秩父鉱山中双里の鉱物

秩父鉱山中双里の鉱物

1.初めに

秩父鉱山は範囲が広く、思いもかけないところにズリや坑道が残っており
まだまだ意外性のある産地です。
そんな一つに、「中双里」があります。ここは、十数年前、東京の石友Hさんに
秩父鉱山を案内していただいたときに、「方解石」が採集できるとのことで
立ち寄り、「六角柱状」の結晶を採集しました。
今回、十数年振りに訪れ、方解石は見当たりませんでしたが、ズリで硫化鉱物が
目に付きました。
(2002年9月採集)

2.産地

甲府方面から140号線で、大峰トンネルを抜けてすぐに左折し、中津川沿いに
秩父鉱山方面に向かうと、橋を渡った川の反対側に「中双里」の集落がある。
ズリは、橋を渡った下流側の斜面にあります。
中双里のズリ【正面の斜面】

3.産状と採集方法

このズリが元々ここにあったものか、あるいはどこからか運ばれてきたのか
分かりません。
ズリの表面から錆びの来ている石を探し、ハンマで叩いて採集します。

4.産出鉱物

(1)硫砒鉄鉱【Arsenopyrite:FeAsS】
本来銀白色ですが、酸化して真鍮色になっている場合もある。特有の菱餅状結晶で
産出する。
(2)黄鉄鉱【Pyrite:FeS2】
ごく普通に産出します。同質異像の白鉄鉱【Marcasite:FeS2】も混じります。

5.おわりに

(1)わざわざ行くほどの産地ではありませんので、秩父方面のついでに立寄っては
如何でしょう。

6.参考文献

1)加藤昭、松原聡:鉱物採集の旅 東京周辺をたずねて,築地書館,1982年
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