いはずの下山も行きと同じ、2時間半かかってしまった。
(5)湯沼鉱泉の夜は深けて
14時に下山開始し、16時30分に金峰山荘に到着し、ここで、初日のみの参加者とお別れ。
宿泊者14名は、17時過ぎに今夜の宿「湯沼鉱泉」に到着。
@「懇親会」
兵庫・延原さんの乾杯の音頭で「懇親会」がスタートした。「地元産松茸の茶碗蒸」に
はじまり「尺岩魚の生造り」「馬刺し」と信州の味覚のオンパレードでした。
(宿のおねいさん、食べ残してごめんなさい)
宴たけなわとなり、旧メンバーは近況報告と初めてのメンバは自己紹介。
不明飛行物体の残骸のお礼として、ビール、酒、ジュース無料の呑み放題!!
(でも、これは翌朝会計係の兵庫・Nさんが支払う段階になって判ったことで
前もって知っていれば、もっと飲んだのに!!・・・・・某氏 )
A「オークション」
懇親会の後から、千葉・Oさんと同僚のIDさんも参加し、お待ちかねの「標本玉手箱」が
スタートした。
2004年GWの採集会から導入した「オークション」は、私の所属する「鉱物同志会」で
採用されている「逆ブービー方式」と呼ばれる”2番目”に高い値段を付けた人が落札する
ルールです。
これは、悪戯に、価格を引き上げないための配慮です。
「標本玉手箱」に提供された標本の中から、標本玉手箱係の愛知・Iさんに14点余りを
オークション向けに宴会の前に選んで頂いた。(1人、1点行き渡る勘定)
No | 鉱物(出品)名 | 産地ほか | 出品者 | 落札価格 | 1 | ネオジムランタン石 (ネオジウムランタン石は誤り) | 佐賀県肥前町 | 滋賀・Nさん | 1,200円 | 2 | まりも入り水晶母岩付き | 大分県尾平鉱山 | 滋賀・Nさん | 1,000円 | 3 | 紫水晶 | 石川県遊泉寺鉱山 | 石川・Yさん | 600円 | 4 | 満バン柘榴石 | 長野県和田峠 | 山梨・Mineralhunters | 200円 | 5 | 紫水晶セット | 栃木県鉛沢 | 山梨・Mineralhunters | 1,100円 | 6 | 紫水晶セット | 栃木県鉛沢 | 山梨・Mineralhunters | 950円 | 7 | 紫水晶セット | 栃木県鉛沢 | 山梨・Mineralhunters | 800円 | 8 | 方解石 | メキシコ | 千葉・Oさん | 400円 | 9 | 白倉谷記念写真2点 | 滋賀・Oさん撮影 | 滋賀・Oさん | 1,200円 | 10 | 「滋賀県鉱物目録」5冊 | 滋賀・Oさん著 | 滋賀・Oさん | 3,500円 | 11 | ハーキマダイヤ2点 | アメリカ | 神奈川・Hさん | 1,600円 | 12 | 鶏冠石2点 | 群馬県西ノ牧鉱山 | 兵庫・Nさんの奥さん | 600円 | 13 | 日本式双晶セット2点 | 群馬県三ツ岩岳 | 兵庫・Nさんの奥さん | 1,500円 |
「ネオジムランタン石」は、私と中学生のY君の競り合いとなったが、Y君が「三ツ岩岳の
日本式双晶」を選んだため、自動的に私のところに転がり込んだ。皆様のご配慮
ありがとうございました。
B「標本玉手箱」
標本玉手箱には、「宝達山の蛍石」「鉛沢の紫水晶セット」「尾平のマリモ入り水晶」
はじめ、オークションに入れてもおかしくない逸品が並びました。
今回のルールは、ジャンケンで女性、中学生が1〜5番、男性陣が6〜16番の順番を決め
1番→16番の順で1点選び、次は16→1番の順で、これを繰り返すと、あっという間に
玉手箱は終了です。
ちなみに、私は16番でしたが、「宝達山の蛍石」の良品をゲットしました。
(それだけ良品が多かった、ということでしょうか)
C「鉱物鑑定会」兼「飲み会」
兵庫・Nさんの奥さんが群馬県・茂倉沢鉱山で採集した「鈴木石」などがご開帳でした。
愛知・KMさん差し入れのお菓子を食べ、石川・Y氏持参の石川の地酒と蛍烏賊の干物
そして私の沖縄旅行土産の泡盛を酌み交わし、22時にお開きでした。
(そんな訳で、恒例のはずの「朝飯前の採集会」はお休み・・・・・)
それぞれの目的地に向けて湯沼鉱泉を出発前に、記念撮影となった。
主なコースは次の通りであった。
@五無斎ゆかりの鉱物コース
大日鉱山の灰クロム柘榴石→沢山湖の中沸石(蛇骨)→越戸の玄能石
私は、このコースに同行し、途中、愛知・Kさん、神奈川・Mさん、愛知・kzさん
そして京都・Tさん夫妻と合流した。
A三ツ岩岳コース
大日鉱山の灰クロム柘榴石→三ツ岩岳の日本式双晶
滋賀・NさんとOさんが三ツ岩岳を目指した。
B甲武信(梓)鉱山貯鉱場コース
名古屋・Sさん一家とIさんが甲武信貯鉱場を目指したが、川の水量が多く危険なため
大深山鉱山に変更した。
C帰宅コース
兵庫・Nさん夫妻は、初孫誕生間際で、帰宅。
(2)大日鉱山の灰クロム柘榴石
下見した場所に皆さんを案内し、全員が鮮緑色の灰クロム柘榴石と「菫泥石」は採集
できたようです。京都・Tさんが「アルチニ石」、神奈川・Mさんが”結晶の見える”
灰クロム柘榴石をゲットし、『いつもながら、流石』と皆さんを唸らせた。
(3)沢山湖の沸石
沢山湖の手前が崖崩れで通行止めのため、その手前で神奈川・Mさんの案内で
採集開始。五無斎縁の地元で「蛇骨」と呼ばれる中沸石を探すが、大きな結晶が少なく
魚眼石、ガイロル沸石、方沸石などが多かった印象です。青色の魚眼石などMさん採集品の
おこぼれに預かった。
奈良・Yさんが「これ何ですか?」と持ってきたものは、晶洞に1cm大の結晶のついた
「方沸石」であった。
(4)越戸の玄能石
京都・Tさんの案内で全員が母岩付きと単晶が採集できた。私も、母岩付きの
標本らしい1点のみ採集した。
(5)その他のコースの成果
それぞれのコースに参加したメンバーから、採集結果のメールを頂きましたのでご紹介
致します。
【三ツ岩岳コース】
坑道内でOさんが双晶が2、3個ついた群晶を採り、Nさんは兵庫・Nさんの奥さんに
倣って、ズリの土砂を土嚢袋で持ち帰ったそうですので、しばらく楽しめるはずです。
【甲武信貯鉱場コース】
貯鉱場に向かった名古屋・Sさん一家3人とIさんは川の水量が多く、目的地に到達できず
第2案の大深山鉱山に向かった。そこで、Sさんが「日本式双晶」奥さんが「松茸水晶」そして
息子のY君とIさんが「黄鉄鉱と水晶」を採集できたとの嬉しいメールを頂きました。
【帰宅コース】
兵庫・Nさん夫妻から、”初孫誕生”、とこれまた嬉しいメールがありました。