埼玉県長瀞の砂金-Part2-

埼玉県長瀞の砂金-Part2-

1.初めに

埼玉県長瀞にある埼玉県立自然史博物館主催の「土曜おもしろ博物館」の
砂金採集に参加したが、一粒も採集できずガッカリであった。
2002年6月に長瀞の荒川で砂金採集をトライしたが砂鉄しか採取できず
今回再度挑戦し、数粒採集でき溜飲を下げることができた。
(2002年9月採集)

2.産地

砂金を採集できるのは、秩父鉄道の樋口駅から上長瀞駅の間の荒川岸に
なります。
ただし、天然記念物指定区域では採集ができませんし、荒川の川岸には民宿など
個人の家があり、河原に下りるのは思ったほど、簡単ではありません。
寄居方面からきた場合、「射撃場入口」の表示のある信号の約50m手前で
左折し、秩父鉄道の線路を渡り、約150mも行くと小さな橋があり、その側に
駐車し荒川に出ます。
荒川砂金産地

3.産状と採集方法

荒川流域は、古くから砂金の産地として知られています。砂金は、上流に
ある金鉱脈に含まれている自然金(山金)が侵食され、砂や小石とともに堆積した
ものです。
長瀞から上流約50kmには、秩父鉱山があり、閃亜鉛鉱に伴うひも状自然金を
産出し、長瀞の砂金の大部分はここ由来のものと考えられています。
長瀞の蛇紋岩には、苦灰石の脈が走っており、この中から長島乙吉氏と
櫻井博士が自然金を発見しており、一部はこのようなところから来ているのかも
知れません。
砂金は重いので、基盤岩に溜まりやすく、母岩のくぼみに堆積した土砂や窪みに
生えた雑草を根っこごと引き抜き、パンニング皿に入れ、川の水の中で静かに
ゆり動かすと、軽い土砂は流れ去り、重たい砂鉄に混じって砂金が残ります。
最後に、砂鉄と砂金をゆっくりと汰り分けます。
長瀞母岩の凹み

4.産出鉱物

(1)自然金【Native Gold:Au】
砂金は、不純物の銀などが溶け出し純度が上がり、文字通り黄金色をしています。
長瀞の砂金は、箔状でなく立体的なものが多いようです。
長瀞産砂金【最大0.5mm】

5.おわりに

(1)今回、短時間のパンニングでしたが、小さいながら長瀞の砂金を数粒採集でき
念願を果たすことができた。
(2)ここから20kmほど離れた両神村にある国民宿舎「両神荘」に宿泊した。
「おつかれサマープラン」と銘打って、期間限定で1泊2食付、税込み5,963円
(ごくろうさん)と洒落た格安料金で、疲労回復に良いとされる「薬師の湯」を浴び
採集の疲れを癒した。
地ビールや地元の「源作ワイン」などを飲みながら、地元の食材に舌鼓を打ちながら
夫婦で秋の訪れを感じたひと時でした。
「薬師の湯」

6.参考文献

1)埼玉県立自然史博物館: 自然史百科 No37 砂金-そのルーツを探る-,1990年
2)日下 英明:鉱物採集フィールドガイド,草思社,1988年
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