山梨県六郷町三沢川の碧玉

山梨県六郷町三沢川の碧玉

1.初めに

山梨県西八代郡六郷町の富士川と三沢川の合流点付近で碧玉を採集したことがあり
約10年ぶりに訪れ、標本を採集できた。
(2002年7月採集)

2.産地

ハンコ(印鑑)の町として有名な山梨県西八代郡六郷町付近で富士川にかかる
峡南橋の下流で富士川に合流する三沢川の河口付近が碧玉の産地です。
県道9号線の三沢川に掛かる橋を渡り、南詰めですぐに右折し川岸に駐車し、
産地まで約100mです。
三沢川の碧玉産地【橋の南詰から】

3.産状と採集方法

ここの碧玉は、三沢川の左岸の壁面と左岸よりの川床に突き出ている
石英安山岩質の火砕流堆積物(凝灰角礫岩)に杏仁状やポケット状に胚胎している。
凝灰角礫岩の表面を注意深く観察すると、3〜10cmの深緑色の丸みを帯びた
岩片の断面が見つかります。
これを、ハンマとタガネでかき採ります。

4.産出鉱物

(1)碧玉【Jasper:SiO2】
鉄質石英の一種で、緑色は酸化鉄の影響とされています。ここの碧玉は、表面にだけ
酸化鉄が凝集し緑色を呈し、内部は透明な石英のものと、酸化鉄が内部にも均一に分布し
破断面全体が貝殻状で暗緑色の弱い脂肪光沢を示すものの2種類がある。
三沢川の碧玉

5.おわりに

(1)碧玉は、佐渡両津市赤玉産の通称”赤玉”と島根県玉造産の”青碧玉”が
有名です。三沢川の碧玉は玉造産のものと同じ青系統ですが、図鑑で見た玉造産の
ものより緑色が鮮やかな感じがします。

6.参考文献

1)益富地学会館監修:日本の鉱物,成美堂出版,1994年
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