岐阜県瑞浪市化石博物館の鉱物

        岐阜県瑞浪市化石博物館の鉱物

1. 初めに

   私が訪れてみたいと思いながら、今まで訪れていなかった「博物館」の1つが岐阜県
  瑞浪市にある「瑞浪市化石博物館」である。
   瑞浪市では、昭和48年(1973年)ころ、中央自動車道の工事の際、多量の「琥珀
  (こはく)」が出土し、それらを磨いて調べてみると、いろいろな昆虫が入っていることが
  わかり、一躍脚光を浴びた。
   これらの出土品を収納するために「博物館」を建設した、と聞いている。ここは、その
  名の通り、展示の中心は化石だが、神岡鉱山や苗木地方の鉱物も展示してある。
   ここで見た「苗木地方のコランダム(サファイア)」が眼に焼きついて、うなされそうです。
   化石博物館で許可を得ると、ここから南方、1.2kmの土岐川の河原の「野外学習地」
  で化石採集を体験することができる。
   人気の高い「ビカリア」は難しいにしても、2枚貝の化石は子どもでも簡単に採集でき
  稀に巻貝の化石も採集できる。さらに、木が炭化した部分の空隙に成長した微細な
  「石膏」を採集できた。
   このページを公開すると、埼玉県の石友・ASさんには 『 Fossil(化石) Hunters に
  変身ですか 』
 と、冷やかされそうです。

   ここは、子どもさんを連れて訪れるのに最適な博物館の1つだと思います。

    開館時間: 9:00〜17:15 (入館は16:45まで)
    休館日  : 毎週月曜日と祝日の翌日
           (GW,年末年始など 0572-68-7710 に問い合わせ)
    入館料  : 一般    200円
            小中学生 100円

  ( 2006年3月訪問 )

2. 場所

   中央道、瑞浪ICのすぐ近くで、「高温石英」で知られ、私のHPにも紹介してある
  「あけ世温泉」も近くです。

       
          建物                  入場券
                「瑞浪市化石博物館」

3. 展示内容

 3.1 常設展示
     案内パンフレットによれば、化石博物館の展示テーマは、2000万年にわたる瑞浪
    地域の自然の変遷を、化石や地質をもとに復元していることらしい。
     瑞浪地域からは、貝類、魚類、哺乳類、植物など1,000種類に及ぶ化石を産出して
    おり、かつてこの附近一帯が海であったことを教えてくれる。

    ■ メインテーマ
      ・ 瑞浪の地質と化石
      ・ コハクと昆虫の世界
      ・ 地のめぐみ
      ・ 瑞浪の自然 など

    ■ サブ゙テーマ
      ・ 瑞浪化石の分類
      ・ 化石のいろいろ
      ・ 岐阜県の地質と化石 など

     私が目的とする「鉱物」に関するものとして、岐阜県内にある(あった)神岡鉱山などの
    鉱石や近くの苗木地方のペグマタイトや希元素鉱物などが展示されている。

         
          岐阜県内の鉱物              苗木地方の鉱物
                     鉱物関係の展示

       苗木地方の鉱物の中で、目を引いたのは、丸箱の中に収められた、六角板状で
    青色の光りを放つ『鋼玉(コランダム:サファイア)』であった。

 3.2 野外学習地
     化石博物館で許可を得ると、赤いリボンと許可証を渡される。これをもって、館から
    南方、1.2kmの土岐川の河原の「野外学習地」で化石採集を体験することができる。
     人気の高い「ビカリア」は難しいにしても、2枚貝の化石は子どもでも簡単に採集でき
    稀に巻貝の化石も採集できる。

         
           採集風景       タマツメタガイ(Euspira meisensis)
                   野外学習地
                

4. 採集鉱物

 (1)石膏【Gypsum:CaSO4・2H2O】
     透明、ガラス光沢を示す柱状結晶が樹枝状に成長している。ここで採集できた
    唯一の鉱物である。
     木が炭化したような部分の空隙に成長した微細なものである。

      石膏

5. おわりに

 (1) 博物館で販売している「瑞浪の自然」によれば、瑞浪地方の鉱物資源として有名な
    ものは、花崗岩にともなう長石と花崗岩が風化した陶土である。これらは、近くの
    多治見市などに送られ、タイルや陶磁器原料として、この地方の窯業産業を支えて
    いることは、ご承知の通りである。
     今まで、私が知らなかったのが、亜炭とウランである。

 (2) 亜炭
     第二次世界大戦の前後、瑞浪市内だけでも数十の亜炭鉱山があり、重要な
    燃料資源として採掘されていた。亜炭は、瑞浪層群の最下部、土岐夾炭層の上部に
    含まれ、瑞浪市から土岐市にかけて、約2,000万トンの埋蔵量があると推定されて
    いる。
     発熱量は、4,500kcal/kg 程度で、亜炭と言うより、「褐炭」と呼ぶべきものらしい。
     1957年(昭和32年)ころから、石油製品に押されて、亜炭鉱山は衰えはじめ、現在
    では、ほとんど残っていない。

 (3) ウラン
     1962年(昭和37年)、土岐市で東濃地方として初めてウランが発見され、その後
    瑞浪市月吉鉱床などが発見された。
     月吉鉱床では、地下数百mまでのボーリング調査にもとずき、坑道探査も行われ
    閃ウラン鉱、燐灰ウラン鉱など、7種類のウラン鉱物とが確認された。
     ただ、われわれが、採集できる場所では、なさそうです。

 (4) 展示品のなかで、一番目についたのが、丸箱の中に収められた、六角板状で
    青色の光りを放つ『鋼玉(コランダム:サファイア)』であった。
     苗木地方で、お眼にかかりたいものと、念じる日々である。

6. 参考文献

 1)瑞浪市化石博物館編:瑞浪の自然 改訂版 ,同館,1995年
 2)瑞浪市化石博物館編:化石を調べるショートコースA,同館,2006年
 3)瑞浪市編:瑞浪市民公園 ミュージアムガイド ,瑞浪市,2006年
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