2004年秋 沖縄の観光・鉱物採集旅行【ダイジェスト版】

2004年秋 沖縄の観光・鉱物採集旅行【ダイジェスト版】

1.初めに

 11月は我々夫婦の結婚記念の月で、今年で結婚31周年を迎えたのを記念に、妻も私も
行ったことがない沖縄へ観光旅行を計画した。
 旅行のプレアナウンスを兵庫県の石友・Nさん夫妻に話したところ、沖縄の鉱物産地が
掲載された鉱物雑誌のコピーを送っていただき、ビールは「オリオンビール」で、酒は
「泡盛」との貴重な情報もいただいた。
 さらに、旅行に出発する1週間ほど前に「奄美沖縄岩石鉱物図鑑」なる本を入手し
ざっと眼を通してみたが、沖縄県は、石灰岩とサンゴの島で産出する鉱物種が限られ
しかもツアーなので採集の自由時間もなく鉱物採集は難しいと思っていた。
 案の定、鉱物として採集できたのはサンゴと「星の砂」だけであったが、沖縄の美しい
景色と美味しい料理を堪能し、リフレッシュできた。
 まだ私が訪れたことがないのは熊本県だけになり、近いうちに観光・鉱物採集で訪れて
みたいと考えています。
(2004年11月採集)

2.【いざ、出発!!】

 10月31日3時に起床し、3:30にタクシーに迎えに来てもらい、集合場所の甲府駅に行く。
観光バスに乗り、中央高速を羽田空港に向かって走るが、車窓には氷雨が叩きつける。
 6時過ぎに羽田空港に到着した頃は、雨脚は一段と激しくなり、”晴れ男”も怪しく
なってきた。
 飛行機は、定刻より30分近く遅れて飛び立った。上昇すると、当たり前だが雨は降って
おらず、西のほうに富士山も見える。四国の南を通過する頃には、雲の切れ間も見え
やがて、青い海の徳之島、そして沖縄本島が眼下に見える頃には、晴れ渡っていた。

       
           徳之島            沖縄本島
                空からの眺め

3.【第1日:めんそ〜れ 沖縄!!】

(1)沖縄入り
   10時過ぎに沖縄空港に到着。甲府の肌寒さが嘘のようで、この日の最高気温は26℃
  とのこと。真夏だ。
   上着を脱ぎ、シャツの腕まくりをしても暑いが、カラッとした暑さで木陰は涼しい。

(2)「おきなわワールド」
   地元の観光バスに乗り、南部にある「おきなわワールド」を目指す。ここは30万年の
  時が造り上げた神秘の鍾乳洞「玉泉洞」、100種450本の熱帯果実を植え込んだ
  「熱帯フルーツ園」そして勇壮なエイサー群舞が見られる「エイサー広場」などがある
  テーマパークになっている。
   まずは、昼食をとって腹ごしらえ。
  間もなく「エイサー広場」では、蛇味線、太鼓、口笛も賑やかなエイサー群舞が始まる。
  テレビで見たのと違う、そのエネルギッシュな迫力に圧倒される。最後は、観光客も
  輪に入って踊りだす。当然私も。
   「玉泉洞」は、全長1kmほどが観光コースとなっている。本州の鍾乳洞と違い
  中に入ると熱と湿気で蒸し暑い。

       
         エイサーショー        玉泉洞
                「おきなわワールド」

(3)琉球の館
    糸満市にある「琉球の館」は「琉球紅型」の工場に観光施設が併設され(その逆か?)
   「紅型」に色付け体験が楽しめる。
    「シーサー(屋根の魔よけ)」「熱帯魚」「ハイビスカス」の3種から1つ絵柄を選び
    原色の染料で色づけする。妻はシーサー、私はハイビスカスを選び色づけ。記念にと
   ”31th Anniv."の文字を入れると妻も真似する。(31thでなく31stとすべきだったか?)

