長瀞の自然金

長瀞の自然金

1.初めに

アメリカ経済の後退やエンロン・ショックなどを受け、長期低落傾向に
あった金価格が反転上昇傾向にある。印パ、パレスチナなど、きな臭い動きから
当面このレベルは維持するものと予想される。
金価格推移【朝日新聞広告から引用】
そこで、砂金を求めて、埼玉県の長瀞へ砂金採集に行った。10年近く前に、砂金を
採集できた場所でパンニングしたが、砂鉄しか採取できず、再度挑戦する予定です。
(2002年6月採集)

2.産地

砂金を採集できるのは、秩父鉄道の樋口駅から上長瀞駅の間の荒川岸になります。
ただし、天然記念物指定区域では採集ができませんし、荒川の川岸には民宿など
個人の家があり、河原に下りるのは思ったほど、簡単ではありません。
寄居方面からきた場合、中野上の信号で左折し、秩父鉄道の線路を渡り、左折して、荒川
に出ます。
荒川砂金産地

3.産状と採集方法

荒川流域は、古くから砂金の産地として知られています。砂金は、川上にある金鉱脈に
含まれている自然金(山金)が侵食され、砂や小石とともに堆積したものです。
長瀞から上流50kmには、秩父鉱山があり、閃亜鉛鉱に伴うひも状自然金を産出し、
長瀞の砂金の大部分はここ由来のものと考えられています。
長瀞の蛇紋岩には、苦灰石の脈が走っており、この中から長島乙吉氏と櫻井博士が自然金を
発見しており、一部はこのようなところから来ているのかも知れません。
白い苦灰石脈
砂金は重いので、基盤岩にたまりやすく、岩のくぼみに生えた雑草を根っこごと引き抜き、
パンニング皿に入れ、川の水の中で静かにゆり動かすと、軽い土砂は流れ去り、重たい砂鉄
に混じって砂金が残ります。最後に、磁石で、砂鉄を取り除くと、砂金だけが残ります。
パンニング

4.産出鉱物

(1)自然金【Native Gold:Au】
砂金は、不純物の銀などが溶け出し純度があがり、文字通り金色をしています。
長瀞砂金【埼玉県立自然史博物館資料を引用】

5.おわりに

(1)今回、短時間の採集でしたので、砂金を採集できませんでした。
「鉱物採集フィールドガイド」でも一日やって数粒なら上出来とあります。
(2)埼玉県立自然史博物館主催の砂金探しが計画されているようですので、参加して
みたいと思っています。

6.参考文献

1)埼玉県立自然史博物館: 自然史百科 No37 砂金-そのルーツを探る-,1990年
2)日下 英明:鉱物採集フィールドガイド,草思社,1988年
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