そんなことも重なって、2週間ぶりに、産地を訪れた。
産地が分からず捜していたという、高崎市のTさんも途中から加わり
賑やかなミニ採集会となった。
栃木県の石友Tさんが前回お会いしたときに ”来るたびに指数関数的に
採集が難しくなる”と言っておられた通りですが、それでも皆さん何とか
双晶は採集できた。
(2003年5月採集)
Tさんの説では、日本式双晶が成長するキッカケとなりうるのは
鉄(Fe)やアルミニュム(Al)のイオンとのことで、ここでは黄鉄鉱と
”武石”が頻繁に目に付き、肯けます。
ここでの、採集方法は、半ば坑道となっている露頭を掘り込んで
晶洞部分を捜すか、林道工事や先の採集者が崩した露頭の崩落土砂を
表面採集したり、フルイ掛けして採集します。
坑道を観察しましたが、皆さん入って叩こうという気にはならず
Kさんの息子のS君が坑道脇の露頭を叩く程度で、早々に、ズリ採集に
移りました。
右側の沢には水が流れているのに気付き、水の中でのフルイ掛けも
トライし、高崎市のTさんが最初のフルイの中から双晶を発見し
幸先良いと思われたものの、後が続かず、地道に表面採集か
ズリ採集が良いようです。
4. 産出鉱物
4.1 日本式双晶
ここで採集できる双晶として、各種の形態が報告されています。
(1)日本式双晶(単一双晶)
@V字形(蝶形、ハート型、軍配形など一般的な双晶)
Ay字形
BX字形
(2)日本式3連双晶
@キの字形
A鳥形(60°形、120°形)
B変形鳥形(0°形、60°形、120°形)
C貫入形
(3)日本式4連双晶
(4)松茸水晶の日本式双晶
私が採集した代表的な双晶と水晶の写真を示します。
ここの水晶には、角閃石(?)らしきインクルージョンを含むものもあり
単晶、双晶とも緑色を帯びたものがあります。
4.2 その他の産出鉱物
(1)黄鉄鉱【Pyrite:FeS】
自形結晶や脈状で産出します。武石に変化したものも多く、8面体をなす
ものもあり、錆びたり、武石になっているものは、一見すると、磁鉄鉱や
柘榴石と間違います。