長野県○○○○鉱山の「珪灰鉄鉱」









         長野県○○○○鉱山の「珪灰鉄鉱」

1. はじめに

    古い話で恐縮だが、2013年6月、恒例の「月遅れGWミネラル・ウオッチング」を開催した。初日
   に訪れた長野県の鉱山跡で、『カクタス水晶』、と呼ばれた面白い形状の水晶が採集でき、その
   人気が高く、予定を変更し参加者の半数以上が2日目も同じ産地を訪れた。

    ・ 2013年月遅れGWミネラルウオッチング
     ( Mineral Watching Tour , Jun. 2013 , Nagano Pref. )

    露頭を叩いて狭い範囲での採集だったので、叩く力がなくてあぶれた人たちはズリを掘り返し
   たりしていた。私の妻もその一人だった。休憩時間に、妻の採集品を見せてもらうと、黒色、ところ
   どころ赤茶色になっている長柱状鉱物があった。頭が欠けているが長さは4cmはある。

     
          妻が採集した不明鉱物
               【長さ 4cm】

    ここはスカルン鉱床だと聞いていたし、これだけ大きい結晶は「緑簾石」か「灰鉄輝石」だろうと
   思った。三重・O(兄)が「磁石を近づけると吸い付く」、と言うので、「緑簾石」ではなさそうだ。
    柱面のなす面角が直角よりもかなり小さく、「灰鉄輝石」でもなさそうだ。同じような結晶だが
   全体が”赤茶色に錆びた”
ものを参加者の多くが採集していることもわかった。これらも磁性があり、
   結晶系から「珪灰鉄鉱」だろう、と思いはじめた。

    実は、千葉に単身赴任していた時、ネット・オークションを見ていると、『長野県○○○○鉱山
   の巨大珪灰鉄鉱』をb*****氏が出品していた。長野県産でしかもこれだけの大きな「珪灰鉄鉱」
   は日本、いや世界的にも珍しい、と思い入札・落札した。b*****氏に産地の詳しい情報をたずね
   ると、「ある人から買ったものなので、詳しい場所はわからない」、との回答だった。

     
        長野県○○○○鉱山の珪灰鉄鉱
             【オークション品】

    オークション品がとどいたが、結晶系は良く判らなかったし、磁性の有無のチェックなど思いつき
   もしなかった。「珪灰鉄鉱」だとすると、妻や参加者の多くが採集したのもそうだと確信した。
    その後、この産地をミネラル・ウオッチングやミニ・観察会で訪れるたび、参加者にはこの産地の
   「珪灰鉄鉱」は貴重だから、できれば頭付きを是非とも採集しておくことをお勧めした。しかし、参
   加者の興味の中心は、”変わった形の水晶”にあり、露頭叩きの案内に忙しい私は「珪灰鉄鉱」を
   採集するチャンスがなかった。
    秋も深まった2013年11月、東京・Tさんと2人で産地を訪れた。Tさんは”水晶の単晶”にしか興
   味がない。水晶の方は、私が露頭を叩く下ごしらえをして、後はTさんに任せ、ときどき様子をみて、
   掘進方向などをアドバイスした。
    こうすることで、念願の「珪灰鉄鉱」ハンティングに没頭できた。大勢の人が訪れていたが、ズリ
   の泥に埋もれると見つけにくいのか、取残しがポツ、ポツとあり、それらの中には頭付きで結晶系
   が明瞭に判るものもいくつかあった。
    Tさんは、水晶の群晶、単晶を掘り出し、気に入ったものだけを持ち帰り、残った一部を私がいた
   だき、わが家の標本として大き過ぎる群晶などはいつものように次の人のために置いてきた。
    この日は、「△△山」を目指して登山に来た私と同年輩の夫婦連れが道に迷ってわれわれに
   助けを求めてきた。どうやら、車から降りて出発した地点を地図上で取り違えて行動し、迷ってし
   まったらしい。とんだところで、人助けだ。

    2014年の年賀状を多くの石友からいただいた。その中に長野・Mさんからの一枚があった。「・・
   ・・・池袋ショーの際に加藤先生に落合鉱山の石や○○○○鉱山の石を見て頂いたら一見して
   『そうですよ』、とのことでした」
、とあり、「マンガノパンペリー石」と「珪灰鉄鉱」で間違いない。