    「紅型」色付け体験

    この紅型は、旅行の最終日に額に入って出来上がったものが届けられた。余りに出来栄え
   が素晴らしい(?)ので、皆さん文字通り”自画自賛”

(4)万座毛(まんざもう)
    バスは、高速道路にのり、「石川IC」でおり、海岸沿いを北上し、「万座毛」に向う。
   余りの暑さに、急遽ペアルックのTシャツを買った。

(5)残波岬の夜は更けて
    今夜の宿「残波岬ロイヤルホテル」を目指す。午後5時を過ぎても、日はまだ高くチェック
   インの後、早速Tシャツに着替えて海岸に出てみる。海岸には「サンゴ」がたくさん打上げ
   られてあり、これも”鉱物”と採集する。やがて東シナ海に夕日が沈む。

    東シナ海の夕日

    このホテルの大浴場は温泉で、チョッと塩辛い。熱帯植物を見ながら露天風呂に入ると
   遥か南の沖縄まで来た実感がじわじわと湧いてくる。
    風呂の後は、夕食。ビールで乾杯の後、”泡盛”の水割りを飲む。癖もなく美味しいので
   お土産はこれに決めた。
   (兵庫の石友・Nさん夫妻の情報にあったように、ビールは「オリオン」、酒は「泡盛」でした。)

    やがて、「琉球舞踊」のアトラクションも始まり、「沖縄最初の夜」を満喫する。

       
   夕食(これだけではありません)    琉球舞踊
        「残波岬ロイヤルホテル」の夜 
    

4.【第2日:沖縄の自然と歴史を訪ねて】

(1)2日目の朝
    ”泡盛”の酔いはスッキリと醒め、天気も良いし、今朝も快調。
    早々とホテル最上階のレストランで朝食を食べ、バスの出発の時間までお土産を買う。
   土産は、”泡盛””黒砂糖”そして”ハブ酒”(誰が飲むんだ!!)

       
        朝食               チェックアウト
          「残波岬ロイヤルホテル」の朝 
    

(2)「森のガラス館」
    高速道路にのり、「許田IC]でおり、名護市、本部町の海岸沿いに北上する。
   「森のガラス館」は、琉球ガラスの工房とお土産店が合体したところで、琉球ガラス
   細工の作業が見られ、希望者は体験もできる。見学はそこそこに、お土産を買う。
    バスガイドさんの話では、何でも赤いガラスは、金を入れているので同じ形の
   黄色や青色のものより値段が高いそうだ。なるほど、その通りである。
    値段の安いものもあるがそれには「南蛮ガラス」のシールが貼ってあり
   「琉球ガラス」ではないのだ。

    森のガラス館

(3)パイナップル園
    すぐ近くにある「パイナップル園」を訪れた。一口にパイナップルと言ってもその語源と
   なった”松ぼっくり”大のものから、われわれが食べるパイナップルまで色々あることが
   分かった。
    パイナップルから造ったワインなども売っているが、試飲してみて、「???」で買わな
   かった。観賞用の「ミニパイン」を売っていたので購入。
   (このHPを作成していて苗木(種子?)を買ったことを思い出し、植木鉢に植えた次第)

    ミニパイン

(4)海洋博記念公園【美ら海水族館】
   エメラルドの海の接して、沖縄本土復帰を記念して開催された沖縄海洋博につくられた
   「国営沖縄記念公園・海洋博覧会地区」がある。その目玉は、何と言っても10,000トンの
   水量を誇る国内最大級の水槽をもつ「美ら(ちゅら)海(うみ)水族館」である。
    水槽では、ジンベイ鮫をはじめ、浜辺から深海までの生きものが目の当たりに観察できる。
   外に出ると、「エメラルドビーチ」があり、ここでも”鉱物”のサンゴを採集する。

       
         美ら水族館           エメラルドビーチ
                海洋博記念公園

(5)首里城公園
    再び高速道路で一路南下、「那覇IC」でおり、守礼の門で知られる「首里城公園」を
   訪れる。
    「琉球国」は日本と違った歴史を持っていることを改めて知らされる。

       
         守礼の門               首里城
                  首里城公園

(6)旧海軍司令部壕
    那覇市内のホテルに行く前に、太平洋戦争沖縄戦跡の1つ旧海軍司令部壕を訪れる。
   ここは、太平洋戦争沖縄戦の末期、昭和20年(1945年)6月6日夜、太田司令官が
   『沖縄県民かく戦えり』の有名な電文を発した場所である。電文のパネルを読むと
   目頭が熱くなる。

(7)那覇の夜は更けて
    那覇市内に入ると渋滞で、ようやく今夜の夕食会場「料亭・那覇」に到着。沖縄の
   踊りや歌を見ながら夕食をとる。
    名物仲居さんが沖縄の言葉は「方言ではなく、琉球語です」と言うのには納得。

    今夜の宿「ロワジールホテル」にチェックイン。那覇市内国際通りに繰り出す。
   お土産を物色、あわよくば”鉱物”のお店があるのではないかと探すと、あった!!
   その名も「ストーンマーケット」。早速店内に入り物色するが、磨いた鉱物が主で
   買いたいものは見当たらない。
    さらに国際通りを歩くと「星の砂」を売っていたので購入。これもサンゴか。

