居合わせた新潟県の石人によれば、”第一ズリ”のズリ石が工事用に持ち出され
たそうで、緑色、青色の2次鉱物はめっきり少なくなっていた。
”第ニズリ”を中心に採集したが、Tさんによれば、「10年前に比べ、2次鉱物は
激減している」らしい。確かに、2005年の時に比べても少なくなっている感じがし
た。
それでも、「球状藍銅鉱」や「頭つき紫水晶」など、前回採集できなかった標本
をいくつか採集し、産地を後にした。
ここは、日本でも有数の豪雪地帯とされ、来春まで産地への立ち入りは難しく
なる。
「尾去沢石」「ビーバー石」「シューレンベルグ石」など、今回も確認できなか
った。次回は、これらが採集できるように、”眼”を慣らしておきたい。
( 2006年10月採集 )
@石英粗面岩の裂罅を充填するもの
A凝灰岩中の裂罅を充填するもの
そして
B凝灰岩と頁岩の接触部に生成したもの
がある。
これらは、いずれも石英脈であるが、火成岩中に生成する鉱床は金の含有に比べ
硫化鉱物に乏しく、水成岩中に生成する鉱床は銀銅鉄鉛亜鉛などの硫化鉱物が多い。
三川鉱山には、「真名板坑」「宝坑」「本盤坑」「豊国坑」そして「八方坑」な
どの鉱床がありそれらの前には、ズリが広がっている。
産地西側、道路際の”第一ズリ”と東側で少し山に入った”第二ズリ”と呼ばれ
る2つのズリがあり、ここで採集する。
採集方法は、これらのズリの表面採集か鉱石を割っての2通りになります。ズリの
鉱石は粘土質の土にまみれているため、雨上がりなどタイミングを選ばないと良品
を探すことは難しく、かと言って無闇に鉱石を割るのも非能率で、採集方法の選択
には頭を悩ませる。
4.1 前回【2005年】採集品
2次鉱物 採集難易度は、◎:容易 ○:要(運+努力) △:難 |
色 | 鉱物名 | 化学式 | 産 状 | 採 集 標 本 | 採集 難易度 | 備 考 | 緑 | 孔雀石 (Malachite) | Cu2CO3(OH)2 | 緑色針状〜毛状結晶が 球状に集合したり 皮膜状で産する 球状のものの破断面は 放射状を示す。 | 球状集合体
| ◎ | 青 | ラング石 (Langite) | Cu4SO4(OH)6・2H2O | 帯緑色青色の 菱形板状結晶で 褐鉄鉱の上に生成 | △ | 亜鉛孔雀石 (Rosasite) | (Cu,Zn)2CO3(OH)2 | 光沢のある帯緑色青色の 球状で閃亜鉛鉱に伴って 産する。 | 抜け殻状閃亜鉛鉱の 上に生成 | ○ | 青鉛鉱 (Linarite) | PbCu(SO4)(OH)2 | 鮮やかな青色の 針状結晶の集合 結晶が微細なため ”シミ”のように 見える | ○ | 藍 (群青) | 藍銅鉱 (Azurite) | Cu3(CO3)2(OH)2 | 濃い青色 球顆状、針状結晶の 半球状集合体 稀に斜方板柱状自形結晶で 石英の空隙や褐鉄鉱の上に 晶出 | 自形結晶(3mm)
| ◎ | 自形結晶は稀 | 白 | 白鉛鉱 (Cerussite) | PbCO3 | ガラス光沢の 短柱状〜長板状結晶で 石英の隙間や硫酸鉛鉱に伴って 産する | ○ | 硫酸鉛鉱 (Anglesite) | PbSO4 | 方鉛鉱の周囲に白色〜灰色の 皮膜状あるいは土状で産する | ◎ | 茶〜黒 | 菱鉄鉱 (Siderite) | FeCO3 | 新鮮なときは緑黒色だが 次第に黒から茶褐色に変化 葉片状で湾曲した複雑な 結晶面を示す | 苦灰石と共生 | ◎ | 黄 | 菱亜鉛鉱 (Smithsonite) | ZnCO3 | 表面が淡緑黄色 内部が透明の 角の丸いサイコロ状や葡萄状で 小さな水晶の上に 見られる | ○ |
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4.2 今回【2006年】採集品
鉱物 | 色 | 鉱物名 | 化学式 | 産 状 | 採 集 標 本 | 採集 難易度 | 備 考 | 紫 | 紫水晶 (Amethyst) | SiO2 | 六角柱状 | ○ | 頭つきは稀 | 藍 (群青) | 藍銅鉱 (Azurite) | Cu3(CO3)2(OH)2 | 濃い青色 球顆状、針状結晶の 半球状集合体 稀に斜方板柱状自形結晶で 石英の空隙や褐鉄鉱の上に 晶出 | 球状に結晶集合(5mm) | ◎ | 自形結晶は稀 |
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(2)「尾去沢石」「ビーバー石」「シューレンベルグ石」など、今回も確認できな
かった。
次回は、これらが採集できるように、ミネラルショーなどで”眼”を慣らし
ておきたい。