    ロシア産に負けない大きさで、ピカピカの頭付き結晶もどこかに隠れているような予感がするの
   で、2014年も、忘れられた産地を探し出し、多くの石友とミネラル・ウオッチングを楽しみたいと念じ
   ている。
    ( 2013年6月〜11月訪問 2014年3月報告 )

2. 産地

    知る人ぞ知る産地なので、詳細は割愛する。

3. 産状と採集方法

    ○○○○鉱山について、文献には次のようにある。

     『 古生層に斑糲(はんれい)岩の迸入(へいにゅう:貫入)による接触鉱床。露天掘、坑内掘。
      昭和16年試掘 昭和29年より採掘・稼働中 現在(本の出版は昭和33年)、月産2,000トン。

       産出鉱物( ○印 主産鉱物 )
        ○ 磁鉄鉱
        ○ 珪灰鉄鉱
        ○ 磁硫鉄鉱
           灰鉄輝石
           柘榴石
           方解石
           石英
           珪灰石
           異剥石
(Diallage=異剥輝石:現在では、透輝石の一種)
           サーラ輝石(Salite:現在では、鉄を含む透輝石)                      』

    何のことはない、文献には「珪灰鉄鉱」がこの鉱山の主要な鉱物の一つとある。ただ、気になる
   のは「灰鉄輝石」も出る、とあることだ。

    ここには、現在でも入坑可能なシッカリした大きな坑道が何本か残っており、露天堀り跡には試
   掘跡と思われる”くぼみ”があり、その前方には、”ズリ”がある。
    「水晶(石英)」は、露天掘り跡の露頭をハンマーとタガネで叩いて、「珪灰鉄鉱」は”ズリ”を熊手
   などで掘って採集する。

     
           「珪灰鉄鉱」の採集方法

    ”ズリ”の山土の中に、捨て石が層を成して堆積しているので、これを探しだせば良品を得られる
   可能性が高い。

4. 採集鉱物

 (1) 珪灰鉄鉱【ILVAITE:CaFe2+2Fe3+O(Si2O7)(OH)】
      自形は斜方柱状。新鮮なものは緑黒色亜金属光沢を示すが、現在採集できるものはほとん
     どが、表面は鉄(Fe)が錆びて”赤茶色”になっている部分もあるが、立派な結晶だ。ちなみに、
     英語名は、イタリアのエルバ島に因んで名付けられた。

      比較・研究のために、ロシア・ダルネゴルスク産の「珪灰鉄鉱」を自宅近くのショッピングモー
     ルにある「クリスタル・ワールド」で購入した。比べてみると、表面の光沢では若干落ちるが、
     大きさでは圧倒していて、日本離れした大きさだ。

          
             連晶               単晶
           【長さ56mm】          【長さ33mm】          【長さ33mm】
                長野県○○○○鉱山産             ロシア・ダルネゴルスク産
                               「珪灰鉄鉱」

 (2) 水晶(石英)【QUARTZ:SiO2
      ここでは、『カクタス(サボテン)水晶』が採集できるという触れ込みで訪れたのだが、採集で
     きたのは、蛇口から勢いよく噴き出した水の形に似た『スプレー水晶(Spray QUARTZ)』、『松
     茸水晶(Scepter QUARTZ)』、『山入り水晶(Phantom QUARTZ)』、『星(球状雲母)入り水晶
     (QUARTZ including Muscovite) 』、そしてインクルージョンとして黒〜緑〜青の毛状結晶を含
     むものもある。

        
              「スプレー」             「松茸」
             【長さ60mm】            【長さ48mm】

        
         「山入り」          「星入り」
        【長さ51mm】       【長さ37mm】

                 各種水晶

 (3) 黄鉄鉱【PYRITE:FeS2
      この産地では、偏平な”ソロバン玉石状”の黄鉄鉱が産出したらしい。某氏が露頭を叩き晶
     洞が開いたとき、一度産出しただけらしい。その標本の一部が、巡り巡って湯沼鉱泉のお姐さ
     んのところにあると聞きつけ、半ば強引に”母岩付き綺麗な柘榴石”と交換してもらったのが
     下の写真のものだ。

     
                 黄鉄鉱
               【横 30mm】

      形からして「磁硫鉄鉱」かとも思ったが、磁性はないし、表面に”塗(まぶ)した”ように最大
     辺長3mm、六面体の黄鉄鉱結晶が付いている。

5. おわりに

 (1) 「珪灰鉄鉱」は二面相!?
      この産地で妻が採集した不明鉱物が「珪灰鉄鉱」だと結論を出すまで、少し時間がかかった。
      以下、私の鑑定眼のなさの言い訳です・・・・・ 。

