(1) BBQ
この日の夕食は、19時から6階後方デッキで、南極の空の下BBQだ。寒いことが予想されるので、暖かい
服装でという注意があったので、ウインドブレーカーを着込んで行った。デッキにでてみると曇っていて、
19時だというのに日本の冬の日の午後3時くらいの明るさだ。
入り口で、赤ワインを暖めた”ホットワイン”を作っているので一つ貰って外にでると風が強くて寒い。風が
当らないテーブルを探しているとSさんの姿が見えたので、相席させてもらう。
右舷側には料理がズラリと並んでいるので、もらってきて乾杯だ。
(2) 「帽子コンテスト」
デッキにでたときから感じていたのだが、頭に被り物をしている参加者をみかける。原色のカラフルなヘア
ピースからカウボーイ(ガール?)風、アラブ風、エジプト風そして南極らしいペンギンの着ぐるみなど、さまざ
まだ。
このBBQ会場は、奇抜な帽子スタイルを競う、「帽子コンテスト」の会場にもなっているのだ。この日の朝、
見かけたスタッフが紫色のヘアピースをつけていたのは、単にBBQでの「帽子コンテスト」のスタイルをして
いただけでほかに深い理由はなかったことにようやく合点した。
コンテスト参加者の写真だ。
(3) お祝い
始まって40分位経って、この探検期間中に誕生日、結婚記念日などの記念日がある人(グループ)にお
祝いが贈られた。南極探検に参加申し込みしたときに、この期間中に誕生日などの記念日があるかという
調査項目があったのは、このためだったのだ。
探検参加者中最高齢のご婦人やカップルにお祝いが贈られた。私を含め周りの人は、このカップルはハ
ネムーンだとばかり思い込んでいたが結婚記念日だったようだ。
それにしてもデッキは寒い。日が傾いてくると気温は5℃以下のようだ。余りの寒さに、Sさんも私も堪えら
れなくなり、ひとまず船室に引き揚げることにした。真夏とはいえ、南極はやはり南極で、『真夏の夜の夢』
を貪(むさぼ)るには寒すぎた。
(4) 「ミュージックショー」 by スコッティさん
21時から4階のザ・クラブでスコッティさんによるミュージックショーがあるというので見に(聴きに)行くと、
エクスペディション・スタッフや添乗員の姿が目立った。
後日、食事のとき2人のスコットさんと一緒のテーブルになったので、彼の経歴や音楽などについて話を
し。同じ名前のスタッフが2人がいて紛らわしいので、ミュージシャンでもある彼のほうが”スコッティ”と愛称
されているとい話だ。
スコッティさんはカナダ出身で、ヨーク大学で環境学修士を得て、いろいろな大学で学び、7年間北大西
洋でシーカヤックのチーフ・ガイドとして、同時に、ソングライター & ミュージシャンとしても活動している。
音楽を始めたのは15歳のときというから、20年のキャリアがあるわけだ。
郷愁を感じるメロディと歌に包まれて、夏の夜は更けていった。
私の持論の一つは、『夢を持つ』だ。「南極探検」の夢は叶ったが、これまでに蒔いて未だ実現して
いない幾つかの夢に向って邁進したくなる春だ。