2015年から、会場が最上階7階の大会議室に変更になったので、10時半の開場の時間に
なると2台のエレベーターがフル稼働で人々を運ぶ。(階段が使えない!?)
いつもながら狭い会場に出店数が多く、人気のブースは黒山の人だかりで、標本を手にとっ
て見るまで、しばらくの間待たなければならないほどだった。
ざっと見て回ると、ここ2、3年の傾向だが新しい産地の標本が少ない。家を出る時に、妻に
言われた、『もう、置く場所がありませんよ』、という声が聞こえてきて、3点ほど購入して、新宿
のミネラル・ショーに向かった。
( 2015年6月 現金採集 )
ここで、売られているのは、次のようなものであった。
(1) アマチュアが自力で採集した国産鉱物や化石
(2) 外国(中国など)産の鉱物・宝石・化石
(3) 文献・図書・標本ケース・切手・写真など
当然、国産鉱物標本のブースは黒山の人だかりで、外国産鉱物標本、化石、宝石のコー
ナーはあまり人気がなく、気の毒なほど閑散としていた。
最近、(再?)発見された新産地の情報を入手できるのもこのマーケットの特徴のひとつだっ
たが、・・・・・。
@ 収集テーマ品・・・古い文献やそれに記載されている産地や山梨県周辺の産出標本、
そして、すでに採集している他の産地の標本との比較用
A 新奇品・・・・・・・・初めて見聞きする産地あるいは標本
B 見本品・・・・・・・・今後、産地を訪れる際の産状見本(採れなかったときの保険)
C 残念品・・・・・・・・産地を訪れたが、採集できなかった。(含む、行き着けなかった産地)
あるいが、採集禁止や絶産などで、今後も採集できそうにないもの。
D 贈呈品・・・・・・・・石友への贈呈用(恒例のミネラル・ウオッチングのオークション用)
今回、購入したのは次の3点で、総額 2,000円余りだった。
No | 区分 | 鉱 物 名 | 産 地 | 写 真 | 説 明 | 1 | @ | マンガノコルンブ石 | 山梨県 黒平 (くろべら) |
横 80mm |
分析済みとのこと。 マンガン(Mn)のほかに 微量のスカンジウム(Sc) を含む。 |
2 | @ | 珪灰鉄鉱 | 長野県 竜王第二鉱山 |
結晶面が見える部分 【長さ 5mm】
|
過去に柱状結晶を
2014年に買いそびれた
この標本には、磁性がない。 |
3 | A | 金雲母 | 朝鮮 遂安鉱山 |
径60mm |
朝鮮の雲母鉱山の 絵葉書を入手していた ので標本を入手 |
話を聞くと、「菱マンガン鉱」は、昔働いていた坑夫から譲り受けたものだ。「山の尾」の
標本は、20年近く昔、私が茨城県に単身赴任していたころ、「山の尾」に行くとTさんに何
回か会った。
一人で黙々とズリを掘っていて、「俺は宝石級のしかいらないから、持っていけ」、と緑柱
石の母岩付や単晶をいただいたことがある。その当時の「宝石級ベリル」のようだ。
『続々と新産地』は昔話になってしまうのだろうか?
(2) 『石友との出会い』
会場で肩を叩かれ、振り返ると古い石友・愛知のKDさんだった。石友・Kさんも一緒だっ
た。ひとしきり、南極の話をした後、HPに載せた甲武信鉱山の話になった。
・ 長野県甲武信鉱山『四坑(しこう)』の鉱物
( Minerals from No 4 shaft of Kobushi Mine
Kawakami Village , Nagano Pref. )
湯沼鉱泉社長から、この産地を見つけたのは、Kさんだと聞いてはいたが、本人の口から
発見当時の生々しい話を聞くことができた。
私が、甲武信鉱山が初めてのKさんを案内したのは、平成5年ごろだから、20年以上昔
だ。その後、Kさんは一人で甲武信鉱山を探査するようになり、この坑道で小さな針水晶
を見つけ、その壁を叩いたら、平板草入り日本式双晶が10枚以上ついたクラスターを採集
した。
社長も言うように、「産地を探すのに興味があって物欲のない」Kさんは、何人かに産地を
教え、駆け付けた東京・H氏、愛知・H氏、滋賀・K氏などが良い標本を採集したらしい。
それは、20年も昔の話だ。
会場では、『月遅れGWミネラル・ウオッチング』を楽しみにしてくれているMs.Tさんや名古
屋のTさん一行にもお会いした。
(3) 『MH農園』
本格的なミネラル・ウオッチングシーズン到来だ。フィールドに出るのに気になるのが『MH
農園』の野菜たちだ。
5月は例年になく夏日が多い上に雨が少なく、苗が枯れないように毎日のように水やりに
行っていた。
『日照りに飢饉なし』のことわざ通り、水さえやれば、作物の出来はまずますずだ。昨年の
晩秋に植えた「ニンニク」と「赤玉ねぎ」の収穫が終わった。「ニンニク」は一年分が確保で
き、台所に吊るしてスパイスとして大活躍だ。
「赤玉ねぎ」は、サラダや冷奴の薬味として重宝している。
春になって播いた種や苗も順調に育っている。トマトは3段目まで花が咲き、今年も10段
に挑戦だ。スイカは、植えた後の台風並みの強風で苗が折れ、何回か植え直したが、よう
やく根付いたようだ。夏のミネラル・ウオッチングには食べていただけそうだ。
畑には、オーバーだが『(雑)草一本生えていない』状態まで仕上げたので、心置きなく
ミネラル・ウオッチングに出られそうだ。