古希記念 南極ミネラル・ウオッチング 南極探検旅行 【ブエノス・アイレス郵便事情】 ( Mineral Watching in Antarctica  Antarctica Expedition 2015 , - Postal Situation in Buenos Aires - )









        古希記念 南極ミネラル・ウオッチング
        2015年 南極探検旅行 【ブエノス・アイレス郵便事情】

             ( Mineral Watching in Antarctica
               Antarctica Expedition 2015 , - Postal Situation in Buenos Aires - )

4. 南極探検

 4.20 『ブエノス・アイレス郵便事情』

  (1) 「DHL」を試してみる
       ラ・プラタへの旅、そしてブエノス・アイレス市内での『現金採集』を終えて、タクシーでホテルの
      近くの帰ったのは17時だった。現地駐在員が迎えに来る18時まで1時間はある。
       ブエノス・アイレスから手紙を投函していないが、日本から送ったのが着いていないのだから
      投函したところで着く可能性は低い。

       駐在員のMさんから、「DHLを使うと確実に着く」、と聞いていたので試してみることにした。ウシ
      ュアイアでもそうだったがブエノス・アイレスでもコンビニには「DHL」のポストが置いてある。ホテル
      手前にあるコンビニに入り、郵便切手に相当する”STAMP”を2枚買う。確か、1枚20ペソ(280円)
      くらいの表記があったのだが店員が勘違いしたのか3ペソ(40円)しか請求しなかった。
       これを前日に買ってあったタンゴの絵柄の絵葉書に貼って投函した。

          
               「DHL」ポストのあるコンビニ                       ポストに投函

       【後日談】
       ここで投函した絵葉書は1週間、遅くても10日くらいで着くだろうと思っていた。投函したのが
      1月31日(日本時間2月1日)だから、2月10日前後には届くと思っていた。
       2月10日過ぎになっても届かない。やがて2月23日になって、イギリス領南極のポート・ロック
      ロイで投函した絵葉書が届いたというメールや電話を知人や集友そして石友からいただいた。
       南極からの手紙が届いたのに、文明都市のブエノス・アイレスからのはがきが届かないのは事
      故か何かあったんだろうと諦(あきら)めた。
       ところが、2月26日になって郵便受けを見ると、「DHL」で送った絵葉書が入っていた。DHL便
      では、切手に相当する「STAMP」に消印など押していないということを初めて知った。もちろん、
      甲府郵便局の到着印なども押していないのは海外郵政からのはがきと同じだ。
       これでは、いつ出していつ到着したかがわからないので、「白瀬南極探検50年記念」など
      52円分以上の切手を貼り足して、家の近くにある郵便局で押印してもらった。

       
                  ブエノス・アイレスで投函したDHL便はがき

        結局、DHL便でも26日、ほぼ1ケ月かかったことになる。

  (2) 日本からの郵便物が届いていた!!
       ホテルに戻るとAさんも戻ってロビーにいた。「おれもケチャップ強盗に2回も遭った」と世界中を
      股にかけて旅している人でも被害に遭うくらいだから海外観光旅行は初めての私がひっかるの
      は、当然と言えば当然だ。

       Aさんから、「汚れのついたシャツは紙魚(シミ)になるから洗った方がいいよ」と言われ、着替
      えを出すため預けて置いたスーツケースを受け取りにフロントに行った。すると、前の日にチェッ
      クインしたときとは違うメンバーがいて、前夜遅くに部屋の冷蔵庫から出して飲んだビールの代金
      44ペソ(620円)のレシートとともに、「MH宛の手紙を預かっています」といいながら、手紙の束を
      渡してくれた。
       まぎれもなく、甲府からホテル気付で自分あてに送った封書と年賀はがきだった。「前の日に
      チャックインしたときに尋ねたら、『届いていない』と言われたが」と言うと、「3日前に届いた」との
      答えが返ってきた。(どうなっているんだ!!)