      たしか2004年に、恒例のミネラル・ウオッチングで奈良県の山奥の産地を訪れたことがあっ
     た。このとき、兵庫・Nさんの奥さんから、「MH、この黒い光っている鉱物は何ですか?」、と尋
     ねられ、ひと目見て、「珪灰鉄鉱ですよ」、と鑑定したことがあった。

      ・ 奈良県川迫鉱山の灰鉄ザクロ石と緑水晶
       ( Andradite and Green Quartz of Kouse Mine , Tenkawa Village , Nara Pref. )

      妻が採集した標本は、それまで、岐阜県洞戸鉱山梅保木坑など国内の産地でみたルーペ
     サイズの「珪灰鉄鉱」に比べ、見たこともない大きさだ。外国産でもこんなに大きいのは少ない。
     『 弱いながらも磁性があるのも変だし、こんな大きな「珪灰鉄鉱」が日本で採れるはずがない。
      「灰鉄輝石」なら、同じスカルン鉱床の甲武信鉱山で20cmクラスを採集しているからあり得る
      ・・・・ 』
、という訳で、判断が鈍ってしまった。

      もうひとつ、「珪灰鉄鉱」の結晶系が曲者(くせもの)だ。手元にある何冊かの鉱物図鑑類を
     開いてみると、「珪灰鉄鉱」の結晶系を次のように記述してある。

   出  典     著  者     結 晶 系 出版年
日本産鉱物型録 松原 聡ほか 斜方晶系、単斜晶系 2006年
日本の鉱物 増富地学会館監修 斜方晶系、単斜晶系 1995年
スカルン鉱物読本 加藤 昭 単斜晶系、(擬斜方晶系) 1999年
地学事典 地団研 斜方晶系昭和45年
(1970年)

      50年以上古いものでは「斜方晶系」、となっているが、ここ15年くらいの文献では3冊とも、
     『 単斜晶系と斜方(擬斜方)晶系の2つの結晶系のものがある 』、ように書いてある。
      『同質異像』を持ち出すまでもなく、結晶系が違うなら、別々の鉱物名にしておいても良さそう
     だ、などと変なところに矛先が向かう。

      加藤先生の「スカルン鉱物読本」には、次のようにあり、通常の観察条件では、「灰鉄輝石」
     や「緑簾石」と同じ「単斜晶系」、とみなしてよさそうだ。

       『 ・・・・斜方相の存在は不確実になりつつあります。ただ、高温条件下で、単斜から斜方
        への転移があることは確実です。・・・・・                              』

 (2) ○○○○鉱山産「珪灰鉄鉱」の磁性の謎
      鉱物図鑑を見ても「珪灰鉄鉱」に磁性があるとは書いていない。現に、ロシア・ダルネゴルス
     ク産のものに、強力なネオジム磁石を近づけるとかすかに吸いつく気配を示すが、普通の磁力
     をもった磁石を近づけてもほとんど反応しない。○○○○鉱山の「珪灰鉄鉱」はどうなっている
     のだろう。
      地学事典には、『 珪灰鉄鉱は、変質して「褐鉄鉱(ゲーテ鉱)」になる 』、とあるだけだ。確か
     に、まるで「褐鉄鉱」を思わせる外観のものも多い。

      石友・Mさんからの年賀状には続きがあった。「・・・・珪灰鉄鉱は、やゝ「磁鉄鉱」化している 」

      磁石に反応する理由(わけ)は判ったが、どのようなメカニズムで磁鉄鉱化したのかは、新た
     な謎だ。2つの鉱物の化学式を比較してみる。

      珪灰鉄鉱 CaFe2+2Fe3+O(Si2O7)(OH)

      磁鉄鉱   Fe2+2Fe3+O4

      カルシウム(Ca)や水酸基(OH)は雨水などに溶けて抜けるだろうが、Si2O7と、どのように
     分離するのか、謎は深まるばかりだ。
      この産地の近く(地質的な距離で)に、「磁鉄鉱」で有名な産地もあるのだが・・・・・・・。

 (3) クリーニングの失敗
      この産地の「珪灰鉄鉱」を採集した石友の多くがクリーニングに挑戦したようだ。真っ黒い
     ピカピカの結晶に大変身することを期待して塩酸に漬けたKさんは、「 白っぽくなっちゃって。
     トホホ・・・・・・」、状態だったようだ。
      「珪灰鉄鉱」は新鮮なものでも『 酸に漬けると、ゼラチン化する 』、と「地学事典」にあるし、
     ましてや「褐鉄鉱」まがいに変質したものはこの産地の赤茶色の水晶が塩酸に漬けておくと
     写真のような”ピカピカ”水晶に大変身することからお判りになるように、禁物だ。

