静岡県西伊豆町仁科海岸のメノウ

静岡県西伊豆町仁科海岸のメノウ

1.初めに

以前、千葉県の石友Oさんから、西伊豆産のメノウをいただいたことがあった。
草下先生の「鉱物採集フィールドガイド」の静岡県西伊豆の鉱物産地の章に
西伊豆町仁科海岸と土肥町赤玉海岸の2箇所がメノウの産地として紹介してある。
2月に開催する採集会の下見の帰途、福島県の石友と仁科のメノウ産地に立ち寄った。
小砂利が混じる波打ち際で、短時間に”赤玉”、”メノウ”、”錦石”などが
採集できます。
わざわざここを目的に行く産地ではありませんので、伊豆半島での採集のついでに
立ち寄ると良いでしょう。
(2003年2月採集)

2.産地

下田から松崎に向かって走り、松崎町で国道136号線に出て、約2km北に行くと
仁科川の河口に小砂利が混じる波打ち際が広がっている。ここが、産地です。
仁科海岸【メノウ産地】

3.産状と採集方法

メノウがどこから来たものか分かりませんが、海岸の小砂利の中から、メノウを
拾うだけですので、特別道具も要らず、採集品を入れる袋があれば十分です。

4.産出鉱物

(1) 瑪瑙(メノウ)【Agate;SiO2】
メノウは、火山活動に伴う低温の上昇水の珪酸分が膠状となり沈殿し、結晶したもので
もともとは岩石の割れ目を充填する形であったが、母岩が崩壊し、海の荒波に永い間
洗われて、堅いメノウ質の部分だけが残ったと思われる。
石英と似た”透明メノウ”から赤色、黄色、水色のメノウが複雑な模様をなす”錦石”まで
各種あります。

       透明系         錦石系
          仁科海岸産のメノウ
(2) 赤玉石【Petrified Wood;SiO2】
これはメノウと言うより、碧玉【Jasper:SiO2】の一種で、碧玉の中に不純物として
含まれる酸化鉄のために赤色を呈すると言われる。
佐渡島相川産のものが最も有名です。
赤玉石

5.おわりに 

(1)メノウというと、単身赴任先の近くにあった茨城県大宮町玉川のメノウや
青森県特産の今別町袰月海岸の仏舎利石を採集に行ったことを思い出します。
(2)錦石は、津軽錦石が有名で、弘前駅の構内に大きな塊が据え付けてあり
青森空港でも研磨したものをお土産として販売していました。
(3)冒頭にも書きましたが、わざわざここを目的に行く産地ではありませんので
伊豆半島での採集のついでに立ち寄ると良いでしょう。
(4)下田から松崎に向かう途中に、「中川郵便局」があります。私の姓と同じなので
いつものように立ち寄って、局舎を写真に収め、記念押印をしてきました。

        局舎           消印
            静岡・中川郵便局

6.参考文献 

1)草下英明:鉱物採集フィールドガイド,草思社,1988年
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