       
            日本からのエンタイア(封書とはがき)
                ホテルのレシートも一緒

       スーツケースをAさんに見張ってもらっておいて、まずは地階にあるホテルの洗面所で着替えて
      「ケチャップ強盗」の被害に遭ったTシャツを洗濯した。

       ロビーに戻って、日本から送っておいたエンタ(封筒とはがき)をチェックしてみた。すると、全部
      が無事に届いたのではなく、一部届いていないことが判明した。

種類 到着したエンタ    1/8 甲府発分    1/17 甲府発分
発送数 到着数 発送数 到着数
封書  下の写真左   1   1   -   -
年賀はがき  下の写真右   2   0   6   6
備考   ブエノス・アイレスと
ウシュアイアのホテル気付
で発送
1/20に宿泊するウシュアイアの
ホテルは間に合わないと思い、
1/30に宿泊するブエノス・
アイレスのホテル気付
のみ発送

          
                     封書                              年賀はがき
            【白瀬南極探検50年記念切手貼】             【海外向け年賀はがき用切手加貼】

       ウシュアイアのホテル気付のように一枚も着いていないのに比べれば、一部でも届いていれば、
      『もって瞑(めい)すべし』アルゼンチンの郵便事情だ。

       そうこうしているうちにMさんが迎えに来た。「ケチャップ強盗」に遭ったことやラ・プラタの博物館
      まで高速バスで行ったこと、そして日本から送った手紙が届いていたことなどを話す。
       年賀はがきに貼られた世界文化遺産・和食の”すし”と”てんぷら”の切手を見て、「こんな
      切手がでているんだ」とつぶやくMさんから望郷の想いが伝わってきた。

  (3) さらば、ブエノス・アイレス
       エセイサ国際空港まで送ってもらい、UAのカウンタでチェックインを済ませる。Mさんと記念写真
      を撮り、チップを10米ドル渡して別れた。ここから先は世話をしてくれる人はいない。
       スーツケースを預けると、重さは21.5キロで制限の23キロに収まっていた。

          
                    Mさんと                    スーツケース重量 「セーフ!!」
                                                  【21.5kg < 23kg】

       出国手続きを済ませて出発ロビーに行ったのが19時ごろだった。飛行機の出発時間が22時
      05分まで3時間ほどある。
       ロビーには、「アルゼンチンの石」・ロードクロサイトを売る店もあるのだが、趣味に合わない磨
      き石しかなく、しかも高いのですぐに出てしまった。
       22時近くになってようやき搭乗ゲートが開き搭乗だ。

          
                「アルゼンチンの石」店                        UA818便

       搭乗した飛行機は夜のブエノス・アイレスを眼下に見て飛び立った。来る時にも立ち寄った
      アメリカのテキサス州ヒューストン空港まで11時間弱の飛行だ。

       南極の玄関口(ゲートウエー)ウシャイアへの中継地として往きと帰りに立ち寄ったブエノス・
      アイレスだった。
       「ケチャップ強盗」に遭ったり、ラ・プラタまでの一人旅そして情熱のアルゼンチンタンゴの夜を
      満喫するなど、限られた時間で存分に楽しむことができた。

       さらば、ブエノス・アイレス

  (4) 『日本郵便事情』
       さて、アルゼンチンの郵便事情についてはおわかりいただけたと思う。実はこの後、これと対照
      的な『日本郵便事情』を象徴する事件が山梨で起きていたので、一部始終をご紹介する。

       南極のポート・ロックロイから友人、知人宛に送った絵葉書は遅い人でも2月末には届いた
      ようだった。南極に出発する1週間ほど前の1月11日、東京で「鉱物同志会」の新年会があり、
      古い石友の一人・Tさんと会った。
       「南極に着いたら鉱物は採集・持ち帰りは禁止されているので、代わりに絵葉書を送ります」
      と約束した。届いたという知らせはなかったが、当然、Tさんにも届いたものと思っていた。

       2015年6月になって、Tさんから恒例の『月遅れGWミネラル・ウオッチング』に参加できない、と
      いうメールが届いた。その中に、

       「・・・・MHからの南極からのお手紙を家内と共に楽しみに待っています。・・・・」、との一行を
      読んで驚いてしまった。

       確か、Tさんと奥さんの連名で絵葉書を送ったはずだが・・・・、証拠がない。

       最近も町内会でキャンプに参加する申込書を提出した小学生の母親から、「今日、キャン
      プの説明会に行ったら、申し込みされていません」、と言われたとのクレームの電話をいただいた
      ばかりだった。
       担当役員に「先月〇日の役員会の時に申し込み名簿をお渡ししましたよね」と電話すると、
      「もらっていません」という。
       そんな、と思っても証拠がない。しばらくして、担当役員から「ありました」、ということで一件
      落着したばかりだった。