      そこで、私が編み出したクリーニング法は、表面の突起を”ダイヤモンド平やすり”でけずり落
     した後、スチールのワイヤブラシでこする、というものだ。結晶の表面には、長軸(C軸)方向に
     条線があるので、これを傷つけたり新たな条線をこしらえたりしないよう方向と力の加減が要求
     される。
      そして、忘れてならない仕上げは、”鼻の脂”ならぬ”オリーブオイル”(本当は”椿油”を使い
     たいが高いので諦めた)をティッシュにしみ込ませて薄く塗りつけ、最後に使い古したやや硬め
     のナイロン歯ブラシで擦(こす)るというものだ。

 (4) 大雪遺文

  1) わが家の耐荷重
      大雪を心配した多くの石友からメールや電話をいただいた。兵庫・N夫人から、「MHのお宅は、
     鉱物標本と蔵書の重みに雪の重さが加わって大丈夫ですか?」、と心配していただいた。
      114センチの積雪だと、普通の広さの屋根で雪の重さは、11.4トンになるとNHKで気象予報
     士・南さんが説明していた。

     
             屋根にかかる雪の荷重
            【NHKの天気予報より引用】

      わが家では、1階の障子の開け閉めが渋くなったが、幸い壊れるまでには至らず、雪が解け
     ると障子の開け閉めも元に戻った。
      ということは、さらに11トンくらいの荷重をかけても倒壊はしないということだ。鉱物標本や蔵
     書をもう少し増やしても荷重的には大丈夫だが、孫娘たちが泊りがけで遊びに来ても、”立って
     寝る”ようになりそうなので、Y農学士を見習って、コレクションと蔵書の整理を始めたところだ。

  2) いつものことです『想定外』と『自助(Self Help)』
      今回の大雪で、JR,高速道路、国道が遮断され、甲府盆地は丸三日間、”陸の孤島”と化した。
     なぜこのような事態になったのか、関係部署で検証作業が進められているが、異口同音に
     でてくるのが、いつもの『想定外』だ。

      2013年正月早々の大雪で、わが家の枇杷の木が折れ、隣家の物置に倒れかかり、週末に
     単身赴任先から戻って、折れた枝を切ったことをHPに掲載した。

      ・ 『 星石 』
       ( ” Stone carved Star ” , Fuefuki City , Yamanashi Pref. )

      今回の大雪でもビワの木が折れないか気がかりだった。そこで、数時間おきにビワの木を
     ゆすって積った雪を落す作戦を実行した。ウインドブレーカーを着て頭からスッポリ覆ったつもり
     でも”ドサッ”と雪が落ちると舞い上がった細かい雪が服についたり長靴の中に入ってしまい
     往生した。その甲斐あって、ビワの木の枝が折れることもなく済んだ。

      山梨県では、ブドウやきゅうりなどのビニールハウスが潰れて、農業被害が70億円を超える、
     と報じられている。
      16年前にも山梨県では大雪でビニールハウスが潰れて大きな被害が出たらしい。テレビで
     は、この時の教訓が生かされたのかを検証していた。

         
                          16年前の大雪被害の教訓
                          【UTYのニュースより引用】

      ビニールハウスが潰れた農家の比較的若い方がテレビのインタビューに答えていた。この方
     の家では、16年前の大雪でブドウ棚をはじめビニールハウスが潰れた。この方は、『二回つぶ
     してはマズイ』、との思いが強かった。結果的に、露地栽培のブドウ棚と木は大丈夫だったが、
     ビニールハウスは潰れ、実を付けていたブドウの木も折れたり寒さで枯れてしまったようだ。

      ・ 露地栽培が無事だったのは、私と同じように、何時間かおきに、木をゆすって雪を落した
       のが奏功した、と語っていた。
      ・ ビニールハウスはハウス内の温度を目いっぱい上げて雪を溶かそうとしたが、溶けるより
       積る方が早くて、雪の重みで潰れた。木はダメになるが、建設費の高いフレームを助ける
       ためには、早い時点でビニールを破る、という決断をしなければいけなかった、と残念がっ
       ていた。

