5月のGWに皆さんと訪れるのが恒例になっていて、2007年も訪れたが、残雪が多く
途中から引き返さざるを得なかった。
( 地球は温暖化になっていると言われているのだが・・・?? )
2009年6月に予定している「月遅れGWミネラル・ウオッチング」の下見を兼ねて、ほぼ
2年振りに石友・小Yさんと訪れた。
標高2,300m前後の産地は晴れていても肌寒く、緑のコケの下には、雪と分厚い氷が
融けずに残っていて、露頭や先人が崩したズリでの採集となった。
露頭の晶洞(ガマ)を開けると、「5cmの”ピカピカ”単晶」が姿を現し、ズリでは先人が
残した(気付かなかった?)、「両翼5cmの日本式双晶」が採集でき、満足して湯沼鉱泉
に引き上げた。
社長に見せると、『 まあまあダな』、の褒め言葉(?)が返ってきた。湯沼鉱泉の水芭蕉
は盛りを過ぎた、とは言え可憐な姿を見せてくれた。また、熊子が生んだ川上犬の”モコ
モコ”は1匹は貰われて行っていなかったが、3匹が足元にまとわり着いて可愛らしい。
6月の「月遅れGWミネラル・ウオッチング」で30名近い石友とお会いできるのを楽しみ
にしている。同行・案内いただいた小Yさんに厚く御礼申し上げる。
( 2009年5月採集 )
ところが、この数年の間に、露頭が大々的に崩され、赤茶色の痛々しい姿をあらわに
している。
@ 『ハーキマダイヤ』を思わせるの高い透明度
透明度が高い透明水晶からやや煙かかった水晶まで、各種の水晶が観察で
きる。
A 「エステレル双晶」を初めとする各種の双晶
ここでは、「エステレル双晶」があまりにも有名になっている。その蔭に隠れ
ているが、私が初めて国内での産出を報告した「ベローダ式双晶」もある。
( エステレル双晶という名称は、フランス南部 Cannes近郊の”Esterel”から
産する高温石英の双晶に様式に付けられた名称である。
ちなみに、水晶に見られる同じ様式の双晶の正式名称は ”Reichenstein
-Grieserntal Low"と名付けられている )
しかし、誰しもが欲しがるのは何と言っても「日本式双晶」だろう。今回、ズリに
(2) 武石/褐鉄鉱【Buseki/Limonite:―】
6月の「月遅れGWミネラル・ウオッチング」で訪れるのが恐ろしい。
(2) 信州峠を越え川上村に入ると朝6時の気温が既に18℃だった。2ケ月前、8時でも
湯沼鉱泉に行くと、水芭蕉は盛りを過ぎた、とは言え晩生(おくて)の株が可憐な花
6月の「月遅れGWミネラル・ウオッチング」では、皆さんを歓迎してくれるはずだ。
( Mineral Hunting Tour in Nov. 2003
Hunting Various Types of Twins at Mt.Ogawa , Nagana Pref.)
落ちていた群晶を何の気なしに手にとって見ると「両翼5cmの日本式双晶」だっ
た。
日本式双晶【横 8cm】
褐鉄鉱は、『 褐色の水酸化鉄鉱物、主に針鉄鉱(brownish iron hydrooxideminerals
mainly GOETHITE【FeOOH】』、と定義されている。
晶洞を充填する黄鉄鉱が長い間に風化し針鉄鉱に変化したが芯の部分には金色
の黄鉄鉱が残っていて、黄褐色の針鉄鉱とのコントラストがおもしろい。
武石【横 10cm】
5. おわりに
(1) 厳しい産地
今回、小Yさんに案内してもらった場所は、過去に訪れた場所よりも標高で約200m
高い位置にあった。そのため、健脚を自負する小Yさんと一緒でも、金峰(きんぽう)
山荘からの歩きが片道タップリ3時間もかかった。
マイナス1℃だったのを考えると、この間に暖かくなったものだ、と感慨深い。
をつけた姿を水辺に見せてくれた。また、熊子が生んだ川上犬の”モコモコ”は1匹は
貰われて行っていなかったが、3匹が足元にまとわり着いて可愛らしい。
水芭蕉 川上犬
湯沼鉱泉2題
6. 参考文献
1) 松原 聰:新鉱物発見物語,岩波書店,2006年
2) 原田 明ほか:長野県川上村小川山の水晶産地 ペグマタイト第76号,同誌,2006年