産地を離れる前、『地質巡検』、として砂岩や礫岩などの堆積岩に縦に貫入した石英
脈に水晶ができたことを皆さんに確認していただいた。
参加者の多くが、女性、子どもそして熟年男性で、露頭を叩くなど思いもよらないことで
皆さん、2年前に良品が出たポイントのズリに散らばって採集した。
ここは、すでに大勢の人が訪れ、”ズリのズリ”のようになっていて、皆さん苦戦したよ
うだが、『松茸水晶の王』の異名が定着しつつある滋賀・Oさんはじめ皆さん”標本サイズ”
を手にされたようだ。
水晶しか興味がなく、晶洞探査の”嗅覚”は私の石友の中で1、2を争う石友・ASさんと
露頭での産状観察とあわよくば採集すべく、再び訪れた。何箇所か移動しながら、ポイ
ントを探した結果、次のような2つの産状が観察できた。
(1) 堆積岩に縦に貫入した石英脈に伴うタイプ
(2) 『崩落したガマ(晶洞)』タイプ
両方の産状から、それぞれの代表的な標本を採集することができた。同行いただいた
石友・ASさんに、厚く御礼申し上げる。
( 2009年11月 観察 )
(1) 堆積岩に縦に貫入した石英脈に伴うタイプ
石英脈が太くなった部分に
黄褐色や黒色の”ガマ粘土”が
見られ、その中に水晶が産出
する
柔らかいので、ドライバーで、
”ホジホジ”すると、次々に
出てくる。
(2) 『崩落したガマ(晶洞)』タイプ
水晶が生まれたガマ(晶洞)が
崩落し、中にあった水晶が、
斜面の下に転げ落ちて、地山の
土に中に埋もれている。
地山が固く粘結しているので、
ツルハシや熊手で掘り進むと、
”ポツポツ”と出てくる。
両方の産状から、それぞれの代表的な標本を採集することができた。初めての産状
なので、石英片まで持ち帰ったが、”頭付き1級標本”は少なかった。
区 分 | 小区分 | 写 真 | 備 考 | 母岩付き | 三角柱状 |
母岩は砂岩で 珪化作用を受けている。
1面おきに結晶面が |
両錐 |
両端に錐面が 見られる。
”ファンタスティック” |
松茸 | 正常 |
”軸”の上に”傘”が ついた一般的なもの |
逆 |
”軸”の上が”先細り”に なったもの |
内包物 (インクルージョン) 入り | 銀白色葉片状 |
全体
|
磁硫鉄鉱 または 硫砒鉄鉱 と思われる。 |
気泡状 |
水(液体)と 気泡(ガス)が 内包されている。 |
”ズリのズリのまたズリ”になっているかも知れないが、まだ採れる可能性もあり
産地のその後の確認も含め、『2009年の採集納め』にでも訪れてみたいと思って
いる。
( いつ、千葉から山梨に戻れるかが問題だが・・・・・ )