2003年10月鉱物採集会-岐阜・愛知の鉱物産地を訪ねて-【ダイジェスト版】

2003年10月鉱物採集会
   -岐阜・愛知の鉱物産地を訪ねて-【ダイジェスト版】

1.初めに

 私のHPを見て頂き、産地の情報を提供したり、案内して差し上げた
人たちと採集会を開催するようになって、3年目を迎えた。
 今回は、「岐阜・愛知の鉱物産地を訪ねて」と題して、岐阜県の洞戸鉱山
愛知県の久田野・白鳥山を2日間にわたり、延べ29名の皆さんと訪れた。
 参加者は、関東各都県、静岡、愛知、兵庫と広範囲で、久しぶりの
出会いを喜びながら、和気藹々の採集会となった。
 初日の洞戸鉱山では、愛知県勢が日本式双晶を次々とヒットする中
関東勢は、意気揚がらず、多治見の宿で雨男・愛知県のHさんが差し入れてくれた
新城の地酒・空で、明日の挽回を期した。
 2日目は、地元愛知県のKさん、静岡県のYさんの案内で、私にとって初めての
訪問となる久田野採石・白鳥山での採集を楽しんだ。
 白鳥山では、先行した埼玉のAさんの息子・Sさんが、大きなガマを開け、さらに
集合5分前に、千葉県のYさんが、良品をゲットし、”ラスト5分のYさん”の
伝説が蘇った。
 案内や下見をしていただいた、愛知県のKさん、Hさん、静岡県のYさんに、厚くお礼を
申し上げます。次回11月の採集会で、皆さんと再会できるのを楽しみにしています。
(2003年10月採集)

2.【第1日目】

(1)「甲府昭和IC」に集合
   甲府昭和ICに、5時集合にしていたが、私は3時過ぎに目覚め、PCに向かっていて
  気が付いたら4時を回っていた。慌てて、妻を起こし、支度をして、集合場所に
  向かう。
   千葉のYさん親子、K君、T大のF君が待っている。荷物を私の車に積み替え、出発!!
  高速道を平均130kmで驀進する。あたりが白み始めるころ、恵那SAで朝飯。
  土岐ICで、高速を下り、美濃加茂、関を経由して、集合場所の美濃ICに8時過ぎに着く。
  集合時間まで、2時間近くあるが、待つ。
   やがて、愛知県のHさん、Kさんが到着した。この日も、雨男のHさんと晴れ男の私の
  勝負は、私のほうに軍配が上がった。
   今年になって、何度か来た洞戸鉱山に向かう。

(2)【洞戸鉱山・梅保木坑】
   入口の建材店に断り、沢の直下まで車を乗り入れる。いくつもの倒木の間を乗り越え
  くぐって、障害物競走(古い!!。若い人たちは、フィールドアスレチックと呼んでいた)
  難行苦行の末、ズリに到着。
   ここでは、沢の水でフルイ掛けする筈だったが、沢の水が全くない!!
   仕方なく、表面採集する愛知勢、ズリを掘ったり、石を割ったりする関東勢。
  明暗の分かれ目は、ここにあったようです。

  梅保木坑採集風景

   Kさんが、最大両翼2cmを筆頭に日本式双晶3つ、Hさんが、日本式双晶が数十ついた
  群晶と単晶1つと、愛知県勢が絶好調でした。
   Kさんは、いつも出し抜かれている息子のS君(この日は不参加)に、ようやく親父の
  沽券を示せたようで、至って満足そうでした。関東勢は、F君が珪灰鉄鉱を採集したに
  止まり、完敗でした。
   しかし、これで、終わらないのが、Mineralhunters の真骨頂。自宅に持ち帰った
  群晶の中に、8月の採集会で、奈良県のAさんの息子・T君が採集した日本式3連双晶
  (0°タイプ)と同じものがあるではないか。Hさんの群晶にあったと同じ”山(逆V)形"も
  ある。

  日本式3連双晶

(3)【洞戸鉱山・杢助坑】

   『透輝石は、絶産寸前です』
   まず坑内に入ると、水が殆どなく、竪坑部分に残っているだけ。2003年7月に良品が
  採れた当たりを中心に、先ずは表面採集。千葉のK君はピンセットを使って採集する程
  でしたが、1cmが限界で、図鑑にある6cmなど夢のまた夢状態です。