       さて、南極からの絵葉書だが、50枚からの絵葉書一枚一枚に住所・氏名・コメントを手書き
      するのは不可能だと思い、宛名ラベルを次のような手順で『合理化』して準備しておいたのだ。
       市販の住所録ソフトのデータベースをEXCELデータに出力し、絵葉書を送る人のデータを残
      して他は削除し、これを宛名ラベルに使えるようにコピペして印刷しておいたのだった。

       
              南極からの絵葉書 宛名ラベル作成手順

       これをA4サイズの用紙に印刷したら、たしか4、5枚あった。これを持参し、船の中でカッターで
      切り離し、宛名ラベルを糊(のり)で絵葉書に貼り付けたのだ。
       次のページにある50枚ほどの絵葉書の中に、Tさん夫妻宛の一枚もあったはずだ。

      ・  古希記念 南極ミネラル・ウオッチング
        2015年 南極探検旅行 【南極半島に立つ】
        ( Mineral Watching in Antarctica
          Antarctica Expedition 2015 , - Landing on Antarctic Peninsula - )

       これをまとめてエクスペディション・デスクに置いてあった「郵便Box」に投函したのは、次のペー
      ジで紹介したとおりだ。

      ・  古希記念 南極ミネラル・ウオッチング
        2015年 南極探検旅行 【南極の水晶】
        ( Mineral Watching in Antarctica
          Antarctica Expedition 2015 , - QUARTZ from Antarctica - )

       届いていない、となるとまず出したことを確認するのが先決だ。幸い自宅のPCに「南極探検」
      のホルダーを作成し、その中にこれにかかわる一切合財を放り込んである。
       絵葉書を送った宛名ラベルのEXCELデータも残っているはずだ。

       
                   宛名ラベルの一部

       調べてみると確かにTさんと奥さん連名のラベルは作成してあり、南極まで持参したから、絵
      葉書に貼り付けて投函したことは間違いない。

       だが、「Tさんの住所は千葉県なのに、埼玉県になっている!! じぇ、じぇ、じぇ〜!!

       どうやら、その上にある親族の住所と同じものをコピペしてしまったようだ。原因がわかれば、
      その対応は”昔取った杵柄(きねづか)”だ。

       1) 埼玉県の越谷郵便局に確認
           越谷市を管轄する越谷郵便局に電話し、「〇月△日、南極からの絵葉書を配達し
          たはずだが、その住所に住んでいないTさんの名前が書いてあったのでその絵葉書は
          どうなったか」と尋ねた。
           「当日配達した職員が不在なので、後ほど電話する」、と言うので一旦切った。後刻、
          「担当した職員は配達できなかったので、持ち帰ったような気がする」、という電話があ
          った。
           「あて先不明の外国郵便はどうするのか」と質問すると、「『還付不能郵便物』として、
          川崎東郵便局に集められる」ということだった。

       2) 川崎東郵便局・国際部に確認
           インターネットで川崎東郵便局の電話番号を調べて電話し、国際部につないでもら
          い、「南極から間違った住所に送った絵葉書がどうなっているか」尋ねると、「封書は差
          出人に送り返すが、絵葉書は一定期間ここで保管し、期限が切れると(溶解)処分
          するというルールです」と説明してくれた。
           「当該の絵葉書があるかどうか調べてみます」、とのことで電話を切った。

           後日、川崎東郵便局から、「お探しの絵葉書がありましたがいかがしましょう」という
          電話があり、とりあえず山梨県の自宅に送ってもらうことにした。
           こうして、私のミスで行方不明になっていた南極からの絵葉書が差出人に戻った。

          
                             宛名面

          
                         「探検船とペンギンを描く」
                        行方不明の南極からの絵葉書

       出した郵便物が届いていないアルゼンチンの郵便事情を体験した後だっただけに、差出人の
      ミスで『還付不能』となった郵便物が手元に戻る『日本郵便事情』は奇跡的に思える。

       これも、優れた日本郵便のシステムと『馬鹿がつくほど真面目』な人々に支えられているのだ
      と改めて認識し、日本が世界に誇れるものをまた一つ見つけた気がする。

       Tさんからはその後、「 ・・・・MHの南極行きの話は、子供や孫達にも話していたので、時折、
      南極の手紙は? と聞かれます。・・・・」
、と困惑のメールが入った。

       この絵はがきにお気に入りの南極の写真を何枚か添えて、即刻、Tさん夫妻にお送りする
      手はずだ。
       ( 当然、言い訳がましく、このページのコピーも添えて )

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