3.2 面谷鉱山の歴史
「本邦重要鉱山要覧」には、『口碑の伝えるところに拠れば、今より五百六十余年前
康永(北朝年号、1340年ころ)年間、1猟師の発見に係ると云う。降りて、天正年間
(1590年ころ)碓井 直左衛門更に開坑し、爾来村民各自稼行となり、一盛一衰継続し後
天保年間、大野藩主・土井氏鉱業を奨励し、稍々事業を拡張せり。維新頃より、再び
村民の稼行に移り、杉村 次郎と共同して鉱業社なるものを組織して操業せり。
明治14年(1881年)秋田彌左衛門之を継承し、明治21年(1888年)、三菱合資会社の
所有に帰し、爾来事業を拡張す。』
3.3 採集方法
最近、誰も訪れた形跡がなく、ズリの表面を丹念に見て回る表面採集で、充分良品を
採集できます。ハンマーは、方解石塊の中に、蛍石が入っているものがあり、これを
割るのに使っただけでした。
「日本鉱物誌」の蛍石の項には、次のような記述がある。
『越前面谷産は脈石を為すものにして晶面を示すもの極めて稀なり
然れとも稀れには美麗なる結晶を現はすものあり、三菱会社鉱山標本中にあるものは
淡緑色透明にして”O”と”∞O∞”との晶面を現はすものなり。』
このほか、黄銅鉱、黄鉄鉱、銅の2次鉱物などが採集できます。
5.おわりに
6.参考文献