      この方の話を聞いていて、農業(果樹栽培)を『経営』、その中でも一番難しい『危機管理』の
     視点で捉えて営農している姿勢に清々しさを覚え、このような人のためなら税金を使っても
     やむなし、と思った。
      一方では、△△組合の幹部が、「国や自治体で何とかしてくれ」、と泣きつく姿を画面で見る
     と、情けなくなる。ルース・ベネディクト女史が、「菊と刀」の中で、日本文化の特有な点や日本
     人特有の精神構造などを分析し、『恥の文化』、と書き残している。「2回も同じ失敗をするのは
     恥ずかしい」、との思いに通じるものだ。

      明治維新後、「西国立志伝」がベストセラーになった。この本の内容は、”サクセス・ストリー”
     だ。主人公の多くが、『自助(Self Help)』をモットーにして、苦難を乗り越えて行く姿に≪当時の≫
     日本人は精神を揺さぶられ、それを見習って短い期間の内に、日本らしさを残しつつ、西洋に
     追い付くまでになったのだろう。

      【蛇足】
       「自助」で思い出す事がある。東日本大震災の後、M元復興相が辞任に追い込まれた。
      M県を訪問した時の発言などが問題視されてのことらしいが、私には、なぜ辞任しなければ
      ならないのか、理解できなかった。
       その場に居合わせていたわけでなく、テレビを通じての観察では、次のように見えた。

       ・ 大臣が待っているところに、”鳩が豆鉄砲を食った”ようにアタフタと県知事が遅れて入っ
        てきた。
       ・ 大臣は県知事に向かって、「お客より遅れてくるとはどういう積りか」
       ・ 復興支援についての発言は、「自助する気がないなら、支援しない」、と受け取れた。
       ・ 県議連中は、”知事は悪くない”と支持していた。

       このやりとりを見て、若いころの出来事を思いだした。あれは、私が技師(係長クラス)に
      なったかならないかの30代前半だった。私たちの工場(日本的な表現だ)に現皇太子殿下が
      行啓された。過剰な警備は不要とのことだったが、万一を慮(おもんぱか)って、自衛消防隊
      員を要所要所に配置した。教育班長だった私が、正面玄関の内側で待機していると、当時の
      M社長が入ってこられた。皇太子殿下がお着きになる1時間以上前だった。すぐに出て行か
      れたので、「あれ?、と思い、後を眼で追うと来賓用トイレに入られ、すぐに出て来た。用を足
      した様子はない。また、廊下を別な方向に歩いて行かれたので、眼で追うと、もう一か所の
      来賓用トイレに入り、すぐに出て来た。
       当時は「トイレを見ればその会社が判る」、と言われた時代だ。M社長みずから、トイレに
      まで不都合はないかを事前にチェックしていたのだ、と合点した。

       民間企業の社長は、来客より早く来て、出迎える準備ができているかチェックするのに、
      県知事の”何さま”の態度と後手後手の対応を見比べてみて、これが”官”なのか、と考えて
      しまった。
       仮に、来客が”癖のある人”だとしたら、その癖を事前に調べて対応するのが、本当の意味
      の”おもてなし”のはずだ。
       ( 好きなタレントの一人、珍獣ハンター・イモト初主演のテレビドラマ「最高のおもてなし」が
         今夜放送される。 M県知事にも観てほしいものだ。イモトもMedurashii-kemono Hunter
         つまり、MHだ。 )

       4歳になって間もない千葉と横浜の孫娘は、ひらがなを読んだり書いたりできるようなり、
      手紙をくれることがある。母親の入れ知恵なのか、「○○がほしい」おねだりや「やまなしに
      いくね」、とか、ジージとバーバが喜びそうなことが書いてある。

       文字が読めるようになった、”孫への手紙”も兼ねて、HPを綴っている。

6. 参考文献

 1) 藤本 治義:南佐久郡地質誌,南佐久教育会,昭和33年
 2) 地団研地学事典編集委員会編:地学事典,平凡社,昭和45年
 3) 益富 寿之助:鉱物 −やさしい鉱物学− ,保育社,昭和60年
 4) 益富地学会館監修:日本の鉱物,成美堂出版,1995年
 5) 加藤 昭:スカルン鉱物読本,巻頭鉱物同好会,1999年
 6) 加藤 昭:ペグマタイト鉱物読本,関東鉱物同好会,2000年
 7) 松原 聰、宮脇 律郎:日本産鉱物型録,東海大学出版会,2006年
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