  杢助坑採集風景

   それでも、全員頭付き分離結晶と母岩付を採集できました。
  私は、柳の下の2匹目の泥鰌「コバルト華」を狙ったが、甘かった。

(4)【矢坪鉱山】
  美濃市街に向かう途中、含亜鉛満バンザクロ石をもとめ、矢坪鉱山に立ち寄る。
 広いズリで、思い思いの場所で、含亜鉛満バンザクロ石、方鉛鉱、閃亜鉛鉱などを採集。
  今回、初めて坑道が残っているのに気が付いた。

(5)【一路、今夜の宿へ】
   このあと、Kさん、Hさんと別れて多治見市内の旅人宿・清樂に向かう。ここは、夕食付で
  4500円と”価格破壊”状態で、まずまずの宿でした。
   ここで、埼玉のAさん親子に合流。Aさんたちは、蛭川村周辺を探索したが松茸山のテープが
  あり、本格的な採集ができず、中津川鉱物博物館見学が最大の収穫だったようです。
   朝の2時、3時に起きてきたのと、Hさん差し入れの新城地酒・空の心地よい酔いも
  手伝って、9時過ぎに、バタンQでした。Z z z ・・・・・

2.【第2日目】

(1)「音羽蒲郡IC」に集合
   翌朝、5時起床、多治見ICから高速にのり途中食事休憩を挟んで、集合場所の音羽蒲郡ICに
  7時20分到着。事務所裏手の駐車場に集合。
   恒例の「標本玉手箱」などしている間に、全員揃う。
    初参加は2名。
   名古屋のIさん(私のHPで知り合う)
   三重のIさん(Mさんの友人)
    全員、自己紹介のあと、出発!!

(2)【久田野採石】
   案内人のYさんの車を先頭に、8台の車を連ねて、最初の産地「久田野」に向かう。
  採石場の入口で断り、露頭近くまで行く。その規模の大きさに、圧倒される。

  久田野採集風景

   ここぞと狙った場所で採集するが、Hさん、Yさんの下見情報にもあったように
  かつて1cmを越える「満バンザクロ石」を産した岩体は採掘され尽くされていた。
   これが、現役の採石場の悲しいところ。(この逆に、行ったらドサッとある例は
  少ないようです。)
   それでも、塊状や小さな「満バンザクロ石」結晶や鉄電気石は全員採集できた。

  久田野満バンザクロ石

(3)【白鳥山】
   中宇利鉱山を右手に見て、棚山オパール産地を正面に、そして津具鉱山を左に見て
  立ち寄りたいという衝動をぐっとこらえて、白鳥山に到着。
   神社裏から、採集しながら、先行した金子さん相澤さん親子の待つ、頂上付近の岸壁に
  向かう。途中の転石のあちこちに晶洞が見られ、F君は、4cmを越えるものを採集。
   埼玉のAさんの息子・Sさんが、大きな晶洞を空け、子ども達はじめ皆さんがその余慶に
  あずかった。最大6cmの頭付きを筆頭に多数あったようです。

  白鳥山採集風景

   このほか、兵庫のNさんご夫妻が、母岩付。静岡のYさんが、自己最大記録をクリアする
  5cmクラス2本。そして、”集合5分前”に千葉のYさんが4cmクラス逆松茸を採集し
  『伝説』は蘇った。

  松茸水晶【私の採集品】

(4)いざ、帰りなん
   楽しかった採集会も終わりを迎え、静岡・兵庫グループとは白鳥神社前で、愛知グループ
  とは根羽村でお別れし、一路甲府ICに向かう。
   途中ノンストップで、19:09に到着。所要時間2時間10分と最短記録更新。
   白鳥山の方が、山梨県内の乙女鉱山より”近い”??!!

4.おわりに

(1)今回参加された皆さんから、無事帰宅され、採集会が楽しかったので
  次回も、また参加したいと、お礼のメールを、たくさんいただき、世話人と
  しては望外の喜びです。
(2)11月のミニ採集会「小川山の水晶を求めて」で、1人でも多くの皆さんとお会い
  できるのを楽しみにしています。

5.参考文献

1)柴田 秀賢:原色鉱物岩石検索図鑑,北隆館,昭和48年
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