       
         国際通り           ストーンマーケット
                  那覇の夜

    ホテルに帰り、この手のホテルでは珍しい大浴場に入浴。沖縄最後の夜は更ける・・・・

4.【第3日:沖縄戦跡を訪ねて】

(1)ロワジールホテルの朝
    朝起きると、外は薄暗い。別に天気が悪い訳ではないのに。狭い日本とは言いながら
   私の住む甲府と那覇では、日の出の時刻に30分以上の差があるのだ。
    那覇港を見渡すホテルのレストランで朝食を食べ、バスの出発の時間までお土産を買う。
   土産は、兵庫県の石友・Nさんの娘さんが出産目近と聞いていたので”産後の肥立ち”が
   良いように”サンゴ”のお守りを買う。
    ホテル内の宝飾店には、琉球王の王冠の複製品が飾ってある。王冠には、メノウ、水晶
   などの貴石がちりばめられている。
    本物の王冠に遣われた水晶はもしかしたら山梨(甲斐)産のものだったのではないだろうか
   と考えると沖縄と遠くはなれた山国・甲斐の結びつきを感じざるを得ません。

       
         朝食             琉球王冠【複製品】
                ロワジールホテル

(2)甲斐の塔
    沖縄戦の激戦地の1つ、摩文仁近くの山梨県出身の沖縄戦戦死者を祀る「甲斐の塔」に
   詣でる。

(3)平和祈念公園
    平和の石碑(いしじ)のある平和祈念公園を訪れる。

(4)ひめゆりの塔
    民間人が数多く巻き込まれた沖縄戦の悲劇の代表とされる第一高等女学校生徒で構成
   された「ひめゆり隊」の終焉の地を訪れる。

(5)いざ、帰りなん
    那覇空港から羽田空港に着き、夕方のラッシュの渋滞が始まる前に都内を抜け、中央高速で
   甲府に18:30に帰る。

5.おわりに

(1)沖縄の鉱物
   兵庫の石友・Nさん夫妻から送っていただいた情報と「奄美沖縄鉱物岩石図鑑」に
   よると沖縄本島の代表的な鉱物は次の通りであるが、地味な鉱物がほとんどで、採集の対象と
   なるものは少ないようである。
    今回の沖縄旅行ではこれらの産地のうち、No2,No3,No4の市町村をバスで通っただけで
   採集は思いもよりませんでした。
    従って、沖縄の鉱物(?)はサンゴと鍾乳石しか採集できませんでした。

No鉱物産地出典
1黄鉄鉱國頭郡大宜味(おおぎみ)村津波(つなみ)福岡石の会会報2000
2灰重石名護市真喜屋(まきや)福岡石の会会報2000
3輝安鉱 金武(きん)町喜瀬武原(きせんばる)奄美沖縄岩石鉱物図鑑
4両錐石英恩納(おんな)村名嘉真(なかま)奄美沖縄岩石鉱物図鑑

(2)沖縄の鉱物産地候補
    バスの車窓から、”ここには鉱物があるのではないか”とMineralhuntersの心をときめかす
   場所がいくつかありました。
    @本部町〜名護市の採石場
      ここは、沖縄の基層をなす石灰岩をセメント材料として大規模に採掘している採石場で
     晶洞や隙間には必ず「方解石」「霰石」などがあるだろうと目星をつけた。
    A読谷村(よみたりそん)道路脇の緑色片岩
      万座毛から宿のある残波岬に向かう途中、道路の切通しに緑色片岩(だろうと思う)の
     露頭を見かけた。同じような産状には、黄鉄鉱などの硫化鉱物が見られることがあり
     これらを採集できる可能性が高いと思う。
    B??鉱山
      平和祈念公園に行く手前のサトウキビ畑の間に「??鉱山」なる標識があった。
     沖縄で”鉱山”は多分、石灰岩を掘っている場所だろうと推定しているが、これらの
     場所でも「方解石」や「霰石」などが採集できるのではないかと考えている。

      いずれにしても、採集できるであろう鉱物と沖縄まで行く費用を考えると2の足を
     踏んでしまいます。

       
         採石場                露頭
              沖縄の鉱物産地候補

8.参考文献

1)福岡石の会:会誌2000,同会,2000年
2)加藤 祐三:奄美沖縄岩石鉱物図鑑,新星図書出版,昭和63年
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