その代り、孫娘の誕生石の「トパズ」や嫁さんの誕生石の「アクアマリン(緑柱石)」も採れ
るかも知れない、と言葉巧みに中津川に誘導した。
GW後半の早朝山梨を発ち、諏訪SAで恒例の朝食バイキングをいただき、中津川ICを降り
たのは9時過ぎだった。まずは、「トパズ」産地の「○○○」を目指す。嫁さん、孫、そして三男
にとって初めてのパンニング体験だ。
小さなパンニング皿に入れた土砂をこね回す孫娘の姿を見ると”血は争えない”、と顔を見
合わせて微笑むジ―ジとバーバであった。
この産地も知られるようになって10年近くが経ち、パンニングしてもなかなか良品が姿を現
さない。
嫁さんや孫が飽きる前に、『サファイア』産地へ向かう。ここでのパンニングはトパズよりも
数段難しいのだが、三男が「この青いのがそうかな」、と指差す先には、まぎれもない「サファ
イア」があった。ほどなくして、私の皿にも「サファイア」が来た。
ここも、まだまだ楽しめることを確認し、産地を後にした。お昼時なので、定番の東山温泉で
入浴+ランチのセットで、汚れを落とし疲れをとり、地元の食材を美味しくいただいた。
三男の嫁さんの誕生石である「緑柱石」を見せに、中津川市鉱物博物館を訪れると、運良く
『中津川の鉱物展』が開催されていた。
「科博コラボ・ミュージアム in 中津川」、とサブタイトルがついているように、科学博物館が
所蔵する中津川産出の代表的な鉱物を展示していた。もちろん、嫁さんの誕生石のすばらし
い標本も展示されていた。
国道19号線を北上、道の駅でいつも買っている「信州味噌」を大量に買い込み、塩尻ICから
高速に乗り、無事帰宅した。
今回は、孫娘のミネラル・ウオッチング デビューだったが、ミネラルや昆虫など自然観察が
お気に入りの様子なので、先が楽しみだ。
( 2013年5月 採集・見学 )
その代り、孫娘の誕生石の「トパズ」や嫁さんの誕生石の「アクアマリン(緑柱石)」も採れ
るかも知れない、と言葉巧みに中津川に誘導した。
前の日の夕方帰ってきた三男も加わり、GW後半の早朝山梨を発ち、諏訪SAで恒例の朝
食バイキングをいただく。私たち夫婦は、シニア料金で100円安い790円、孫娘は無料だ。
現実派の三男に言わせれば、「高い」、と言うが、信州そば、温泉卵、諏訪湖のエビや
公魚(わかさぎ)、野沢菜などの地元の食材を使った料理をタップリ頂き、果物やコーヒー
まで飲めるので、朝食時ここを通る時は立ち寄るのが恒例になっているのだ。
(2) 「○○○」でパンニング
岡谷JCTで名古屋方面に向かい、高速を南下する。道は思ったほど混雑しておらず、1時
間余りで中津川ICを降りた。
まずは、「トパズ」産地の「○○○」を目指す。ここは、石友・Mさんに教えてもらい、何回
か通い、トパズや1cmを超える「苗木石(変種ジルコン)」、そして妻が「緑柱石」を採った
想い出深い場所の一つだ。
嫁さん、孫、そして三男にとって初めてのパンニング体験だ。孫は、小さなパンニング皿
に入れた土砂をこね回している。バーバが手伝ってやると。小さいトパズが姿を現した。
嫁さんのパンニング姿も様になっている。
この産地も知られるようになって10年近くが経ち、パンニングしてもなかなか良品が姿を
現さない。
嫁さんや孫が飽きる前に、『サファイア』産地へ向かう。
(3) 丸秘ポイントで「サファイア」探し
ここでのパンニングはトパズよりも数段難しいのだが、三男が「この青いのがそうかな」、
と指差す先には、まぎれもない「サファイア」があった。ほどなくして、私の皿にも「サファイ
ア」が来た。
孫娘は、私が捕まえてあげた「蜻蛉(とんぼ)」の方がお気に入りのようだ。
ここは、まだまだ楽しめることを確認し、産地を後にした。
展示案内のリーフには、「学術標本が中心ですので、特に大きな美晶ばかりではありません
が、中津川の鉱物の多様性と標本の学術的な重要性を感じ取っていただければ幸いです」、
とある。
と言いながら、5cmを超えるトパズや櫻井標本の3cmを超える「緑柱石」が展示してあり、
嫁さんも大喜びだった。
煙水晶、曹長石、蛍石、フェルグソン石、変種ジルコン(苗木石、山口石)、コランダムなど
