@ 八岡(ようか)海岸
太海(ふとみ)のメノウ
A 嶺岡グリーンライン(林道)の露頭
@の2箇所については、既に訪れ、HPに記載したように、各種の代表的な
標本が採集でき、産地は健在である。
2008年3月、「平久里のゾノトラ石」、「平久里の自然銅(赤銅鉱)」の採集が終
わり、時計を見たら、まだ11時前だったので、前々から訪れてみたいと思って
いた嶺岡林道を訪れた。
林道の入口で迷ってしまったが、林道沿いには「採石場跡」「ニッケル鉱山跡」
「古い切り通し」そして「新たな露頭」などがあり、それぞれの場所でのミネラル
・ウオッチングを楽しむことができた。
この林道は、嶺岡山地の頂上部分を縫うように走っており、”平坦”という千葉県の
イメージとだいぶ違っている。林道の終点近くからは、太平洋の広々とした海原も
眼下に望め、ドライブコースとしてもお奨めである。
( 2008年3月採集 )
「鉱物採集フィールドガイド」の初版が出版された1982年から既に25年以上の
年月が過ぎ、産地は大きく変貌している。
@ 写真にある切り通しはどこかわからなかった。
多くの切り通しは、新鮮な露頭が観察できず、採集意欲が湧かなかった。
A 「ニッケル鉱山跡」には、新たに工場が建っているが、”ズリ”と思われる
堆積層は確認できた。
逆に
B 2万5千分の1の地形図にあり、「フィールドガイド」に載っていない
「採石場跡」はパラグライダーの滑走路になっており、ここで沸石が採集
できる。
C 林道脇の斜面を重機で整地していて、作業員の方の了解を得て、沸石
類が採集できる。
C新露頭
産地
No | 鉱 物 名 (英語名) | 組成・化学式 | 標 本 写 真 | 備 考 | @ | 方沸石 (ANALCIME) | NaAlSi2O6)・H2O |
全体 拡大 | ”コロ”っとした粒状 輝きが強い 偏稜24面体 |
A | 濁沸石 (LAUMONTITE) | Ca4Al8Si16O48・18H2O |
白色脈で産出 粉状になりやすい |
B | 磁鉄鉱 (MAGNETITE) | FeFe3+2O4 |
脈状で産する< 糸付き磁石を 吸引する
ペントランド鉱や
アワルワ鉱は |
「鉱物採集フィールドガイド」には、ニッケル鉱山跡で、母岩の蛇紋岩の中に
顕微鏡的な微細なものだが「ペントランド鉱【PENTLANDITE:(Fe,Ni)9S8】」や
「アワルワ鉱【AWARUITE:Ni3Fe】」が採集できるとある。
何回か通えば、幸運の女神が微笑んでくれるかも知れない。
桜井先生の名言 『古川に水絶えず』 を信じて
(2) パラグライダー
嶺岡山浅間の南にある採石場跡は、パラグライダーの滑走路になって
いる。この日は風待ちの老若男女が10名近くいた。
私が”地虫”のように地面だけ見ながら、あちこち掘り返したり、岩を叩
いているのを”鳥類”の彼らは興味深そうに眺めていたようだ。
その中の一人が、「何を探しているんですか?」と話しかけてきた。「キラ
キラ輝く”方沸石”という鉱物を探しているんです」と答えたが、全く反応が
なかった。