産出がよく知られた鉱物にまじって、世界で最初に中津川市で発見された新鉱物が展示して
あった。
@ セリウムヒンガン石【HINGGANITE-(Ce):BeCe(SiO4)(OH)】
灰色、ガラス光沢の2mm弱の結晶。イットリウムヒンガン石(HINGGANITE-(Y))の
イットリウム(Y)をセリウム(Ce)で置き換えた鉱物。イットリウムヒンガン石は、1980年
代はじめに中国で発見され、原産地名の興安(ヒンガン)に因んで命名された。中津
川市蛭川でもほぼ同時期に発見されたが、タッチの差で中国の申請が早く、蛭川産
の新鉱物にはならなかった。
しかし、蛭川のヒンガン石は、イットリウムの卓越する部分とセリウムが卓越する
部分が微細な結晶集合体(累帯構造)をしている。
このセリウムが多い部分が新鉱物として認められた。
A プロト鉄直閃石【PROTOFERRO-ANTHOPHYLLITE:Fe2+7Si8O22(OH)2】
角閃石グループの鉱物で、ペグマタイト中の鉄かんらん石に伴い、灰褐色〜黄褐色
ガラス光沢の繊維状結晶が放射状集合体として産出する。
この角閃石は、それまで知られていた直閃石と結晶構造が違うことが判明し、1986
年に新鉱物として認められ、その後の角閃石グループの命名規約の改訂にともなっ
て、1997年に改めて定義された。
博物館前の「広場」では、子どもたちが水晶拾いに興じていた。孫娘にも体験させようと
したが、バーバの「温泉に入った後で、汚れるからダメ」の一言で見送った。この後、国道
19号線を北上、道の駅でいつも買っている「信州味噌」を大量に買い込み、塩尻ICから
高速に乗り、無事帰宅した。
孫娘が山梨に来た初日に、『農園』に案内した。トマト、ピーマン、なすなどの夏野菜の
苗を植えるのを手伝ってもらうと、嬉々としてナス苗を植えたり、ジョウロ【ポルトガル語の
Jarraが語源で「如雨露」や「如露」はあて字】で水やりを楽しんでいた。
【後日談】
孫娘たちが帰って20日余りが過ぎた。里山でのミネラル・ウオッチングにかまけ、油断
して水やりを怠ったせいで、トマトとナスの苗が1本ずつ枯れてしまったが、残りは何とか
根付いたようだ。
野菜の隣に、スイカ、メロン、カボチャの苗を植えようとして土を掘っていると『ケラ』が
姿を現した。
ケラは、イナゴなどと同じ直翅目の仲間らしい。このケラには子どもの頃の遊びの思い
出がある。それが少年期を過ごした茨城県地方だけのものかと思っていたら、最近読ん
だ、小泉袈裟勝の「八ヶ岳の三万年 −黒曜石を追って−」の中に、信州(長野県)の
子どもたちの間でも同じような遊びがあったのを知り、微笑んでしまった。
『 ・・・・・・・ケラは子供たちにとって実に愛嬌のある友達であった。そのギザギザの
あるシャベルのような手を、ひろげたりちじめたりするしぐさはかわいらしく、子どもは
よく 「 おとっつあ(お父さん)のきんたまどのけん(どのくらい)だ 」 とはやし、ケラが
その手をひろげるかっこうが、「 このくれえ、このくれえ 」 としていることにそっくり
なのを、またはやしたてたものである。 だから大人がこれをいくつも串刺しにして焼い
て食べるのには抵抗を感じたものである。そのころは畦(あぜ:田んぼの水漏れを防
ぐ小さな堤)に穴をあけるので嫌われたものだが、いまは見るのもめずらしくなったと
いう。 』
茨城県では、ケラを焼いて食べる習慣はなかったが、子供の遊びは似ていた。
(2) 「中津川市鉱物博物館」の展示予定
たまたま、博物館をおとずれたら、「中津川の鉱物展」が開催されていたのは、僥倖
(ぎょうこう:偶然の幸運)だった。
今後の鉱物関係の展示予定は次の通りだ。(* 都合で変更する場合あり )
・ 第17回 企画展 「北川鉱物コレクション展」(仮称)
・ 2013年7月13日(土)〜8月25日(日)
・ 内容
広島大学で鉱物学の研究・教育に携わった、故北川隆司教授の個人収集鉱物
コレクションから、肉眼で容易に観察できるような、大粒で美麗な結晶標本を約200
点展示する。
この期間内に、名古屋ミネラルショーが開催されるはずなので、その行きか帰りにでも
立寄ってみるつもりだ。